離婚届の証人は誰が良い?証人が見つからない場合の対処法と注意点を解説!

基礎知識
弁護士監修
離婚届の証人は誰が良い?証人が見つからない場合の対処法と注意点を解説!

これから離婚を考えている方、あるいは離婚届を提出するタイミングで、離婚届の証人を誰に依頼するか迷っている方は多いのではないでしょうか。

あるいは、離婚の証人を頼まれて、証人になったらどのような責任が生じるのか気になる方もいらっしゃると思います。

今回は、離婚届の証人には誰がなれるのか、証人になった場合の法的責任や証人が見つからない場合の対処法や証人を依頼する場合の留意点などについてまとめました。

目次
  1. 離婚届に証人が必要なケース
    1. 離婚届に証人が必要な理由とは
  2. 離婚届の証人になれる人
    1. 18歳以上であること
    2. 当事者以外の2人以上
  3. 離婚届の証人は条件を満たせば誰でも良い
  4. 離婚の証人になるとどのような責任を負うのか
  5. 離婚届の証人は誰に頼むことが多いのか
  6. 証人が必要ない離婚のケース
  7. 離婚届の証人が見つからない場合
    1. 離婚届証人代行サービスを利用する
    2. 弁護士に依頼して証人になってもらう
  8. まとめ

離婚届に証人が必要なケース

離婚で証人が必要なケースは協議離婚(話し合いによる離婚)の場合です。話し合いがまとまらず、調停や裁判で離婚となったケースでは証人は必要ありません。

一方、協議離婚の場合、「離婚する二人は離婚に合意していること」を証明する証人が必要となります。

民法764条
協議上の離婚は、戸籍法の定めるところによりこれを届け出ることによって、その効力を生ずる。前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上から、口頭又は署名した書面で、これをしなければならない。

このように、民法の規定では、協議上の離婚は、戸籍法の定めるところにより、2人以上の証人による署名した書面による届け出が必要とされています。

これは、証人は当事者よりは第三者、2人より複数証明する人がいると信頼性はより高いものになるという理由から、離婚の証人は当事者以外の2名とされているのです。

離婚届に証人が必要な理由とは

1つ目の目的は虚偽の離婚を防ぐためです。

例えば、夫婦のどちらか一方が離婚を希望し、もう一方が離婚を望んでいない場合、片方の意思だけで離婚届が提出される場合も想定されます。

しかし、離婚届が提出されるたびに役所が本人の意思を確認するのは現実的ではありません。

そのため、「提出された離婚届は当事者の意思をもって作成されたものである」ということを担保するために証人による署名を必要としています。

2つ目の目的は、軽い気持ちで離婚してしまうことを防ぐためです。

離婚は、親戚や兄弟、子供など夫婦の関係者に大きな影響を与えます。

証人を要件とすることで、一時的な感情のもつれで離婚手続きをすることなく、離婚を考え直し、あるいは一定の覚悟をもって離婚に臨むことが期待できます。

また、夫婦の一方が離婚を求めていて、もう一方が離婚したくない場合なども、相手に証人を求めることで、離婚を思いとどまってくれる可能性もあります。

離婚届の証人になれる人

離婚届の証人はどのような人がなれるのでしょうか。

18歳以上であること

離婚届の証人は18歳以上であれば誰でもなることができます。親や兄弟、友人もなることができますし、18歳以上であれば子供がなることもできます。

当事者以外の2人以上

離婚届の証人は当事者以外の成人2人です。2人といっても、夫と妻それぞれから1名ずつ選ばなければならないわけではありません。

離婚届の証人は条件を満たせば誰でも良い

証人は、前述の条件を満たし、離婚の事実を知っている人であれば誰でもなることができます。また、日本人だけでなく、外国籍の人も証人になることができます。

なお、外国籍の人に証人を依頼する場合は提出書類や記入の仕方に注意すべき点があります。詳しくはお住まいの地域を管轄する役所・役場にお問い合わせください。

離婚の証人になるとどのような責任を負うのか

離婚の証人になるとどのような責任を負うのか

離婚届の証人はあくまで「離婚を見届ける」といった意味があるだけにすぎず、離婚に関して何ら法的責任を負うものではありません。

つまり、離婚届の証人になったからといって、借金などの連帯保証人のような民法上の責任は負うことはないということです。

ただし、離婚届自体が虚偽であったり、夫婦のどちらか一方が片方の合意を得ず勝手に作成した離婚届の証人になった場合は私文書偽造に協力したと捉えられる可能性があります(有印私文書偽造罪(刑法159条1項))。

また、偽造した離婚届を提出すれば偽造私文書行使罪(刑法161条1項)、戸籍に虚偽の記録をさせることになるため公正証書原本不実記載罪(刑法157条1項)に問われる恐れがあります。

離婚届の証人は誰に頼むことが多いのか

離婚届の証人は、両親や友人に依頼することが多いとされています。

両親が他界していたり、親子の関係性や離婚理由などが複雑な場合は兄弟など両親以外の親族に依頼するケースもあります。

友人に依頼する場合は、離婚を相談していた人や離婚経験がある人だと依頼を受けてもらいやすいでしょう。

証人が必要ない離婚のケース

離婚の手続きには以下の3つの種類があります。

  • 協議離婚:当事者同士の話し合いで離婚する
  • 調停離婚:家庭裁判所に申立て、調停委員を介した話し合いで離婚する
  • 裁判離婚:家庭裁判所に訴訟を起こし、裁判官が離婚の判断をする

冒頭で述べたとおり、離婚届に証人が必要となるのは協議離婚のケースのみです。

調停や裁判は家庭裁判所を利用した離婚の手続きです。つまり、調停委員や裁判官が一連の手続きに立ち会っていることになるため、証人としての役目を果たしていると考えられます。

そのため、調停や裁判など協議離婚以外で離婚した場合は離婚届に証人は不要になります。

なお、調停や裁判で離婚が決まった場合、調停調書または確定判決を離婚届に添付して提出します。

離婚届の証人が見つからない場合

離婚届の証人が特別な責任を負うことはありません。しかし、離婚届に署名することに抵抗がある方も少なくありません。

また、状況によって、周りに離婚のことを知られたくないというケースもあります。

離婚届の証人になってくれそうな人が見つからない場合はどうすれば良いのでしょうか。

離婚届証人代行サービスを利用する

最近は離婚届の証人代行サービスを行っている業者もあります。有料のサービスですので費用はかかりますが、状況に応じて検討してみるのも良いでしょう。

なお、離婚届証人代行サービスを探す際は、インターネットで「離婚届 証人 代行」などと検索すれば見つけることができます。

弁護士に依頼して証人になってもらう

離婚協議で弁護士に依頼しているケースもあります。このような場合、依頼した弁護士に証人になってもらう方法もあります。

また、離婚届の証人だけを弁護士に依頼する方法もあります。

ただし、稀に「離婚届の証人にはなりたくない」と考えている弁護士もいますので、依頼前に必ず確認しておきましょう。

まとめ

離婚届の証人について解説しました。

離婚届の証人は特別な責任を負うことはありませんが、署名捺印をすることに抵抗を覚える方がいるのも事実です。

離婚届の証人になってくれる人が見つからない場合は、代行サービスや弁護士に依頼することも検討すると良いでしょう。

協議の段階から弁護士に依頼している場合は証人も併せて依頼すると手間が省けます。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。

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