あなたの都道府県は離婚しやすい?離婚率の都道府県別ランキング

離婚率が高い都道府県があります。逆に離婚率が低い都道府県もあります。そして不倫が多い都道府県、少ない都道府県もあります。なぜ夫婦のトラブルにこのような地域性が生じるのでしょうか。
政府や行政の調査結果がないので明白な答えはないのですが、ただ「これが原因かもしれない」といえそうな説は、いくつかみつかりました。果たしてそれらの説の信ぴょう性はいかに――。
- 目次
離婚率の高い都道府県上位10位
厚生労働省は人口1,000人あたりの離婚率を都道府県別に公表しています。下の表はそれを離婚率の低い順に並べたものです。数字は2016年のものです。
最北と最南は独立心が旺盛?
まず離婚率が高い都道府県として、44位の北海道と47位の沖縄県に注目してみましょう。いずれも「最北」「最南」という特徴があります。
東京という日本の中心から遠く離れていて男女ともに独立精神が強いから離婚にためらいがないのだろうか、と推測することができます。
できちゃった婚と離婚は関係なさそう
あるサイトで「沖縄はできちゃった婚の率が高いので離婚率が高くなる」と推測していました。しかし、これは根拠が薄そうです。
「できちゃった婚率」とは、正確には「結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子出生に占める割合」といいます。
この指標は厚生労働省が作成していて、2009年では確かに沖縄県が38.2%でトップでした(できちゃった婚の率が高かったのは確かです)。
このような数字を示されると「できちゃった婚→生活に苦労する→離婚しやすい」というイメージを持つ人はいるでしょう。
しかし、できちゃった婚率の2位は佐賀県の33.3%、3位は青森県の32.4%でした。佐賀県の離婚率は上記の表では24位になっています。青森県の離婚率も25位といずれも中央に近い順位です。
よって、できちゃった婚率と離婚率の因果関係は薄いといえそうです。
参考:厚生労働省「都道府県別にみた出生」
大都会は女性が自立しやすいから離婚率が高い?
次に離婚率41位と45位を見てみましょう。離婚率41位は東京、45位は大阪ですので、日本のナンバー1都市とナンバー2都市の離婚率が高くなっています。
これは仕事が豊富にあり女性が自立しやすいからと考えることができそうです。
厳しい冬を一緒に耐え抜くために離婚しない?
そして離婚率が低い都道府県では上位に東北、北陸地方が集中しています。
冬場の自然環境が厳しい地域なので夫婦が協力して生き抜く気持ちが強いので離婚にいたらない、とする説があります。
ただこの節では、冬場の環境がさらに厳しい北海道の離婚率が高いことや、島根が5位になっていることの説明がつきません。
九州男児であることが離婚率に影響している?
また「九州男児」という言葉があるため、強い夫に従う妻というイメージが強い福岡や鹿児島ですが、いずれも40位台となっていて意外に離婚率が高いことがわかります。
離婚率とその土地の風土は関係なさそう
次に「中央付近」をみていきましょう。20位台を抜き出したものが以下の表になります。つまり、離婚が多いとも少ないともいえない県といえます。
九州も東北も中国・四国も大都会のベッドタウンも含まれています。
ということは「離婚率の傾向を土地柄で推測することは難しそう」、つまり「離婚率と土地の因果関係は薄そう」という見方もできます。
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不倫の多い都道府県はどこ?
この見出しをみて、「不倫の多い都道府県を調べた統計なんてあるのか」と感じた方も少なくないでしょう。
もちろん政府や行政機関の調査ではありません。家族力研究所という民間団体が2010年に「不貞行為の多い都道府県ランキング」を発表したのです。上位3位は以下のとおりです。
【不倫経験が多い都道府県】(男性)
1位 和歌山県34%
1位 佐賀県34%
3位 愛知県32%
3位 福岡県32%
3位 大分県32%
【不倫経験が多い都道府県】(女性)
1位 埼玉県20%
1位 徳島県20%
3位 東京都16%
3位 愛知県16%
【不倫経験が少ない都道府県】(男性)
1位 京都府8%
2位 香川県14%
2位 岡山県14%
【不倫経験が少ない都道府県】(女性)
1位 鹿児島県2%
1位 奈良県2%
1位 兵庫県2%
各都府県に関する考察を加える前に、不貞や不倫について解説します。
不倫・不貞・浮気の違いを簡単に説明
不倫、不貞、浮気は、いずれも「行ってはならない恋愛または性交渉」という点で同じです。しかしそれぞれ以下のように微妙にニュアンスが異なります。
不貞はこの3つの言葉のなかで唯一の法律用語です。民法に不貞行為という言葉があります。不貞は「配偶者としての貞操義務の不履行」と定義されます。
つまり不貞は夫婦間で生じる過失をともなう事故のことです。ただし、この場合夫婦には内縁関係や事実婚も含まれます。
民法で不貞が問題になるのは「法定離婚ができるかどうか」の判定が必要なときです。民法第770条で「配偶者が不貞行為に及んだとき離婚事由として認められる」と規定されています。
では民法で問題になる不貞とは、具体的にどのような行為・行動をさすのでしょうか。その判断基準のひとつが不倫(既婚者による性交渉をともなう浮気)です。
配偶者が不倫をすることで不貞とみなされる可能性が高くなります。
「行きがかり上のなんとなくのキス」や「同僚などに強引に誘われた風俗店の利用」などは不倫とみなさないことが多いです。
「男女ともに気持ちがこもった複数回の性交渉」は不倫と判断され、民法上の不貞とみなされる可能性が高まります。
不倫と浮気の違いは男女の関係です。夫婦間の浮気のことを不倫と呼び、まだ付き合っているだけの男女間で発生した浮気は不倫とは呼びません。
不倫は「倫理的に不適合」という意味ですので、倫理が問題になるのは夫婦間のみと解釈できます。
ただ、「不倫のほうが罪が重く、恋人がいるのに浮気することは罪が軽い」とはならないでしょう。なぜなら、パートナーを傷つけることには変わりないからです。
不倫をする男性が多い都道府県上位3位の特徴とは
それでは不倫と都道府県民性について考察してみましょう。
まずは不倫をする男性が多い党道府県ランキングの上位3位をみてみます。先ほど紹介したランキングを再掲します。
【不倫経験が多い都道府県】(男性)
1位 和歌山県34%
1位 佐賀県34%
3位 愛知県32%
3位 福岡県32%
3位 大分県32%
上位3位は同率があったので5県になりましたが、いずれも西日本に集中しました。しかも九州から佐賀、福岡、大分の3県が入ってしまいました。
九州男児は「強い」「亭主関白」「短気」といった男らしいイメージがありますが、これが「妻を振り切って浮気に走る」という行動に出ているとしたら問題です。
1位の和歌山と3位の福岡と大分の男性は特に注意してください。というのも、この3県は離婚率が高いのです。
和歌山は離婚率の低さランキングで42位でした。つまり離婚率が相当高いということです。
福岡は43位で、さらに離婚率が高いのです。大分も38位で、これもかなり高い離婚率です。
和歌山と福岡と大分は「不倫するとすぐに離婚につながる確率が高くなる」といえなくもないのです。
不倫をする女性が多い都道府県上位3位の特徴とは
不倫をする女性が多い都道府県、上位3位は以下のとおりです。
【不倫経験が多い都道府県】(女性)
1位 埼玉県20%
1位 徳島県20%
3位 東京都16%
3位 愛知県16%
東京と埼玉という、関東の人口密集地域がランクインしました。さらに大都市名古屋がある愛知県も同率3位なので、都会の華やかさと関係がありそうです。
一般的には、男性の不倫より女性の不倫のほうが目立ちます。
なぜなら男性の不倫の場合、ホテルに入るなどの決定的な瞬間を押さえられなければ、「仕事関係の女性と打ち合わせをしていた」と言い逃れすることができるからです。
しかし専業主婦だと、カフェで男性と2人きりで話していただけで「何かあるはず」と疑われてしまいます。
都会だとカモフラージュがしやすいので、妻が冒険の誘惑に駆られるのではないか、という推測はうがちすぎでしょうか。
ちなみに愛知県は男女ともに不倫が多い都道府県上位に入ってしまいました。
そして徳島県の女性の不倫率の高さが気になります。カモフラージュしやすい場所が極端に少ない地方で、どうして妻は大胆な行動に出るのでしょうか。
ただ、「不倫をする女性が多い」といっても16~20%です。男性の上位3位(5県)の32~34%と比べると、「やっぱり男の方が浮気性」といえるでしょう。
不倫をする男性が少ない都道府県上位3位の特徴とは
次に不倫をする男性が少ない都道府県をみてみます。
【不倫経験が少ない都道府県】(男性)
1位 京都府8%
2位 香川県14%
2位 岡山県14%
京都男性へのイメージでは、「おっとり」「上品」という長所と「本音と建前の使い分けが極端」という短所があります。
このような性質を持っていると「不倫は不利」ということを理性的にとらえることができ、自制できるのかもしれません。
そして香川県と岡山県は瀬戸内海を挟んで隣接しています。土地が近いので、「浮気しない」という気質も似たのでしょうか。
岡山県の男性は合理的という性質を持っているそうです。
メリットが小さくデメリットがとてつもなく大きい不倫は、明らかに非合理的な行為なので、岡山県の男性は不倫に走らないのかもしれません。
不倫をする女性が少ない都道府県上位3位の特徴とは
不倫する女性が少ない都道府県は以下のとおりです。
【不倫経験が少ない都道府県】(女性)
1位 鹿児島県2%
1位 奈良県2%
1位 兵庫県2%
鹿児島県の女性のことを「薩摩おごじょ」といい、これは優しい・気立てがよい・控えめ・真面目というニュアンスを含むそうです。そのとおりの結果が出たといえそうです。
鹿児島女性が「おごじょ」な性質になったのは、「薩摩隼人」と呼ばれるほど頑固な鹿児島男性を柔軟に受け止めるようになったから、という説があります。
奈良県の女性は「おっとり」した人が多く、兵庫県の女性は「強い自己主張」が特徴といわれています。いわば真逆の性質ながら、「浮気はしない」という信念は共通しているのですね。
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まとめ
離婚や不倫と都道府県民性の関係について考えると、特徴がありそうでなさそうなところが面白いですね。
ただ、少しだけ真面目な話をしますと、「○○県は浮気しやすい風土だ」といったことや「○○県の女性は身持ちが固い」といったことは科学的にはまったく証明されていません。
都道府県で区切って「離婚しやすい順位」や「不倫が多い順位」をつければ、順位がつくのは当たり前です。
つまり、「日本を緯度で47等分に区切る」という方法で区分けして「離婚しやすい順位」や「不倫が多い順位」をつけても順位がつくのです。
ですので、シャレが通用しない人に「あなたの県民性は浮気性」などと揶揄すると、思わぬトラブルになるかもしれません。
男女関係の都道府県民性の話題は、あくまでユーモアの範囲にとどめておいたほうが無難です。
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