質問『婚姻費と養育費の相殺』と弁護士の回答
弁護士に質問する親権・養育費
タカラレ/40代/男性
2021/05/18
婚姻費と養育費の相殺
婚姻費を算定表の金額より多く払った場合離婚成立後に養育費と相殺する事は法律的に可能ですか?交渉になりますか?
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回答
- 2021/05/19はじめまして。
相殺を主張するためには、自分から相手に対して債権(金銭請求権)を有し、相手から自分に対しても債権(金銭請求権)を有している必要があります。
また、一定の債権については、相殺が禁止されており(民法560条、民事執行法152条1項1号)、養育費は残念ながら相殺することができない債権となります。
したがって、自分から相手に対して債権(金銭請求権)を有していても養育費との相殺はできません。
また、婚姻費用について、算定表は、あくまで裁判所が法的判断を出す際の資料として参照されるに過ぎず、算定表から算出される金額がどのような場合でも妥当であるということを担保するわけではありません。
そのため、算定表上の金額以上に婚姻費用を支払っていたからといって、その分を後から返還するよう求められるものではなく、相殺を主張するための債権が存在しないこととなります。
婚姻費用を算定表よりも多く支払っているというケースで、そのことを理由に養育費を減額したい場合は、上記を踏まえた上での交渉が必要となります。
交渉では、法的な請求が可能かどうかに加えて、相手方の性格や価値観、双方の時間的猶予、離婚に対する意向の程度、などを加味しながら交渉方法等を組み立てていくこととなります。
具体的な交渉方法は、弁護士によっても異なりますので、弁護士に実際に会われて判断することをお勧め致します。 - 対応地域:全国 所在地:京都府京都市中京区
- 最寄駅
- 京都市営地下鉄「丸太町駅」より徒歩7分
電話で問い合わせる通話無料0078-6008-0841営業時間:平日9:00-18:002021/05/18算定表は、裁判所が婚姻費用を定める際によりどころとしているものですが、
基準自体に法的拘束力はなく、裁判所が審判で決めたかあるいは調停で合意したといった事情によってはじめて拘束力が生じます。
よって、そういった事情がないまま算定表より高い婚姻費用を支払ったていたからと言って、
直ちに相手に返還義務が発生するわけではありません。
したがって、交渉が必要だと思います。
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