女性の再婚禁止期間が100日に短縮!でも世間的にはどのくらいの期間が妥当?

基礎知識
女性の再婚禁止期間が100日に短縮!でも世間的にはどのくらいの期間が妥当?

離婚した女性が再婚できるまでの「再婚禁止期間」が6か月から 100日に短縮されました。

これにより、新たなスタートを早く切れることになります。

しかし、世間的にはどれくらい期間を空けたら良いものか?とお考えの方もいるでしょう。

再婚禁止期間と短縮の影響、再婚までの期間によるメリット、デメリットなどについて説明していきます。

目次
  1. 女性の再婚禁止期間が100日に短縮!
    1. そもそも再婚禁止期間とは
    2. 2016年6月に女性の再婚禁止期間が6カ月→100日に
  2. 女性の再婚禁止期間でも再婚することができる場合
    1. 離婚時に妊娠していない場合
    2. 離婚前に妊娠して離婚後に出産した場合
    3. 子宮全摘出など医学的に妊娠が出来ない場合
    4. 離婚した相手と再婚する場合
    5. 夫が3年以上の生死不明によって離婚する場合
    6. 夫が7年以上の生死不明によって離婚する場合
  3. 再婚禁止期間を破ってしまった場合
    1. 罪には問われないが、裁判所が子供の父親を決める
  4. 再婚までの期間はどれくらい?
    1. 再婚経験のある人の半数以上が、男女ともに5年未満で再婚している
    2. 再婚までの期間は早めか遅めかの二極化が今後も進む予想
  5. 早めに再婚することのメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  6. 遅めに再婚することのメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  7. 子供がいる場合は再婚後に養子縁組をするかどうかの判断も
    1. 養子縁組をしない場合
    2. 養子縁組をする場合
    3. 養子縁組をすると養育費が減らされる?
  8. まとめ

女性の再婚禁止期間が100日に短縮!

離婚した女性に定められている民法の「再婚禁止期間」。なぜ女性にのみ?どうしてこの長さなの?短縮されたらどう変わるの?といった仕組みや変更点についてみていきましょう。

そもそも再婚禁止期間とは

女性が離婚した日から再婚できる日までを決めている民法の再婚禁止期間。男女両方ではなく、女性だけになぜ?と思われるかもしれませんが、もし離婚後すぐに女性が出産、再婚した場合、前の夫か現在の夫か、いったい誰が子供の父親なのかという争いを避けるためにあるのです。

2016年6月に女性の再婚禁止期間が6カ月→100日に

民法772条には、結婚してから200日を過ぎた後に生まれた子は、その婚姻中の夫の子。離婚してから300日以内に生まれた子も、その婚姻の夫(前の夫)との子という規定があります。

つまり、離婚してすぐ再婚した場合、再婚から200日過ぎ~離婚から300日以内に生まれた子については、いったい誰が父親なのか、という推定に重複期間が生じてしまいます。 その重複を避けるため、明治時代に民法が制定された際、再婚禁止期間は離婚後6か月の間を置くことにしたといわれます。

ところが、6か月必要かというと、先に述べたように重複する期間は100日間。それなら再婚禁止期間は100日あれば足りるのではないか。民法制定当時に比べて現在は医学が発達し、DNA鑑定などにより親子の証明をできる精度が高まったこともあり、女性の再婚の自由という観点からも議論となりました。

そして100日を超える分は違憲とされ、2016年6月に民法改正となったのです。

女性の再婚禁止期間でも再婚することができる場合

再婚禁止期間には例外規定が設けられており、禁止期間内でも再婚できる場合があります。主に父親が誰か不明になる可能性の有無が問われますが、どんなケースがあるのか説明していきます。

民法第733条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して100日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

①女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合

②女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

民法改正の際、第733条の2の例外規定についても見直しが行われました。

懐胎(妊娠)していなかった場合、出産した場合のいずれも、医師の診断を受け、証明書が必要となります。この証明書を添えて再婚の届け出をします。ただし、医師の証明書をもらうにあたり、離婚日の申告は正しく行わなくてはなりません。

離婚時に妊娠していない場合

離婚後、一定の時期まで妊娠していないという医師の診断を受けて証明書をもらった場合、再婚できることになります。

離婚前に妊娠して離婚後に出産した場合

離婚前に妊娠していた場合は離婚後に出産した子供の父親を推定する必要がないため再婚期間を待たずに再婚することができます。

他、民法の条文にないものの、下記のように例外とされる場合があります。

子宮全摘出など医学的に妊娠が出来ない場合

子宮の全摘出や両方の卵巣の摘出手術、不妊手術を受けており、妊娠の可能性がないという医師の診断書、証明書をもらった場合も例外とされるケースです。また、閉経や、高齢で妊娠が難しい女性にも、再婚が認められることがあります。

離婚した相手と再婚する場合

離婚した相手ともう一度すぐに結婚する場合、子供が生まれると、法律上その子は直前の婚姻である夫の子供とみなされることから、100日待つ必要がないので再婚が認められます。

夫が3年以上の生死不明によって離婚する場合

民法770条に「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」については、離婚訴訟を起こせることが書かれています。ただ、この場合、単に連絡が取れないというだけでなく、捜索願の受理証明書や親族による陳述書などの書類を提出して、生死不明を立証する必要があります。3年以上生死不明ということは離婚時にその夫との子を妊娠している可能性が否定されるため、100日を待たずに再婚できるといわれます。

夫が7年以上の生死不明によって離婚する場合

夫が7年以上生死不明の場合は、生死不明の人を法律上亡くなったとみなす失踪宣告という制度での離婚があります。こちらも生死不明の夫の子を妊娠する可能性が否定されるので、100日を待たずに再婚できるとされます。ただし、前の夫が生きていることが後でわかった場合はそちらの婚姻が復活するので、再婚していても後の婚姻が取り消されてしまいます。後の方の婚姻を有効とするためには、再度離婚、再婚の手続きが必要となります。

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再婚禁止期間を破ってしまった場合

もし禁止期間を破って再婚した場合はどうなるでしょうか。

罪には問われないが、裁判所が子供の父親を決める

再婚禁止期間中で例外の対象でなければ、そもそも婚姻届が受理されません。ただし、万が一誤って受理されてしまった際も罪に問われることはありません。

それでは、再婚禁止期間がある根拠となる、父親の推定についてはどうでしょうか。再婚禁止期間の説明で述べたように、離婚してすぐ再婚した場合、再婚から200日過ぎ~離婚から300日以内に生まれた子については、前夫、現在の夫、いったい誰が父親なのかという推定する際に重複期間が生じてしまいます。

法律上では、再婚した夫との子供にするには、前の夫との親子関係不存在確認の調停など、手続きが必要になる場合があります。

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再婚までの期間はどれくらい?

再婚までの期間はどれくらい?

これまで法律の観点からお話をしてきましたが、再婚までの期間はどのくらいが多いのでしょうか。世間的にどうなんだろう……、と気になる方は、下記のデータを参考にしてみてはいかがでしょうか。

再婚経験のある人の半数以上が、男女ともに5年未満で再婚している

政府統計の総合窓口で公表されている厚生労働省の人口動態統計(2017年)によると、前婚解消後から再婚までの期間では、男女ともに5年未満が半数を超えています。3年未満では男性が4割近く、女性も3割以上となっています。

再婚までの期間は早めか遅めかの二極化が今後も進む予想

実は、再婚までの期間が1年未満という人も少なくなく、男性15.3%、女性13%でした。

再婚禁止期間を短縮する民法の改正があったのは2016年と最近なので、この影響がどのように出てくるかは数年たって経過を見なくてはわかりません。しかし、6か月から100日に短縮されたことで、早く次の結婚をスタートさせたい方には追い風になることでしょう。

一方、10年以上してから、という人が、男女ともに2割近くとなっています。この割合は年々増えており、今後は短い1年未満と長い10年以上の二極化が進む可能性があります。

早めに再婚することのメリット・デメリット

早く再婚して新たなスタートを切りたい。そう考えている人も、まだいいかなと思っている人も、ちょっと考えてみませんか。メリットやデメリットについて整理してみましょう。

メリット

  • 精神面
    • 離婚の傷を長く引きずらずに、精神的安定を得られる。
    • 前の結婚での失敗を忘れないうちに生かして、新たな結婚生活に向かえる。
  • 子供について
    • 年齢や体力などからなるべく早く出産をしたい、たくさん子供がほしい場合、再婚が早ければ妊娠可能な期間が長くなる。
    • 自分の子供が、新しい親である再婚相手やその連れ子に対し、早く慣れて懐いたり、兄弟・姉妹として仲良くなったりできる可能性がある。物心がつく前なら、再婚相手を親と認識しやすい場合も。
    • 子供が乳幼児ならば特に、早くから再婚相手と子育てをすると、成長の喜びを分かち合える期間が長くなる。
    • 一人で子育てするのは体力的にも精神的にも大変なもの。早く再婚して、再婚相手と家事や育児の分担ができると、時間や気持ちの余裕ができ、子供に接する時間が増える。
  • 経済面
    • 経済的な負担が軽くなる。子供や自分の親など養う家族がいたり、非正規社員として働いていたりした場合は特にお金の負担が大きく、困窮している期間が長いと貯蓄まで回せない。早く再婚して経済的に余裕ができると、子供や自分たち夫婦、親など将来へのお金を貯められることにつながる。

デメリット

  • 精神面
    • 前の結婚が教訓にならず、同じ問題が起こる可能性がある。一人になった寂しさから早く次へと焦り、前の配偶者と同じような人を選んでしまって、お金、浮気など、結局同じ問題でうまくいかなくなるリスクがある。
    • 前の配偶者と比べられていると感じてしまう、または、感じさせてしまう。前の結婚から間が短いほど記憶も鮮明なので、あまりに前の結婚を意識してしまうと、お互い精神的な負担になりかねない。
  • 子供について
    • 環境の変化に子供の心がついていけない。離婚で環境が変わり、慣れたと思ったら今度は再婚によって、引っ越しや転校、新しい親、連れ子で新しく兄弟・姉妹ができるなど再び大きな環境の変化が生じる。再婚までが早ければ、短期間のうちに続けて強いストレスにさらされてしまうことになる。
    • 子供が新しい親を受け入れられない。別れた方の親と面会を続けている場合など、そちらに対する感情もあって親への接し方に悩んでしまう。
    • 子供が再婚相手や連れ子に親を取られた気持ちになる。離婚したときは自分が一番大切にされていると思っていたのに、再婚によって相手や連れ子に愛情が向かったと感じ、寂しさから親子関係がギクシャクする。
    • 子供が、親も一人の人間として恋愛するものだということや、再婚に対して嫌悪感を持つ。離婚からまだ早いと子供が感じると、親の恋愛観や結婚観に不信感を抱き、親への反発を引き起こす可能性がある。
      では、いつなら良いのか?というと正解はないのですが、子供が愛情を感じ安心して暮らせるように、子供の様子をよく見て話し合い、再婚時期としていつが良いかを慎重に考える必要があります。
  • 親族・周囲の反応
    • 親兄弟、子供、友人、相手の家族から心配され、「まだ早い」と反対される。
    • 前の婚姻中から不倫していたのでは?などと疑いをかけられるかもしれない。

遅めに再婚することのメリット・デメリット

続いては、再婚まで間を空けた場合についてみていきましょう。

再婚までの期間が10年以上という割合が再婚のうち約20%あり、年々増えているというデータを先ほど紹介しました。初婚同士の場合の平均初婚年齢(平成27年)は、夫は 30.7 歳、妻は 29.0 歳となっています。

結婚・離婚から10年以上経って再婚するとなると、40、50歳以上での再婚という方も多くなります。これらのケースには、ある程度子供が大きくなってからという場合や、熟年再婚といったケースが考えられますが、どんなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

メリット

  • 精神面
    • 老後の孤独、不安が解消される。子供がいても独立していずれ自分ひとりになったときのことを考えると、伴侶がいるとやはり心強い。
    • 夫婦2人が元気で仲良くいられるように、健康や美容、身なりに気を遣い、生活にメリハリが生まれる。
  • 子供について
    • 自分の幸せを求められる。子供が自立した後なら、これまで子供第一の生活だったのが、次は自分の人生を考え、恋愛を楽しめるようになる。
    • 前の結婚では相手と子供を持つことを考えられなかったり、授からなかったりしたけれど、離婚から時間が経って、子育てをしてみたい、子供をもちたいと考えた場合、相手の連れ子や養子縁組、妊娠などで子供をもてる可能性がある。
  • 経済面
    • 1人より2人で支え合った方が経済的負担は少ない。退職金や年金があっても、病気になったり介護が必要になったりと、貯蓄は必要になる。夫婦だけでなく、子供や孫に使うお金の余裕ができる。
  • 親族・周囲の反応
    • 再婚を応援してもらえる。離婚からこれまで、子育て、仕事、家事と1人でがんばってきたのだから、次は自分が幸せになってほしいと家族や親族、友人から理解を得られやすい。
    • 子育てが終わって燃え尽き「空の巣症候群」になったり、孤独な老人になったりせず、精神的に安定しやすくなるため、周りの人々が安心する。

デメリット

  • 親族・周囲の反応
    • 親兄弟、子供、相手の家族から反対される。老後の財産や退職金など、お金目当ての再婚と疑われたり、相続でのもめ事を避けるために反対に遭ったりすることも。
  • 子供について
    • 連れ子とうまくいかない。子供が「いい年して今さら」と親の恋愛に理解を示さない場合や、子供の前の親に対しての思いから、何年たったとしても新しい親を受け入れられないという場合も。
  • 経済面
    • ローンが残っている、相続でもめるなど。
  • その他
    • 再婚相手の親の介護が生じる。再婚相手を介護したり、自分も相手に介護してもらったり、お互いの子供に負担をかけることになる。

子供がいる場合は再婚後に養子縁組をするかどうかの判断も

子供がいる場合は再婚後に養子縁組をするかどうかの判断も

再婚の際、子供がいる場合に考えられるのが再婚相手と養子縁組をするかどうかです。

シングルマザーが再婚する場合を例にとって説明します。

  • 再婚前:母子が同じ戸籍
  • 再婚後:母親が再婚相手の戸籍に入り、相手の氏を名乗る。子供は母親が抜けた戸籍に残った状態となります。

ここで、子供の姓、再婚相手と子供の法律上の親子関係をどうするかという観点で、養子縁組をしない場合、する場合にどう違いがあるのか説明します。

養子縁組をしない場合

  • 子供の姓:変更なし(母親の旧姓のまま)
  • 再婚相手との法的な親子関係:なし

→再婚相手と子供には、お互いに扶養の義務がありません。

→子供には、再婚相手の財産を相続する相続権がありません。

養子縁組をせずに、子供が親と同じ姓を名乗りたい場合

「子の氏の変更許可」を家庭裁判所へ申し立てて、許可が下りた後、市役所などへ再婚相手の籍に子供が入る入籍届を提出する必要があります。

ただし、この段階では法律上の親子関係はありません。

養子縁組をする場合

  • 子供の姓:再婚相手と同じ氏になる
  • 法的な親子関係:あり

→再婚相手と父子になり、お互い扶養の義務が発生し、再婚相手の法定相続人になります

ただし、普通養子縁組の場合、子供と実父との親子関係がなくなるわけではありません。

養子縁組をすると養育費が減らされる?

養子縁組により、再婚相手に子供の扶養義務が生じます。そこで、実父から養育費について減額請求がなされた場合、認められる可能性があります。

まとめ

ようやく離婚が成立したので早く新たなスタートを切りたい、離婚のときには再婚なんて考えられないと思っていたけれど、やっぱり再婚できたらしたい……。

再婚を考える方は、その時期や、どんなことを準備したら良いか、子供や親族、相手の家族にも祝福され理解を得られるためにどう対応したら良いかなど、専門家のアドバイスを聞いてみてはいかがでしょうか。

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