離婚する夫婦の特徴や共通点!関係修復のためにできることは?
どんなにラブラブな夫婦でも、結婚生活に暗雲が立ち込めることもあります。
「これまでこんなことなかったのに…」「離婚したくないけど、もうダメなのかな」そう考えてしまいがちですよね。しかし、勢いだけで離婚するのは禁物です。
離婚は状況によって不利になることもあります。また内容によっては2人で乗り越えられることもあります。
周りがどのようなことをきっかけに離婚しているかを知っておくと、自分のケースが離婚すべきケースかどうか判断しやすいですよね。
この記事では、ほかの夫婦がどんなことで離婚しているのか、また離婚を回避し、関係を修復するための方法について説明します。
- 目次
どんな夫婦が離婚する?離婚する夫婦の特徴や共通点
ほかの夫婦がどのような理由で離婚しているかを説明する前に、離婚しやすい夫婦の特徴や共通点について紹介します。
話し合いが不足している
離婚する夫婦は、話し合いが足りずコミュニケーションが取れていないというケースが多くあります。
調査会社のマクロミルが実施した「夫婦に関する調査レポート」によると、「夫婦のコミュニケーションが十分取れている」と感じている人は56%であることがわかりました。
つまり、夫婦の半数近くはコミュニケーションが不足していると感じているのです。社会に出ると報連相が大切といいますよね。これは夫婦生活でも同じです。
「子供じゃあるまいし、いちいち伝えなくても…」と思うかもしれません。しかし、夫婦は協力し、助け合うことが必要です。これは民法752条にしっかりと記載されています。
民法752条
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
夫婦が互いに協力し、助け合うためにはコミュニケーションが十分であることが重要なのです。
もし、連絡がすべて事後報告だったり、まったく報告がないとどうでしょうか。
たとえば「昨日遅かったのね。あまりに遅いから先に寝ちゃったわ」「実は会社帰りに上司と飲みに行ったんだ」と夫が妻に事後報告をしたとします。
上司と飲みに行くこと自体は妻を傷つける行為ではありません。「悪いことをしていないのだから、わざわざ言う必要もない」と思うかもしれません。
しかし、このような事後報告が続くとどうでしょう。「どうして先に言ってくれないんだろう。本当は私に言えない誰かと行っていたんじゃないの?」と妻に疑われるかもしれません。
自分は後ろめたいことをしていないのに、コミュニケーションが足りないばかりに不信感を買うことになるのです。
一方で、コミュニケーションを密に取っていけば夫婦の絆は強くなっていきます。
参考:株式会社マクロミル「夫婦に関する調査レポート(https://www.madeinyourvoice.jp/assets/files/pdf/dainino-konintodoke.pdf)」※1
性格の不一致
令和2年度の司法統計によると離婚した夫婦の離婚理由は性格の不一致がトップとなっています。性格の不一致はコミュニケーション不足を招きます。
性格の違いを埋めるためにはコミュニケーションの内容を深め、回数を増やすことが必要です。そのためには夫婦が互いに相手と向き合い、歩み寄る姿勢が大切になります。
参考:司法統計「婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所(https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/253/012253.pdf)」※2
金銭感覚の違い
金銭感覚の違いも離婚理由に多いものです。金銭感覚は子供のころから染みついたものです。それを変えることは並大抵のことではできません。
結婚すると夫婦は同じ財布で生活することになります。一方のお金の使い方が激しければ夫婦のお金が減ることになります。
しかし、相手の金銭感覚を変えるのは非常に難しいものです。その結果、離婚に至るケースも多くなるのです。
金銭感覚の違いだけでなく、浪費癖があることも離婚問題に発展しやすくなります。
小遣い程度にお金を使うなら良いのですが、ギャンブルにはまるなど浪費が激しいケースだと離婚に発展することが多くなります。
家に帰ってこない
夫婦平等が叫ばれて久しいですが、それでも夫は家事をしっかりしてくれる妻から離れにくいと言われています。
よく男性が「彼女に胃袋をつかまれて結婚した」などと言いますよね。美味しいご飯と居心地の良い空間や環境を整えてくれる妻から夫は離れたくないでしょう。
一方、家が乱れて居心地が悪く、夫が「帰りたい」と思えない家になってしまうと離婚しやすくなってしまいます。
夫婦生活がない(セックスレス)
実はセックスレスに悩んでいる夫婦が多くいます。
結婚生活が長くなり子供が生まれたりすると、互いのことを異性ではなく家族としか見ることができなくなることもあります。
こうなってしまうと、いざセックスを試みても気恥ずかしくなり、言い出せなくなるのです。
子育て中や共働きである場合、毎日が忙しくて疲れてしまい、セックスどころではなくなることもあります。
セックスは互いの愛情を確認するコミュニケーションの1つです。つまり、夫婦のコミュニケーションが取れないこととセックスレスは、同じ原因であるケースがあるのです。
たとえば、生活する時間が夫婦で違うため、一緒に過ごす時間がとれなかったり、気持ちを交わす機会がとれないといったものがあります。
ケンカばかり、もしくはケンカをしていない
時間に余裕があるときや相手を思いやる気持ちがあるときは良いのですが、夫婦関係に溝ができてしまうと顔を合わせるたびにケンカをしてしまうという夫婦もいます。
コミュニケーションを取ろうとするとケンカになるのですから、コミュニケーション不足が問題なのではありません。これは夫婦関係が冷え切ってしまったことになります。
では、まったくケンカがなく、問題がなさそうな夫婦はどうでしょうか。ケンカや争いごとがない夫婦も、どちらか一方だけが我慢を強いられているケースもあります。
ケンカがなくても本音を伝え合えていないということは本当の意味で思いやりがないことになります。
また、本音を伝えていないため、コミュニケーション不足になり離婚してしまうケースも多いです。
悪いことはすべて相手のせいにしている
夫婦ケンカをすると、相手の言うことが正論すぎて、言い返したいけど言い返せないこともあります。
こんなとき、「俺が〇〇したのはお前のせいだ!」など、相手のせいにしたり、逆ギレするようだとコミュニケーションが成立しませんよね。
こんな相手だと話す気力も失せ、信頼関係や絆を築くこともできません。
相手に求めてばかりいる
夫婦関係は対等であることが重要です。どちらかが我慢を強いられている状況ではうまくいきません。
自分が相手に何も与えないのに、相手から与えられることばかり望む自己中心的な態度だと関係は破綻します。
夫婦間にモラハラ・上下関係がある
夫婦の間に上下関係があったり、暴力や暴言・束縛といったモラハラ行為があると離婚に発展しやすい傾向があります。
前述のとおり、夫婦は対等のはずです。どちらのほうが優位というものではありません。
しかし、一方が暴力や暴言などで肉体的にも精神的にも相手を支配してしまうと夫婦の間に上下関係が生まれます。
「お前は専業主婦なのにこんなこともできないのか」「お前は〇〇だから何もできない」
こんな理不尽なことを言ったり、前述のように「俺が〇〇したのはこいつの△△のせいだ」と明らかに自分が悪いことを正当化して親族や子供の前で言うこともあります。
これも相手を精神的に追い詰める行為です。
このようにモラハラは精神的に相手を追いつめます。
モラハラを受けやすい人というのは「自分が悪いのではないか」と自分を責める傾向があります。これを見た配偶者はますます暴言で相手を追い込もうとする…悪循環ですよね。
こうなってしまうと解決方法は離婚しかありません。
夫婦のどちらかに負担がかかっている
夫婦は対等であることが重要と説明しました。しかし、実際にはそれぞれ担っていることが違います。
夫婦の間で負担に偏りがなければ良いですが、一方に負担がかかりすぎている場合は不満が溜まります。
コミュニケーションがうまく取れていれば偏りを解消しやすいですが、話し合いができない状態が続いていると一方のストレスが溜まり、離婚に至ることもあります。
家族や親族との折り合いが悪い
本来、結婚は夫婦2人の問題のはずです。しかし、いずれかの親族との折り合いが悪く、離婚に至るケースもあります。
いくら夫婦が仲良くしていても親族が間に入ることで夫婦関係に亀裂が入ってしまうのです。
内閣府男女共同参画局の調査によると、平成25年度の夫からの離婚理由に「家族親族と折り合いが悪い」というのが上位に入っています。
この結果からも親族との関係性が離婚に影響をおよぼすことがわかります。
これは親族との仲が悪い場合に起こるだけではありません。例えば、夫(妻)が自分の親族と仲が良すぎるために妻(夫)よりも親族の意見を優先してしまう場合にも起こります。
基本的に家庭内の問題は夫婦で話し合って解決すべきということを肝に銘じておきましょう。
参考:内閣府男女共同参画局「I-4-4図 婚姻関係事件における申立ての動機別割合(平成25年度)(http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h27/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-04-04.html)※3」
離婚危機を迎えやすいタイミングは?
離婚しやすい夫婦の特徴について説明しました。夫婦が離婚の危機を迎えやすいタイミングというのはあるのでしょうか。
政府統計「平成 30 年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」で、同居期間別の離婚件数の年次推移が発表されています。
これによると、結婚から5年以内に最も離婚件数が多くなり、2番目に結婚後5年以上10年未満が多くなっています。
一方、3番目に多いのが結婚後20年以上となっており、最初の危機を乗り越え、しばらくしてから再度離婚の危機を迎えることがうかがえます。
参考:厚生労働省「平成 30 年(2018)
人口動態統計月報年計(概数)の概況 12 同居期間別にみた離婚件数の年次推移(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/gaikyou30-190626.pdf)」※4
離婚を回避したい!夫婦関係を修復するための方法は?
離婚の危機を乗り越え夫婦関係を修復するにはどうすれば良いのでしょうか。
二人でコミュニケーションをとる
あなたは朝起きて夫(妻)と顔を合わせたらどうしていますか?離婚を考えるくらいですから、顔を合わせても無言…なんてこともあるでしょう。
会話もなく関係が冷え切った夫婦の場合、「いまさら何を話したら良いかわからない」ということもよくあります。そんなときこそ何気ない挨拶をしてみましょう。
朝起きたら「おはよう」、帰宅したら「おかえりなさい」。最初はぎこちないかもしれませんが、これなら何を話そうか悩む必要もありません。
関係修復を図るなら、夫婦で一緒に食事をして会話を楽しむことも大切です。
人は一緒に過ごす時間が長いほど、同じ体験や感情を共有するほど仲良くなる傾向があります。夫婦で食事をして会話を楽しむことは夫婦関係修復に非常に有効なのです。
さらに夫婦関係を修復するには、相手に対して関心を持つことも大切です。
相手に関心を持つことで会話のきっかけを掴むことにもつながります。相手の趣味を一緒に楽しむのも良いでしょう。
いずれの場合も重要なことは相手との距離感です。新婚で熱々な夫婦とは違いますから、距離の縮め方やお互いが快適と感じる距離を保つことも重要になります。
共通の目標を持つ
夫婦で同じものを大切にしたり、同じ目標を持つことは関係修復に有効です。
ロックバンドが解散するときも「方向性の違いで」などと言いますよね。同じ方向を向いて同じ目標を持つことは人間関係を良好に保つために重要なのです。
「一緒にお店を出す」「マイホームを持つ」「一緒に〇〇kgダイエットする」 どんな些細なことでもかまいません。同じ目標に向かって前向きに行動することが大切です。
今まで気付かなかった相手の一面に気付くきっかけにもなり、新鮮な気持ちになるでしょう。
パートナーを信頼する
夫婦には信頼関係が不可欠です。しかし、相手の浮気を疑いすぎたり束縛し続けていると相手は逃げたくなるでしょう。
夫婦の信頼関係を保つためには、相手を信頼し、干渉しすぎないことが重要です。そのためには、お互いにある程度自由な時間を持ち、気持ちにも余裕を持つことが大切です。
子供のことを考える
子供がいる場合、子供のことを考えてみるのも重要です。毎日毎日、子供の前で夫婦喧嘩をしていれば子供の福祉にも反しますし、健全な養育環境とはいえません。
子供のことを考え、「一緒にいることが一番良い」と思うのであれば夫婦関係の修復に前向きになれるでしょう。
夫婦の問題を専門家に相談してアドバイスをもらう
夫婦関係というのは複雑ですので、1人で悩んでいるだけだと埒が明かないこともあるでしょう。
このような場合、信頼できる身近な人あるいは夫婦関係や離婚問題の専門家に相談することが重要です。
夫婦関係や離婚問題は複雑な内容が多くあるため、お住まいの市区町村の法律相談や離婚カウンセラー、弁護士に相談するのがおすすめです。
相談した結果、離婚したほうが良いという場合も、離婚に向けてどう進めていくべきかを専門家と一緒に考えていくことが重要です。
専門家と一緒に進めることで、離婚後の生活がどうなるかをイメージでき、どのような準備が必要かなどアドバイスしてもらえます。
離婚はメリットだけでなくデメリットもあります。子供や離婚後の生活など総合的に考えて離婚するかどうかを判断しましょう。
まとめ
離婚の危機を回避し、夫婦関係を修復する方法について説明しました。 離婚せず、夫婦関係を修復するには夫婦のコミュニケーションが大切です。
1人で悩んでいると冷静に判断できないことも多いです。夫婦関係の修復や離婚するかどうかの判断は専門家に相談することが重要です。
関係修復が難しく、離婚すると判断した場合、弁護士なら法的な立場でアドバイスすることができます。
「どの弁護士に依頼したら良いかわからない」という方は、ぜひ当サイト「離婚弁護士相談リンク」を活用してください。
当サイトは離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。実際に依頼するかどうかは相談してから決めることもできますので、お気軽にご利用ください。
※1参考:株式会社マクロミル「夫婦に関する調査レポート」
※2司法統計「婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所」
※3 内閣府男女共同参画局「I-4-4図 婚姻関係事件における申立ての動機別割合(平成25年度)」
※4 厚生労働省「平成 30 年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況 12 同居期間別にみた離婚件数の年次推移」
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