離婚したら子供の戸籍はどうなる?戸籍を変更する手続きは必要?

基礎知識
離婚したら子供の戸籍はどうなる?戸籍を変更する手続きは必要?

もう離婚することは決めている妻です。気がかりなのは、離婚後の子供の戸籍のこと。

自分は夫の戸籍から抜けるけれど、実家の戸籍に戻るのか、新しく作ったらいいのか、子供の親権はほしいものの苗字はどうしたらいいのでしょうか?

そんな疑問をお持ちの方へ、離婚の際に戸籍に関して必要な手続きや、子供の戸籍の扱いについて説明していきます。

目次
  1. 戸籍とは?
    1. 結婚
    2. 出生
  2. 離婚した夫婦の戸籍はどうなる?
    1. 婚姻前の籍に戻る(復籍)
    2. 新しい戸籍を作成する
  3. 離婚後の子供の戸籍はどうなる?
    1. 母親が親権者になった場合も子供は父親の戸籍に入ったまま
    2. 復籍した場合、子供は同じ戸籍には入れない
    3. 母親が婚氏続称しても子供の戸籍は別
  4. 離婚後に子供と母親の戸籍が違うことで起こる影響は?
    1. 戸籍謄本申請
    2. 苗字が別の場合
  5. 子供の入籍手続きをする方法
    1. 子供の入籍届の手続きの流れ
  6. まとめ

戸籍とは?

日本国民は、届出をされていない人を除き、原則として全員、戸籍に入っています。

戸籍制度とは、日本国民について家族単位で把握し、戸籍簿で管理する、世界でも珍しいシステムです。戸籍簿には、日本国民の国籍と、届出に基づき出生、婚姻、離婚、死亡などが記されます。夫婦を単位として、その子までを一つの戸籍としており、親子や夫婦、兄弟姉妹などの親族的身分関係が登録されます。

おおまかにいうと、その人が生まれてから亡くなるまでのルーツの記録が戸籍簿、というイメージです。

結婚

結婚に際しては、婚姻届の提出により、戸籍が新たに作られます。

初婚の場合、親の戸籍に入っていた二人がそれぞれ抜けて、二人の新しい戸籍を作ることになります。戸籍の筆頭者(これから名乗る氏の方の人)を夫とし、妻が夫の氏を名乗るケースが多いようです。

→例)1つの戸籍に夫(筆頭者)と妻

出生

子供が生まれたら出生届の提出により、戸籍に子供が記載されます。戸籍は夫(子供の父)が筆頭者のことが多いので、子供はその戸籍に入って父と同じ苗字を名乗ります。

→例)1つの戸籍に夫(筆頭者)、妻、子供

離婚した夫婦の戸籍はどうなる?

離婚届を提出すると、戸籍はどうなるのでしょうか。

  • 夫が戸籍の筆頭者で離婚した場合
    • 夫→変更なし
    • 妻→戸籍から抜ける(除籍される)
  • 妻の次の戸籍については、以下の2種類どちらか
    • 婚姻前の戸籍に戻る(復籍
    • 自分で新しい戸籍を作る

婚姻前の籍に戻る(復籍)

結婚などで他の戸籍に入った人が、離婚などで前の戸籍に戻ることを復籍といいます。

結婚前に親の戸籍に入っていた人の場合、そこへ戻って旧姓を名乗ることになり、これを復氏といいます。

ただし、復籍できないケースもあります。

  • 旧姓ではなく、婚姻時の氏を続けて名乗りたい場合(戸籍内は同一の氏で統一)
  • 子供を自分の戸籍に入れる場合(同一の戸籍には二世代まで。親、子、孫の三世代は入れない)
  • 復籍しようとした戸籍が除籍になっている場合(戸籍にいた全員が死亡で除籍、など)

新しい戸籍を作成する

一方、新しく自分の戸籍を編製する場合、旧姓と婚姻時の姓のどちらかを選べます。また、自分で戸籍の本籍地を決められるので、例えば今後新しく住む家を本籍地にしておけば、戸籍謄本が必要になって取りに行く時に役所に近いので便利です。

新しい戸籍を作るケース

  • 旧姓に戻るものの、婚姻前の戸籍には戻らず、自分の戸籍を作りたい場合
  • 婚姻時の氏を名乗りたい場合(※婚氏続称の届け出が必要)
  • 子供を自分の戸籍に入れたい場合
  • 婚姻前の戸籍が除籍になっており、復籍できない場合

婚氏続称制度とは?

離婚後3か月以内に届出をすると、婚姻時の氏(苗字)を続けて使うことができる制度です。

夫の苗字で長く結婚生活を送っていると、離婚で苗字が戻ることにより、子供の学校や友人関係、自分の勤務先などに離婚を知られる、パスポートをはじめ様々な名義変更が必要になるといった不都合が生じる場合を考え、この制度を使う人もいます。

新戸籍を作る注意点

ただし、新戸籍を編製した後になってから婚姻前の戸籍に戻ることはできないので、離婚の際は戸籍をどうするか慎重に考えて手続きを行いましょう。

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離婚後の子供の戸籍はどうなる?

離婚後の子供の戸籍はどうなる?

母親が親権者になった場合も子供は父親の戸籍に入ったまま

筆頭者である夫、妻、子供で構成されていた戸籍から、離婚で妻(母親)が抜けた場合、子供はどうなるかというと、元夫(父親)の戸籍に入ったままです。よって、子供の苗字も変わりません。

親権者が母親になったとしても、そのまま子供が母親の戸籍に入る仕組みはないので、子供を自分の戸籍に入れたいのであれば入籍の手続きが必要です。

復籍した場合、子供は同じ戸籍には入れない

戸籍は夫婦(親)と子の単位で構成されるので二世代までとなり、三世代目にあたる孫は入りません。ですので、離婚して婚姻前の親の戸籍へ妻が復籍をした場合、子供を同じ戸籍には入れられません。

自分と子供を同じ戸籍にするのであれば、復籍ではなく、自分を筆頭者とした戸籍を新しく作り、さらに、子供を入籍させる手続きが必要です。

母親が婚氏続称しても子供の戸籍は別

先に説明した婚氏続称制度を利用し、婚姻時の姓で、妻(母親)が自分を筆頭者とした新しい戸籍を作ったとします。子供と同じ姓にはなりますが、元夫(父親)の戸籍に入ったままの子供とは、戸籍はやはり別々の状態です。

離婚後に子供と母親の戸籍が違うことで起こる影響は?

それでは、母親と子供が別々の戸籍の状態で起こる影響には、どんなものがあるでしょうか。

戸籍謄本取得

この先、子供のパスポート申請結婚、相続などで、子供に関して戸籍謄本戸籍抄本が必要になった際に、子供が入っている元夫の戸籍の本籍地の役所へ、取得の申請をしなくてはなりません。遠方なら郵送での申請になりますし、元夫に取得を頼むのも、離婚の理由によっては避けたい人もいるでしょう。

また、戸籍には附票 というものがあり、戸籍にいる人の住所の履歴が記録されています。つまり、元夫は戸籍にいる子供の現住所を調べられるので、母親と子供が引っ越しても居所を知られてしまいます。

苗字が別の場合

例えば旧姓に戻った母親と、父親の戸籍に残った子供の場合、戸籍も異なり、苗字も別になります。子供自身がどう思うか、ということもありますし、子供の学校等で、保護者名での書類提出が必要な際などは、別々の苗字を記載することになります。

一緒に生活する上で日常的にさほど問題がなくても、場合によっては親子だとわかってもらうのに、不都合やわずらわしさを感じることがあるかもしれません。

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子供の入籍手続きをする方法

子供の入籍手続きをする方法

子供の入籍届の手続きの流れ

母親が新しく作った戸籍へ子供を入れる場合の手続きについて説明します。それぞれ手続きの際には、発行手数料や申立の手数料等が必要となるので、詳細は家庭裁判所や役所・役場に問い合わせて準備しましょう。

①離婚後の戸籍謄本の取得

父、母、子、全員の戸籍謄本(全部事項証明書)が必要です。

取得請求に関しては、戸籍の本籍地のある市区町村の役所・役場の窓口のほか、サービスカウンターでの請求や、郵送での取り寄せ、自治体によってはコンビニ交付などに対応しているところもあるので、自分の本籍地に問い合わせてみましょう。

②子供の氏の変更許可申立

母親と子供の氏を同じくするため、子供の住所の家庭裁判所へ子供の氏の変更許可申立をします。下記に必要なものを挙げましたが、場合により追加書類が必要になることがあるので、事前に申立を行う家庭裁判所へ詳細をご確認ください。

  • 子の氏の変更許可申立書(裁判所のウェブサイトからダウンロードできます)
  • 父、母、申立人(子)の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 収入印紙800円(子供1人につき)
  • 連絡用の郵便切手(家庭裁判所へ要確認)

参考:裁判所「子の氏の変更許可

③子供の入籍届を提出する

子供の氏の変更許可が家庭裁判所から下りたら、その審判書の謄本をもらいます。入籍届など必要書類を準備して、届出人(子供または子供が15歳未満の場合は親権者)の所在地もしくは本籍地の市区町村役所・役場の戸籍課で手続きをします。

  • 家庭裁判所が発行した氏の変更許可の審判書謄本
  • 入籍届(市区町村役所・役場の戸籍課で用紙をもらう。サイトからダウンロードできる自治体もある)
  • 戸籍謄本(全部事項証明書):届け出る市区町村が本籍地と同じかどうかなどによって必要の有無が異なるので、入籍届の詳細については入籍届の用紙を入手する際など、事前に役所・役場へお問い合わせください。

まとめ

離婚の際は考えなくてはならない事柄が多く、手続きなどに追われるため、戸籍についてゆっくり考えられないかもしれません。

しかし、戸籍苗字は自分だけでなく、子供の現在、将来につながる大切な問題です。

子供とよく話し合い、また、弁護士など専門家のアドバイスを受けてみましょう。

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