離婚届のもらい方~書き方~提出方法ついて解説

基礎知識
弁護士監修
離婚届のもらい方~書き方~提出方法ついて解説

協議離婚の場合、離婚届を提出し、受理されれば離婚が成立します。また、調停や裁判による離婚であっても期限内に離婚届を提出する必要があります。

では、離婚届はどうやってもらえば良いのでしょうか。

この記事では、離婚届の入手方法から書き方、提出方法について解説します。

目次
  1. 離婚届はどこでもらうの?
    1. 市区町村役所
    2. 市区町村役所以外(WEBダウンロード)
    3. 弁護士
  2. 離婚届の書き方
    1. 離婚届(見本)
    2. 記入項目
    3. 離婚届の他に用意するもの
  3. 離婚届の提出方法とは
    1. 提出先
    2. 離婚届を提出するタイミング
    3. 離婚届を提出できる人
    4. 離婚届を提出の際の注意点
  4. まとめ

離婚届はどこでもらうの?

離婚届は以下の場所でもらうことができます。

市区町村役所

離婚届は市区町村役所・役場の戸籍課で受け取ることができます。窓口は戸籍課、市民課、窓口サービス課など自治体によって名称が異なります。

離婚届は自由に持っていけるところもあれば、申し出たうえで窓口にて受け取るところもあります。離婚届を取りに行く際は自治体の窓口に必ず確認をとりましょう。

市区町村役所以外(WEBダウンロード)

なかなか市区町村役所に行く時間が取れないという方もいるでしょう。そのような場合は、自治体のウェブサイトから離婚届をダウンロードして使用することもできます。

下記は東京都江東区のウェブサイトのものになります。離婚届の書式は全国共通ですので、ダウンロードして印刷すれば江東区以外でも使うことができます。

参考:東京都江東区「離婚届(https://www.city.koto.lg.jp/060302/kurashi/jumin/koseki/documents/rikonn.pdf)」※1

ただし、自治体によっては、ダウンロードした離婚届では受理しないケースもありますので、事前に確認しておきましょう。

なお、離婚届の書式は全国共通ですが、ウェブサイトによっては市区町村の名称が印字されているものもあります。また、印刷する際はA3サイズの白い用紙にプリントアウトする必要があります。

ご自宅でA3サイズの印刷ができない場合はコンビニエンスストアなどに持ち込んで印刷すると良いでしょう。

弁護士

離婚問題に注力している弁護士は、事務所に離婚届を保管しているケースが多いです。離婚問題を弁護士に依頼している場合、依頼している弁護士に離婚届を持っているか確認すると良いでしょう。

弁護士に離婚問題を依頼している場合、離婚届を受け取るための費用は原則かかりません。

離婚届の書き方

離婚届の書き方について解説します。

離婚届(見本)

下記は離婚届の見本です。出典:

離婚届見本

引用元:東京都江東区「離婚届(https://www.city.koto.lg.jp/060302/kurashi/jumin/koseki/documents/rikonn.pdf)」※1

各項目の記載内容を次項で解説します。

記入項目

届出日

離婚届を市区町村役所に提出した日を記入します。離婚届を書いた日ではないため、注意しましょう。 なお、離婚届の受理日は離婚届を提出した日ではありません。

住所

現時点で住民登録をしている住所を記入します。

本籍

婚姻中の本籍を記入します。

父母の氏名

実父母の氏名を記入します。両親が婚姻中であれば、母の氏の記入は不要です。 なお、父母が亡くなっている場合も記入が必要ですので注意しましょう。

婚姻前の氏にもどる者の本籍

婚姻で氏が変わった人が離婚後も婚姻中の氏を名乗り、新しい戸籍を作るという場合、記入は不要です。婚姻前の氏に戻る場合のみ、必要事項を記入します。

未成年の子の氏名

未成年の子供がいる場合は、夫婦のいずれかを親権者として定め、婚姻中の氏で子供の氏名を記入します。

別居する前の住所

別居がない場合、記入は不要です。

夫妻の職業

国勢調査の年のみ、記入します。

その他

養父母がいる場合は養父母の氏名と続柄を記入します。

届出人署名

協議離婚の場合、夫婦両名の署名(本人による自署)が必要です。裁判所を利用した離婚の場合、原則として申立人が届出人となり、本人が自署します。

連絡先

日中連絡がとれる電話番号を記入します。

証人

調停離婚、審判離婚、裁判離婚の場合は記入不要です。

離婚届の他に用意するもの

離婚届を提出する際は離婚届以外にも必要なものがあります。

  • (届出地の市区町村に本籍のない方)戸籍全部事項証明書または戸籍謄本
  • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  • (夫婦の一方が外国籍の場合)日本国籍の方の住民票

協議離婚以外の場合は上記に加えて以下の書類が必要になります。

  • 調停離婚の場合:調停調書の謄本
  • 和解離婚の場合:和解調書の謄本
  • 審判離婚の場合:審判書の謄本と確定証明書
  • 認諾離婚の場合:認諾調書の謄本
  • 判決離婚の場合:判決書の謄本と確定証明書

離婚届の提出方法とは

離婚届の提出方法とは

離婚届の提出方法について解説します。

提出先

離婚届は原則として本籍地または住所地を管轄する市区町村役所です。

本籍地以外の市区町村役所に提出する場合は戸籍謄本または戸籍全部事項証明書が必要です。

離婚届を提出するタイミング

協議離婚の場合、離婚届はいつ提出してもかまいません。話し合いが成立したら早めに提出するようにしましょう。調停や裁判で離婚が成立した場合は「離婚成立日から10日以内」に離婚届を提出する必要があります。

離婚成立日には離婚の種類によって調停成立日、判決の確定日、和解期日などがあります。離婚届が期限までに提出されない場合は届出義務者に催告します。

離婚届を提出できる人

協議離婚では、離婚届を提出する際に夫婦が揃って役所に行く必要はありません。夫婦のどちらか一方でも良いですし、夫婦以外の人(代理人)に離婚届を提出してもらうこともできます。

なお、代理人に離婚届の提出をお願いする際、委任状は不要です。協議離婚以外の場合、離婚届を提出する人は下記となります。

  • 調停離婚:申立人
  • 審判離婚:申立人
  • 和解離婚:訴えの提起者(原告)
  • 認諾離婚:訴えの提起者(原告)
  • 判決離婚:訴えの提起者(原告)

なお、調停成立日から10日以下に申立人または原告が離婚届を提出しない場合は相手方が離婚届を提出できます。

また、調停や和解において「相手方の申し出によって離婚した」と調書に記載があれば、相手方が離婚届を提出できます。

離婚届を提出の際の注意点

離婚届を提出する際は以下の点に注意しましょう。

離婚届提出前に必要なことを取り決めておく

離婚届は離婚条件に関する取り決めが終わった後に記入するほうが無難です。親権や財産分与、慰謝料、養育費などの取り決めは事前に済ませておきましょう。

離婚協議書を作成しておく

協議離婚の場合、取り決めた内容については離婚協議書を作成し、書面で残しておきましょう。また、離婚後のトラブルを回避するため、公証役場で公正証書にしておくと良いでしょう。

離婚届の提出先と受付時間を確認しておく

離婚届の提出先は本籍地または住所地を管轄する市区町村役所です。提出先の役所の開庁時間を確認しておきましょう。

市区町村役所は平日日中しか開いていないのが基本ですが、離婚届の届出自体は開庁時間外でも受け付けてくれる場合があります。開庁時間外に提出する際は事前に役所に連絡しておくと良いでしょう。

開庁時間外に提出した離婚届は翌開庁日以降に審査され、後日受理通知が送付されます。

どうしても役所に行く時間がないという場合は代理人提出や郵送による提出も検討しましょう。ただし、代理人や郵送による提出の場合、離婚届に記入漏れなどの不備があるとその場で受理してもらえない可能性があります。

当事者本人が離婚届を提出した場合、その場で本人確認が行われ離婚届が受理されますが、代理人や郵送の場合は後日受理通知が届きます。

離婚届不受理申出を提出している場合は取り下げる

夫婦のどちらか一方が離婚届不受理申出書を提出している場合、離婚届を提出しても受理されません。この場合、離婚届を受理してもらうためには、不受理申出をした本人が取り下げを行う必要があります。

相手方が不受理申出をしており、自分が離婚届を提出するという場合は、事前に相手方に取り下げをしてもらいましょう。

まとめ

離婚届のもらい方や書き方、提出方法について解説しました。

離婚届は市区町村役所で入手できます。また、役所によってはダウンロード・印刷して提出することもできます。

ただし、離婚届を提出する前に決めるべきことはたくさんあります。しっかりと話し合い、トラブルを避け、後悔のないよう取り決めておきましょう。

離婚の取り決めでお悩みの際は離婚届を提出する前に弁護士にご相談ください。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。

※1 東京都江東区「離婚届

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