共依存夫婦の特徴とは 危険性と共依存状態から脱出して幸せになる方法
夫婦が愛し合い、共に支え合うことは夫婦の理想の形と言えます。しかし、互いの絆が強すぎると共依存状態になり、互いに相手がいないと生きていけない状態に陥ることもあります。
共依存状態を放置すると、子供へ悪影響をおよぼしたり、精神的な病気になったりするリスクもあります。
この記事では、
・共依存夫婦の特徴
・共依存状態を続ける危険性
・共依存状態から脱出する方法
について解説します。
- 目次
共依存夫婦とは
共依存とは依存し合っている状態を指します。
共依存夫婦とは、夫婦それぞれが配偶者に対して精神的に依存し、依存されている他方も依存を助長する存在になっている夫婦を指します。
夫婦は互いに支え合って生きていくものですが、相手がいないと生きていけず、その状況から抜け出せられない状態であれば、健全な夫婦関係とは言えません。
共依存夫婦の心理
共依存夫婦の主な考え方は次の2点です。
- 「私がいないと夫(妻)は生きていけない」と思っている
- 「私は夫(妻)がいないと生きていけない」と思っている
共依存夫婦は、「夫(妻)は自分がいないと生きていけない存在であり、自分以外の人間には夫(妻)の相手は務まらない」と考えています。
一方、自分も配偶者から必要とされることで自分の存在価値を見出しており、相手がいないと生きていけない、そして自分と同じように相手から依存されたいと思っています。
共依存夫婦の特徴
共依存夫婦には主に以下の特徴があります。
- 常に一緒にいる
- 連絡の頻度が高い
- 相手の機嫌や気分に左右される
- 自分の意見より相手の意見を優先する
- 束縛しあっている
それぞれ以下で解説します。
常に一緒にいる
共依存夫婦の特徴の1つに「常に一緒にいる」というものがあります。
「仲が良くて一緒にいる」「そばにいたい・好きだから一緒にいる」のではなく、「相手を独占したい」「他の誰かに取られたくない」という理由によるものであれば共依存夫婦の可能性があります。
連絡の頻度が高い
共依存夫婦は常に相手とつながろうとします。
自分が今どこで何をしているかを逐一相手に報告し、自分のことを気にかけてもらうことを求めます。また、相手にも同様の報告を求めます。
「相手から連絡がないと不安になる」「常に連絡を取っている」という場合は共依存夫婦である可能性があります。
相手の機嫌や気分に左右される
相手の機嫌や気分に逐一左右されるのも共依存夫婦の特徴です。自分の気持ちを押し殺し、相手の顔色をうかがいながら行動します。
例えば以下のような行動があれば相手の機嫌や気分に左右されていると言えます。
- 配偶者の機嫌が悪いとビクビクおびえる
- 配偶者がイライラしていると自分もイライラする
- 配偶者の機嫌が悪いのは自分のせいではないかと不安になる など
自分の意見より相手の意見を優先する
何かを決めるときも自分ではなく相手の意見を優先するのも共依存夫婦の特徴です。
共依存夫婦が最も恐れるのは配偶者から嫌われることです。
自分に意見を主張する理由がないため配偶者に譲っているのであれば、優しさかもしれません。しかし、相手に嫌われたくないから配偶者の意見を優先しているのであれば共依存状態であると言えます。
そのため、自分の意見ではなく、配偶者の意見が優先であり、配偶者の要求には従うべきであると考えています。
束縛しあっている
配偶者にこまめな連絡を求める、配偶者に自分の行動を逐一連絡するという行動は夫婦が互いに束縛し合っていると言えるでしょう。
また、配偶者のすべてを知りたいという思いから、共依存夫婦は配偶者のスケジュールや交友関係を根掘り葉掘り聞き出します。
配偶者のことを知ることで相手の役に立ちたい、協力したいという理由であれば良いのですが、配偶者のことを把握すること自体が目的になることがあります。
自分の行動を高い頻度でつぶさに聞かれれば、配偶者から監視されているように感じ、夫婦生活に息苦しさを感じてしまいます。
共依存状態を続ける危険性
夫婦が共依存状態を続けると以下の危険性があります。
- 子供に悪影響をおよぼす恐れがある
- DVやモラハラにつながる
- 精神的な病気になりやすい
それぞれ下記で解説します。
子供に悪影響をおよぼす恐れがある
共依存状態の夫婦は子供にも同様の関係を求めるケースがあります。「この子は私がいないと何もできない」と思い込み、子供の日常生活や交友関係、学校生活などに過度に干渉します。
その結果、親がいないと何もできない、自分の意思で決断できない子供に育ってしまう恐れがあります。
一方、共依存夫婦は互いのことだけに目を向け、「配偶者がいれば他に何もいらない」と考えてしまう傾向があり、子供がいても放置してしまうケースがあります。
子供がネグレクト状態に陥った場合、子供の生命や健康にも悪影響をおよぼす恐れがあります。
DVやモラハラにつながる
共依存夫婦であっても、夫婦間で依存度に温度差がある場合があります。
夫婦の一方が他方に過度に干渉する、もっと自分に依存してほしいと考えている場合、相手が自分の意思に沿わない言動をすることで暴力をふるい、力で自分に従わせようとするケースもあります。
暴力を受ける側も、配偶者に嫌われたくないため、逆らおうとせず、配偶者の言いなりになってしまいます。
このような状態に陥ると、周りに止める人がいないため状況は深刻化していきます。
精神的な病気になりやすい
共依存夫婦は配偶者に依存すること、相手から依存されることで精神の安定を保っています。
しかし、このような生活を続けていると自分の意思を押し殺し、相手の意見だけに従う生活になるため、ストレスが溜まり、うつ病などの精神的な病気に罹る恐れがあります。
またDVがある場合、暴力を受け続けることで精神的にも体力的にも疲弊し、正常な判断ができなくなり、精神的な病気に罹る恐れがあります。
共依存状態から脱出する方法
共依存状態から脱出する方法は以下です。
- 共依存夫婦だということを自覚する
- 自分のことを認めてあげる
- 相手の嫌な部分を認める
- 精神的にも経済的にも自立する
- 「自分が」どうしたいかを軸に考える
下記で詳しく解説します。
共依存夫婦だということを自覚する
共依存夫婦は、自分たちが共依存状態であるという自覚がありません。そのため、まずは自分たちが共依存夫婦であることを自覚する必要があります。
自分のことを認めてあげる
「自分はダメ人間だ」「配偶者がいないと何もできない」と思い込んでいると共依存状態を加速させます。どんな些細なことでもいいので、自分ひとりで成し遂げたことがあればそれを認めてあげましょう。
成功体験を積み重ねていくことで、自己肯定感が高まり、自立ができるようになります。
相手の嫌な部分を認める
共依存夫婦は相手の嫌な部分が見えなくなることがあります。
客観的に見れば、配偶者に問題があるのに、「私のせいだ」「私が悪い」と思い込み、相手の悪いところに気が付きません。
完璧な人間などいません。自分に悪いところがあるのと同様に、相手にも悪いところがあるはずです。
共通の友人や家族など、信頼できる人に現在の状況を打ち明けてみて、客観的な意見をもらうのも良いでしょう。
ただし、人によっては「妻は夫に従うべき」など偏った考えを持っていることもあるため、相談相手は慎重に選びましょう。
精神的にも経済的にも自立する
配偶者に依存するのは、精神的または経済的に相手に頼っているからです。
精神的な自立とは自分の意思を持つこと、経済的な自立とは生活していけるだけの収入が得られることを指します。
精神的な自立を目指すなら、資格取得など目標を掲げて努力するのがおすすめです。経済的な自立を目指すなら、パートやアルバイトから働いてみるというのがおすすめです。
「自分が」どうしたいかを軸に考える
配偶者に依存している人は、発言する際、「夫(妻)は・・・」などと配偶者を主語にする傾向があります。これは、自分ではなく、配偶者を基準に考えていることの現れです。
言葉を口にするときは「私は」を主語にし、自分がどうしたいのかを軸に考えることから始めしょう。
このとき、意識的に一人の時間を作り、自分はどうしたいのかを考えるように心だけましょう。
夫婦の時間も大切ですが、配偶者と一緒にいると相手のことを考えてしまいがちです。一人になる時間を作り、自分と向き合うことが重要です。
したいことが見つかったら一人で思う存分楽しみましょう。
カウンセラーや弁護士などの専門家に相談する
共依存状態であることを疑ったらカウンセラーなどの専門家に相談しましょう。友人や親族と違い、客観的で中立な立場の意見がもらえます。
夫婦問題を専門に扱うカウンセラーであれば、共依存夫婦などにも精通しており、経験に基づいたアドバイスがもらえるでしょう。
状況によっては、夫婦関係を修復させるより離婚に向けて動いたほうが良い場合もあります。
弁護士に相談することで、現状の夫婦の問題点について指摘してもらえますし、夫婦関係修復だけでなく、離婚や別居などあなたにあった解決策を提示してくれます。
別居する
共依存夫婦が一緒に生活を続けると共依存状態から脱出することは難しいと言えます。共依存状態から脱出するには別居し、配偶者と物理的に距離を置くことが重要です。
配偶者と離れ、別々の生活を送ることで本当に自分のやりたいことが見つかったり、夫婦関係を見直したりしやすくなります。
別居する際は別居後の生活や子供のことなどを考える必要があります。別居を考えたら弁護士に相談しましょう。
まとめ
共依存夫婦について解説しました。
共依存状態から脱出するためには、自分たちが共依存夫婦であることを自覚することが何より重要です。一方、共依存状態が進んでしまうと自分たちで解決するのが難しくなることもあります。
カウンセラーや弁護士などの専門家に相談し、客観的なアドバイスをもらうことをおすすめします。
共依存状態から脱出し、離婚に向けて進む場合、当事者同士で話し合いを行っても話が進まない可能性があります。
弁護士に依頼することで、あなたに代わって配偶者と交渉を行ってくれますので、離婚がスムーズに進みやすくなります。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は様々な夫婦問題に精通した弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
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