帰宅恐怖症(帰宅拒否症)とは|改善法と離婚したいと言われたときの対処法

「夫がまっすぐ家に帰ってこない」とお悩みの方もいるでしょう。
特別仕事が忙しいわけでもなく、接待や人付き合いなどで飲みに行っているわけでもないのに、なかなか夫が帰ってこない場合、もしかすると「帰宅恐怖症(帰宅拒否症)」かもしれません。
この記事では、帰宅恐怖症の改善方法や「離婚したい」と言われた場合の対処法をご紹介します。
- 目次
帰宅恐怖症(帰宅拒否症)とは
帰宅恐怖症(帰宅拒否症)とは、家に帰ることが怖くなったり嫌になったりしてしまうことを言います。
家に帰りたくないため、用事がないのにまっすぐ家には帰らず、外で時間を潰したり無駄に残業するようになったりします。
ひどくなれば、帰宅せずにカプセルホテルに宿泊したり、家出をして連絡が取れなくなってしまったりするケースもあります。
このように、帰宅恐怖症は放っておくと精神的なダメージが大きくなり、家庭崩壊に繋がる恐れがあるのです。
帰宅恐怖症(帰宅拒否症)の原因
帰宅恐怖症になってしまう原因は、主に妻の言動や態度にあることが多いです。
仕事で疲れて帰ってきたものの、帰宅した途端に「育児や家事を手伝ってくれない」と妻に愚痴や不満を言われたり、妻からのプレッシャーを感じたりすれば、「家のなかに安らげる場所がない」「居場所がない」と思うようになってしまいます。
また、妻と子供の関係性が深まる一方で夫と家族の関係性が浅ければ、孤立感や疎外感を感じて家に居辛いと感じるようになるケースもあります。
帰宅恐怖症(帰宅拒否症)の特徴
「夫が帰宅恐怖症(帰宅拒否症)になるはずがない」と考える方もいるかもしれません。
では、どのような行動があれば帰宅恐怖症の可能性があるのか、主な特徴を見ていきましょう。
仕事が終わってもまっすぐ家に帰ろうとしない
帰宅恐怖症の人は家に帰りたくないと考えているので、少しでも帰宅を遅らせようとします。
そのため、仕事が終わってもすぐに家に帰ろうとはしません。
必要以上に残業しようとしたり、職場の人や友人を誘って飲みに行ったり、一人でカラオケなどへ行き時間を潰したりして深夜まで帰宅しないようになります。
仕事が忙しいわけでもないのに帰宅時間が遅くなったり、遅く帰る理由を誤魔化していたりする場合には「家にまっすぐ帰りたくない」と考えている可能性があります。
休日出勤や用事もないのに外出することが多い
休日に用事があったり趣味があったりして外出するのではなく、理由もなくふらっと外出することが多い場合も帰宅恐怖症の特徴です。
帰宅恐怖症だと家にいても休まらないため、散歩や買い物などの理由をつけて外へ出かける傾向があります。
お酒を飲んでから帰宅することが多い
お酒を飲んでから帰宅することが多くなったら、帰宅恐怖症か予備軍であると考えられます。
飲みに行くという理由は、残業と同じくらい家に帰らない理由として使いやすいものです。
帰宅恐怖症の人がお酒を飲んでから家に帰るのは、帰宅時間を遅くするために時間を潰していることや、お酒を飲んで酔っ払ってしまえば妻に何を言われても気にならなくなるからなどの理由があるようです。
帰宅恐怖症(帰宅拒否症)の対処法
夫が帰宅恐怖症や帰宅恐怖症の予備軍かもしれないと思ったら、夫婦関係が壊れてしまう前に対処しましょう。
帰宅恐怖症の対処法としては次のことが挙げられます。できることから始めてみましょう。
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離婚寸前の夫婦関係を修復する方法は?修復可能なケースとは?
夫にひとりでゆっくりできる時間を持たせる
まずは、家に帰って一人でゆっくりとできる時間を夫に持たせてあげましょう。
仕事から疲れて帰ってきたというのに、妻が口うるさく文句や愚痴を言えば夫は帰宅しても気が休まりません。
外からの疲れを癒せるように、夫が一人で休める時間を作ることが大切です。
一人部屋を作る余裕がなくても、一人になれる空間や休める時間があれば自然と家に帰りたいと思えるようになるはずです。
感謝や労わる気持ちを伝える
夫婦になると何もかもが「当たり前」になってしまいがちです。しかし、夫婦といえども日頃の感謝や労わる気持ちを持って接することが大切です。
妻は育児や家事で疲れているかもしれませんが、夫も家族のために仕事をして疲れて帰ってきているわけです。
普段は言えない感謝の気持ちを思い切って言葉に出して伝えるだけでも夫は嬉しく思うはずですし、思いやりを持って接すれば相手にも伝わるはずです。
夫に期待しすぎない
妻からのプレッシャーも夫の帰宅恐怖症を引き起こす原因の一つです。
夫が早く帰ってこないことや、育児や家事を手伝ってくれないことへの不満が言葉や態度に出てしまえば夫には大きなプレッシャーとなります。
「妻の力になりたいとは思っていても、どのようにすれば良いのか分からない」という男性もいます。
手伝ってほしいことがあれば言葉できちんと伝えるようしましょう。
また、手伝ってもらう際も「もっときちんとやってほしい」などと文句を言わず、良いところを見るようにすることも大切です。
状況によっては精神科やカウンセリングによる治療も検討する
帰宅恐怖症はストレスや精神的ダメージを受けることで発症すると言われています。
そのため、放置するとうつ病などの精神疾患に発展するケースもあります。
帰宅恐怖症の症状に気付いたときは早めに対処し、状況に応じて精神科やカウンセリングによる治療も検討すると良いでしょう。
帰宅恐怖症の原因は夫だけではなく家庭にも問題があるケースがあります。
その場合は家族でカウンセリングを受けることも検討しましょう。
帰宅恐怖症(帰宅拒否症)の夫から離婚したいと言われたら
帰宅恐怖症の夫から離婚したいと言われた場合、どのように対応すべきでしょうか。
離婚したくない場合と離婚を受け入れる場合にわけて対処法を紹介します。
離婚したくない場合
離婚はまず夫婦で話し合いを行い、話し合いがまとまらない場合は調停、裁判へと進みます。
帰宅恐怖症だけが原因であれば、裁判所から離婚が認められる可能性は低いです。
そのため、離婚したくないのであれば、離婚に応じなければ離婚は成立しません。
ただし、帰宅恐怖症の症状に対処せず、悪化してしまい、夫がほとんど家に帰ってこなくなったり別居にいたったりするケースもあります。
別居期間が長くなれば、婚姻関係が破綻しているとみなされ、裁判で離婚を認められる可能性があります。
離婚したくないのであれば、まずは夫の帰宅恐怖症の改善のために夫婦で努力することが大切です。
離婚を受け入れる場合
帰宅恐怖症の夫から「離婚したい」と言われ、やり直すことが難しいと判断すれば離婚を受け入れるケースもあるでしょう。
離婚を受け入れる場合、夫と財産分与や親権、慰謝料などの離婚条件について話し合う必要があります。
帰宅恐怖症(帰宅拒否症)を理由に慰謝料請求できるのか
「帰宅恐怖症になった側が離婚を言い出したのだから、離婚に応じるなら慰謝料請求したい」と考える人もいるでしょう。
しかし、帰宅恐怖症だけが理由で離婚する場合、慰謝料を請求できる可能性は低いです。
ただし、夫からの離婚請求に対して妻が同意を渋っている際には、離婚に同意してもらうために夫側から解決金などの名目で慰謝料の支払いが提示されるケースもあります。
夫の帰宅恐怖症(帰宅拒否症)を理由に離婚したいと思ったとき
ここまでは帰宅恐怖症の夫から離婚を切り出されたケースについて解説しました。
ここからは、夫が帰宅恐怖症やその予備軍であることを理由に、妻側から離婚を切り出す場合の対応法と注意点をご紹介します。
夫が離婚に応じれば離婚できる
前述のとおり、帰宅恐怖症だけが理由であっても、話し合いで夫が離婚に応じれば離婚することができます。これを協議離婚と言います。
帰宅恐怖症の夫は基本的に「家に帰りたくない」と考えているため、比較的容易に離婚に同意してくれる可能性もあります。
夫が離婚に応じない場合
帰宅恐怖症になったからといって、夫が離婚に応じない場合もあるでしょう。
帰宅恐怖症だけが理由の場合、裁判で離婚が認められる可能性は低くなります。
一方、前述のとおり、夫が長期間家に帰ってこないような場合や別居期間が長い場合、「婚姻関係が破綻している」と判断されれば離婚が認められる可能性がないわけではありません。
しかし、帰宅恐怖症は妻の言動や態度が原因で発症するケースも少なくありません。
そのため、夫に対してあまりにひどい言動や態度があった場合、妻側にモラハラ行為が問われる可能性があります。
妻側にモラハラ行為があったと認められた場合、離婚が認められなかったり、夫側から慰謝料を請求されたりする可能性もあります。
このように、夫の帰宅恐怖症を理由に妻からの離婚請求が認められる場合とは、妻が夫の帰宅恐怖症を改善するために一定の努力をしたものの改善が難しく、夫婦としてやり直すことが困難であると裁判所に判断された場合であると言えるでしょう。
帰宅恐怖症(帰宅拒否症)を疑ったら早めに対処する
帰宅恐怖症が悪化すれば、うつ病などの精神病を発症してしまう可能性があります。
また、不倫に走ったり、長期間家に帰らなくなったりする可能性もあります。
別居期間が長くなると離婚に発展するリスクもあります。
「そのうち治るだろう」「夫に限ってそんなはずはない」と思って放っておけば症状が悪化し、取り返しのつかない状況に陥るかもしれません。
「夫が帰宅恐怖症かもしれない」と思ったら早めに対処し、夫婦関係が崩壊する前に症状が改善するよう努力をすることが大切です。
まとめ
帰宅恐怖症は、妻からのプレッシャーや家に居場所がないと感じてしまうことが原因と言われています。
帰宅恐怖症を疑ったら、感謝の気持ちを伝えたり、家に居場所を作ったりして症状を改善するために努力する必要があります。
夫婦で改善に向けて話し合い、努力したにも関わらず関係修復が難しくなった場合はカウンセリングなど専門家のサポートを受けることも検討してみましょう。
改善が難しく、離婚を選択する場合は少しでも有利な条件でスムーズに離婚できるよう弁護士に相談することをおすすめします。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
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