離婚審判とは?調停不成立のどのような場合に認められる?

裁判・調停
離婚審判とは?調停不成立のどのような場合に認められる?

離婚はスムーズに成立すれば良いですが、一筋縄では行かないことも多いです。離婚の話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。

しかし、調停は調停委員を介して夫婦で話し合う方法ですので、必ずしも離婚が成立するとは限りません。離婚調停が成立しない場合、審判あるいは裁判に進みます。

基本的には裁判に進むことが多いですが、場合によって審判に進むケースもあります。これを調停に代わる審判といいます。

この記事では離婚調停のあと審判に進むのはどのようなケースなのか、また審判の流れや費用についても解説していきます。

目次
  1. 審判離婚とは?
  2. 審判離婚が利用されるケース
  3. 審判離婚に至る流れ
    1. 調停を申し立てる
    2. 調停での話し合いでほとんどの点で合意
    3. 調停成立が困難になる要因が発生する
    4. 裁判官による審判
    5. はじめから離婚審判の申し立ても可能
  4. 審判離婚の流れ
    1. 審判離婚の申し立て
    2. 審判後2週間
    3. 審判確定
    4. 必要書類の提出
  5. 審判離婚にかかる費用
    1. 申し立て費用
    2. 弁護士に依頼した場合
  6. まとめ

審判離婚とは?

離婚調停で離婚に合意できなかったとき、家庭裁判所が「離婚が相当である」と判断したときに裁判所の職権で離婚を決めることがあります。これを審判離婚といいます。

家事事件手続法 第284条 

家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判(以下「調停に代わる審判」という。)をすることができる。

審判離婚は裁判離婚と比較して、申し立ての手続きや費用の面でも負担の少ない方法です

さらに審判の手続きは一般公開されていないため、夫婦のプライバシーが守られた状態で手続きを行うことができます

審判離婚は利用されることの少ない離婚方法です。しかし、平成25年に家事事件手続法が施行されたことから審判離婚が急増しています。

例えば離婚件数全体に占める審判離婚の割合は、平成23年に0.03%であったにも関わらず、5年後の平成28年に0.25%になっています。

参考:政府統計の統合窓口「統計で見る日本

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審判離婚が利用されるケース

裁判離婚と比較して実施されることの少ない審判離婚ですが、どのようなケースで実施されているのでしょうか。

  • 離婚調停で合意できなかったが、調停で話し合った結果を踏まえて離婚を認めたほうが良い場合
  • 親権者指定など結論を急いでいる場合
  • 夫婦双方が離婚に納得しているが、財産分与や親権獲得で意見が合わず調停が成立しない場合
  • 夫婦のいずれかが個人的な理由で調停を引き伸ばしている場合
  • 申立人が調停の途中から行方不明になった場合

以上のようなケースで審判離婚が利用されています。いずれの場合も共通するのは、「夫婦が離婚することに合意していること」と「争っている内容が些細なこと」になります

離婚が成立しそうだというのに、ちょっとしたことで不成立になってしまい、訴訟を起こすのは当事者の負担が大きくなります。

こういった問題を回避するために審判をくだすことで離婚を認めているのです。審判離婚は、離婚を認める判断以外に養育費や慰謝料請求の際に利用することもできます。

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審判離婚に至る流れ

ここからは審判離婚に至る流れについて説明していきます。

調停を申し立てる

離婚審判は離婚調停が成立しないときに行うというのが一般的です。したがって、まず離婚調停を家庭裁判所に申し立てます。

調停での話し合いでほとんどの点で合意

審判離婚を行うには、離婚調停で話し合った結果、離婚することはもちろんほとんどの内容で合意が得られていることが必要です

調停成立が困難になる要因が発生する

ほとんど合意が得られているにも関わらず、離婚以外の話で揉め出したり、夫婦のいずれかが離婚調停に来なくなったような場合は調停が成立しにくくなります。

裁判官による審判

上記の状況になると、裁判官の職権で審判離婚の判断をくだします。

はじめから離婚審判の申し立ても可能

離婚は離婚審判からを始めることもできます。ただし、この場合は裁判所の判断で離婚調停に手続きを変え、離婚調停から始めるケースが多いです

審判離婚の流れ

審判離婚の流れ

審判離婚に至る流れを説明しました。ここからは審判離婚を申し立ててからの流れを説明していきます。

審判離婚の申し立て

審判離婚はまず審判申立書を家庭裁判所に提出し、所定の金額を支払うことで申し立てます。ただし、審判を申し立てるためには、以下のいずれかに該当することが必要です。

なお、下記①、②の別表第1、第2とは、家事事件手続法(家事法)における別表第1、第2を意味します。

  1. 別表第1事件:成年後見人選任や失踪宣告、子の氏の変更許可など
  2. 別表第2事件:婚姻費用分担請求や養育費、面会交流の請求など
  3. 一般調停事件:離婚問題や夫婦関係の調整など
  4. 特殊調停事件:親子関係不在確認、協議離婚の無効確認 など

上記のように、別表第1事件は当事者同士の話し合いで解決しない事件が該当します。つまり、別表第1事件に対して審判を行うことはできますが、調停を行うことはできません。

なお、家事事件手続法は家事事件の手続きに関する法律で、家事審判法に代わる法律として施行されたものです。具体的には家庭裁判所が管轄している家事調停と家事審判について規定しています。

審判後2週間

異議申し立て「即時抗告」が可能 審判が終了すると、家庭裁判所に対して申立人は審判確定証明申請書の提出、審判書謄本・審判確定証明の交付申請を行い、離婚届を提出します。

離婚届の提出については後述します。

審判離婚が成立しても審判の結果に不服があれば異議申し立てができます。これを即時抗告といいます。

異議申し立てをする際は、審判の結果がくだされて(審判書謄本を受け取って)から2週間以内に、審判に対する異議申立書と審判書謄本を家庭裁判所に提出します。

異議申立書は不服申立書や即時抗告申立書とも呼ぶこともあります。

異議申し立ては離婚の当事者のどちらかが行えば審判が失効します。つまり、自分が申し立てをしなくても相手が異議申し立てを行えば審判が失効するということです。

即時抗告するとどうなるか

審判結果に対して即時抗告を行うと、事件記録は家庭裁判所から高等裁判所に移ります。即時抗告の理由が妥当だと高等裁判所が判断すると、審判に代わる裁判を行います。

審判に代わる裁判は基本的に書面による審理が行われます。当事者は判断を覆すための主張や証拠を提出し、裁判所が再び審理を行うことになります。

即時抗告をしたからといって、必ずしも自分に有利な結果が出るとは限りません。審理内容によっては自分に不利な結果になることもあります。そのため、即時抗告する際は慎重に判断する必要があります。

審判確定

審判終了後、2週間以内に異議申し立てがない場合は審判確定となり、離婚が成立します。

必要書類の提出

審判で離婚が認められたからといって自動的に戸籍が変わるわけではありません。

そのため、審判離婚が成立した日から10日以内にお住まいの市区町村役場・役所に行き、以下の書類を提出する必要があります

  • 離婚届
  • 審判確定証明書
  • 審判書謄本
  • 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) ※提出先が本籍地ではない場合

これらは離婚届を提出する際に必要となる一般的な書類です。

必要となる書類は自治体によって変わることがあります。離婚届を提出する際は必ずお住まいの市区町村役場・役所に確認しましょう。

なお、離婚届の提出期限を過ぎた場合は過料と呼ばれる金銭的な制裁を受けることもあります。

審判離婚にかかる費用

ここからは離婚審判を申し立てる際に必要な費用や審判離婚を弁護士に依頼した際に発生する費用について説明していきます。

申し立て費用

審判を申し立てる際に必要な費用は2,000円程度で、内訳は以下となります。

  • 収入印紙代:1,200円 ※審判申立書に添付
  • 郵便切手代:1,000円前後 ※家庭裁判所によって異なる

弁護士に依頼した場合

離婚審判を弁護士に依頼する際、着手金成功報酬が必要になります。審判離婚を依頼した場合の弁護士費用は弁護士との話し合いで決めることができますが、金額相場は以下のようになっています。

  • 着手金:20~30万円程度
  • 成功報酬:30~50万円程度 ※慰謝料や財産分与などを獲得できた場合は獲得金額の10~16%程度が上乗せされます。

弁護士に依頼せず、法律相談のみを行った場合は30分5,000円程度の相談料がかかりますが、最近は初回相談無料という事務所も増えています。

また、弁護士費用は相談・依頼する弁護士や法律事務所によって変わります。必ず事前に確認しましょう

まとめ

審判離婚について説明しました。

審判離婚はあまり行われることがないため、得られる情報も少なく戸惑うこともあるでしょう。

調停が不成立に終わったり、審判離婚を考えたら法律のプロである弁護士に相談しましょう。審判離婚について弁護士に相談するなら、離婚に強い弁護士を選ぶことが重要です。

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