あなたの都道府県は離婚しやすい?離婚率の都道府県別ランキング
離婚率が高い都道府県があります。逆に離婚率が低い都道府県もあります。
そして不倫が多い都道府県、少ない都道府県もあります。なぜ夫婦のトラブルにこのような地域性が生じるのでしょうか。
政府や行政の調査結果がないので明白な答えはないのですが、ただ「これが原因かもしれない」といえそうな説は、いくつかみつかりました。
果たしてそれらの説の信ぴょう性はいかに――。
- 目次
離婚率の高い都道府県上位10位
厚生労働省は人口1,000人あたりの離婚率を都道府県別に公表しています。下の表はそれを離婚率の低い順に並べたものです。数字は2019年のものです。
離婚率と地域性には関係があるのか
離婚率が高い都道府県5つのなかに北海道と沖縄県があります。首都・東京から離れているという意味では共通していますが、地域性は大きく異なります。
一方、第二の都市である大阪府も離婚率上位5つに含まれます。地域性と離婚率にはっきりとした関係があるとは言えません。
授かり婚と離婚は関係なさそう
「授かり婚は離婚率が高い」というイメージがあります。
授かり婚の割合は厚生労働省が好評している「結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子出生に占める割合」でおおよその値を知ることができます。
令和3年の「結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子出生に占める割合」沖縄県が30.8%でトップでした。
このような数字を示されると「できちゃった婚→生活に苦労する→離婚しやすい」というイメージを持つ人はいるでしょう。
なお、授かり婚率2位は佐賀県の27.3%、3位は熊本県の26.6%、4位は宮崎県の24.9%、5位は福島県・長崎県で24.8%でした。
授かり婚率は東北・九州地方に多い傾向が見られます。
離婚率トップ3の沖縄県・ 福岡県・宮崎県は九州地方ですが、それ以外はバラバラです。
授かり婚率と離婚率に明確な関係性は見られないと言えます。
参考:厚生労働省「令和3年度「出生に関する統計」の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo07/dl/gaikyou.pdf)」※1
大都会は女性が自立しやすいから離婚率が高い?
東京と大阪という大都市に目を向けると、東京は離婚率33位、大阪は44位となっており、離婚率が高くなっています。
都会は仕事が豊富にあり女性が自立しやすいから離婚のハードルが低いと考えることができそうです。
厳しい冬を一緒に耐え抜くために離婚しない?
離婚率が低い都道府県では上位に東北、北陸地方が集中しています。
冬場の自然環境が厳しい地域なので夫婦が協力して生き抜く気持ちが強いので離婚にいたらない、とする説があります。
ただし、冬場の環境がさらに厳しい北海道の離婚率が高いことや、島根が6位になっているため、これも一概には言えません。
九州男児であることが離婚率に影響している?
「九州男児」という言葉があるため、強い夫に従う妻というイメージが強い福岡や鹿児島ですが、いずれも40位台となっていて意外に離婚率が高いことがわかります。
離婚率とその土地の風土は関係なさそう
次に「中央付近」をみていきましょう。20位台を抜き出したものが以下の表になります。つまり、離婚が多いとも少ないともいえない県といえます。
九州も東北も中国・四国も大都会のベッドタウンも含まれています。
上記から「離婚率の傾向を土地柄で推測することは難しそう」という見方もできます。
不倫の多い都道府県はどこ?
この見出しをみて、「不倫の多い都道府県を調べた統計なんてあるのか」と感じた方も少なくないでしょう。
もちろん政府や行政機関の調査ではありません。相模ゴム工業株式会社が2018年に都道府県別の浮気率を発表ました。上位3位は以下のとおりです。
【浮気率の高い都道府県】(男性)
1位 埼玉県34.6%
2位 京都府34.5%
3位 北海道32.4%
【浮気率の高い都道府県】(女性)
1位 埼玉県28.0%
2位 愛媛県21.4%
3位 長崎県20.8%
【浮気率の低い都道府県】(男性)
1位 長崎県14.0%
2位 徳島県18.3%
3位 山形県18.9%
【浮気率の低い都道府県】(女性)
1位 長野県8.9%
2位 茨城県8.9%
3位 大阪府9.2%
各都府県に関する考察を加える前に、不貞や不倫について解説します。
参考:相模ゴム工業「ニッポンのセックス2018年度版 04 都道府県ランキング:男女別(http://www.sagami-gomu.co.jp/project/nipponnosex2018/04_ranking_sex2.html#q02)」※2
不倫・不貞・浮気の違い
不倫、不貞、浮気は微妙にニュアンスが異なります。
不貞は「配偶者としての貞操義務の不履行」であり、法律用語になります。
なお、民法第770条には裁判で認められる離婚事由として以下の5つが記載されています。
- 配偶者に不貞な行為があったとき。
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
不貞行為があったことが立証されれば、裁判で離婚が認められます。
「キス」や「同僚などに強引に誘われた風俗店の利用」だけでは、不倫で離婚が認められることは難しいです。
「男女の合意のうえで複数回の性交渉があったこと」が認められれば不貞行為と判断され、民法上の離婚が認められる可能性が高まります。
不倫をする男性が多い都道府県上位3位の特徴とは
それでは不倫と都道府県民性について考察してみましょう。
まずは不倫をする男性が多い党道府県ランキングの上位3位をみてみます。先ほど紹介したランキングを再掲します。
【浮気率の高い都道府県】(男性)
1位 埼玉県34.6%
2位 京都府34.5%
3位 北海道32.4%
先ほどの離婚率ランキングを見ると、埼玉県は全国平均程度、京都府は離婚率が低め、北海道は離婚率が高めです。
浮気しやすいさと離婚率の高さはあまり相関性がないと言えます。
不倫をする女性が多い都道府県上位3位の特徴とは
不倫をする女性が多い都道府県、上位3位は以下のとおりです。
【浮気率の高い都道府県】(女性)
1位 埼玉県28.0%
2位 愛媛県21.4%
3位 長崎県20.8%
離婚率を見てみると埼玉県は全国平均程度、愛媛県と長崎県は離婚率が低めです。やはり、離婚率の高さは浮気だけでは測れないようです。
不倫をする男性が少ない都道府県上位3位の特徴とは
次に不倫をする男性が少ない都道府県をみてみます。
【浮気率の低い都道府県】(男性)
1位 長崎県14.0%
2位 徳島県18.3%
3位 山形県18.9%
これら3件はいずれも離婚率が低い結果でした。男性の場合、浮気がすぐさま離婚につながるわけではないが、浮気しなければ離婚もしにくいとも言えます。
不倫をする女性が少ない都道府県上位3位の特徴とは
不倫する女性が少ない都道府県は以下のとおりです。
【浮気率の低い都道府県】(女性)
1位 長野県8.9%
2位 茨城県8.9%
3位 大阪府9.2%
長野県は離婚率が低め、茨城県と大阪府は離婚率が高めです。男性と比べて女性の浮気率そのものが低いため、女性の浮気と離婚には相関性が見られにくいと言えます。
まとめ
「○○県は浮気しやすい風土だ」といったことや「○○県の女性は身持ちが固い」といったことは科学的にはまったく証明されていません。
都道府県で区切って「離婚しやすい順位」や「不倫が多い順位」をつければ、順位がつくのは当たり前です。
つまり、「日本を緯度で47等分に区切る」という方法で区分けして「離婚しやすい順位」や「不倫が多い順位」をつけても順位がつくのです。
ですので、シャレが通用しない人に「あなたの県民性は浮気性」などと揶揄すると、思わぬトラブルになるかもしれません。
男女関係の都道府県民性の話題は、あくまでユーモアの範囲にとどめておいたほうが無難です。
※1 厚生労働省「令和3年度「出生に関する統計」の概況」※2 相模ゴム工業「ニッポンのセックス2018年度版 04 都道府県ランキング:男女別」
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