離婚裁判の費用はどちらが払う?相手に負担させることはできる?

裁判・調停
離婚裁判の費用はどちらが払う?相手に負担させることはできる?

夫が不貞行為!もう別れたいと妻が離婚を切り出したものの、話し合いにならなかったため、協議離婚はできず、調停でもまとまりませんでした。

裁判に持ち込んででも離婚したいのですが、裁判の費用はどちらが払うものなのでしょうか。

もとは夫が悪いのだから、夫が出すべきなのでは?

離婚裁判にかかる費用の負担に関して説明していきます。

目次
  1. 裁判費用を負担するのは誰?
    1. 離婚裁判で発生する費用
    2. 訴訟費用の負担は負けた方が重い
    3. 弁護士費用は自己負担
  2. 裁判で弁護士費用を請求することはできる?
    1. 基本的には請求できない
    2. 不法行為による損害賠償を請求する場合は請求可能なケースも
  3. 離婚裁判にかかる費用は?
    1. 裁判所に支払う費用
    2. 弁護士費用
    3. その他費用
  4. 弁護士費用を少しでも安く抑える方法
    1. 低料金の弁護士を探す
  5. 裁判費用をすぐに払えない場合
    1. 訴訟費用/訴訟救助制度を利用する
    2. 弁護士費用/法テラスの立て替え制度を利用する
  6. まとめ

裁判費用を負担するのは誰?

裁判費用を負担するのは誰?

離婚に際しては、その結論に至るまでの心労に加え、離婚後の生活に対する不安も出てきます。なるべくお金の心配をせずに裁判を進めたいものですが、離婚裁判にはいったいどれくらいのお金がかかるのでしょうか。

裁判費用というと、弁護士費用のことと思われる方もいるかもしれませんが、裁判にかかる費用は、大きく次の2つに分けられます。

離婚裁判で発生する費用

  • 訴訟費用(裁判を起こす際に生じる。手数料など)
  • 弁護士費用(弁護士に依頼した場合に生じる)

訴訟費用の負担は負けた方が重い

訴訟費用は裁判を起こす際に生じるもので、離婚裁判の場合は手数料(収入印紙で納付)郵便切手などが必要になります。

訴訟費用は、訴訟を起こす段階では原告が負担します。その後、判決が出た際、訴訟費用についても負担割合が決められ、敗訴した側の負担が重くなることが通常です。

原告の全面勝訴の場合に限り、負けた方の被告に対して全額を請求できるとされます。が、判決で原告と被告に対し1:2、1:1など負担割合が定められた場合は、その割合によって負担額が変わります。

弁護士費用は自己負担

弁護士を依頼した場合の費用は、裁判の勝ち負けに関係なく、原則自己負担となります。基本的な場合、例外的な場合について次項で説明していきます。

裁判で弁護士費用を請求することはできる?

裁判で弁護士費用を請求することはできる?

 

弁護士費用は自己負担というけれど、そもそも離婚の原因を作った配偶者に非があるのだから、こちらの弁護士費用も払ってほしいのですが、裁判で配偶者へ請求できるのでしょうか。

基本的には請求できない

先の項でも述べましたが、弁護士費用については、離婚裁判の判決結果が勝っても負けても、基本は各自の負担となり、勝った側が負けた側へ請求できるわけではありません。

不法行為による損害賠償を請求する場合は請求可能なケースも

一方、不貞行為によって相手に慰謝料を求める不法行為に基づく損害賠償請求を裁判で行う場合では、弁護士費用を請求できるケースがあります。

ただしこれは、実際に弁護士に依頼してかかった費用全額ではありません。また請求できる金額も、判決で認められた損害賠償額のおよそ10%といわれています。

離婚裁判にかかる費用は?

では、離婚訴訟にかかる費用にはどんなものがあり、いくらくらいかかるものなのでしょうか。

裁判所に支払う費用

訴訟費用

離婚と同時に請求する内容、慰謝料の請求額などにより幅がありますが、20,000円~が目安になります。内訳をみていきましょう。

手数料(収入印紙で納付)
裁判によって請求する内容により、金額が異なります。離婚のみなら13,000円、財産分与・子供の養育費・慰謝料と、請求する項目数や請求額によっては、手数料も高くなります。
  • 離婚のみ、または離婚と親権者の指定:13,000円
  • 財産分与請求1,200円、養育費請求は子供1人につき1,200円 →①に加え、財産分与や子供の養育費を求める場合:①に各1,200円加算
  • 慰謝料請求:金額により異なる →①・②とあわせて慰謝料を求める場合:①または③のどちらか額の多い方に、②の項目の各加算額を合算する。
例/離婚と財産分与、子供2人の養育費に加え、慰謝料を300万円請求した場合。 ①の離婚請求13,000円<③の慰謝料請求20,000円。これにより、額の多い方の慰謝料請求20,000円+財産分与1,200円+子供の養育費1,200円×2人分=合計23,600円となります。
郵便切手代(おおよそ6,000円分)
裁判所が書類を送る際などに使われます。裁判所により金額、切手の種類、枚数が異なるので、事前の問い合わせが必要です。
その他
鑑定人や証人に法廷へ来てもらう場合に発生する日当、旅費、交通費といった費用が必要な場合もあります。

弁護士費用

弁護士により料金が異なること、また、慰謝料の額や離婚裁判の争点がどれだけあるか、などの理由から幅があります。ですので、あくまでおおまかなもので60万円前後~がひとつの目安とされますが、100万円を超えることも珍しくないといわれます。

弁護士費用の内訳

相談料
正式に弁護士へ依頼する前に、まず相談となり、相談料が発生します。弁護士事務所によっては初回の1時間を無料にして、延長や2回目の相談が必要になったら有料としているところもあります。相場は1時間当たり5,000円~10,000円程度です。
着手金
相談の結果、離婚訴訟を起こすことを決めたら正式に弁護士へ依頼するため、着手金を支払って委託契約をします。着手金は訴訟準備などに使われ、相場は20万~40万円ほどといわれます。離婚するかどうかのほかに、親権や経済的な争点がある場合は追加料金が発生する場合があります。
成功報酬
判決後に発生します。相場は40万~60万円ほどとされていますが、弁護士事務所の料金体系や、裁判の判決内容で依頼者の希望がどれだけ通ったか成功の度合いによっても成功報酬の額が異なります。このほかに、離婚によって得た経済的利益や、親権獲得に対して発生する成功報酬もあります。
一例)
  • 慰謝料…経済的利益の10~20%
  • 財産分与…経済的利益の10~20%
  • 養育費…経済的利益の1年分の10%
  • 親権…10万~20万円 ほか
日当・実費
弁護士が遠方の場合や、証拠収集や調査で長期出張が必要な場合などには、交通費に加えて日当が発生することがあります。 また、上記で述べた手数料などの「裁判所に支払う費用」を弁護士事務所が立て替えていた場合は、後で実費を請求されます。

これまで弁護士費用について説明してきましたが、弁護士事務所によって異なる部分が大きく、また、裁判が長引くにつれ金額もかさんでいきます。 大切なお金のことです。弁護士に相談する際、契約を結ぶ前に詳細をよく確認しておきましょう。

その他費用

離婚調停の費用

そもそも離婚訴訟になる前提として、離婚調停が成立しなかった場合という条件があるので、裁判の前に調停にかかる費用も必要です。

戸籍謄本

離婚訴訟の申し立ての際、夫婦の婚姻関係を証明するために提出します(本籍地の市区町村で取得、1通450円)。

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弁護士費用を少しでも安く抑える方法

できるだけ弁護士費用を低く抑えたい人には、次のような方法があります。

低料金の弁護士を探す

弁護士事務所により料金設定は異なるので、安いところを探すのも手です。ただし、料金の低さを重視するあまり、弁護士が自分の気持ちに寄り添ってくれるのか、きちんと進めてもらえるかといった肝心な部分をないがしろにしてしまうと、結局結果に納得がいかず、別の弁護士に依頼し直して二重にお金がかかることになりかねません。

初回相談を利用していくつかの弁護士事務所で話を聞き、慎重に弁護士を選びましょう。

裁判費用をすぐに払えない場合

訴訟費用/訴訟救助制度を利用する

訴訟救助とは、裁判所に払う手数料などの訴訟費用の支払いを猶予(先送り)してもらう制度です。

お金に困っている人でも裁判を受ける権利を保障するためのものなので、訴訟上の救助の申し立てを行う際には、収入や資産の証明をする書類等で経済的に余裕がないと示す必要があります。また、勝訴の見込みがないと明らかな場合は、認められないこともあります。

訴訟救助の対象として認められると、訴訟費用の支払いは判決まで猶予(先送り)となります。

判決で原告が全面勝訴すれば敗訴した被告の支払いになり、一部勝訴などの結果では、判決で決められた原告・被告の負担割合に応じて支払うことになります。

弁護士費用/法テラスの立て替え制度を利用する

国が設立した法テラス(正式名称:日本司法支援センター)の民事法律扶助という制度があります。法テラスに弁護士費用を立て替えてもらい、利用者が毎月分割で返していく仕組みです。

弁護士費用の着手金成功報酬などは何十万という額になるため、手元にまとまったお金がないので弁護士に依頼できないと困っている人は、検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、制度の利用には、収入・資産や、勝訴の見込みがないとはいえない、などの条件があるので、まずは問い合わせてみましょう。

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まとめ

離婚訴訟には、どんな費用があり、どれくらいかかるのかを説明してきました。

裁判所に払う訴訟費用は全面勝訴すれば相手方が負担、判決内容で原告被告双方の負担割合が決まれば、それに従って支払うことになります。一方、弁護士費用は基本自己負担ですが、不法行為に基づく損害賠償請求をした場合、判決により認められた損害賠償額のおよそ10%を相手方へ請求できるケースがあります。

弁護士費用が心配という人は、法テラスや、弁護士事務所の初回相談を利用してみるなど、専門家のアドバイスを受けてみましょう。

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