離婚寸前の夫婦関係を修復する方法は?修復可能なケースとは?
「最近全然会話がない」「顔を合わせると喧嘩ばかり」「関係を修復したいけれど、どうしたら良いかわからない」などと悩んでいる人も多くいます。
しかし、修復をあきらめて離婚に踏み切るのは待ってください。「修復は不可能」と思っていても修復可能なケースがあります。
この記事では、あなたは本当に離婚すべきなのか修復可能なのかをチェックし、夫婦関係を修復する方法などを紹介します。
- 目次
夫婦関係の修復とは?復縁との違いは?
「復縁した」「関係を修復した」どちらもよく聞く言葉ですよね。夫婦関係の修復を説明する前に修復と復縁の言葉の違いについて知っておきましょう。
- 復縁:一度離婚した夫婦が再婚すること
- 修復:破綻しそうになった夫婦関係を元に戻すこと
今回のように「離婚しそうだけれど離婚していない夫婦」の場合は復縁ではなく修復という言葉をもちいます。
夫婦関係が修復可能な夫婦の特徴
夫婦関係が修復可能な夫婦とはどういう夫婦を指すのでしょうか。
お互いに何を考えているのか話し合うことができる
そもそも夫婦関係を修復するためには、「自分はこう思っている」や「何が不満なのか」など話し合いをしなければ始まりません。それができないようなら修復は不可能です。
相手への思いやりがある
しっかりと本音で話し合うためには信頼関係がないといけません。
言ったことに対して相手が聞く耳を持たない、何を言っても罵倒される…あなただって、そんな思いやりのない相手に本音を話すことなんてできませんよね。
相手の本心を聞き出すためには、批判したりせず思いやりを持って耳を傾ける姿勢も必要です。
まずは自分が変わる努力ができる
これは夫婦関係に限った話ではありませんが、人間関係を修復するには自分が変わることも大切です。
人間関係において相手を変えようと努力したり相手に期待することは意味がありません。まずは自分が変わろうとする努力が必要です。
多少の犠牲は覚悟ができている
自分が変わる努力に似て内容ですが、相手とうまくやるためには自分も譲歩する姿勢が必要です。
自分の考えと違うことでも相手に合わせられる部分があるなら、相手に合わせる姿勢も必要です。
相手のことを愛する気持ちがある
大前提として相手のことを愛していなければ夫婦関係を修復することはできません。愛のない夫婦関係も存在しますが、そのような関係を修復することに意味はありません。
夫婦関係の修復が難しい夫婦の特徴
では反対に、関係修復が難しい夫婦にはどのような特徴があるのでしょうか。
浮気や不倫を繰り返して夫婦関係が破綻している
夫婦の一方、または両方が何度も何度も浮気や不倫を繰り返していれば夫婦関係は破綻していると言わざるをえません。浮気癖は治らないと考えたほうが賢明です。
それでも「(浮気を繰り返す)相手のことを愛している」という人もいるかもしれませんが、まずは一旦離婚して距離を置き、冷静に考えることも必要です。
顔をあわせると口論になってしまう
顔を合わせると口論になってしまうようであれば離婚したほうが良いでしょう。
どんなに冷静になろうと努力しても反発してしまうようでは、一緒にいればいるほど口論が増えることになります。
また、このような状況で育つ子供の成育にも悪影響があります。両親が口論しているのを子供に見せないためにも別居するなど距離を置くことが重要です。
DVやモラハラがある
相手からDVやモラハラを受けている場合、もはや関係修復はできません。修復を図るのではなく、自分や子供の身を護るために一刻も早く別れるべきです。
自分の意思を相手のためには曲げたくない
夫婦関係の修復には「多少の犠牲は覚悟ができていること」が必要だと説明しました。
一方、あなたが「これ以上は譲れない」と考える部分まで変えるように相手が求めてきた場合は、離婚も選択肢の1つに考えて良いでしょう。
第三者からの介入がある
義両親などの第三者が夫婦関係に口出しするようだと修復は難しくなります。
この場合、たとえ夫婦で話し合いをしても「この発言は本当に夫(妻)の本心なの?」と疑ってしまい、信頼関係が失われてしまいます。
義両親だけでなく、夫婦以外の人が夫婦関係に口出しする場合は修復が難しくなることが多いです。
まだ間に合う!夫婦関係の修復が可能なポイント
ここからは自分たち夫婦の関係が修復可能な状態かどうかをチェックしていきましょう。
毎日家に帰ってくる
浮気しても家を出て行っても、相手がすぐに家に帰ってくるなら、あなたとの家を自分の居場所と思っているということです。
反対に別居している状態が長く続いているようだと関係修復は難しくなります。
子供や夫婦間を結びつけるものを大切にしている
昔から「子はかすがい(鎹)」といいます。どんなに夫婦仲がよじれても、「子供のために努力しよう」「我慢しよう」と思うものです。
特に離婚することを子供が反対している場合は子供の将来や福祉のことも踏まえて熟考しましょう。
ただし、離婚するほうが子供のためにも良いケースもありますので、離婚するか修復を図るか慎重に判断しましょう。
子供以外にも2人で建てたマイホーム、大事にしているペットや植物など、喜びや努力を夫婦で分かち合ってきたものを大切にできるなら修復の余地があるでしょう。
金銭的に生活が成り立つよう努力をしている
夫婦として共同生活を営むためにはそれ相応のお金が必要です。働く努力をしない、働いているけれど生活費を入れないといったことがあると関係修復は難しいでしょう。
反対に、こちらが努力をしているのに「甲斐性がない」と不満を言ったり、収入を超えた贅沢を求めてくる場合も関係修復が難しくなります。
暴力や浮気などの問題がない
DVやモラハラなど、身体的・精神的な暴力や束縛があると関係修復は困難です。これらの暴力がある場合はすみやかに離れるべきです。自分や子供の身の安全を第一に考えましょう。
DV被害に遭っている人のなかには、ひどい目に遭っているにも関わらず「(暴力をふるう)相手のことを愛している」と言う人もいます。
これは一種の洗脳状態であり、相手に依存しているのです。このような場合は夫婦だけで解決するのは難しく、周囲のサポートが必要になります。
また、相手に浮気や不倫の事実がないことも関係修復に必要です。 不倫や浮気は一時的なものから長期間におよぶものまであります。
一時的なものなら修復可能なケースもありますが、配偶者が不倫相手に熱を上げてしまっていると関係修復することは難しいです。
相手の身近な人との関係が良好
義家族との関係が悪いことを理由に離婚するケースがあります。一方、夫婦関係がよじれていても、義家族との関係が良好だと夫婦関係の修復がうまくいくこともあります。
今の夫婦関係の悩みが長期的なものではない
今あなたが悩んでいることは一時的なものでしょうか。それとも結婚してからずっと抱えているような長期的なものでしょうか。
結婚式の牧師の言葉で「病めるときも健やかなるときも…」というのがありますよね。
性格の不一致などはどうしようもないことですが、別の人生を歩んできた2人が一緒になるのですから良いことばかりのはずがありません。
今直面しているトラブルが一時的なものなのか、そのトラブルは乗り越えられそうなのか、もう一度考えてみましょう。
乗り越えられそうなトラブルなら、それを乗り越えることで夫婦の絆がより強くなることもあります。
離婚寸前の夫婦関係を修復するために効果的な方法
ここまで自分たちが修復可能な状態なのかをチェックするポイントについて説明しました。
すでに夫婦仲が冷え切っていて、家庭内別居状態であっても離婚せずに夫婦関係を修復するためにはどうすれば良いのでしょうか。
夫婦関係を修復したいと相手に伝える
まず「このままじゃダメだと思う。関係を修復したい」と相手に伝えましょう。
「夫婦なんだから言わなくてもわかるだろう」と思う人もいますが、やはり口に出さなければ本音は伝わりません。
あなたに関係修復の意思があることがわかれば相手の気持ちも変化します。互いに歩み寄るためには言葉に出すことも重要です。
コミュニケーションを取り原因について話し合う
夫婦関係を修復したいという意思を伝えたら、なぜ夫婦関係が悪化したのか、しっかりと話し合いましょう。
もちろん、話し合えば必ず原因がわかるとは限りません。時間による気持ちの変化というのもあるでしょう。
しかし、夫婦仲が冷え切ったのはコミュニケーション不足によることも多くあります。何のアクションも起こさずにいると、どんどん関係が悪化することもあります。
これをきっかけにコミュニケーションを取ることにつながる場合もあります。
ただし、話し合うのは時間や気持ちに余裕があるときを選びましょう、また、邪魔が入らないように夫婦が2人きりで話し合うことも重要です。
1日1回の何気ない会話をしてみる
結婚当初は何でも話し合っていた夫婦も、家庭内別居状態が続くと何から話せば良いかわからなくなることもあります。
「今日、すごく寒く(暑く)なかった?」 「今日昼間雨降ったよね、大丈夫だった?」 どんな些細なことでも良いのです。
特別なイベントを作らなくても何気ない日常の会話を楽しめるようになることが重要なのです。
ちょっとしたことでも感謝の気持ちを伝える
良好な人間関係において感謝の気持ちを示すことは重要です。これは夫婦関係においても同じです。
しかし、夫婦関係が長く続くと「やってもらって当たり前」という意識が生まれ、いつの間にか感謝の気持ちを表すことが減ってきます。
このような場合は基本に戻って感謝の気持ちを正直に伝えましょう。特別なことでなくてもかまいません。「美味しいご飯を作ってくれてありがとう」そんな言葉で良いのです。
褒められることが嫌な人なんてほとんどいません。多少不自然でも配偶者から褒められれば嬉しいと感じるのが自然です。
相手の良いところを探し素直に褒める
夫婦仲が冷え切っている状態では相手の嫌なところ、悪いところばかりが見えてきます。
結婚するときは相手の良いところを見て結婚したのですよね。関係を修復したいと思うのなら、一旦悪いところは見ないようにして良いところだけを見るようにしましょう。
良いところを見つけたら、「こういうところ、すごいよね」など、素直に言葉にして褒めるようにしましょう。相手が思ってもみなかったところを褒めてあげると、インパクト大です。
さらに、相手に対して好意を示すのも有効です。ただし、いまさら「好き」というのに抵抗があるという人も多いでしょう。
このような場合は「こないだ、君の好きなパスタ屋さんがオープンしてたよ。今度の週末一緒に行かない?」と誘ってみるのも良いでしょう。
夫婦で同じことをしたり同じ空間で時間を過ごす
人は同じ時間を過ごすことで仲が良くなると言われています。これを心理学用語で単純接触効果といいます。
ただし、同じ空間にいるだけだと関係修復には不十分です。一緒に食事をする、料理を作る、寝室を一緒にするなど、感情や経験を共有することが大切です。
日常生活のなかで行うことが困難な場合は旅行などするのも良いでしょう。旅行中はずっと一緒にいますし、開放感や非日常的な感覚を味わえるため、距離を縮めるチャンスです。
感情的になってしまうなら一時別居を試す
顔を合わせるとどうしても感情的になってしまう場合は、一旦別居して距離を置くのも1つの方法です。
「離れてみたら相手の大切さがわかった」なんて経験、あなたにもありませんか?
「この人を失うかもしれない」と思ったとたん、自分の気持ちに気付かされることもあるのです。
夫婦関係修復のために調停申立も
夫婦関係を修復する方法について説明しました。
どうしても相手が修復に向けた話し合いに応じてくれないときは、裁判所に調停を申し立てる方法があります。これを円満調停(夫婦関係調整(円満)調停)または同居調停といいます。
この調停は、調停委員を介して夫婦が話し合う方法です。
第三者が間に入るとはいえ、あくまで夫婦の話し合いですから、相手の離婚の意思が固ければ調停は不成立になる可能性もあります。
夫婦の力で関係修復ができない場合は
もし夫婦だけで関係修復を図るのが難しい場合は、離婚カウンセラーなどの専門家に頼るのも良いでしょう。
もちろん、専門家に相談したからといって必ず関係修復できるとは限りません。この場合は離婚することも視野に入れましょう。
離婚カウンセラーは離婚や夫婦関係修復に対する知識や経験が豊富ですが、離婚するとなると法的な知識も必要です。
やむを得ず離婚を選択する際は、弁護士に相談しながら進めていくのがおすすめです。
まとめ
離婚を回避し、夫婦関係を修復する方法について説明しました。
関係修復のためには、まず相手とコミュニケーションを取ることが重要です。しかし、コミュニケーションの取り方や状況によっては関係が悪化することもあります。
自分だけで関係修復を図ることが難しいと感じたら専門家に相談しながら進めることが大切です。
状況によっては、関係修復のために別居したのに相手から離婚請求されてしまうこともあります。
このような場合は離婚に強い弁護士に相談するのが良いでしょう。当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚に強い弁護士を厳選して掲載していますので、ぜひお役立てください。
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