離婚を決意したきっかけ12選|タイミングや理由からわかる別れる夫婦傾向

基礎知識
弁護士監修

鈴木 健太

記事監修

鈴木 健太弁護士リトラス法律事務所

離婚を決意したきっかけ12選|タイミングや理由からわかる別れる夫婦傾向

「最近、夫(妻)と折り合いが合わなくなってきた。離婚は避けられないかもしれない」

そう思っても離婚が成立するのかわかりませんよね。実際、周りはどんなことをきっかけに離婚しているのでしょうか。

この記事では、離婚を考えたことがある人が離婚を決意したきっかけは何か、離婚を考えた理由から代表的なものを12個紹介します。

離婚が成立するかどうかは個別の事情によりますが、見通しを立てる際の参考にしてください。

目次
  1. パートナーからの愛情を感じなくなった
  2. 不倫された
    1. 不倫された側が離婚を決断する理由
  3. 自分が不倫をした
  4. 夫婦生活がすれ違うようになった(セックスレス)
  5. 配偶者が家事や育児に非協力的になった
  6. 家庭内暴力(DV)を振るわれた
  7. 束縛が酷くなり自由がなくなった
  8. 相手家族との関係悪化で精神的負担が増した
  9. 配偶者の収入に不満がある
  10. 配偶者に浪費癖がありお金が貯まらない
  11. 夫婦同等の生活水準が守られない
  12. 配偶者の隠し口座を見つけた
  13. 離婚する前に考えなければならないこと
  14. 子供の養育環境
  15. 住まいなどの生活環境
  16. 離婚を考え直せないかどうか
  17. まとめ

パートナーからの愛情を感じなくなった

パートナーからの愛情を感じなくなった

夫婦は家庭内の立場だけでなく、精神的な面でも対等であることが重要です。

「自分は相手のことを大切に思っている、愛している。それなのに配偶者からはまったく愛情を感じられない」

このような状態が続けば一緒に生活していても虚しくなってしまいます。

例えば、女性側が妻としてではなく「子供の母親」としか扱われていないと感じるケースです。

子供を産み母親になっても女性であることに変わりはありません。それなのに夫から女性として扱われなくなると悲しくなるでしょう。

また、「業務連絡以外の会話がない」というケースも多くあります。

あなたが相手のことをいろいろ知りたい、理解したい、力になりたいと思っても、相手が胸の内を明かさなければ信頼関係は築けません。

「自分への対応が冷たい」というケースもあります。

夫婦として触れ合いたい、甘えたいと思っても、目を合わせなかったり、話を反らされたり…そんな生活が続けばストレスも溜まります。

配偶者への愛情がなくなったことを自覚したときも離婚を考えるきっかけになります。愛情を感じない相手と四六時中一緒にいるのはつらいものです。

なお、愛情を感じなくなったことは離婚を考えるきっかけになりますが、相手の同意がなければそれだけの理由で離婚が成立するわけではありません。

不倫された

不倫された

不倫とは既婚者が配偶者以外の者と肉体関係を持つことです。一般的には不倫という言葉がよく使われますが、法律用語では不貞行為と言います。

配偶者が不倫(不貞行為)をした場合は法的に離婚が認められます。ただし、不倫されたからといって、不倫をされた側が「即離婚!」と思うかはケースバイケースのようです。

子供の有無や家庭の状況にもよりますが、配偶者が家にきちんとお金を入れていて家庭を壊すようなことがないなら、「離婚すると経済的に苦しくなるから不倫は目をつぶろう」という打算的な考え方もあるようです。

では、不倫された結果、離婚にいたるケースにはどのようなものがあるのでしょうか。

不倫された側が離婚を決断する理由

不倫された側が離婚を決断する理由は「不倫が許せないから」でしょう。特に子供がいなかったり、自分ひとりの稼ぎで生活できたりする場合、離婚へのハードルが低くなります。

不倫をされ、傷ついたまま生活するくらいなら早いうちに離婚して新しい人生を踏み出したほうが良いと考えるのも自然なことでしょう。

次に子供がいる夫婦で、夫が不倫をした場合を想定します。

子供がまだ幼い場合、両親の離婚は子供に大きな影響をおよぼします。また教育方針によっては子供の養育に莫大なお金が必要になります。

子供に手がかかるうちは夫より子供に意識が向くため、不倫をした夫のことはあまり気にならないこともあります。

しかし、子供が就職や結婚などで独り立ちし、夫と2人の生活になったとします。

これまで子供がいたから気が紛れていたものの、真正面から夫と向き合う日々が始まるわけです。

不倫をしていたことを妻が知っているなど、夫は思いもしません。

また、自分が過去に不倫をしていたこと自体忘れてしまい、妻に対して平気で横柄な態度を取ることもあります。

特に子供が独り立ちする頃になると夫は管理職に昇進していることも多く、家での態度が大きくなることがあります。

「不倫されたのに横柄な態度を取られる…こんな生活が死ぬまで続くのか…」 そう思うと嫌気が差します。

すでに子供は独り立ちしていますから我慢して結婚生活を続ける理由もありません。不倫された側はこうして離婚を考えるようになるのです。

自分が不倫をした

自分が不倫をした

不倫をした側が離婚を決意するということもあります。

例えば配偶者よりも不倫相手のことを好きになった、不倫相手との子供を妊娠した、不倫相手に離婚するよう迫られたなどが主な理由です。

なお、有責配偶者からの離婚請求は認められないのが一般的です。そのため、不倫した側から離婚を請求しても離婚できるとは限りません。

夫婦生活がすれ違うようになった(セックスレス)

夫婦生活がすれ違うようになった(セックスレス)

セックスレスも離婚を考えるきっかけになります。セックスレスと一口にいってもさまざまなケースがあります。

セックスレスは法定離婚事由にある「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性があります。

ただし、実際にはセックスレスというだけで離婚が認められることは難しく、それによって婚姻関係が破綻しているかどうかがポイントになります。

なお、セックスレスに陥るパターンには以下のようなものがあります。

  • 不倫(浮気)相手がいる
  • 生理的に配偶者を受け付けなくなった
  • 性的不能(ED)
  • 病気でセックスできる状況ではない
  • 出産後、妻を性的に見ることがなくなった など

配偶者が家事や育児に非協力的になった

配偶者が家事や育児に非協力的になった

共働き夫婦の場合、どちらが家事をやるのか、またどちらが何の家事をどれだけやるかなどで揉めることが多いです。

共働き夫婦が家事で揉めやすいケースには以下のようなものがあります。

  • 一方だけが家事をする
  • 家事を分担しても機能していない
  • 家事は分担できても育児は分担できていない など

一方、専業主婦の場合でも家事や育児を丸投げされることや、家事をやることを当たり前と思われて労いの言葉がないことで不満が募り、離婚を考えることもあります。

家事や育児を丸投げされたことで離婚を考える理由には以下のようなものがあります。

  • ケンカが絶えない
  • 1対1の育児による孤独感
  • 体力が持たない
  • 家事(育児)に夫が非協力的なため愛情が薄れる など

家庭内暴力(DV)を振るわれた

家庭内暴力(DV)を振るわれた

家庭内暴力(DV)も離婚を考えるきっかけになります。

家庭内暴力(DV)といえば、殴る・蹴るなどの身体的暴力だけと思われがちですが、ほかにも以下のようなものがあります。

  • 身体的DV
  • モラルハラスメント
  • 経済的暴力
  • 性的暴力 など

束縛が酷くなり自由がなくなった

束縛が酷くなり自由がなくなった

配偶者からの束縛が酷く、自由に振る舞うことができなくなることも離婚を考えるきっかけの1つです。離婚を考えるほどの束縛には以下のようなものがあります。

  • 連絡することが義務
  • 誰とどこにいるか常に把握される
  • 門限がある
  • 異性との関わりを禁止される
  • 飲み会などの付き合いを禁止される など

相手家族との関係悪化で精神的負担が増した

相手家族との関係悪化で精神的負担が増した

離婚を考えるきっかけは自分たち夫婦の事情だけではありません。配偶者の家族との関係性も離婚を考えるきっかけになりえます。

例えば、配偶者の家族からの暴言や暴力で離婚を考えることもあります。特に嫁姑関係が悪化すると夫婦関係に亀裂が入ることが多いです。

嫁姑問題が離婚に発展するケースとして、夫からの理解が得られないことや、夫が問題解決に協力的でないケースといったものがあります。

配偶者の収入に不満がある

配偶者の収入に不満がある

与信管理ASP・クラウドサービス事業の「リスクモンスター株式会社」が20~49際の既婚女性を対象に「離婚したくなる亭主の仕事」という興味深い調査を行いました。

その結果、夫の仕事に不満を感じて離婚を考える人は夫の年収が低いケース(低所得者層)で多くなることがわかりました。

「夫より妻の収入が多い夫婦は離婚しやすい」という話を聞いたことはありませんか?もちろん、これは正確なデータがあるわけではなく、あくまで噂レベルです。

何等かの事情で夫と離婚したいと思っても経済的な事情によって思いとどまる人もいます。

しかし、夫より自分の収入のほうが多ければ夫に頼る必要もないわけですから、離婚を切り出しやすくなるということは容易に想像がつくでしょう。

参考:リスクモンスター株式会社「第8回『離婚したくなる亭主の仕事』調査(https://www.riskmonster.co.jp/study/research/pdf/20210202.pdf)」※1

配偶者に浪費癖がありお金が貯まらない

配偶者に浪費癖がありお金が貯まらない

令和2年の司法統計によると、離婚申立ての理由に「夫(妻)の浪費」を挙げる人は男女とも10%程度いることがわかっています。

配偶者の浪費によって借金を抱えることだってあります。

通常、ギャンブルや趣味、結婚前の借金など夫(妻)の個人的な借金は妻(夫)に返済義務はありません。

しかし、お金が貯められなければ理想の将来を思い描きにくくなりますし、金銭感覚の違いによって夫婦仲が悪くなることもあります。

なお、夫婦が日常生活を送るうえで発生した借金は配偶者も返済義務を負います。

参考:裁判所「家事令和2年度 19 婚姻関係事件数―申立ての動機別 全家庭裁判所(https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/253/012253.pdf)」※2

夫婦同等の生活水準が守られない

夫婦同等の生活水準が守られない

民法では夫婦は同居し、互いに同等の生活水準を保つために助け合う義務があります。これを生活保持義務と言います。

民法 第752条
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

夫婦には生活保持義務がありますから、夫がまったく、または少額しか生活費を入れない場合は法定離婚事由の「悪意の遺棄」として離婚が認められる場合があります。

配偶者の隠し口座を見つけた

配偶者の隠し口座を見つけた

夫(妻)のへそくり用の隠し口座の存在を知って夫婦関係に亀裂が入ることもあります。

へそくりは浪費ではありません。そのため、なぜ夫婦関係に亀裂が入るのか疑問に思うかもしれません。

問題は何の目的でへそくりをしているのか、そのとき家庭はどういう状況だったかです。

妻(夫)が少ない収入のなかで家計をやりくりしている一方、夫(妻)がへそくりを作っていた場合やお金の出所や目的によっては夫婦関係に亀裂が入ることもあります。

一方、すでに離婚の話し合いが進んでいる場合、財産分与から逃れるために隠し口座を作るケースもあります。

離婚では婚姻中に築いた共有財産を夫婦で公平にわけることになります。

そのため、収入が多い側は自分の資産を配偶者に取られないために隠し口座を作ることがあるようです。

一般的には夫の収入のほうが多いため、夫が隠し口座を作ることが多いようです。

離婚する前に考えなければならないこと

離婚する前に考えなければならないこと

ここまで説明したように、離婚を考えるきっかけはいろいろあります。ただし、離婚を考えたからといって、いきなり離婚を切り出してはいけません。

離婚を切り出す前に考えるべきことをについて詳しく見ていきます。

子供の養育環境

子供の養育環境

子供を持つ夫婦は親権者を決めなければ離婚できません。 親権者指定は離婚問題のなかでも非常に揉めやすい傾向があります。

両親が自分のことで揉める姿を見るのは子供にとって耐えがたいものです。

また、離婚後、子供は親権者と生活することになるため、姓の変更や転校など余儀なくされることがあります。

両親の離婚は子供にとってはストレスですが、環境の変化や周りの反応によってストレスが増幅される可能性もあります。

一方、離婚後、親権を持たない親(非監護親)は親権者に対して養育費を支払う必要がありますが、未払いとなるケースも少なくありません。

養育費の未払いが続けば、将来的に子供が困窮する恐れもあります。

離婚はあくまで夫婦間の問題です。そのため、子供を持つ夫婦が離婚する際は子供のことを最優先に考える必要があります。

子供にとってどちらと一緒に暮らすのが幸せか、現在の環境をできるだけ変えずに済む方法はないか、離婚後に子供が困窮しないためにはいくら必要かなどをしっかりと考え、慎重に判断しましょう。

住まいなどの生活環境

住まいなどの生活環境

離婚するなら、離婚後に自分が家を出るのか、それとも相手が家を出て自分は今の家に残るのかを考えておく必要があります。

家を出る場合は、どこに住むのか、子供がいる場合は子供も含めて経済的に生活していけるのか、専業主婦の場合は仕事の目途があるかなども考えておく必要があります。

離婚を考え直せないかどうか

離婚を考え直せないかどうか

実際に離婚を切り出す前に、本当にやり直すことはできないか、すぐに離婚しなければならないか、離婚について考え直す余地がないかどうかを冷静に考えてみましょう。

ここまで説明したように離婚を考えるにはきっかけや理由がありますが、離婚を考え直すのもきっかけや理由があります。

「私はあなたの〇〇でこれだけ辛い思いをしている」ということを配偶者に伝え、配偶者の言葉や行動に変化が見られるかどうか様子を見て判断するのも1つの方法です。

また、両親の離婚は子供にとって大きなストレスとなります。子供が離婚に反対した場合は、子供のことを第一に考えて考え直すことも大切です。

まとめ

離婚のきっかけや理由として代表的なものを説明しました。

「折り合いが悪いから」といってすぐに離婚を切り出すべきではありません。

本当にやり直す余地はないのか、離婚後の子供や生活はどうなるのかなど、総合的に考える必要があります。

離婚すべきかどうか迷ったら、離婚問題に強い弁護士に相談すると良いでしょう。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を多数掲載しています。

実際に依頼するかどうかは相談してから決めることもできますので、ぜひお役立てください。

※1リスクモンスター株式会社「第8回『離婚したくなる亭主の仕事』調査
※2裁判所「家事令和2年度 19 婚姻関係事件数―申立ての動機別 全家庭裁判所

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鈴木 健太

鈴木 健太弁護士

リトラス法律事務所

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