いびきを理由に離婚できる?離婚を考える前に試したい6つのいびき対策
パートナーのいびきに悩まされ、ひどい場合は「離婚したい」とまで考える人もいます。
隣で毎日大きないびきを聞いていればストレスになりますし、睡眠不足になってしまうケースもあるでしょう。
この記事では、いびきを理由に離婚できるのか、また離婚に踏み出す前に試したいいびき対策について紹介します。
- 目次
いびきが原因で離婚を考えている人は少なくない
いびきの大きさには個人差があり、うるさいと感じる音の大きさも人によって異なります。
結婚後、一緒に生活を始めてから旦那のいびきの大きさを知ったという場合もあれば、歳を重ねるにつれていびきがひどくなったという場合もあるでしょう。
2021年、11月22日の「いい夫婦の日」にちなみ、明治安田生命が夫婦をテーマとするアンケート調査を行いました。
その際、「夫婦関係で不満なことは何ですか」という問いに対して、「イビキがひどい」が妻から夫への不満・第7位に入っていました。
このように、夫のいびきに不満を抱えているという人は意外と多いことがわかります。
育児や家事、仕事などで疲れているにも関わらず、隣で大きないびきをかかれれば苛立ちやストレスが溜まります。
積もり積もったストレスやイライラが限界に達してしまい、離婚を考えるようになってしまうのです。
参考:明治安田生命「明治安田生命 「いい夫婦の日」に関するアンケート調査を実施(https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2021/pdf/20211115_01.pdf)」※1
いびきを理由に離婚できるのか
そもそも、いびきを理由に離婚することはできるのでしょうか。
話し合いで合意できれば離婚できる
離婚する方法には大きくわけて、「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3種類があります。
離婚する際は、まず夫婦間で話し合い、離婚の合意を図ります。夫婦の話し合いで成立する離婚を協議離婚と言います。
協議離婚では夫婦が合意すれば離婚が成立するため、離婚理由は問われません。
つまり、いびきが理由であっても夫婦が互いに離婚に合意すれば離婚ができるのです。
裁判で離婚が認められるためには法定離婚事由が必要
夫婦の協議で合意を得られなかった場合、最終的には訴訟を起こし、裁判所に離婚の判断を仰ぐことになります。
しかし、離婚裁判の場合、いびきが理由で離婚が認められる可能性は低いでしょう。
裁判で離婚が認められるためには法定離婚事由が必要です。
法定離婚事由とは法律で定められている離婚理由であり、次の5つが定められています(民法770条1項)。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 回復の見込みのない強度の精神病
- 婚姻を継続し難い重大な事由
上記のうち、いびきを理由に離婚する場合は「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当することになりますが、「いびきがひどい」という理由だけでは「婚姻を継続し難い重大な事由」を理由に離婚を認めてもらうのは難しいと言えます。
一方、いびきの改善を求めたものの配偶者の協力がないため健康損害が起こってしまった場合やいびきのせいで長期別居にいたっている場合であれば、その事実を客観的に証明することで離婚が認められる可能性もあります。
離婚を考える前に試したいいびき対策
いびきだけを理由に離婚するのは難しいのが現実です。離婚を考える前に、まずはいびきを改善することから試してみましょう。
試してほしいいびき対策には以下のようなものがあります。
専門医に診てもらう
いびきがひどい場合、何らかの病気が隠れている可能性もあります。睡眠時無呼吸症候群の可能性もあれば、耳鼻に関するほかの病気も考えられます。
夫の健康のためにも、睡眠外来や呼吸器科、耳鼻科など専門医に一度診てもらうことを検討してみましょう。
寝酒やたばこを控える
アルコールは舌や喉の筋肉を緩めると言われています。舌や喉の筋肉が緩くなれば気道が狭くなるため、いびきがひどくなってしまいます。
お酒を飲むと血行が良くなり、鼻腔の血管が膨張して鼻詰まりが生じ、口呼吸になってしまうこともいびきをかきやすくなる原因になります。
また、たばこの煙は喉や鼻の粘膜の炎症を引き起こし、腫れ、気道が狭くなると言われています。
寝酒やたばこを控えるだけでもいびきが大幅に改善される可能性があります。試してみると良いでしょう。
減量する
肥満もいびきの原因の一つです。 舌や喉の内側に脂肪がつくと、気道が狭くなってしまいます。
肥満体形や太り気味の場合、減量することでいびきの改善が期待できます。
横向きで寝る
仰向けで寝ると舌が落ち込みやすく気道が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。
寝る姿勢は習慣になっているため改善することが難しいケースもあります。
最初は横向きに寝ていても寝ている間に寝返りによって仰向けに戻ってしまうケースもあるでしょう。
このような場合、抱き枕などを使って横向きで寝るように工夫してみると、いびきも改善される可能性があります。
耳栓をする
いびきが改善されるまでには時間がかかります。夫が治療などでいびきの改善を目指している間、妻が耳栓をして対処するというのも一つの方法です。
ただし、いびきの大きさによっては耳栓をしても効果がないケースもあります。
一般的な耳栓では効果がない場合には、ノイズキャンセリング機能のついたイヤホンを耳栓代わりにするなど工夫をすると良いでしょう。
寝室やベッドを別々にする
夫のいびきがストレスやイライラにつながることを避けるには、寝室やベッドを別々にして物理的に距離を取るという方法もあります。
寝室を別にすることが難しい場合、ベッドを別にするだけでも距離ができるため、同じベッドで寝ているよりはマシになる可能性があります。
旦那がいびきの改善に非協力的な場合
いびきを改善するための策を提案しても、「大袈裟だ」「寝るときくらい好きなように寝させてくれ」などと夫側非協力的な場合もあるでしょう。
いびきの改善に夫が非協力的な場合の対処法を紹介します。
いびきを録音する
妻側が夫のいびきを苦痛に感じていたとしても、いびきをかいている本人はいびきの大きさに気づいていないもの。
いびきで悩んでいることを告げても真剣に受け取っていない可能性があります。
このような場合、夫のいびきを録音し、自分のいびきがどれくらいの大きさなのか本人に聞かせてみると良いでしょう。
いびきがどれだけ苦痛か伝える
いびきを録音して夫にいびきの大きさを自覚してもらったら、いびきがどれだけ苦痛なのかを伝えてください。
毎日眠れなくて困っていることや睡眠不足で昼間の生活に支障をきたしていることなどを伝えましょう。
このとき、あくまでも冷静に話をすることを心がけてください。
感情的になってしまうと喧嘩になり、いびきから話の論点がズレてしまう可能性があります。
夫の健康を心配していることを伝える
夫のいびきが苦痛という話だけではなく、「夫の健康を心配している」ということも伝えることが大切です。
前述したように、いびきは睡眠時無呼吸症候群や耳鼻科系の疾患など何らかの病気のサインかもしれません。
健康でいてほしいからこそ専門医に診てもらうことも一緒に提案してみましょう。
いびき改善策を提案する
夫にいびきの自覚があったとしても、どうすればいびきが改善されるのか本人がわかっていないケースもあります。
前述のとおり、横向きに寝るようにすることや肥満や寝酒・喫煙などいびきの原因になるようなことを改善するなどいびき改善策を提案してみてください。
最近は、いびき解消グッズなども市販で購入することができるため、利用を勧めてみても良いでしょう。
夫がいびき改善策を知り、協力的になってくれれば「離婚したい」という気持ちも収まるかもしれません。
いびきを理由に離婚したいと思ったら
いびきの改善策や対処法を試みたものの、どうしてもいびきが改善されずに離婚したいと考えた場合は弁護士に相談してみましょう。
ここまで説明したとおり、いびきだけを理由に離婚することは難しいのが実情です。
しかし、弁護士に相談すれば、いびき以外のほかの要素を探してもらい、離婚できる可能性があります。
また、弁護士に離婚を依頼すれば、財産分与などのサポートも受けられるため、スムーズかつ有利な条件で離婚できる可能性が高まります。
まとめ
夫のいびきに悩んでいる方は多いものです。
いびきだけが原因で離婚をすることは難しいため、ここで紹介したいびきの改善方法を試してみることをおすすめします。
いびきの改善方法を試しても離婚の意思が変わらない場合は、弁護士に相談してみることをおすすめします。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
※1 明治安田生命「明治安田生命 「いい夫婦の日」に関するアンケート調査を実施」
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