新婚なのに離婚したい!離婚を考える原因と回避する方法

基礎知識
弁護士監修
新婚なのに離婚したい!離婚を考える原因と回避する方法

「この人と結婚して良いのかな…」結婚を控えた花嫁が陥る不安や後悔をマリッジブルーといいますよね。しかし、結婚した直後のカップルにも結婚したことを後悔したり、離婚を考えることがあります。

新婚といえば、「アツアツ」「幸せいっぱい」という印象ですが、早々に離婚を考えてしまう人はどのようなことが原因で離婚を考えるのでしょうか。

この記事では、新婚にも関わらず離婚してしまう夫婦の特徴や離婚の回避方法、新婚で離婚することのメリット・デメリットを解説します。

目次
  1. 新婚なのに離婚を考える原因10
    1. ほかに好きな人ができた
    2. 相手の不倫発覚
    3. 新婚早々セックスレス
    4. 結婚に夢を見過ぎていた
    5. 性格の不一致に気が付いた
    6. 同居して生活リズムの違いに気が付いた
    7. 結婚後に隠し事が判明した
    8. 束縛が厳しくなるなど態度が豹変した
    9. 借金などお金関連
    10. 子供に対する考え方の違い
  2. 新婚なのに離婚しやすい夫婦の特徴
    1. 交際期間が短い
    2. 親が離婚しているなど離婚に対するハードルが低い
    3. 実家暮らしが長い
    4. 結婚式を挙げていない
    5. まじめで上昇意識が高い
  3. 新婚からすぐに離婚するメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  4. 離婚を回避するためにできること
    1. 配偶者とコミュニケーションを取る
    2. 今の感情に流されない
    3. 夫婦でカウンセリングを受ける
    4. 不倫を疑われるような行動をしない
  5. 離婚することを決めたらすること
    1. 離婚したい理由が相手につたわるようにまとめる
    2. 離婚後の生活に向けて、住居、仕事などの準備
    3. 子供がいる場合は親権や養育費をどうするか考える
    4. 慰謝料や財産分与などは期間が短いので期待しない
  6. まとめ

新婚なのに離婚を考える原因10

そもそも新婚とは結婚後どのくらいの期間を指すのでしょうか。実はこれには明確な定義はありません。しかし、一般的には結婚後1年くらいを新婚という人が多いようです。

厚生労働省の人口動態統計によると、平成29年に離婚した夫婦の件数は21万2,262組で、そのうち同居期間が1年未満の夫婦の離婚件数は1万2,895組でした。つまり、離婚した夫婦のうち約6%が新婚にも関わらず離婚したということになります。

なぜ離婚して1年も経たないうちに離婚してしまうのでしょうか。以下で説明していきます。

ほかに好きな人ができた

新婚での離婚かどうかに関わらず、不倫は離婚原因の上位にくるものです。不倫は不貞行為、つまり配偶者以外の異性と肉体関係が存在していることをいいます。

しかし、そこまでの関係でなくても、結婚して配偶者以外の異性を好きになることはあるでしょう。

また、「結婚するならこの人!」と思って結婚したけれど、いざ結婚してみると、「別れた恋人のほうが好きだった」と気付くこともあるでしょう。

このような自分の本心に気付いてしまうと、夫婦仲が悪くなる原因となります。

相手の不倫発覚

先ほどのケースとは反対に、配偶者が不倫することもあります。結婚すると夫婦には貞操義務が発生します。

しかし、配偶者にその自覚がなく、結婚後も独身時代と変わらずに恋愛を楽しんでいることもあります。

このような配偶者に対して、「新婚なのに浮気するなんて許せない!」と感じて離婚を考えることもあります。

新婚早々セックスレス

結婚前はラブラブで、会うたびに新鮮な気持ちになれたカップルも、結婚して常に一緒にいると気持ちが冷めてしまい、セックスレスになることもあります。

また、一緒に暮らすようになると、仕事と家事の両立が難しくなることがあります。

このように日々の生活で疲れが溜まり、セックスレスにいたることもあります。

結婚に夢を見過ぎていた

「年収(年商)〇〇以上のIT会社社長と結婚!」「大手〇〇企業のエリートと結婚!」よく週刊誌で話題になるフレーズですね。

結婚するならお金がないよりお金がある相手のほうが良いでしょう。お金に困らない相手と結婚すれば、豊かな生活が送れます。

しかし、景気が悪くなれば、夫の経営する会社が倒産したり、事業がうまくいかなくなるなど、負債を抱えることもあるかもしれません。

では、大企業に勤めるサラリーマンならどうでしょうか。

「大手企業に就職すれば安泰」という時代は終わりました。仮に倒産しなかった場合でも、ボーナスや手当がカットされたり、リストラされることもあります。

このような状況で配偶者を支えていく気持ちが湧かないのなら、あなたが本当に愛していたのは夫ではなく、夫の資産や地位だったのでしょう。

配偶者本人に対する愛情がないことに気付いてしまえば、資産を失った相手を支えていく気持ちも湧きません。

夢や理想だけで結婚してしまうと、それが壊れた途端に離婚してしまうことになります。

性格の不一致に気が付いた

新婚での離婚かどうかに関わらず、性格の不一致は離婚原因として挙がってくるものです。

結婚とはこれまで別々の生活を送っていた2人が一緒に生活するものです。まったく同じ性格であるはずがありません。

それでも夫婦というのは、歩み寄ったり妥協しながら折り合いをつけてうまくやっていくものです。

しかし、ずっと一緒に暮らすわけですから、「どうしても生理的に受け付けない」という場合は結婚生活を続けることはできません。

「性格の不一致を理由に離婚する」というのは口実にすぎません。実際はもっと複雑な要因が隠れていることが多いです。

同居して生活リズムの違いに気が付いた

生活リズムが異なることも新婚にも関わらず離婚にいたってしまうきっかけになります。

業種や体質が異なる会社でフルタイム勤務をしている夫婦はどうしてもすれ違いが多くなります。

会社によって休日も違いますし、夜勤や早番、遅番が当たり前というところもあり、せっかく一緒に暮らしているのに結婚した意味がわからなくなることがあります。

さらに義両親と同居している場合はたいへんです。夫婦だけでなく義両親とも生活リズムを合わせる必要が出てくるため、ストレスは溜まる一方になります。

結婚後に隠し事が判明した

結婚前は自分のことをよく見せようと年齢や収入などを偽ることがあります。このような場合、結婚直後に嘘がわかり、相手のことを信用できなくなって離婚することもあります。

嘘を付く以外にも、持病の有無など結婚の際に相手に伝えておくべきことを隠していたような場合も離婚にいたることがあります。

束縛が厳しくなるなど態度が豹変した

結婚前は、なんとか相手に結婚してもらいたいがために本当の自分を隠していることもあります。

しかし、結婚に漕ぎつけ、相手が自分のものになったとたん、束縛が激しくなったり暴力を振るうようになり、離婚にいたるケースもあります。

借金などお金関連

結婚する際、「結婚相手の年収は〇〇以上」ということを条件にする人もいます。

しかし、いくら年収が高くても、金遣いが荒く消費者金融に借入があったり、貯金がまったくないという人もいます。

結婚前は高額なプレゼントや食事を奢ってくれても、実は借金や浪費癖があるということも少なくありません。相手も結婚前はそういった事実を隠していることも多いです。

その結果、結婚したことで初めて相手の借金の事実を知り、離婚にいたることもあるのです。これは借金や貯金がないという事実だけでなく、お金に対する価値観の違いによるものでもあります。

子供に対する考え方の違い

世界保健機構によると、不妊に悩む夫婦のうち約半数が男性側にも問題があるとしています。

しかし、男性自身は女性と比較してこの事実に対する認知度が低く、「不妊であるのは妻のせい」と決めつけたり、不妊治療に協力しないというケースがあります。

その結果、子供を持つことに対する考え方の違いで離婚することがあります。

また、子供を持つ気持ちが一致していても、「子育ては女性がするもの」という考えや教育方針の違いで離婚を考えるケースもあるようです。

参考:日本Men's Health医学会「第1回コラム:意外に多い男性の不妊症について(http://www.mens-health.jp/364)」※1

新婚なのに離婚しやすい夫婦の特徴

離婚を回避するためにできること

新婚夫婦が離婚してしまう原因について説明しました。新婚なのに離婚しやすい夫婦には以下のような特徴があります。

  • 交際期間が短い
  • 親が離婚しているなど離婚に対するハードルが低い
  • 実家暮らしが長い
  • 結婚式を挙げていない
  • まじめで上昇意識が高い

以下でそれぞれについて解説していきます。

交際期間が短い

結婚した年齢や結婚理由にもよりますが、一般的には交際期間が短いと離婚率が高くなるといわれています。

よく「ビビッと来た」などといいますが、感覚的な理由で結婚した場合、相手の価値観や性格を見極めることなく結婚することになります。

その結果、結婚直後に価値観の違いを感じて離婚にいたることがあります。

親が離婚しているなど離婚に対するハードルが低い

今、日本では3組に1組の夫婦が離婚しているといわれています。また、女性の社会進出も進んでいることから、女性が我慢して結婚生活を続ける必要も少なくなっています。

特に両親など周りに離婚経験のある人がいれば、離婚に対するハードルが低くなるのも自然でしょう。

実家暮らしが長い

実家暮らしが長かったり、1人暮らしの経験がない人は家事ができないことも多いです。また、家事をすることのたいへんさや、ありがたみを理解してもらえないこともあります。

こうなってくると、どうしても1人暮らし経験のあるほうに家事の負担が偏ってしまいます。これが蓄積すると不満が爆発し、離婚にいたることがあります。

結婚式を挙げていない

新婚での離婚に限った話ではありませんが、挙式や披露宴をしていない夫婦は挙式・披露宴を行った夫婦よりも離婚率が高いというデータがあります。

結婚式や披露宴は大勢の前で愛を誓うものです。結婚式や披露宴をすることで、「離婚したら、招待した人に合わせる顔がない」などと離婚を踏みとどまることがあるようです。

参考:ANNIVERSAIRE 総研「離婚率に影響も?!既婚男女600人に大調査!『あなたは結婚式を挙げましたか?』(http://www.anniversaire.co.jp/brand/pr/soken1/report30.html)」※2

まじめで上昇意識が高い

「結婚早々離婚するなんて、だらしない人ね」「人を見る目がないんじゃないの?」などと思われがちですが、まじめで上昇意識が高い人も結婚生活が続きにくいといわれています。

まじめで上昇意識が高いとどうして婚姻生活が続かず、新婚にも関わらず離婚してしまうのでしょうか。

結婚生活は夫婦で折り合いをつけていくものです。

まじめで上昇意識が高い人は、相手の些細なミスを許せなかったり、他人からどう見られているかを気にするなど、夫婦の間で折り合いをつけることが難しく、早々と離婚しやすいことがあります。

新婚からすぐに離婚するメリット・デメリット

結婚してすぐに離婚するにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

時間を無駄にしない

離婚したい相手と何年も我慢して暮らすより、早く離婚して新しい生活に踏み出せば時間を浪費しなくて済みます。  

精神的な負担が少なくて済む

離婚したい相手と暮らしていくのはストレスが溜まりますよね。特にDVやモラハラなどが相手に離婚原因がある場合、結婚生活が続けば続くほど精神的な負担が大きくなります。

離婚のときに決める事柄も少なくて済む

離婚する際、財産分与や親権など多くのことを決める必要があります。しかし、結婚生活が短ければ共有する財産も少ないですし、子供がいないこともあります。決めごとが少なければ離婚の手間も省けます。

再婚がしやすい

当然のことながら、結婚している間はほかの異性と交際することは不倫とみなされます。しかし、離婚してしまえば、堂々と新しいパートナーを探すことができます。

見切りをつけるのが早ければ、新しいパートナーと出会うチャンスが増える可能性もあります。

デメリット

世間体が悪い(ご祝儀泥棒、親族からの避難など)

離婚する夫婦はめずらしくないとはいえ、新婚なのに離婚したとなると非難されることも少なくありません。なかには、「恥ずかしい」「ご祝儀泥棒」などという人もいるでしょう。

勢いで離婚して後悔することがある

結婚生活では時間が解決してくれる問題というのもあります。

また、しっかり話し合えば分かり合えたかもしれないのに、一時の感情で離婚してしまったために後悔することもあるようです。 

子供がいる場合はシングル親にしてしまう

新婚での離婚に限った話ではありませんが、子供を持つ夫婦が離婚すれば子供は片親で育つことになります。  

苗字変更による諸手続きの面倒を短期間でもう一度

結婚して苗字を変えた方は、住民票や運転免許証、銀行口座などさまざまな名義変更手続きを行ったと思います。

当然のことながら、離婚すれば同じ手続きをもう一度行わなければなりません。

離婚を回避するためにできること

離婚を回避するためにできること

新婚で離婚することのメリット・デメリットをしっかりと理解したうえで離婚を回避したいと思ったら、どのようなことをすれば良いでしょうか。

配偶者とコミュニケーションを取る

離婚を回避するためには、まず夫婦で話し合い、コミュニケーションを取ることです。

「言わなくてもわかるはず」と考えてはいけません。コミュニケーションが不足したことが原因で離婚する夫婦も多くいます。しっかりと本音で話し合うことが大切です。

今の感情に流されない

離婚を考えている状況だと冷静になれないことも多くあります。まずは冷静になりましょう。

新婚なのに離婚を考えるくらいですから感情的になりやすい性格かもしれません。

2人で話し合う際も少し時間を置くことが重要です。共通の友人など第3者を介して話し合うというのも有効です。

夫婦でカウンセリングを受ける

夫婦2人で話し合いができそうにない場合は夫婦カウンセリングを利用するのも良いでしょう。夫婦カウンセリングとは夫婦そろってカウンセリングを受けられるものです。

夫婦カウンセリングは、離婚せず関係を修復していきたいと考える夫婦に対し、離婚を考えるにいたった原因を探ったり、解決策をアドバイスしてくれます。

不倫を疑われるような行動をしない

「新婚だから大丈夫」といって、相手に不信感を与える行動を続けてしまうと当然のことながら信頼が得られなくなります。

「隠しごとがあるんじゃないか」「不倫しているんじゃないか」などと相手に疑われるような行動は慎みましょう。

離婚することを決めたらすること

離婚を回避する方法を説明しました。

あらゆる手段を尽くしても離婚を回避できそうにない場合や、どうしても離婚したいという場合は、スムーズに離婚できるようにしっかりと準備をしておくことが大切です。

離婚したい理由が相手につたわるようにまとめる

「離婚したい」と思ったら、離婚したい理由をまとめてみましょう。

離婚理由をまとめていくうちに、「本当に離婚したいのか」「離婚して後悔することはないか」といった自分の気持ちを整理することができます。

また、思ったことをそのままぶつけるだけでは相手に気持ちが伝わらないことがあります。

「よく考えたけど離婚の意思が変わらなかった」ということを冷静になって相手に伝えましょう。感情的に話すより、離婚の意思が固いことが伝わりやすくなります。

離婚後の生活に向けて、住居、仕事などの準備

一般的に、離婚したら女性はこれまで住んでいた家を出ることになります。また、離婚後は配偶者から生活費を受け取れなくなるため、離婚後の生活費を工面する必要があります。

具体的には、生活費を稼ぐために仕事を探し、収入や生活レベルに合った住居を探すことが必要になります。

財産分与や慰謝料など離婚によって得られるお金はありますが、新婚で離婚する場合はあまり期待しないほうが良いでしょう。これについては後述します。

子供がいる場合は親権や養育費をどうするか考える

未成年の子供を持つ夫婦が離婚する場合、親権者を決めなければ離婚できません。

また、親権を持たない親は親権者に対して養育費を支払う義務があります。

養育費については、月々いくら支払うかだけでなく、子供が何歳になるまで支払うのかなど細かく決めておきましょう。

養育費は話し合いで決まらない場合は裁判に進むこともあります。裁判では以下の算定表を用いて養育費を決めることが多いです。

参考:裁判所「養育費・婚姻費用算定表(https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html)」※3

慰謝料や財産分与などは期間が短いので期待しない

離婚では、不倫やDVなど相手に離婚原因がある場合に慰謝料を請求することができます。これは新婚での離婚でも同じです。

夫婦で話し合って決まるのであれば慰謝料の金額はいくらでもかまいません。ただし、一般的には婚姻期間が長いほうが慰謝料金額が高くなる傾向があります。

慰謝料は精神的な苦痛に対する損害賠償のことですから、婚姻期間が長いほど精神的苦痛が大きいと判断されるためです。

また、離婚の際には財産分与を行い、夫婦の共有財産を公平にわけることになります。

しかし、結婚して間もない時期での離婚ですから、「共有財産がほとんどない」とケースもあります。あまり期待しないほうが良いでしょう。

まとめ

新婚での離婚の回避方法や離婚するときに考えておくことを説明しました。新婚なのに離婚を考える人は感情的に行動しやすい傾向があります。我慢して結婚生活を続けるより、さっさと離婚して自由になりたいと思うかもしれません。

しかし、離婚にはデメリットも多くあります。しっかり考えて後悔のない選択をする必要があります。

夫婦で話し合い、離婚できれば理想的ですが、スムーズに進まないことも多くあります。

このような場合は、離婚問題を多く扱う弁護士に相談すると良いでしょう。 離婚問題に強い弁護士に相談することで、新婚で離婚するメリットやデメリット、配偶者との交渉の仕方など、さまざまなアドバイスをしてもらえます。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題が得意な弁護士を多く掲載しております。新婚にも関わらず離婚を考えたら、当サイトを活用ください。

※1 日本Men's Health医学会「第1回コラム:意外に多い男性の不妊症について
※2 ANNIVERSAIRE 総研「離婚率に影響も?!既婚男女600人に大調査!『あなたは結婚式を挙げましたか?』
※3 裁判所「養育費・婚姻費用算定表

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