こんな人は要注意!スピード離婚する夫婦の特徴と3つの理由。

厚生労働省による人口動態のデータによると、同居期間別離婚件数の年次推移では平成3年以降すべての期間で増加傾向にありましたが、平成14年に5年未満と5年以上10年未満は減少し、その後はすべての期間で減少傾向から横ばいとなっています。
5年未満で離婚する人は徐々に減少しているものの、同じ5年未満でも数か月~1年というスピード離婚をしている人も多いのです。この記事では、どれくらいの期間までがスピード離婚と呼ばれるのか、そしてスピード離婚の原因となるTOP3を紹介します。
- 目次
どれくらいの期間までがスピード離婚?スピード離婚と呼べる期間
「スピード離婚」という用語が法律用語ではないため、スピード離婚を明確に定義づける法律は存在しません。
しかし、世間的な感覚では、婚姻後1年以内の離婚をスピード離婚ととらえる人が多いようです。
平成27年の厚生労働省による人口動態統計によると、婚姻後3年以内に離婚している夫婦は離婚した夫婦全体の22%となっています。離婚した夫婦の5組に1組の夫婦は3年以内に離婚している計算になります。
3年以内の離婚も、とらえる人によっては十分「スピード離婚」と呼べる範囲かもしれませんが、一般的には1年以内がスピード離婚となっています。
スピード離婚の原因TOP3
では、どうしてこんなにも多くの夫婦が1年や3年といった短期間でスピード離婚にいたってしまうのでしょうか。 スピード離婚の原因となる理由の中でも多いものを3つ紹介します。
性格の不一致
司法統計でほぼ毎年離婚理由の1位になっているのが「性格の不一致」です。結婚前の交際期間に性格の一致・不一致についてはある程度把握できるのでは…と思われがちです。
しかし、交際中にはその人の本質が見えていない(あるいは隠していて見せていない)場合も多く、結婚して初めて本来の性格を知るということが多いものです。
スピード離婚の原因になってしまうのは、交際期間中とのギャップを初めて感じるのが結婚初期であり、その時期を乗り越えられずに離婚してしまう夫婦がいるからです。
また、結婚前に妊娠し、妊娠をきっかけに結婚する場合は、結婚直後に父親・母親になりきれない配偶者に失望し、スピード離婚にいたることもあるようです。
配偶者の不倫
不倫は民法770条において離婚事由の1つとして定められています。離婚事由とは、離婚の合意が成立せずに裁判離婚をする場合に認められる離婚理由のことです。
不倫かどうかを決定するのは、配偶者以外の異性と肉体関係を持ったかどうか(不貞行為があったかどうか)です。
スピード離婚につながりやすいのは、交際期間中から配偶者と二股していた交際相手がいて、結婚後もその交際相手と肉体関係を持っていたことが明らかになるというケースです。
一緒に生活していれば、住居を別にしていた交際期間よりも相手の行動の不審さに気が付く人は多く、結婚後すぐに不倫がバレて離婚にいたってしまいます。
お金の問題
2016年に行われたリクルートマーケティングパートナーズに調査によると、離婚理由として女性の上位に挙げられるのが「金銭感覚の違い」です。
また、「相手の借金」を理由に離婚した女性は離婚経験者のうち28.4%を占めています。このことから、金銭感覚の違いや、配偶者の借金問題は大きな離婚理由につながっていることがわかります。
スピード離婚にいたるケースとして、結婚後財布を一緒にした夫婦が、配偶者の預金通帳を初めて見て毎月一定の返済があることがわかり、借金が発覚するということが挙げられます。
これから子どもを産み、家族を増やすつもりでいた女性側からすれば、借金という負の財産の影響を受ける前にできるだけ早く離婚したほうがよいと決断するのでしょう。
参考:株式会社リクルートマーケティングパートナーズ ブライダル総研「離婚に関する調査2016」
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その他離婚理由2018.06.11
離婚の原因の一つに「性格の不一致」というのがよく挙げられます。しかし、離婚原因を定める民法では…
スピード離婚のメリット
人生の貴重な時間を無駄にしなくて済む
決定的に「この人は無理」と思ったら、ずるずると婚姻関係を続けていても、相手のダメなところ・嫌なところばかりが目につくものです。
人生の貴重な時間を「無理な相手」と過ごしていても、特に女性の場合は出産希望年齢から逆算すると、残された時間は限られています。
「あのとき離婚していれば…」と後悔しないためにも、早期に離婚すれば再スタートの可能性も広がり、人生を無駄にしなくて済むというメリットがあります。
スピード離婚にはデメリットもある
ご祝儀泥棒よばわりされることも
結婚式を盛大に催し、たくさんの来客を招き、職場の上司にスピーチを依頼し、親友に余興を依頼したり多くの人からご祝儀をいただいた人もいるでしょう。
このような場合は、あまりにも早い段階で離婚してしまうと「ご祝儀泥棒」と陰口を叩かれることもあります。
あなたの結婚式のために、無理をして参加した人、金欠なのにご祝儀や衣装代・ヘアセット代を捻出した人は特に「あのときに出した○万円は何だったの?」などと陰で避難されるかもしれません。
親や近所の人から非難されることもある
スピード離婚の影響を受けるのは、当事者だけでなく当事者の親たちも挙げられます。
特に世間体を気にするタイプの親は「たった1年で離婚するなんて、恥ずかしくて世間様に顔向けできない」などと、子どもの離婚を恥じるものです。
また、実家の近所に住む人から「あそこの家の娘(息子)さん、たった1年で離婚したんですって」とすぐに噂の標的にされてしまい、陰で非難されることもあるでしょう。
時間の経過によって問題解決する可能性が消える
スピード離婚してしまうと、もしかしたら時間が経てば解決したことでも、離婚によって取り返しがつかなくなるということがあります。
たとえば「性格の不一致」が理由で離婚した場合、長期間一緒に過ごすことで慣れて、離婚するほどでもないか…と思い直すことがあったかもしれません。
待つことで問題が解決する可能性が、スピード離婚によってつぶされてしまうというデメリットがあります。
もしもスピード離婚したい!と思ったら
どうしても「スピード離婚したい!」と強く思い、離婚のことばかりが頭をよぎるようになったら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
スピード離婚は離婚時の決めごとが少ないというメリットがあります。早い段階で弁護士に相談しておくことによって、豊富な法的知識と経験から少しでも有利な条件で離婚することが可能です。
弁護士を選ぶ際には、特に男女問題に強い弁護士を選ぶようにしましょう。
家族や友人に相談することもできます。しかし、それはあくまでも「話をきいてもらってスッキリするための方法」として考えておき、離婚のための手続きや交渉ごとの相談などは弁護士にするとよいでしょう。
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まとめ
スピード離婚について法的な定義はないものの、一般的には結婚後およそ1年以内の離婚を指すことが多いようです。
スピード離婚に多い原因としては、性格の不一致、結婚相手の不倫、金銭感覚の違いや借金問題が挙げられます。
スピード離婚には、人生の限られた時間を無駄にしなくて済むことや、離婚時の決めごとが少ないというメリットがあります。
一方で、結婚式に招待した人から陰口を叩かれたり、世間体を気にする親から責められたり、離婚理由が実は時間の経過とともに解決するかもしれないものだったのに後戻りできないというデメリットがあるのも事実です。
それでもメリットがデメリットを上回る際には、弁護士に相談して、少しでも自分に有利な条件で離婚できるようにすることをおすすめします。
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