離婚したほうがいい夫婦の特徴|踏み切れない理由と迷ったときの対処法
夫婦の形は夫婦の数だけあり、「正解」はありません。しかし、客観的に見て「離婚したほうがいい夫婦」の形は存在します。
この記事では、離婚したほうがいい夫婦にはどのような特徴があるのか、また、迷ったときの対処法について解説します。
夫婦関係や離婚すべきか悩んでいる方、離婚したいけど踏み切れないという方はぜひ最後までお読みください。
- 目次
離婚したほうがいい夫婦の特徴
夫婦の形は夫婦の数だけ存在します。周りがとやかく言うものではありませんが、客観的に見ても「離婚したほうがいい夫婦」があるのも事実です。
一般的に離婚したほうがいい夫婦の特徴には以下のようなものがあります。
- DVやモラハラがある
- 子供に悪影響がある
- 心身に影響が出ている
- 浮気や不倫を繰り返す
- ギャンブルや借金などの金銭問題が続いている
- 仮面夫婦と割り切ることができない
以降、それぞれについて詳しく解説します。
DVやモラハラがある
配偶者からDVやモラハラ行為を受けている場合は心身を守る意味でも離婚したほうがいいと言えます。
なお、モラハラとは精神的な虐待のことを指し、以下のようなものが該当します。
- 配偶者の人格を否定する
- 人前で配偶者を馬鹿にする
- 配偶者の行動を監視する
- 家庭のお金を勝手に使い込む
- 生活費を渡さない、外で働くことを妨害される
- 性行為を強要する
- 避妊を拒否される
- 長期間無視をする など
DV・モラハラ行為を受け続けると肉体的にも精神的にも疲弊してしまい、正常な判断ができなくなることがあります。
例えば、被害者が「夫(妻)を怒らせてしまうのは自分が悪い」「これは普通のこと。我慢するのが当然」と考え、DVやモラハラを受けていると認識できなくなるのです。
子供に悪影響がある
結婚生活を続けることで子供に悪影響をおよぼす場合も離婚したほうが良いでしょう。特に、子供に暴力をふるうなど、虐待がある場合、子供の生命をおびやかします。
直接暴力をふるっているわけではなくても、子供に対して強く叱責したり、人格を否定したりすることが続く場合、子供の人格形成において悪影響をおよぼす可能性があります。
また、親が暴力やモラハラ行為を受けている場面を子供が見ることは面前DVに該当し、子供の精神面に悪影響をおよぼす恐れがあります。
子供を守ることができるのは親だけです。子供を守るためにも、DV・モラハラ行為を受けている場合はできるだけ早く配偶者から離れることを検討しましょう。
心身に影響が出ている
配偶者の言動や夫婦生活によるストレスで精神的に不安定になったり、体調不良を引き起こしたりしている場合も離婚を検討することをおすすめします。
DVやモラハラがなくても、「夫(妻)と顔を合わせると体調が悪くなる」「同じ空間にいると胸が苦しくなる」など、夫婦生活を続けることとで心身に不調が起こることもあります。
このような場合、無理に夫婦生活を続けるのではなく、配偶者と距離を置くことが重要です。
浮気や不倫を繰り返す
配偶者が浮気や不倫を繰り返している場合も離婚したほうがいいと言えます。
一度きりの浮気なら目をつぶろうという人もいるかもしれません。
しかし、何度も繰り返す場合、浮気や不倫癖があるということですので、今後も繰り返す恐れがあります。こうなると、相手の言動を信用することが困難になります。
信頼関係が崩れてしまえば、共同生活自体が難しくなります。
ギャンブルや借金などの金銭問題が続いている
ギャンブルや借金などの金銭問題が続いている場合も離婚を検討すべきでしょう。
もちろん、借金といっても夫婦で話し合い住宅ローンを組むこともあるでしょう。また、自分の小遣いの範囲でギャンブルを楽しむのであればさほど問題はありません。
しかし、ギャンブルの頻度が増えたり、賭ける金額が大きくなったりしたことで借金をしているケースや生活費に手を出しているケースは問題です。
本人が浪費癖やギャンブル依存症に向き合い、対処しようとしているのであれば別ですが、改善する気がないという場合、夫婦生活を続けることで困窮する恐れがあります。
仮面夫婦と割り切ることができない
夫婦関係は冷え切っているが、子供や世間体のために仮面夫婦を演じている夫婦もいます。
割り切って関係を続けられればいいですが、仮面夫婦を演じることに疲れ、違和感を抱くようになれば、共同で生活することが苦痛になってきます。
また、両親が仮面夫婦を演じていることを見ることも子供にとって悪影響をおよぼす恐れがあります。仮面夫婦を続けることに限界を感じたら離婚を検討すべきと言えます。
離婚に踏み切れない理由とは
離婚したほうがいいことはわかっていても、離婚に踏み切れないという夫婦もいます。 離婚に踏み切れない理由には以下のようなものがあります。
- 経済的な問題
- 子供の将来が心配
- 1人で暮らすことに不安がある
- 相手方が離婚に応じてくれない
- 離婚の手続きが面倒
経済的な問題
離婚後に経済的に自立できないというのは離婚に踏み切れない大きな理由と言えます。特に結婚に伴い専業主婦になった方やパート収入のみという方は離婚後の生活に不安があるでしょう。
また、子供を連れて離婚する場合は自分だけでなく子供の教育費や生活費まで稼ぐ必要があります。経済的な問題は離婚するにあたってしっかりと解決しておく必要があります。
子供の将来が心配
子供の将来が心配で離婚に踏み切れないというケースも多いです。離婚後は片方の親と離れて暮らすことになるため、子供に寂しい思いをさせてしまう可能性があります。
両親の離婚によって幼稚園や学校を転園・転校しなければならない場合、子供の生活環境は大きく変わります。特に幼い子供や多感な時期の子供への影響は少なくありません。
離婚後に世帯収入が減る場合、子供が進学などの夢を諦めなければならないといったケースもあります。
1人で暮らすことに不安がある
離婚後に1人で暮らすことに不安があるというケースもあります。特に以下のような場合は1人で暮らすことに不安を感じやすい傾向があります。
- 再婚の可能性が低い
- 熟年離婚
- 健康に不安がある
- 子供がいない
いずれも、もしものことがあった場合や老後の生活が心配ということが背景にあるようです。
相手方が離婚に応じてくれない
相手が離婚に応じてくれない、または応じそうもないというのも離婚に踏み切れない理由の一つです。
ただし、民法で定める離婚事由がある場合、相手方が離婚に応じない場合であっても裁判で離婚が認められます。裁判で離婚が認められるために必要な離婚事由は以下です。
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき
2.配偶者から悪意で遺棄されたとき
3.配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
夫婦には同居・協力・扶助の義務を負います(民法752条)。悪意の遺棄は正当な理由なく夫婦の義務を履行しないことを言います。例えば、以下のようなケースです。
- 正当な理由なく同居を拒む
- 生活費を渡さない
- 家出を繰り返す
- 配偶者を追い出す など
離婚の手続きが面倒
離婚を決意したものの、何から始めればいいのか、どのように手続きをすればいいのかわからないという場合や手続きが面倒くさいという場合も離婚に踏み切れないことがあります。
前述のとおり、相手が離婚を拒んでいても法定離婚事由があれば離婚は可能です。しかし、裁判で離婚を認めてもらうためには、証拠集めや法的手続きが必要です。
これらの作業は素人が行うには負担が大きいため、離婚に踏み切れないこともあるようです
離婚に踏み切る前に準備すべきこと
離婚したほうがいいことがわかったからといって、いきなり相手方に離婚を切り出してはいけません。 離婚を切り出す前にしっかりと離婚の準備をしておきましょう。
お金の問題
離婚後の生活が成り立つかどうかは生活するのに十分なお金があるかどうかにかかっています。 特に子供を連れて離婚するのであれば、子供の生活費や教育費も必要です。
令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果によると、母子家庭の平均収入は272万円と、低所得であるケースがほとんどだとわかります。
離婚後に経済的に困らないためにも以下のチェック表を活用し、準備をしておきましょう。
チェック欄 | |
---|---|
離婚後の生活費を稼げる仕事に就いているか | |
現在働いていない場合は離婚後の就職先が確定しているか | |
当面の生活費を賄える資産があるか | |
児童扶養手当などひとり親家庭向けの支援制度を確認しているか | |
配偶者から離婚後に定期的な生活費をもらえるか | |
離婚後の住まいを確保しているか |
参考:厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188147_00013.html)」※1
子供の問題
子供がいる場合は親権や面会交流についても決めておく必要があります。子供の幸せを最優先に考え、決めていきましょう。
両親の離婚をきっかけに、引っ越しや転園、転校で子供の生活環境が大きく変わる可能性があります。両親の離婚自体が子供にとってストレスになりますが、生活環境まで変われば子供の負担はさらに大きくなります。
また、子供によっては両親の離婚を受け入れられないケースもあります。
離婚に踏み切る際は子供のことを第一に考え、離婚時期や住環境など、両親の離婚による影響が少なくなるよう配慮しましょう。
心身の問題
離婚すると1人で暮らしていくことになります。また、子供がいる場合は子育てをしながら生活費を稼がなければなりません。
近年、離婚は珍しいことではなくなりましたが、それでも離婚歴があることを悪く言う人もいます。このような状況に打ち勝つためには、周囲からの中傷にめげず、心身共に健康であることが大切になります。
離婚後に後悔したり、罪悪感に苛まれたりすると、精神的負担が大きくなります。
適切な人間関係はその時々によって変わるものです。離婚自体は悪いことではありません。劣等感を感じたり、「離婚は悪いこと」と考えたりするのではなく、新しい人生の再スタートだと気持ちを切替えましょう。
親族や友人など、離婚後の相談相手が近くにいることも大切です。
財産分与や慰謝料の証拠を集めておく
前述のとおり、法定離婚事由があれば裁判で離婚が認められる可能性があります。また、相手方に不倫やDVなどがある場合は慰謝料を請求できる可能性もあります。
そのほか、離婚時に請求できるお金には下記のようなものがあります。
- 財産分与
- 慰謝料
- (子供がいる場合)養育費
- 年金分割
裁判で離婚や慰謝料請求が認められるためには証拠が必要です。また、財産分与を適切に行うためには相手方の収入や資産を把握しておく必要があります。
離婚を切り出せば、相手方が財産を隠したり、証拠を隠したりする可能性があります。また、別居後は証拠収集が困難になります。離婚に踏み切る前に証拠を集めておきましょう。
離婚すべきか迷ったときの対処法
離婚すべきか迷ったら以下の対処法を試してみるといいでしょう。
- 離婚したい理由をはっきりさせる
- 夫婦で話し合い、関係修復を図る
- 自分にとって何が幸せかを考える
- 別居して距離を置く
- 弁護士などの専門家に相談
それぞれ下記で詳しく解説します。
離婚したい理由をはっきりさせる
離婚後に後悔しないためにも、離婚したい理由をはっきりさせることが大切です。このとき、離婚を考えたきっかけや出来事を紙に書き出すと、夫婦間の問題が明確になります。
裁判に進んだ場合を想定し、法定離婚事由に該当するかどうかも調べておきましょう。
夫婦で話し合い、関係修復を図る
離婚したい理由が明確になると、夫婦間の問題だけでなく、離婚以外の選択肢も浮かんでくるかもしれません。
DVやモラハラなどの理由以外であれば、まずは夫婦で話し合い、関係修復を図りましょう。
このとき、感情的になったり、相手方を責めたりしてはいけません。自分の本音を伝え、相手方の意見を聞き、問題が解決すれば夫婦関係が修復できるかもしれません。
自分にとって何が幸せかを考える
離婚する・しないではなく、「自分にとって何が幸せか」を考えてみることも重要です。
将来を見据えたとき、「幸せを掴むためには離婚しかない」という結論にいたれば、離婚後に後悔することもないと言えます。
別居して距離を置く
四六時中顔を合わせていると、感情的になってしまい、冷静な判断ができなくなります。一次的に夫婦の距離を取るために別居するのも一つの手段です。
別居することで以下のような効果が期待できます。
- 同居ストレスを軽減できる
- 自分がどうしたいのか冷静に考えられる
- 離婚後の生活をイメージできる
- 相手方に離婚の意思を示すことができる
- (子供がいる場合)夫婦仲の悪さを子供に見せずに済む
- 離婚原因になる場合がある
なお、別居は以下のようなリスクも伴います。
- 引越しなどの手間がかかる
- 証拠集めや財産の調査が困難になる
- 夫婦関係の修復が難しくなる
- 子供に不安を感じさせてしまう
- 生活費が嵩む
- 世間体が気になる
弁護士などの専門家に相談
夫婦での話し合いが困難な場合や誰に相談すればいいかわからないという場合は弁護士に相談するといいでしょう。
弁護士は法律の専門家ですので、どのような解決手段があるか、離婚成立の見通しや有利に離婚する方法などをアドバイスしてくれます。
また、弁護士に依頼すれば相手方との交渉や裁判所での手続き、書類作成などを行ってもらえます。
まとめ
離婚したほうが良い夫婦の特徴について解説しました。
離婚は今後の人生を左右する大きな問題ですので、勢いで決めるものではありません。しかし、DVやモラハラがあったり、心身に影響が出ていたりする場合は離婚も検討すべきでしょう。
離婚を考えたら早い段階で弁護士に相談し、アドバイスをもらいましょう。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
※1 厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」
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