親が離婚した子供の離婚率|子供も離婚しやすくなる理由と解決策とは

「親が離婚すると子供の離婚率が上がる」と言われることがあります。実際、「親の離婚が子供の離婚率を上げる」という研究論文もあります。
一方、親の離婚を経験していても幸せな結婚生活を送っている子供もいます。
「離婚したいけど、子供に同じような経験をしてほしくない」親ならそう思うのは当然です。
この記事では、親が離婚するとなぜ子供の離婚率が上がると言われるか、子供への影響少しでも減らす方法について解説します。
- 目次
親が離婚するとなぜ子供の離婚率が上がるのか
親が離婚すると子供の離婚率が上がる理由については以下のようなものが考えられています。詳しく見ていきましょう。
夫婦の絆や愛情が信じられない
両親の離婚を経験した子供は、夫婦の関係が壊れていく様子を見ています。
永遠の愛を誓って結婚したはずの夫婦の仲に亀裂が入り、離婚していく様子を見ることで、「夫婦の絆なんて信用できない」「永遠の愛なんて存在しない」などと思うことがあるようです。
離婚に対するハードルが低くなる
女性が離婚をためらう理由に「離婚したら経済的にやっていけない」というのがあるでしょう。
しかし、母子家庭で育った女性の場合、女手一つで子供を育てた母親を見て育ちますから、「離婚してもやっていける」「嫌なら離婚すれば良い」と考えることがあるようです。
父親(母親)のイメージが悪くなる
母子家庭の場合、母親が子供に父親の悪口を言い続けることで、父親のイメージが悪くなることがあります。
これは、DVやモラハラ、不倫などの離婚理由が父親側にある場合により顕著になります。
また、父親がいない環境で育つことで父親の存在価値を見出せなくなることがあります。これらは、母子家庭だけでなく父子家庭の場合も同様です。
親の離婚は子供にどのような影響を与えるのか
親の離婚が子供におよぼす影響は離婚率だけではありません。以下で詳しく見ていきます。
精神的に不安定になりやすい
親が離婚すると、「父親(母親)は自分を捨てた。また捨てられるかもしれない」と考え、子供が情緒不安定になったり、自己肯定感を持てなくなる傾向があります。
また、不安を紛らわせるためにギャンブルやアルコール、恋愛などに依存することもあります。
自分を大事にできない
両親の離婚により自己肯定感を持てなくなると、周りの目を気にして自分を押し殺したり、「自分は何をやってもうまくいかない」と投げやりになることがあります。
人やものへの愛情がなくなる
両親の離婚によって、人やものへの愛情がなくなることがあります。
愛情は男女間のものだけではありません。しかし、最も身近な存在である両親が離婚することで、愛情そのものに疑問を抱き、何かを愛することができなくなるようです。
子供の離婚率を下げるためには
両親が離婚したからといって必ず子供が離婚するとは限りません。親の人生と子供の人生は別のもの。気にしすぎるのは禁物です。
ただし、親の離婚は少なからず子供に影響をおよぼします。子供への影響を減らし、離婚率を下げるためにできることを紹介します。
離婚時の子供の年齢について
子供の年齢別に親の離婚がどう影響するかを解説します。
乳幼児期(0~2歳)の場合
乳幼児期(0~2歳)の子供は、母親の愛情が不十分だと精神的に不安定になる傾向があると言われています。
乳幼児の親権者は母親となるケースがほとんどですが、離婚して女手一つで育てるとなると、外で働き、子育てにかける時間が減ってしまいます。
DVやモラハラなど夫が有責配偶者である場合などは「子供に父親の記憶が残らないうちに離婚しよう」と考えることもあります。
もちろん、状況によっては一刻も早く離れたほうが良いケースもあります。 どのような場合もできるだけ子供と過ごす時間を作るように心がけましょう。
3~6歳の場合
3歳以降になると、子供は自分に父(母)親がいないことや周囲の家庭と違うことに気づきます。どうして自分には父(母)親がいないのかということを聞いてくることもあります。
大人が考える以上に子供は大人の出方も見ています。「本当のことはもっと大きくなってから話せば良い」と考え、嘘をついたり、適当に胡麻化したりすれば却って傷つけてしまう可能性があります。
子供の気持ちを配慮し、真剣に向き合いましょう。
7~18歳の場合
7歳以降になると、子供の性格によって両親の離婚を受け入れられるタイプかそうでないかにわかれます。
離婚後、親権者は生活費を稼がなければならず、子育てに十分な時間を確保することが困難になります。
両親の離婚を受け入れにくいタイプの子供の場合、寂しさや不安といった自分の気持ちを吐き出す場所も見つからず、精神的に不安定になってしまう恐れがあります。
一方、両親の離婚を抵抗なく受け入れられるタイプの子供は一時的に戸惑いつつも、家庭とは別のコミュニティや趣味に打ち込むなど、環境の変化に順応する可能性があります。
自分の子供の状況や性格などを総合的に鑑み、両親が揃っているほうが良いか、経済的に支えていけるのかなどを判断しましょう。
離婚を伝えるタイミング
「子供が高校を卒業するまで」「成人するまで」など、本当は今すぐ離婚したいけれど、子供への影響を考慮して離婚するのを我慢する人もいます。
離婚件数は3月が最も高くなる傾向があります。
これは、子供への影響を考え、「学年が変わる(または卒業の)タイミングで離婚したほうが良いだろう」という配慮も一定程度含んでいると考えられます。
また、離婚によって転校する必要がある場合は特に子供への影響が大きくなります。「両親の離婚」に加え、「転校」と聞けば子供は激しく動揺するでしょう。
離婚によって子供の転校が必要になる場合は子供の性格や学校での状況などを鑑み、極力影響が少ない時期を選んで伝えることが重要です。
嘘をつかない
離婚を子供に伝える際は絶対に嘘をついてはいけません。
「まだ小さいから」「理解できないだろう」などと考え、「パパは死んじゃったの」「お仕事で遠くにいっちゃった」などと嘘をついてしまうと、嘘がバレたときに子供は深く傷つきます。
また、嘘をついた親はもちろん、人を信じられなくなってしまう恐れがあります。
離婚を子供に伝える際は、伝えるタイミングや伝え方に注意し、事実を伝えることが大切です。
離婚は子供のせいではないことを伝える
親が離婚すると、子供は「自分のせいで離婚したのではないか」と思うことがあります。
「離婚はあくまで夫婦の問題」「あなたのせいで離婚するわけでない」と子供に伝えることが大切です。
離婚しても子供を愛していることを伝える
親が離婚すると、「自分は親から捨てられた」と考えることがあります。
基本的に子供は両親のどちらからも愛されたいと考えています。「離婚しても親子であることは変わらない」「二人の大切な子供である」ということをしっかり伝えましょう。
父親(母親)の悪口を言わない
離婚して離れて暮らすことになっても、子供の親であることに変わりはありません。相手の悪口を言うことで、自分が否定されたように感じる子供もいます。 ま
た、悪口を聞いて父親(母親)のイメージが悪くなることは子供のためにも良くありません。
離婚率を下げるために無理に結婚生活を続けるのは逆効果の場合も
両親の離婚は子供の離婚率を上げるなど、子供に何らかの影響をおよぼします。
しかし、夫婦間に問題があるにも関わらず、子供への影響を考えて無理に結婚生活を続けるのは、かえって逆効果となることがあります。
子供は敏感です。会話や雰囲気などから両親の微妙な関係性を感じ取ります。「両親が不仲になり、我慢しているのは自分のせいだ」と思い込みこともあります。
また、DVやモラハラ現場を見て育った子供は精神的に不安定になるとも言われています。
安易に離婚するのは考えものですが、無理して結婚生活を続ければ良いというわけでもありません。
まとめ
両親の離婚は少なからず子供に影響をおよぼします。しかし、我慢して結婚生活を続ければ良いというものでもありません。
「親は親、子供は子供」と考え、あまり気にしすぎないことも大切です。離婚を選んだ場合は子供の態度や言動に気を配り、愛情を注ぐように心がけましょう。
子供を連れて離婚するなら離婚後の生活のことも十分に考えましょう。離婚問題に強い弁護士なら親権や養育費など子供のことを踏まえたアドバイスをしてもらえます。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を多数掲載しています。ぜひお役立てください。
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