配偶者から性病をうつされた!離婚や慰謝料請求できる?

その他離婚理由
弁護士監修
配偶者から性病をうつされた!離婚や慰謝料請求できる?

身に覚えがないのに性病に感染してしまった…

配偶者以外と性行為をしていないのであれば、配偶者の不倫を疑うのも無理はありません。では、配偶者から性病をうつされた場合、離婚や慰謝料請求はできるのでしょうか。

そもそも、配偶者から性病をうつされた場合に不倫によるものだということはできるのでしょうか。

また、性病であることを隠されたまま結婚して結婚後に発覚した場合、離婚や慰謝料請求はできるのでしょうか。

この記事では、以下のことを解説します。

・配偶者から性病をうつされたら不倫によって感染したと言えるのか
・配偶者から性病をうつされたら離婚や慰謝料請求は可能か
・性病であることを隠されて結婚した場合、離婚や慰謝料請求は認められるのか

目次
  1. 性病の感染経路
  2. 配偶者から性病をうつされたら離婚できるのか
    1. 夫婦が合意すれば離婚できる
    2. 性病をうつされたことは法定離婚事由に該当するのか
  3. 性病を隠して結婚した場合
    1. 不妊の原因になっている場合
  4. 性病をうつされたら慰謝料請求は認められるのか
    1. 傷害罪が成立する場合がある
  5. 性病を理由に離婚する方法
    1. 話し合い
    2. 離婚調停を申し立てる
    3. 離婚裁判を提起する
  6. まとめ

性病の感染経路

性病には様々な感染経路があります。

性交渉以外にも、母子感染や血液、温泉やサウナといった感染経路もあるため、性病に感染したからというだけで「性交渉による感染」と言い切ることはできません。

ただ、性病の感染経路は性交渉であることがほとんどです。

「身に覚えがないのに性病に感染し、配偶者も性病に罹患していた」という場合、次のいずれかの行動を配偶者がとった可能性があります。

  • 不貞行為
  • 風俗通い
  • 風俗で働いている
  • パパ活 など

配偶者から性病をうつされたら離婚できるのか

配偶者から性病をうつされたことが明らかであれば離婚できるのでしょうか。下記で詳しく解説します。

夫婦が合意すれば離婚できる

原則として夫婦が合意できればどのような理由であっても離婚できます。これを協議離婚と言います。

当事者双方が離婚や離婚条件に合意し、離婚届に必要事項を記入したうえで役所に提出すれば、協議離婚は成立します。

性病をうつされたことは法定離婚事由に該当するのか

配偶者が離婚に応じない場合、最終的には裁判を提起することになります。裁判で離婚を認めてもらうためには法定離婚事由が必要です。

法定離婚事由は以下の5つになります。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上生死不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病
  • 婚姻を継続し難い重大な事由

自分に身に覚えがなければ配偶者の不貞行為を疑うかもしれません。しかし、不貞行為があったことを立証できなければ不貞行為を理由にした離婚請求は認められない可能性があります。

これは、性病は性行為以外でも感染する可能性があり、配偶者から感染したとも言い切れないためです。

なお、不貞行為があったことを立証するには以下のような証拠が必要です。

  • 不倫相手と配偶者がラブホテルに出入りする写真や動画
  • ラブホテルの領収書やクレジットカード明細 など

なお、風俗通いについては風俗に通っていた頻度や風俗店の業態によっては不貞行為に該当しない可能性もあります。

性病を隠して結婚した場合

性病を隠して結婚した場合

性病に罹患していることを隠して結婚し、それをどうしても許せない場合も、夫婦が合意できれば離婚できます。

しかし、相手方が離婚を拒んだ場合、調停、裁判へと進むことになります。前述のとおり、裁判で離婚を認めてもらうためには法定離婚事由が必要です。

「性病であることを隠して結婚した」という理由だけでは裁判で離婚を認めてもらえる可能性は低いと言えます。

「性病であることを隠して結婚したものの、それがきっかけで婚姻関係の継続が難しくなった」という場合、5番目の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかがが重要です。

性病に罹患したせいで婚姻生活の継続が難しくなったと裁判所が判断すれば、離婚が認められる可能性があります。

具体的には以下のようなケースで離婚が認められる可能性があります。

  • 病気が重く、日常生活に支障が出ている
  • 高額な医療費の支出が続いている
  • 不妊である など

不妊の原因になっている場合

性病に罹患したことで不妊になることがあります。

結婚する理由は人によって違います。しかし、子供を持つ・持たないということは、家族計画や人生において重要な問題です。

「自分が性病であることを把握しており、それによって不妊であるということ」を相手に隠して結婚したことは悪質だと裁判所に判断される可能性があります。

具体的には、次の要素がある場合は婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性があります。

  • 自分が性病であり、それが不妊を招いていることを把握していた
  • 配偶者が子供を持つことを望んでおり、結婚前からそのことを把握していた

「性病であることがバレたら嫌われるかもしれない」 「結婚してくれないかもしれない」このように考え、自分が性病であることをパートナーに伝えたくないと考える人もいるかもしれません。

しかし、隠し続けてもいつかはバレるかもしれません。また、隠し続けた時間が長ければ長いほど、発覚したときのショックは大きくなり、怒りや悲しみは大きくなります。

性病は母子感染やピアスの穴開け、温泉、サウナなど性行為以外の感染経路もあり得ます。正直に話せば相手方が理解を示してくれる可能性もあります。

性病であることを隠したまま結婚するほうが大事になる可能性があります。本当に相手のことを思うなら、正直に伝えるほうが賢明です。

性病をうつされたら慰謝料請求は認められるのか

性病をうつされたら慰謝料請求は認められるのか

配偶者から性病をうつされた場合、慰謝料請求は認められるのでしょうか。

配偶者に対して慰謝料請求する場合、「配偶者自身が性病に感染していることを自覚していた、または自覚できた」という事実を立証する必要があります。

例えば、性行為より前に性病検査をしており、性病に感染しているという診断結果が出ていたのであれば、慰謝料請求が認められる可能性があります。

なお、風俗店で性行為をした場合、性病感染のリスクがあることは予想できるため、風俗通いや風俗店で働いていたことを立証できれば慰謝料請求が認められる可能性があります。

傷害罪が成立する場合がある

配偶者から性病をうつされた場合、傷害罪に問える可能性があります。

傷害罪(刑法第204条)とは、他人にケガを負わせた際に問われる罪です。ただし、傷害罪は故意犯とされているため、配偶者の傷害罪が成立するためには、下記の条件を満たす必要があります。

  • 配偶者は自分が性病にかかっていることを知っていた
  • あなたに性病をうつすかもしれないことを認識しながら性行為におよんだ
  • あなたが性病に感染した
  • あなたが性病に感染したのは配偶者との性行為によるものである

なお、傷害罪の法定刑は15年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

性病を理由に離婚する方法

性病を理由に離婚する方法

性病を理由に離婚する手順は以下の通りです。

  • 話し合い
  • 離婚調停を申し立てる
  • 離婚裁判を提起する

以下で順を追って解説します。

話し合い

離婚を決意したら、まずは協議離婚の成立を目指します。協議離婚であれば、夫婦が合意すればどのような理由であっても離婚が成立します。

離婚の話し合いでは、離婚のほか、慰謝料や財産分与、子供がいる場合は親権や養育費について取り決める必要があります。

取り決めた内容は書面に残し、公正証書にしておくと離婚後のトラブルを回避しやすくなります。

しかし、性病をうつされたことがわかれば、感情的なってしまい、冷静な話し合いができない可能性があります。

冷静な話し合いができる状態になるまで時間を置いたり、状況によっては別居することも視野に入れると良いでしょう。

当事者同士での話し合いが難しい場合は弁護士に間に入ってもらうことも検討すると良いでしょう。

離婚調停を申し立てる

話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。 離婚調停では調停委員を介して話し合いを行います。

当事者が直接顔を合わせて話すわけではないため、冷静に話し合いを進めやすくなります。

離婚裁判を提起する

離婚調停は裁判所を利用しますが、あくまで当事者の合意を図ることで解決を目指す手続きです。そのため、調停でも話がまとまらない場合は裁判所に離婚裁判を提起します。

前述のとおり、裁判で離婚を認めてもらうためには法定離婚事由が必要です。

「性病をうつされた」という理由だけでは離婚を認めてもらうことは難しいため、不貞行為または婚姻を継続し難い重大な事由があることを主張し、客観的な証拠を集めて立証する必要があります。

まとめ

配偶者から性病をうつされた場合の離婚や慰謝料請求について解説しました。

「性病をうつされた」という理由だけで裁判で離婚を認めてもらうことは難しいため、不貞行為や婚姻を継続し難い重大な事由があることを立証する必要があります。

離婚を有利に進めるためにも、弁護士に依頼し、サポートを受けることをおすすめします。

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