【石井龍一弁護士へのインタビュー】人の悩みは法律に乗らないものがたくさんある。依頼者の気持ちに寄り添い、法律に当てはめていくことが大切

弁護士を志したきっかけを教えてください

『親友に言われて気づいた自分の強み。強みを活かした仕事がしたくて弁護士に』

私の父は弁護士ですが、父の影響で弁護士を志したわけではありません。子供のころ、父が仕事をしているところを見たわけではないですし、大学も文学部に進学しています。

大学時代、親友と一緒にゼミで共同研究をする機会がありました。親友はとても頭がよくて尊敬していましたが、一緒に組むことがプレッシャーでもありました。案の定、親友からはいろいろなアイデアが沸いてきますが、自分はそれを聞き、文章にまとめることしかできませんでした。

ところが、それを見た友人から「すごくよくまとまっている。僕はこんなにうまく書けない」と言われたのです。尊敬する親友から褒めてもらえ、すごく嬉しくなりました。

人が話したことを文章にまとめ、それを誰かに伝える。自分にはそういう能力があるのではないかと思うようになりました。

弁護士といえば、依頼者の悩みを聞き、それをまとめて裁判所に提出したり、相手方と交渉するのが主な仕事です。弁護士なら自分の能力を活かせるのではないかと考え、志すようになりました。

理念や先生ならではの強みや特徴を教えてください

『心理学や教育学を活かし、依頼者の話を引き出し、気持ちに寄り添ったサポートが強み』

学生時代、文学部で心理学や教育学を勉強していました。弁護士の仕事は法律だけじゃなく、人間の心理や精神的な側面を踏まえなければ本当の解決とはなりません。

依頼者のお気持ちに寄り添い、お話を引き出したり、どういう考えを持っているのかというところを大切にしながらご相談を受けるように心がけています。

相談者様との関わり・法律問題の解決のために心がけていることはありますか

『人間の悩みは法律に乗るものだけではない。依頼者に納得してもらいながら裁判所に認めてもらえるよう調整することが大切』

依頼者の気持ちに寄り添うのはもちろんですが、それだけで問題が解決するわけではありません。極端な話ですが、裁判所はどの法律のどの要件を満たすのか、その要件を満たす事実は何かという点しか見ていません。そのため、どんな内容であっても必ず法律論に乗せる必要があります。

しかし、依頼者の悩みには法律に乗らないものがたくさんあります。それを大切にしながらも法律の要件に当てはまる事実を抽出するのが弁護士の仕事だと思っています。

いかに依頼者に納得してもらいながら進めていくか、裁判所に認めてもらうか、ということを調整しながら進めることを心がけています。

離婚問題でお悩みの方が弁護士を頼むより良いタイミングはいつと考えますか?

『違和感を感じたらすぐに相談を』

できるだけ早い段階でご相談いただくほうがいいですね。「こんなこと弁護士に相談していいいのかな」という段階でも気軽にお話を聞かせていただくほうがいいと思います。

離婚の場合、本人同士だけでなく、両家の争いになることもあります。両親同士の話し合いが進み、どうしようもなくなって相談に来られるケースも少なくありません。こうなると、拗れた糸をほどきながら整理する必要が出てきてしまいます。

DVのケースでは、「結婚は我慢するものだからこれが当たり前」「これが普通」と思い込んでいる被害者の方も少なくありません。

何年も我慢し続け、周りから諭されて初めて相談に来られる方もいます。自分のなかでどこまでが我慢でどこからが異常かという線引きがずれてしまうことがあるのです。ちょっとでも「これはどうなんだろう」と思ったらすぐ相談に来られるほうがいいと思います。

面会交流もできるだけ早い段階で弁護士に相談されるほうがいいと思います。

子供というのはどんどん成長していきます。初回の面会交流まで3か月、半年と空いてしまうと、「会えないのが当たり前」になってしまうことがあります。こうなってから面会交流を行おうとしてもうまくいかないことがあります。早めに相談され、早期に面会交流を実施されることでその後の面会交流を進めやすくなります。

面会交流は裁判所が強制的に実現させることはできません。将来を見据え、実現可能な交流の仕方を決める必要があります。

弁護士事務所の相談や利用に迷っている方にメッセージをお願いします

『気持ちを整理し、今度の進め方を見極めるためにも早めの相談を』

「どうしようかな」と漠然と考えている段階でもかまいません。できるだけ早い段階で弁護士に相談いただくほうがいいと思います。

どういう手続きをとればいいのか、解決までどのくらい時間がかかるのか、そういう具体的なことを早い段階で知ることで気持ちが整理され、今後どうするべきかというのを見極めていただけると思います。

座右の銘

落語家・立川談志の「落語とは人間の業の肯定である」です。落語は、どこか抜けた人やお酒ばかり飲んで失敗する人など「完璧じゃない人」が主人公になりますよね。でも、それを否定するのではなく、人間の弱いところや失敗(=業)を肯定するのが落語家だと言うのです。

そう考えると、弁護士の仕事も「人間の業の肯定」だと思います。極端な話で言うと、弁護士は犯罪者の弁護を行うこともあります。犯罪者はどこか人生で失敗をしているわけですが、それを否定するのではなく、法律で正当に裁き、その人の人格や人間性を肯定するのが弁護士です。

否定してしまったら始まらないようなことを「どうしてこんなことをしたのか」「過ちを繰り返さないためにはどうすればいいのか」を考えるのが弁護士の仕事だと思っています。

離婚や男女問題も、依頼者が「失敗」と捉えず、人生を再スタートするためにどうすればサポートできるかを考え、肯定するのが弁護士だと思っています。

趣味・休日の過ごし方・ストレスの発散方法

落語や音楽を聴くのが趣味です。最近はできていませんが、コンサートや寄席に行くのも好きですね。

音楽はクラシックとかジャズが好きです。クラシックといえば、「癒し」というイメージがあるかもしれませんが、ロックより激しいものも多いです。圧倒的なサウンドで聴いていると興奮します(笑)。

あと、電車に乗って旅行するのも好きです。缶ビール片手に好きな電車に乗り、何も考えずに移り行く車窓を眺めるなんて最高ですね(笑)。

おすすめの場所やもの

電車に乗って旅行するのが好きですが、観光地などではなく、人が少ないところもおすすめです。「知らないところに自分がいる」というのは新鮮でいいですよ(笑)。
対応地域:大阪,兵庫,京都 所在地:兵庫県神戸市中央区
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※紛争の実態やご依頼の実情に応じ、上記金額を増減額させて頂くことがあります
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