質問『特有財産は財産分与に値するのか(続き)』と弁護士の回答

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財産分与
らんらん/30代/女性
2020/09/27
特有財産は財産分与に値するのか(続き)
先ほどの続きで説明を追加させてください。
土地購入の時親からの生前相続で1000万を受取り、結婚前に旧姓で800万で土地を取得しました。残りの200万を新姓で家の費用に充てました。相続は特有財産だと認識しておりましたので、財産分与の対象にならないと思っておりましたら、夫が司法書士に確認したら、生前相続で買った土地も、残りの家に使った分も半分相手に財産分与請求できると言われたとのこと。これは本当なのでしょうか?
夫も結婚前の貯金を建物費用に充て、不足分200万を夫がローン完済しています。家の持分は夫8:妻2で、家を譲る代わりに土地代金の半分を請求とのことです。
司法書士の人は結婚前の妻の土地であっても財産分与対象で、購入時価格の半分がお互いの金額になると教えてくれたそうです。そうなると夫の言う建物8割を譲る代わりに土地代を半分請求というのもおかしいので、お互い持参した特有資産は関係なく、完成した金額の半分を財産分与請求できるということになるのでしょうか?
私と子供が住み続けるために支払う金額が莫大になり困っています。
そして売買金額(実勢価格)は評価額÷0.7ではなく、評価額÷0.65で計算してみえました。これも妥当なのでしょうか?
ちなみに養育費は一切今後受け取らないという話をしてもこのような半分財産分与を告げられたのですが、それも妥当なのでしょうか?
質問が多く申し訳ございません、頼れるところがなくお答えをお待ちしております。
それでは宜しくお願い致します。
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    両親が拠出した金銭によって購入されている不動産は,特有財産に当たります。
    両親が拠出したのが購入費用の一部であったとしても,その一部に相当する部分については,特有財産と言えます。

    夫の側も建物購入費用のうち200万円を婚姻前の貯金から支出しているとのことですので,その200万円相当額は,夫の特有財産に当たるでしょう。

    ただし,建物は時間の経過による評価額の減少がありますので,そのことは考慮に入れる必要はあります。

    例えば,購入時1000万円の建物でそのうち200万円を夫が婚姻前の自身の預貯金から拠出していたとします。財産分与基準時の建物の価値が購入時の半額の500万円まで下がってるとすれば,特有財産相当額も半額である100万円とすべきことになります(この辺りは,双方の主張の対立があり得るかもしれません。)。

    また,「結婚前から妻」の名義の土地があるのであれば,それは通常は特有財産に当たります。
    それが財産分与の対象,すなわち,夫婦共有財産によって購入されたものというためには,かなり特別な事情が必要だと思います。

    ですので,ご質問の事実関係を前提とする限り,夫側の司法書士さんの見解には,疑問があります。

    「評価額÷0.7ではなく…0.65」とあるのは,固定資産税評価額のことかと思います。
    ごく大雑把には,実勢価格×0.6~0.7が固定資産税評価額だと言われているので,0.7も0.65も大雑把な計算方法としては誤りとは言えません。
    不動産の評価額は,双方が合意さえできれば,どのような評価方法でも基本的には問題ありません。
    実務上は,不動産業者による簡易査定を参考にすることがあります。

    養育費を一切受け取らない,という話は,受け取らないのは妻なのか夫なのかは分かりませんが,養育費を受け取らない旨の合意は,夫婦間では有効であっても,その効力が子供にまで及ばないのではないか,という視点がありますので,注意が必要です。

    財産分与を巡る駆け引きの中で,全く制度趣旨の異なる養育費のことを引き合いに出すのは,一般的には行われないのではないかと思います。上記の通り,養育費を支払わない合意の有効性にも疑義がありますので,積極的にはお勧めし難いところがあります。
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