不倫と浮気の違いとは?不倫相手に慰謝料を請求できるの?
浮気や不倫という言葉がありますが、違いをご存知でしょうか。
もちろん、いずれもパートナーや配偶者を傷つける行為であって、傷ついた側にとっては罪深い行為です。しかし、慰謝料を請求できるかについては明確な条件があります。
この記事では、不倫と浮気の違いについて触れたうえで、不倫された場合に不倫相手に慰謝料を請求できるのかについて解説します。
配偶者やパートナーに浮気された、不倫相手に慰謝料を請求したいとお考えの方は最後までお読みください。
- 目次
不倫と浮気の違いとは?
不倫とは配偶者以外の者と肉体関係を持つことを指し、法的には不貞行為と言います。
一方、浮気とは文字どおり「気持ちが浮つくこと」を意味します。一般的にはパートナーや配偶者以外の人に心変わりすることを指し、相手が既婚か独身か、性交渉の有無などを問わず用いられます。
例えば、交際中の恋人がほかの異性と映画デートをする、配偶者以外の異性に「好き」とLINEやメールをするといったものも浮気と呼ぶことがあります。
なお、不貞行為が認められれば配偶者と不倫相手に慰謝料を請求することができます。
不倫や浮気の多い年齢(傾向)
2018年に相模ゴム工業が全国の20代から60代の男女14,100名を対象に実施した調査によると、全体の20.5%が「配偶者や交際相手以外にセックスをする相手がいる」と回答しました。
参考:相模ゴム工業株式会社 「ニッポンのセックス2018年版」
上記のとおり、女性より男性のほうが多く、年代別では男女ともに30代が最も多い結果となりました。
一方、既婚率については、40代以下では女性のほうが男性より高く、女性はその後ほぼ横ばい、男性は年齢とともに上昇しています。
男性は「結婚する前に遊んでおきたい」「若いうちに遊びたい」と考えるのかもしれません。
一方、妊娠出産を希望する場合、男性よりも女性のほうが「早く結婚しよう」と考えるのは自然なことです。
30、40代の女性が浮気や不倫に走るのは、「焦って結婚してしまって不満を抱えている」「まだまだ女として一花咲かせたい」という理由かもしれません。
不倫や浮気はなぜ起こる?
そもそも不倫や浮気はなぜ起こるのでしょうか。男性、女性にわけて解説します。
男性が不倫や浮気をする理由
男性が浮気や不倫をする理由は主に以下の3つになります。
- 性欲を満たすため
- 刺激がほしい
- 家に居場所がない
性欲を満たすため
本能的に男性は多くの子孫を残そうとします。
男性の性欲のピークは20歳前後とも言われています。前述のとおり、男性の浮気率は50歳を過ぎると低下する傾向があるため、ある程度は性欲を満たす目的があると考えられます。
前述の調査でも、男性の約10人に1人が「配偶者や交際相手以外にセックスをする相手が『複数』いる」と回答しています。
配偶者やパートナーに嫌気が差したわけではなく、多くの異性とセックスをして性欲を満たすために浮気・不倫をすることがあるようです。
刺激がほしい
交際期間や結婚期間が長くなると安心感が生まれる一方、マンネリ化することもあります。
恋愛体質で「いつもドキドキしていたい」というタイプの場合、妻や本命彼女とは別の女性に刺激を求めてしまうのです。
特に周囲が浮気や不倫に寛容な人や奔放な人ばかりだと、「浮気をするのは仕方がない」「浮気は男の甲斐性」だと考え、浮気や不倫に走ることもあるようです。
家に居場所がない
「仕事で疲れているのにわかってもらえない」「話を聞いてくれない」など、家族のために一生懸命働いているというのに、理解されなかったり、家に居場所がなかったりすれば不満も溜まります。
家に居場所がないため、仕事が終わっても直帰せず、車や居酒屋などで時間を潰すケースも少なくないようです。
そんなときに優しく接してくれる女性がいれば心が動いてしまうかもしれません。
女性が不倫や浮気をする理由
女性が浮気や不倫をする理由は主に以下の2つがあります。
- 精神的に満たされないから
- 次の相手を探すため
精神的に満たされないから
男性はセックスによってオーガズム・射精を、女性は「愛されている」「女性として魅力的だと思われている」など精神的に満たされることを重視する傾向があります。
「女性として扱われていない」「結婚前はラブラブだったのに最近はスキンシップもない」など、満たされない気持ちを埋めようとして浮気に走ってしまうのです。
そのため「遊んでいそう」なタイプより、「真面目で一途だけど寂しがり屋」というタイプが浮気をすることもあります。
次の相手を探すため
「男の浮気は遊び、女の浮気は本気の始まり」などと言われます。「より多くの子孫を残したい」という男性と違い、女性は「良い遺伝子を残したい」という本能があります。
つまり、より良い遺伝子を残すために、今より良い条件の相手を求めているのです。
前述の調査でも「配偶者や交際相手以外にセックスをする相手が『複数』いる」と回答した女性はごく少数でした。
「多くの異性とセックスをしたい」というのではなく、現在の配偶者やパートナーより良い相手を求めているのかもしれません。
不倫や浮気の防止策とは
配偶者やパートナーの不倫・浮気の防止策を紹介します。
男性が気を付けること
妻や彼女の浮気・不倫を防止するために男性が気を付けることは以下の3つです。
- 身なりを整える
- 見た目や行動を褒める・感謝を伝える
- スキンシップを大切にする
身なりを整える
妻やパートナーの心がほかの異性に移らないように身だしなみを整え、外見を磨きましょう。
最近は美容に興味を持つ男性も増えましたが、女性と比べると男性のほうが外見を気にしない傾向にあります。
また、年齢を重ねることで体臭も気になるようになります。男性向けの体臭対策グッズも出ていますので、最低限の身だしなみを整えるよう心がけましょう。
見た目や行動を褒める・感謝を伝える
前述のとおり、女性は精神的に満たされないことで浮気や不倫に走る傾向があります。
「綺麗だね」と褒めたり、「いつも食事に気を付けてくれるおかげで体調が良くなったよ。ありがとう」と日頃の感謝を伝えたりするように心がけましょう。
スキンシップを大切にする
女性として魅力的だと伝えるためにはスキンシップも大切です。セックスに限らず、キスやハグなど、触れ合うことで愛情を示しましょう。
なお、男性は自然と性欲が沸きますが、女性は外部刺激によって性欲が沸く傾向があります。愛情を示すだけでなく、男として見てもらうためにも愛のあるスキンシップを心がけましょう。
女性が気を付けること
夫や彼氏の浮気・不倫を防止するために女性が気を付けることは以下の3つです。
- 女性であることを忘れないようにする
- 褒める・感謝の言葉を伝える
- セックスを断るときは傷つけないように
女性であることを忘れないようにする
男性は視覚で性欲が沸くと言われます。「もう年だから」と言って、ボサボサの頭や清潔感のない恰好をしていると萎えてしまいます。
無理をする必要はありませんが、ヘアスタイルや身なりを整え、女性であることを忘れないように心がけましょう。
また、男性にとって女性の笑顔というのは魅力的なものです。
「外は寒かったでしょう?ご飯できているよ」「今日のご飯はあなたの好きな〇〇よ」など、他愛ない会話も笑顔で言うことで癒され、愛情を感じてもらえるかもしれません。
褒める・感謝の言葉を伝える
男性はプライドの生き物と言われます。否定的な言葉や文句ばかり言うのではなく、たまには褒めてあげましょう。
褒める機会がない場合も「いつも遅くまで大変だね。ありがとう」など、労ったり、感謝の言葉を伝えたりすることを心がけましょう。
セックスを断るときは傷つけないように
疲れていたり、気乗りしなかったりなどセックスをしたくないときもあるでしょう。
男性はプライドの生き物ですから、せっかくセックスを誘ったのに拒絶されたら自信を失ってしまい、セックスレスや浮気に走る恐れもあります。
無理に応じる必要はありませんが、セックスを断る際は相手を傷つけないように配慮しましょう。
また、「明日は早いから明日の夜にしよ?」などセックスを断る理由と代替案や「いつならできるのか」を伝えると良いでしょう。
不倫相手に慰謝料を請求できるの?
不倫をされた場合、不倫相手に慰謝料を請求できる可能性があります。どのような場合に慰謝料を請求できるのでしょうか。
慰謝料を請求できるケース
不倫相手に慰謝料を請求するためには「肉体関係を持った相手が既婚者であると知っていた」という条件があります。
そのため、不倫相手に慰謝料を請求する際は「既婚者であることを知りながら肉体関係を持ったこと」を立証する必要があります。
慰謝料を請求できないケース
以下のようなケースでは不倫慰謝料を請求できない可能性があります。
- 既婚者だと知らなかった
- 不倫の時点ですでに婚姻関係が破綻していた
- 時効が過ぎている
「婚活パーティーなどで出会い、既婚者であることを知る余地もないまま肉体関係を持った」など、既婚者だと知らなかったことに落ち度がないケースや不倫があった時点で別居していたケースなどは慰謝料請求が認められない可能性があります。
また、不倫の慰謝料請求には「不倫をした事実と不倫相手を知ってから3年」という時効があります。
時効が完成している場合、慰謝料請求自体は可能ですが、消滅時効の援用により慰謝料請求が認められない可能性があります。
不倫や浮気に対して慰謝料を請求する手順
不倫され、慰謝料を請求する場合の手順は以下となります。
不貞行為の証拠を集める
証拠がない状態で不倫相手に慰謝料を請求しても白を切られる可能性があります。また、裁判に進んだ場合も証拠が必要になります。
なお、不倫や浮気で慰謝料を請求するためには不貞行為があったことを立証できる証拠を集める必要があります。
内容証明郵便にて慰謝料請求を行う
証拠を収集できたら内容証明郵便で慰謝料請求を行います。
内容証明郵便は「いつ・誰が・誰に・どのような書類を送ったのか」という記録が残り、慰謝料請求をしたことの証拠になります。
そのため、口頭で伝えるより「言った・言わない」などのトラブルを回避できます。
また、内容証明郵便に法的な強制力はありませんが、口頭で請求する直接口頭で話すよりも冷静に伝えやすく、相手方に精神的なプレッシャーを与える効果があります。
解決できない場合は訴訟を提起
内容証明郵便を送付しても解決できそうにない場合は裁判所に訴状を提出し、訴訟を提起します。
裁判は自分で起こすこともできますが、訴状の作成など手続きが複雑なため、弁護士に依頼することをおすすめします。
不倫・浮気の慰謝料請求は弁護士に相談
不倫・浮気の証拠を集めたら弁護士に相談することが重要です。
弁護士に依頼すると、弁護士の名前で内容証明が届くため、相手方により強いプレッシャーを与えることができます。
また、法的なテクニックを駆使し、相手方との交渉や調停・裁判の手続きも代行してもらえるため、効果的に慰謝料請求を行うことができます。また、示談書作成の際も未払いを防ぐためにサポートしてもらえます。
なお、「どのような証拠を集めれば良いかわからない」という場合も弁護士に相談しながら集めることで有効な証拠を効率良く集めやすくなります。
不倫・浮気の慰謝料を請求したいと思ったら弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ
浮気と不倫の違い、浮気・不倫の防止策について解説しました。 ここで紹介した内容は浮気や不倫の防止だけでなく、円満な関係を築くことにもつながります。
もちろん、どのような理由であっても不倫をして良いことにはなりません。不倫をされてお悩みの方は弁護士にご相談されることをおすすめします。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は不倫や離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
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