夫婦喧嘩から離婚に発展する理由と離婚を回避する方法
夫婦になれば、ちょっとした意見の違いや些細なことで喧嘩になることもあります。
夫婦喧嘩の頻度が増せばストレスを感じるようになりますし、喧嘩が長引くほど収拾がつきにくくなります。
「たかが喧嘩」と言いますが、最終的に離婚を問題に発展することも珍しくはありません。
この記事では夫婦喧嘩から離婚に発展することを回避する方法を紹介します。
- 目次
夫婦喧嘩の主な理由
夫婦喧嘩が起こる理由はさまざまですが、日常の些細なことが多いです。
どのようなことが原因で夫婦喧嘩が起こりやすいのか見ていきましょう。
相手の癖や行動にイラつく
配偶者の癖や行動が目につき、苛立ちから小言を言ったり口論になったりして喧嘩に発展してしまうことは多いものです。
出したものを片付けない、電気を消さないなど些細なことであっても、毎回注意をして改善が見られなければ苛立ってしまうのは当然です。
注意している側は改善してほしくて伝えているつもりかもしれませんが、何度も何度も注意されると「文句を言われた」と受け取ってしまい喧嘩に発展してしまうのです。
金銭感覚の違い
金銭感覚の違いから夫婦喧嘩になることも多いです。
夫婦といえども、それぞれ違った環境で育ってきているため、金銭感覚に違いがあるのも仕方ありません。
しかし、お金にだらしないことや家計を圧迫するようなこと、浪費癖などは家族の生活にも悪影響をおよぼします。
なかには、ギャンブル依存症や多重債務などの借金問題などに発展することもあります。
夫(妻)の親との関係性
配偶者の親との関係性も喧嘩の原因になります。
配偶者にも自身の親を大切にして欲しいと考えることは当然です。
しかし、親と配偶者の関係がうまくいっていない場合、配偶者に対する不満も大きくなるため喧嘩に発展しやすくなります。
また、親が子供の家庭に干渉してくるケースや頻繁に小言を言ってくるケースも夫婦関係が悪くなり喧嘩を起こしやすいと言えます。
子育ての方向性の違い
子供がいる場合、子育ての方向性の違いが原因で喧嘩になることもあります。
「子供には伸び伸びと自由に育ってもらいたい」という人もいれば、「幼少期から勉強に力を入れさせたい」という人など、子供への教育方針はさまざまです。
子供を大切に思う気持ちは同じであっても、子育ての方向性の違いから喧嘩に発展してしまうケースは珍しくありません。
配偶者の異性関係
配偶者の異性関係で喧嘩になり、離婚に発展してしまうケースもあります。
夫婦のどちらかが浮気をしている場合はもちろん、結婚後もキャバクラなどに通いつめているような場合は喧嘩になることがあります。
特に一方が浮気性の場合、実際に浮気をしていないケースであっても、不信感を抱かれやすくなります。
配偶者に不信感を抱かれたり、浮気をしていないにも関わらずスマホをチェックされたりすれば嫌気がさしてくるのも当然です。
夫婦喧嘩から離婚に発展するきっかけ
最初はいつもの喧嘩だと思っていたものが、離婚問題にまで発展するケースも少なくありません。
喧嘩の勢いで離婚すると後悔する可能性もあります。夫婦喧嘩が離婚に発展するきっかけについて知っておきましょう。
過去の話を持ち出す
最初は些細なことで喧嘩した場合でも、互いにヒートアップして喧嘩が大きくなってしまうこともあります。
喧嘩が大きくなり、相手が過去に行った悪いことやこれまでの喧嘩を蒸し返してしまうこともあり、どんどん収拾がつかなくなります。
過去のことまで持ち出すようになれば、最終的に離婚につながりかねません。
稼ぎなど相手のプライドを傷つける言動
喧嘩になると「相手を負かしたい」という気持ちから、プライドを傷つけるような言葉を放ってしまうこともあるでしょう。
喧嘩中に相手がコンプレックスに思っていることを持ち出せば、相手から恨みを買われたり、不信感を与えてしまったりするかもしれません。
特に男性は稼ぎにについて不満や文句を言われると、プライドが傷きます。
夫婦喧嘩だからといって、相手のプライドを傷つけるように発言は控えましょう。
相手の言い分をまったく聞こうとしない
喧嘩になった際、相手の言い分を全く聞こうとしない人もいるでしょう。
言い訳や言い分があるにも関わらず、遮るように責め立てられてしまっては相手も「どうでもいい」「話しても分かってもらえない」と話すことをあきらめたり、投げやりな気持ちになってしまったりしてしまいます。
こういった小さな不満が少しずつ募ることで離婚を考えることもあるのです。
相手の親の悪口を言う
夫婦喧嘩の際に思わず相手の親の悪口を言ってしまうこともあるでしょう。
しかし、親の悪口を言うことで、夫婦関係に大きな亀裂が入る可能性があります。
どんな親でも自分にとっては大切な存在です。悪口を言われれば深く傷つき、怒りの感情が生まれます。
また、喧嘩中とはいえ、自分だけではなく、親のことまで持ち出す相手に対し、不信感を抱くこともあります。
「結婚するんじゃなかった」「結婚したくなかった」発言
喧嘩中とはいえ、「結婚するんじゃなかった」「結婚したくなかった」といった発言はタブーです。
もし喧嘩が収まったとしても、「結婚したくなかった」と言われた側は心に大きな傷が残ります。
「このまま結婚していても良いのだろうか」と考え、離婚に発展する可能性もあります。
「離婚してやる」と言う
喧嘩で頭に血がのぼり、思わず「離婚してやる」と口走ってしまう人もいるでしょう。
喧嘩のたびに何度も離婚という言葉が出れば、相手も「そんなに言うなら離婚したほうが良いのではないか」と思うようになるかもしれません。
離婚という言葉を出すことは絶対にやめましょう。
暴力をふるう
怒りに任せて暴力を振るうことは絶対にしてはいけません。
暴力で受けた痛みは消えることなく一生心のなかに残りますし、暴力は離婚事由になりえます。
夫婦間であっても暴力は犯罪行為です。喧嘩がエスカレートしたからといって暴力を振るうことは絶対にやめましょう。
夫婦喧嘩から離婚を回避する方法
夫婦喧嘩から離婚を回避する方法には以下のようなものがあります。
極力反論を避け、相手の話を聴く
喧嘩をすれば反論したくなるものですが、早く喧嘩を終わらせるには反論を避けることが賢明です。
反論することで喧嘩がエスカレートしてしまえば終わりが見えなくなってしまいます。
言いたいことをすべて吐き出せば、だんだん相手も感情が落ち着いてくるものです。
言葉の揚げ足を取らない
喧嘩で相手を負かしたい気持ちから言葉の揚げ足を取るような人もいます。
揚げ足を取られたことで相手がヒートアップする可能性もあり、収拾がつかなくなるかもしれません。
先に自分から謝ってしまう
喧嘩が大きくなってしまう前に自分から先に謝ってしまうのも離婚を回避する手段の一つです。
こちらから先に謝ることで、ある程度相手も冷静になるため、落ち着いて話し合いがしやすくなります。
全否定をしない
頭ごなしに相手の話を否定してしまうと話し合いは進みません。
全否定されたことで、「何を話しても理解してもらえない」と思ってしまい、離婚を考えることもあります。
否定するのではなく、まずは相手の言い分を聞くことが大切です。
離婚を覚悟した場合であっても絶対にやってはいけない5つの行動
離婚を覚悟した場合であってもやってはいけない行動があります。
暴力や暴言
どんなに腹が立ったとしても、暴力や暴言は絶対にしてはいけません。前述のとおり、配偶者であっても暴力は犯罪です。
また、離婚に進んだ場合も暴力や暴言があれば、相手方から慰謝料を請求される可能性があります。
家出
喧嘩の勢いで家出をしてしまうこともあるでしょう。
喧嘩が多ければ家にいてもストレスを感じるため、「相手と離れたい」と考えて家出する人も少なくありません。
家出をすれば精神的に楽になれるかもしれませんが、家に戻ることが難しくなってしまいます。
戻るきっかけが見出せず、家出から別居状態にいたってしまうと離婚で不利になる可能性があります。
不倫・浮気
喧嘩の腹いせに浮気や不倫をすることも絶対にやってはいけません。
配偶者以外の異性と性交渉をすることは不貞行為とみなされます。
不貞行為があったことが認められれば、相手から慰謝料を請求される可能性もあります。
子供に相手の悪口をいう
配偶者の悪口を子供に言うことは厳禁です。
子供はどちらか一方の味方になれるものではありません。
誰かに愚痴や話を聞いてもらいたい気持ちはわかりますが、悪口を聞くことで子供は傷つき、心が離れてしまいます。
相手の悪口を子供に言うことは家族を分断させるだけです。夫婦喧嘩はあくまで夫婦の問題です。子供を巻き込むことはやめましょう。
義両親に「離婚する」と伝える
喧嘩の勢いで配偶者側の親に「離婚する」と伝えることは避けましょう。
あとから関係を修復しようと思っても、周囲からの圧力で関係修復が困難になる可能性があります。
離婚することは、本当に離婚が決まってから伝えましょう。
夫婦喧嘩からの離婚を避けられない場合・離婚を決意した場合
夫婦喧嘩から離婚を回避できそうにない場合や離婚を決意した場合は、まず弁護士に相談することをおすすめします。
当事者同士で離婚について冷静に話し合うことは難しいものです。
また、いきなり離婚を切り出せば、再び喧嘩になり、泥沼化する恐れもあります。
弁護士に相談しながら準備を行うことで、スムーズに離婚を進められます。
また、離婚の際には財産分与や慰謝料、親権、養育費など多くのことを決める必要があります。
弁護士のサポートがあれば有利な条件で離婚できる可能性が高くなります。
「離婚を避けられない」と思ったら弁護士に相談・依頼しながら進めることが大切です。
まとめ
理想を言えば、夫婦が互いに労りの気持ちを持ち、尊敬し合うことで夫婦喧嘩にならなければ良いのかもしれません。
しかし、現実はなかなかうまく行かないものです。
夫婦喧嘩が起きたとしても、離婚に発展する前に仲直りができれば良いですが、残念ながら離婚に発展してしまうケースもあるでしょう。
夫婦喧嘩が原因で離婚に発展した場合や離婚を決意した場合は、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
関連記事≫≫
浪費癖のある妻(夫)と離婚したい!離婚する方法と注意点
夫(妻)の暴力から逃れたい! DVの証拠集めとうまく逃げる方法とは。
DVで離婚する場合の慰謝料の相場と慰謝料を増額させる方法。
夫婦喧嘩から仲直りする方法|やってはいけない行動と夫婦喧嘩を減らすコツ
離婚寸前の夫婦関係を修復する方法は?修復可能なケースとは?
都道府県から弁護士を検索する
離婚コラム検索
離婚の基礎知識のよく読まれているコラム
-
1位基礎知識弁護士監修2020.10.28離婚したいけどお金がない人が離婚する方法と知っておくべき全知識専業主婦やパートタイマーなど、離婚後の生活やお金がないことが理由で「離婚したいけ...
-
2位基礎知識弁護士監修2019.02.05離婚を決意する瞬間は妻と夫では違う!決意後に考えなければいけないこと離婚したいけど踏みとどまっている人と離婚した人の最大の違いは決意したかどうかです...
-
3位基礎知識弁護士監修2018.09.072度目の離婚後は旧姓に戻せない?離婚後に姓と戸籍がどう変わるのか離婚によって自分自身と子供に関係するのが苗字の問題です。離婚はしたいけれど自分と...
-
4位基礎知識弁護士監修2020.01.17親が離婚した子供の離婚率|子供も離婚しやすくなる理由と解決策とは「親が離婚すると子供の離婚率が上がる」と言われることがあります。実際、「親の離婚...
-
5位基礎知識弁護士監修2019.10.04産後セックスを再開する目安はいつ?身体の変化と夫婦生活が減ったときの対処法妻の妊娠・出産を機にセックスがなくなったという夫婦も多いのでは?産後は子供のこと...
新着離婚コラム
-
裁判・調停2024.10.28家事手続案内とは?家庭裁判所で相談できること、できない時の相談先家庭裁判所は家事事件と少年事件を扱う裁判所です。家事事件について悩みがあるものの...
-
財産分与2024.10.18株式の財産分与|評価方法や基準時、注意点を解説離婚の際、婚姻中に夫婦が築き上げた財産を公平にわけることになります。これを財産分...
-
その他離婚理由弁護士監修2024.09.27障害児の子育てを理由に離婚できる?離婚する前に考えるべきこと一般家庭と比べて障害児のいる家庭の離婚率は高いと言われています。これについて正確...
-
親権・養育費2024.09.25養育費に連帯保証人をつけることはできる?注意点と未払いを防ぐ方法近年、養育費の未払いが社会問題化しています。政府統計ポータルサイトe-Statの...
-
基礎知識弁護士監修2024.08.23祖父母は面会交流できる?孫との関係を守るポイントと改正民法を解説離婚によって子供と離れて暮らす側の親には子供と面会する権利があります。面会交流は...
離婚問題で悩んでいる方は、まず弁護士に相談!
離婚問題の慰謝料は弁護士に相談して適正な金額で解決!
離婚の慰謝料の話し合いには、様々な準備や証拠の収集が必要です。1人で悩まず、弁護士に相談して適正な慰謝料で解決しましょう。
離婚問題に関する悩み・疑問を弁護士が無料で回答!
離婚問題を抱えているが「弁護士に相談するべきかわからない」「弁護士に相談する前に確認したいことがある」そんな方へ、悩みは1人で溜め込まず気軽に専門家に質問してみましょう。