親が離婚した子供の離婚率|子供も離婚しやすくなる理由と解決策とは

基礎知識
弁護士監修

鈴木 健太

記事監修

鈴木 健太弁護士リトラス法律事務所

親が離婚した子供の離婚率|子供も離婚しやすくなる理由と解決策とは

「親が離婚すると子供の離婚率が上がる」と言われることがあります。実際、「親の離婚が子供の離婚率を上げる」という研究論文もあります。

一方、親の離婚を経験していても幸せな結婚生活を送っている子供もいます。

「離婚したいけど、子供に同じような経験をしてほしくない」親ならそう思うのは当然です。

この記事では、親が離婚するとなぜ子供の離婚率が上がると言われるか、子供への影響少しでも減らす方法について解説します。

目次
  1. 親が離婚するとなぜ子供の離婚率が上がるのか
    1. 夫婦の絆や愛情が信じられない
    2. 離婚に対するハードルが低くなる
    3. 父親(母親)のイメージが悪くなる
  2. 親の離婚は子供にどのような影響を与えるのか
    1. 子供に悲しい思いやショックを与える恐れがある
    2. 生活水準・経済状況が苦しくなる可能性がある
    3. 別居親と自由に連絡できなくなる傾向がある
    4. 精神面が不安定になることがある
    5. 親が考える以上に子供は親の離婚を冷静に受け止めている
  3. 子供の離婚率を下げるためには
    1. 離婚時の子供の年齢について
    2. 離婚を伝えるタイミング
    3. 嘘をつかない
    4. 離婚は子供のせいではないことを伝える
    5. 離婚しても子供を愛していることを伝える
    6. 父親(母親)の悪口を言わない
  4. 離婚率を下げるために無理に結婚生活を続けるのは逆効果の場合も
  5. まとめ

親が離婚するとなぜ子供の離婚率が上がるのか

親が離婚すると子供の離婚率が上がる理由については以下のようなものが考えられています。詳しく見ていきましょう。

夫婦の絆や愛情が信じられない

両親の離婚を経験した子供は、夫婦の関係が壊れていく様子を見ています。

永遠の愛を誓って結婚したはずの夫婦の仲に亀裂が入り、離婚していく様子を見ることで、「夫婦の絆なんて信用できない」「永遠の愛なんて存在しない」などと思うことがあるようです。

離婚に対するハードルが低くなる

女性が離婚をためらう理由に「離婚したら経済的にやっていけない」というのがあるでしょう。

しかし、母子家庭で育った女性の場合、女手一つで子供を育てた母親を見て育ちますから、「離婚してもやっていける」「嫌なら離婚すれば良い」と考えることがあるようです。

父親(母親)のイメージが悪くなる

母子家庭の場合、母親が子供に父親の悪口を言い続けることで、父親のイメージが悪くなることがあります。

これは、DVやモラハラ、不倫などの離婚理由が父親側にある場合により顕著になります。

また、父親がいない環境で育つことで父親の存在価値を見出せなくなることがあります。これらは、母子家庭だけでなく父子家庭の場合も同様です。

親の離婚は子供にどのような影響を与えるのか

親の離婚は子供にどのような影響を与えるのか

親の離婚は子供にどのような影響を与えるのでしょうか。

令和3年に法務省が公開した「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書」に基づき、下記5つの内容に絞って解説します。

  • 子供に悲しい思いやショックを与える恐れがある
  • 生活水準・経済状況が苦しくなる可能性がある
  • 別居親と自由に交流ができなくなる傾向がある
  • 精神面が不安定になることがある
  • 親が考える以上に子供は親の離婚を冷静に受け止めている

なお、回答者の属性は20~30代(平均年齢約30歳)の男女1,000名となります。

参考:法務省「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書(https://www.moj.go.jp/content/001343837.pdf)」※1

子供に悲しい思いやショックを与える恐れがある

「父母の別居時の状況を覚えていますか」という問いに対し、「覚えている」と回答した609人を対象に、親の離婚・別居当時にどのような気持ちだったかを質問した結果が以下です(Q13_2)。※複数選択可

両親が別居した当時の気持ちについて 各選択肢の選択率(%)
悲しかった 37.4
ショックだった 29.9
特になし 18.2
将来に不安を感じた 16.1
ホッとした 14.3
経済的な不安を感じた 11.2
状況が変わることが嬉しかった 11.0
割り切れなかった 10.2
怒りを感じた 9.5
恥ずかしかった 7.4
自暴自棄になった 6.1
その他 2.6

「悲しかった(37.4%)」「ショックだった(29.9%)」というネガティブな感情を抱いていた方が多い結果となりました。

一方、「ホッとした(14.3%)」「状況が変わることが嬉しかった(11%)」という、ポジティブな感情を抱いた方も一定数いることがわかります。

また、「将来に不安を感じた(16.1%)」「経済的な不安を感じた(11.2%)」の割合も少なくなく、親の離婚を俯瞰で見ていることがわかります。

生活水準・経済状況が苦しくなる可能性がある

本調査では、両親の離婚による金銭面の生活状況への影響についても質問しています(Q18)。※単一回答

金銭面の生活状況への影響 回答率(%)
別居により、生活水準・経済状況は苦しくなった 20.4
別居により、生活水準・経済状況は若干苦しくなった 20.1
別居により、生活水準・経済状況はほとんど変わらなかった 24.4
別居により、生活水準・経済状況はむしろ好転した 7.3
わからない 27.8

 

金銭面の生活状況への影響

「苦しくなった(20.4%)」「若干苦しくなった(20.1%)」を合わせると、半分近くの子供が金銭面での生活状況が苦しくなったと回答しています。

離婚後も親子関係は続きます。そのため、別居親には養育費の支払い義務があります。

本調査では、別居親が養育費について取り決めをしていたかについても質問しています(Q19)。※単一回答

両親が養育費の取り決めをしていたか

両親が養育費の取り決めをしたかどうかを把握していた人のうち、「取り決めがなかった(29.8%)」と回答した人のほうが「取り決めがされていた(24.6%)」と回答した人より多い結果でした。

続いて、離婚・別居後の養育費の支払い状況について質問した結果以下です(Q20)。※単一回答

離婚・別居後に別居親が養育費を支払っていたか

数字の高い順に「支払い状況はわからない(43.5%)」「全く支払われていなかった(18.9%)」と続きます。一方、「きちんと支払われていた」と回答したのは16.8%でした。

「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、母子家庭のうち養育費を受け取ることができているのは28.1%という結果でした。

養育費の未払い、またひとり親家庭の貧困が深刻であることが浮き彫りになりました。

別居親と自由に連絡できなくなる傾向がある

本調査では、子供と別居親が自由に連絡をとれたかどうかについて、離婚後と離婚から2、3年後についてそれぞれアンケートを取っています(Q23_1、Q23_2)。※単一回答

別居親と自由に連絡がとれたか 回答率(別居直後)(%) 回答率(別居から2,3年後)(%)
いつでも連絡をとれた 35.8 35.1
同居親に言えば、連絡がとれた 16.3 16.8
自由に連絡をとることはできなかった 19.5 18.7
連絡をとりたくなかった 28.4 29.4

 

別居親と連絡が取れたか(別居直後)

別居親と連絡が取れたか(別居から2,3年後)

離婚直後と離婚から2,3年後で連絡の取りやすいさに大きな変化は見られませんでした。

また、いつでも連絡をとれた人は35%強、「自由に連絡をとることはできなかった」「同居親に言えば、連絡がとれた」人をあわせると35%強ですので、自由に連絡を取れた人と取れなかった人はほぼ同数という結果です。

なお、本調査では、離婚後の別居親との交流について子供が自分の希望や意見を伝えたかについてもアンケートを取っています(Q24_2A) 。※単一回答

別居親との交流の取り決めについて自分の希望や意見を伝えたか

上記から、「本心を伝えた」と回答したのは4割に満たない結果となりました。

「伝えたが、本心ではなかった」「意見・希望はあったが伝えていない」を合わせると44.3%ですので、本心を伝えられた子供より伝えられなかった子供のほうがやや多い傾向があります。

離婚後の面会交流については、子供の気持ちに十分配慮して取り決めを行う必要があります。

精神面が不安定になることがある

両親の離婚・別居後、子供の生活にどのような変化があったかについてもアンケートを取っています(Q30_2)。※複数選択可

生活にどのような変化があったか 各選択肢の選択率(%)
いずれもなし 48.0
家族関係を周りに話すのが恥ずかしかった 19.3
自立心・独立心が強くなった 12.3
家族でのイベント(旅行等)がなくなった 12.0
生活のリズムに乱れが生じた(昼夜逆転) 8.5
不登校(学校や保育園などに行けなくなった) 7.9
精神的に強くなった 7.2
悪いことをした 6.7
困難なことがあっても挫けなくなった 6.7
ひきこもり 5.7
人付き合いがうまくなった 5.5
不良仲間と遊んだ 4.2
自殺を図った 4.1
家庭内暴力(家族にあたり散らす) 3.2
その他 1.0

「いずれもなし」と回答したのが48%と最も多く、約半数を占めます。次いで、「家族関係を周りに話すのが恥ずかしかった(19.3%)」、「自立心・独立心が強くなった(12.3%)」と続きます。

しかし、「生活のリズムに乱れが生じた(昼夜逆転)(8.5%)」「不登校(学校や保育園などに行けなくなった)(7.9%)」「悪いことをした(6.7%)」「ひきこもり(5.5%)」と、それぞれの選択率は低いものの、生活面への影響が懸念される回答もあります。

両親の離婚をどう受け止めるかについては、各家庭の状況や子供の性格にもよりますが、子供の精神面が不安定になる可能性もあるため、十分な配慮が必要です。

親が考える以上に子供は親の離婚を冷静に受け止めている

離婚のことを「子供にはわからないだろう」と考える方も少なくありません。

本調査では、両親の別居時のことについて、「何が起こっているか理解していたか」についてもアンケートを取っています(Q13_1)。※単一回答

両親の別居時に何が起こっているか理解していたか

上記のとおり、66.3%の人が両親の離婚・別居について理解していたことがわかります。

また、両親の別居前の家庭内の状況について「覚えている」と回答した672名に対して「別居前に、両親が不仲であることを知っていたか」ということについてもアンケートを取っています(Q8_1)。※単一回答

別居前に両親の不仲を知っていたか

上記のとおり、「知っていた(42.3%)」「薄々感じていた(38.5%)」と、8割以上の人が両親の不仲を感じていたことがわかります。

では、実際に親の離婚を経験した子供は、どう考えていたのでしょうか(Q34)。※単一回答

振り返ってみて思うこと それぞれの回答率(%)
特になし 44.7
父母にも自分にもよかった 28.3
父母にとってはよかったが、自分にとってはよくなかった 14.0
父母にも自分にもよくなかった 9.3
父母にとってはよくなかったが、自分にとってはよかった 3.7

今振り返ってみて両親の離婚・別居をどう思うか

上記のとおり、「特になし(44.7%)」「父母にも自分にもよかった(28.3%)」と否定的な感情を持っている人のほうが少ない結果でした。

子供の離婚率を下げるためには

子供の離婚率を下げるためには

両親が離婚したからといって必ず子供が離婚するとは限りません。親の人生と子供の人生は別のもの。気にしすぎるのは禁物です。

ただし、親の離婚は少なからず子供に影響をおよぼします。子供への影響を減らし、離婚率を下げるためにできることを紹介します。

離婚時の子供の年齢について

子供の年齢別に親の離婚がどう影響するかを解説します。

乳幼児期(0~2歳)の場合

乳幼児期(0~2歳)の子供は、母親の愛情が不十分だと精神的に不安定になる傾向があると言われています。

乳幼児の親権者は母親となるケースがほとんどですが、離婚して女手一つで育てるとなると、外で働き、子育てにかける時間が減ってしまいます。

DVやモラハラなど夫が有責配偶者である場合などは「子供に父親の記憶が残らないうちに離婚しよう」と考えることもあります。

もちろん、状況によっては一刻も早く離れたほうが良いケースもあります。 どのような場合もできるだけ子供と過ごす時間を作るように心がけましょう。

3~6歳の場合

3歳以降になると、子供は自分に父(母)親がいないことや周囲の家庭と違うことに気づきます。どうして自分には父(母)親がいないのかということを聞いてくることもあります。

大人が考える以上に子供は大人の出方も見ています。「本当のことはもっと大きくなってから話せば良い」と考え、嘘をついたり、適当に胡麻化したりすれば却って傷つけてしまう可能性があります。

子供の気持ちを配慮し、真剣に向き合いましょう。

7~18歳の場合

7歳以降になると、子供の性格によって両親の離婚を受け入れられるタイプかそうでないかにわかれます。

離婚後、親権者は生活費を稼がなければならず、子育てに十分な時間を確保することが困難になります。

両親の離婚を受け入れにくいタイプの子供の場合、寂しさや不安といった自分の気持ちを吐き出す場所も見つからず、精神的に不安定になってしまう恐れがあります。

一方、両親の離婚を抵抗なく受け入れられるタイプの子供は一時的に戸惑いつつも、家庭とは別のコミュニティや趣味に打ち込むなど、環境の変化に順応する可能性があります。

自分の子供の状況や性格などを総合的に鑑み、両親が揃っているほうが良いか、経済的に支えていけるのかなどを判断しましょう。

離婚を伝えるタイミング

離婚を伝えるタイミング

「子供が高校を卒業するまで」「成人するまで」など、本当は今すぐ離婚したいけれど、子供への影響を考慮して離婚するのを我慢する人もいます。

離婚件数は3月が最も高くなる傾向があります。

これは、子供への影響を考え、「学年が変わる(または卒業の)タイミングで離婚したほうが良いだろう」という配慮も一定程度含んでいると考えられます。

また、離婚によって転校する必要がある場合は特に子供への影響が大きくなります。「両親の離婚」に加え、「転校」と聞けば子供は激しく動揺するでしょう。

離婚によって子供の転校が必要になる場合は子供の性格や学校での状況などを鑑み、極力影響が少ない時期を選んで伝えることが重要です。

嘘をつかない

離婚を子供に伝える際は絶対に嘘をついてはいけません。

「まだ小さいから」「理解できないだろう」などと考え、「パパは死んじゃったの」「お仕事で遠くにいっちゃった」などと嘘をついてしまうと、嘘がバレたときに子供は深く傷つきます。

また、嘘をついた親はもちろん、人を信じられなくなってしまう恐れがあります。

離婚を子供に伝える際は、伝えるタイミングや伝え方に注意し、事実を伝えることが大切です。

離婚は子供のせいではないことを伝える

親が離婚すると、子供は「自分のせいで離婚したのではないか」と思うことがあります。

「離婚はあくまで夫婦の問題」「あなたのせいで離婚するわけでない」と子供に伝えることが大切です。

離婚しても子供を愛していることを伝える

親が離婚すると、「自分は親から捨てられた」と考えることがあります。

基本的に子供は両親のどちらからも愛されたいと考えています。「離婚しても親子であることは変わらない」「二人の大切な子供である」ということをしっかり伝えましょう。

父親(母親)の悪口を言わない

離婚して離れて暮らすことになっても、子供の親であることに変わりはありません。相手の悪口を言うことで、自分が否定されたように感じる子供もいます。 ま

た、悪口を聞いて父親(母親)のイメージが悪くなることは子供のためにも良くありません。

離婚率を下げるために無理に結婚生活を続けるのは逆効果の場合も

離婚率を下げるために無理に結婚生活を続けるのは逆効果の場合も

両親の離婚は子供の離婚率を上げるなど、子供に何らかの影響をおよぼします。

しかし、夫婦間に問題があるにも関わらず、子供への影響を考えて無理に結婚生活を続けるのは、かえって逆効果となることがあります。

子供は敏感です。会話や雰囲気などから両親の微妙な関係性を感じ取ります。「両親が不仲になり、我慢しているのは自分のせいだ」と思い込みこともあります。

また、DVやモラハラ現場を見て育った子供は精神的に不安定になるとも言われています。

安易に離婚するのは考えものですが、無理して結婚生活を続ければ良いというわけでもありません。

まとめ

両親の離婚は少なからず子供に影響をおよぼします。しかし、我慢して結婚生活を続ければ良いというものでもありません。

「親は親、子供は子供」と考え、あまり気にしすぎないことも大切です。離婚を選んだ場合は子供の態度や言動に気を配り、愛情を注ぐように心がけましょう。

子供を連れて離婚するなら離婚後の生活のことも十分に考えましょう。離婚問題に強い弁護士なら親権や養育費など子供のことを踏まえたアドバイスをしてもらえます。

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※1 法務省「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書

記事監修の弁護士

鈴木 健太

鈴木 健太弁護士

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