育児に非協力的な夫と離婚できる?ワンオペ育児で離婚にいたる原因と対処法。

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育児に非協力的な夫と離婚できる?ワンオペ育児で離婚にいたる原因と対処法。

ワンオペ育児に悩む主婦が増えています。夫の協力が得られずに育児を1人で抱え込み、疲弊する妻が我慢の限界を超えてついに離婚にいたるというケースは少なくありません。

では、夫のどのような行為・発言がワンオペ育児を発生させてしまうのでしょうか。

この記事では、ワンオペ育児になる原因やワンオペ育児が原因で離婚を回避するための方法、どうしても離婚する場合の対処法について紹介します。

目次
  1. ワンオペ育児とは
  2. ワンオペ育児になる原因
    1. 夫の仕事が忙しくて手伝いたくても手伝えない
    2. 元々「育児は女性の仕事」という封建的な考え方の持ち主
    3. 妻が手伝ってほしいことと夫が手伝っていることがズレている
    4. 育児がどれくらい大変なのか分かっていない
  3. ワンオペ育児がもたらす影響
  4. ワンオペ育児が原因で離婚を回避するために
    1. 妻と育児について事前に話し合う
    2. 祖父母に協力してもらう
    3. 家事代行サービスを利用する
  5. ワンオペ育児が原因でどうしても離婚する場合
    1. ワンオペ育児で離婚することは難しい
    2. 弁護士に相談する
  6. まとめ

ワンオペ育児とは

そもそも「ワンオペ」とは、one operation(ワンオペレーション)の略称です。最初にこの言葉が使われたのは、某牛丼チェーン店の労働体制を表現するためでした。

牛丼屋の深夜の時間帯は人手不足になることが多く、アルバイトの店員が1人きりですべての作業・労働をこなすことを指す言葉です。

ワンオペ労働が問題になってから、妻が夫の手を借りず、あるいは借りることができずに1人で育児をおこなうことを「ワンオペ育児」と呼ぶようになりました

具体的には、夫の手を借りずに

  • 子どもの食事
  • 寝かしつけ
  • お風呂
  • 保育所の送迎

などの育児を妻のみがおこなうことを指します。夫側には、後述するようにワンオペ育児にいたるさまざまな理由や背景があります。

しかし、妻側からすればワンオペ育児が存在している事実は否定できません。そのため、最悪の場合離婚にいたることもある重大な夫婦の危機といえるでしょう。

ワンオペ育児になる原因

夫の仕事が忙しくて手伝いたくても手伝えない

「karoshi」という言葉が世界的に有名になったように日本人男性の労働時間は長すぎることで有名です。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が2017年に調査した長時間労働の割合に関する結果によると、2015年時点で日本人男性の29.5 %が長時間労働をこなしています。

フランス人男性の長時間労働割合が14.1%ですから、フランス人男性の約2倍以上の日本人男性が長時間の労働に耐えていることになるのです。

ここでいう長時間とは、調査対象となった国々に共通する最長の区分である週49時間以上を指しています。

こんなにも長時間労働をしているうえに帰宅してから育児も手伝うとなると、単純に身体的負担・精神的負担が高すぎて行動(育児)が追い付かないと考えるのは自然でしょう

もしかしたら夫は内心「育児を少しでも手伝いたい」「手伝わないと…」と思っているのかもしれません。

それにも関わらず労働時間が長すぎるあまり手伝いたくても手伝えないのかもしれません。

参考:データブック国際労働比較2017「第6-3表 長時間労働の割合(就業者)

元々「育児は女性の仕事」という封建的な考え方の持ち主

近年では女性も仕事をしながら育児と両立させている人も増えています。一方、専業主婦として家事に専念している女性も一定数存在します。

特にこのような専業主婦の家庭では、仕事に出る男性が「お金を稼いでくること」と「家事・育児」を分業としてとらえる場合が多いです。これもワンオペ育児の原因の1つと考えられます

内閣府の調査(平成25年度「家族と地域における子育てに関する意識調査」報告書)に興味深い結果があります。

「家庭での育児や家事を夫と妻のどちらがおこなうべきか」という問いに対して、「基本的に妻の役割であり、夫はそれを手伝う程度」と回答した男性が39.6%、「妻の役割である」と回答した男性が15.7%を占める結果となりました。

これらを併せると、育児や家事について「妻が主体となっておこなうもの」という認識をもっている男性は全体の55.3%を占めることになります。

半数以上の男性が「女性が主体となって育児・家事をおこなうべき」と考えているのですから、元から育児(家事)を手伝う気がない男性がいかに多いかがわかります。

参考:2 家庭における出産や子育てについての意識「(3)家庭での育児や家事の役割(Q8)

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妻が手伝ってほしいことと夫が手伝っていることがズレている

内閣府の調査(平成25年度「家族と地域における子育てに関する意識調査」報告書)では「育児や家事で夫もおこなった方がよいと思うこと」についてもアンケート調査をおこなっています。

これによると、

  1. 休日に子どもを屋外へ遊びに連れて行く
  2. ふだん子どもの話しや遊び相手をする
  3. 子どもを入浴させる

となっています。つまり、これらは夫にやってほしいと「妻が思っているのに夫がやってくれていないこと」だと考えられるでしょう。

夫側が手伝っていることが妻の求めていることと著しくズレているということです

例えば、夫が子どもとただテレビを見ているだけだったり、遊び相手のつもりでも気がついたらスマホを見て子どもを見ていなかったり、といった行動が妻を怒らせてしまう可能性もあります。

育児がどれくらい大変なのか分かっていない

「育児」と一言で片づけるのは簡単ですが、実際は身体的にも精神的にも負担が大きい仕事が山積みです。子どもがまだ乳児の場合、

  • 離乳食作り
  • 授乳
  • オムツ交換
  • おもらしをするたびに洗濯をする
  • 箸や鉛筆の持ち方のしつけ
  • 挨拶や言葉遣いのしつけ
  • 着替え
  • 爪切り
  • 保育所や幼稚園のスケジュール確認や日々の持ち物チェック
  • 送迎
  • 入浴
  • 寝かしつけ

など、数えてもキリがありません。これらすべてが「育児」という言葉に凝縮されているのです。

しかし、夫は自分の目の前でおこなわれていないことを含め、すべてを把握しきれていません。育児の大変さについて十分な理解が得られていないこともワンオペ育児の原因かもしれません

ワンオペ育児がもたらす影響

ワンオペ育児がもたらす影響

ワンオペ育児が家庭内で横行すると、どうなるでしょうか。育児を1人で担当している妻は夫に対して否定的な感情を持つようになるでしょう。

日々の不満は蓄積され、最初は夫側に警告として「もっと手伝ってほしい」と助けを求めるかもしれません。

しかし、あまりにも負担が大きくなると、ある日突然「離婚」という最終的な決断を突きつけられる可能性があるのです

シグナルはあったはずなのに、突然の離婚話に驚く男性は少なくありません。ワンオペ育児になっていた自覚もないまま離婚話を切り出されて初めて痛感するという男性もいるのです。

ワンオペ育児が原因で離婚を回避するために

妻と育児について事前に話し合う

育児がどれだけの重労働であるかは、初産であれば妻側も産前はよくわかっていない可能性があります。

そのため、話し合うなら産後にその機会を設けましょう。育児を体験してみて、実際にどのような工程が含まれているかを細かく挙げてみるのです。

こうすることで、育児がいかに複雑で多岐にわたる作業を含んでいるかが可視化されます。この時点で、どちらが何を担当するかについて「柔軟に」決定しておくといいでしょう

「『絶対に』妻あるいは夫が担当する」というような決め方は実際の生活にはそぐいません。状況に応じてどちらかが代わるという柔軟さも大切です。

祖父母に協力してもらう

ワンオペ育児で夫も労働時間が長く夫婦だけでは限界があるとわかったら、夫婦どちらかの両親に協力をあおぎましょう

三世帯同居が少なくなっている現代では別居している家庭が大半です。それでも、以下のようなことであれば、別居していても協力してもらえる可能性があります。

  • 保育所の送迎をお願いして夕飯まで子どもを見てもらう
  • 夕飯を分けてもらって家事を軽減する
  • 休日に少しの間子どもを見てもらい、その間に夫婦でリフレッシュする

家事代行サービスを利用する

里帰り出産を選択しなかった場合、出産後は家事も育児も妻が担当することになってしまいます。

しかし、床上げが終わる産後一か月までの間は、すべての家事をこなすことは困難であり、育児に専念するしかありません。

前述のように、三世帯同居数が減少しているため、この場合は家事を外注するのが手近な解決策といえるでしょう。家事さえ代行してもらえば妻は育児に専念できます。

さらにその育児を夫とも分担すれば家庭内のそれぞれの役割が軽減され、妻が思い悩むことも少なくなるかもしれません。

ワンオペ育児が原因でどうしても離婚する場合

ワンオペ育児で離婚することは難しい

ワンオペ育児に耐えられず、離婚したいと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、育児に非協力的だということを理由に離婚できる可能性は極めて低いのです

そもそも離婚自体は夫婦双方の合意があれば自由にできるものです。

そのため、妻側が「育児に協力的ではないから」という理由で離婚を申し出て、夫も「確かにそうだった」と合意すれば簡単に離婚できます。

しかし、夫側が「そんな理由で離婚したくない」「育児はやっている(つもりだ)」と申し立てた場合には、かなり面倒なことになります。

民法770条による離婚事由のなかにも育児に非協力的であることは含まれていません

最もそれに近い離婚事由が「婚姻関係が破たんしている」ですが、これは夫婦が同居している場合には立証しにくいものです。

そのため、ワンオペ育児だけを理由に調停あるいは裁判で離婚することは難しいといえます。

弁護士に相談する

どうしても育児の問題で離婚したい場合は、法律のプロである弁護士に相談しましょう。特に男女問題に明るい弁護士であるといいでしょう。

育児に非協力的な夫と離婚することを第一希望とするなら、うまく離婚に持っていくための方法を弁護士に教えてもらえる可能性があります。

話し合いや祖父母・外部への協力を試みても夫の育児への態度が変わらなかった場合には、離婚に持ち込める方法について弁護士に相談してみましょう

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まとめ

育児には数多くの仕事が含まれているにも関わらず、現代の日本ではいまだワンオペ育児が横行しています。その背景として、

  • 日本人男性の労働時間の長さ
  • 育児を元から女性の仕事と決めつけていること
  • 夫が手伝っている内容が妻のニーズとズレていること

などが挙げられます。しかし、いずれも育児を妻に任せていい理由にはならないでしょう。

ワンオペ育児が原因で離婚しないためには、産後に夫婦間で十分な話し合いをおこなうことや祖父母や民間の家事代行サービスに協力をあおぐことが挙げられます。

このような対策をしても夫の態度が変わらなければ、できるだけ自分の希望に沿う条件で離婚できるように弁護士に相談するといいでしょう。

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