「実家に帰る!」はNG?やってはいけない、離婚に不利な行動とは。

基礎知識
「実家に帰る!」はNG?やってはいけない、離婚に不利な行動とは。

無意識にしていたことや言っていたことが、このさき夫婦間で離婚沙汰になった際に取り上げられてしまい、離婚が自分にとって不利になることもあります。

離婚間際になって過去の行動を悔やむことのないように事前に離婚に不利になる行動を知っておきましょう。

ここでは、女性・男性それぞれが無意識にやりがちな離婚時に不利になる行動や特徴、親権を獲得する際に不利になる行動について解説していきます。

目次
  1. 離婚の話し合いで感情的になっている場合は要注意
  2. 女性が不利になる行動や特徴
    1. 同居が嫌で家を出てしまう
    2. 長期にわたる性交渉の拒否
  3. 男性が不利になる行動や特徴
    1. 妻よりも極端に収入が多い
    2. 不倫の証拠を残す
  4. 男女共通で不利になる行動
    1. 離婚調停で配偶者への暴言を吐く
    2. モラハラ的言動
  5. 親権を獲得したい場合に不利になる行動
    1. 子どもを置いて家を出てしまう
    2. 子どもの面倒を日ごろから見ていない
    3. ギャンブルなどで浪費する
  6. どんな場合でも基本的にやってはいけない行動
    1. DV
    2. 子どもの福祉にならないこと
  7. まとめ

離婚の話し合いで感情的になっている場合は要注意

離婚するまでの間は、夫婦ふたりにしか分からないような出来事が起こります。その結果、どうしても相手を許せなくなったり、夫婦でいることに耐えられなくなって「離婚」にたどり着きます。

基本的に離婚は夫婦双方の同意のもとで成立するものです。したがって、どちらかが同意しない場合や離婚に同意はしたけれどその条件に納得がいかない場合は夫婦間で話し合いの場を持つことになります。

ところが、この話し合いの場面が離婚を不利なものにしてしまうこともあります。

「相手を言い負かしたい」「浮気を疑われて自分の無実を証明したい」など、感情がたかぶっているときには「離婚してやる!」「こんな家出て行ってやる!」など、自分が不利になるような不用意な発言をしてしまいがちです。

しかし、言葉尻をとらえてICレコーダーで録音でもされていた場合、「離婚に同意した」「子どもを残して家を出るつもりだった」などと離婚への同意とみなされたり、親権を放棄したと見なされる可能性があります

女性が不利になる行動や特徴

ここからは、女性が離婚で不利になる行動や特徴についてみていきます。

同居が嫌で家を出てしまう

国勢調査を分析した結果によると、下記のようなデータがあります。

夫婦のそれぞれの親との同居割合

結婚後に夫婦いずれかの親と同居するのは妻よりも夫の親のほうが多く、その傾向は20年前と比較しても変わっていないことがわかります。

つまり、妻のほうが義父母と同居する確率が高く、同居問題で悩んでいるのは男性より女性のほうが多いことがわかります。

そもそも父母との同居以前に夫婦には一緒に暮らす義務があります。これは民法752条によっても同居等の義務として明記されています。

ところが、夫側の親と同居の話が持ち上がった際に妻が同意できず、しばらく実家に戻ってしまうことがあります。この場合、妻はこの同居義務違反に当たるため離婚時に不利になってしまうのです。

いくら同居が嫌でも、一方的に家を出て別の場所で暮らすことはやめておきましょう

参考:国立社会保障・人口問題研究所「第5回全国家庭同行調査

長期にわたる性交渉の拒否

一般社団法人日本家族計画協会の調べ(2014年)によると、既婚者のうち、セックスレス(特別の事情がないにも関わらず1ヶ月以上性交渉のないカップル・夫婦)だと答えたのは男女1,134人のうち44.6%にものぼっています。

このように日本人はセックスレスの傾向があるといわれていますが、実際に夫からの交渉を拒否し続けることでも離婚に不利になることがあるのです

セックスレスの場合、性交渉を拒否するのは男性よりも女性の方が多く、離婚時に相手から慰謝料を請求されることがあり、金銭面で妻が不利な離婚になってしまう可能性が高いのです。

参考:一般社団法人日本家族計画協会「【第720号】平成26年3月1日発行(2014年)

男性が不利になる行動や特徴

次に、男性が離婚で不利になる行動や特徴についてみていきます。

妻よりも極端に収入が多い

離婚の慰謝料が高くなったとき、男性側が圧倒的に不利になる大きな要因は男性側が女性側よりも多額の収入を得ていることです。高収入の男性の多くは、妻が専業主婦であることも多いです。

そのため、いざ離婚して財産分与をする段階になってから「こんなに稼いできたのは俺なのに、どうして半分も渡さなければならないのか」と納得できない男性は少なくありません。

これに加えて男性側が有責配偶者となった場合、妻に慰謝料を支払うことになります。このとき、男性の収入額が慰謝料の基準になるため、高収入の男性が支払う慰謝料は高額になってしまうのです。

不倫の証拠を残す

相模ゴム工業株式会社の調査で、女性より男性の方が不倫・浮気をしているという結果が報告されています。そのため、特に男性が気を付けるべき行動として不倫後の行動が挙げられます。

民法770条の離婚事由のひとつに配偶者に不貞な行為があったときが含まれています。つまり、あなたが妻以外の女性と肉体関係を持った場合は双方の同意がなくとも離婚できることになっているのです。

離婚事由において有責配偶者となった場合、配偶者から慰謝料を請求されたら支払の義務が生じ、かなり不利な条件で離婚することになります

ただし、不貞行為の証拠がなければ行為を立証することは困難です。そのため、下記のような証拠が残っている場合は離婚時にかなり不利になるでしょう。

  • 妻以外の異性と肉体関係を持ったことを連想させるLINEのやりとり
  • ラブホテルに出入りする瞬間の写真
  • ベッドで不倫相手と撮った写真 など

参考:相模ゴム工業株式会社「恋愛対象、セックスパートナー、浮気 etc.

男女共通で不利になる行動

ここまで男女別で離婚時に不利になる行動を説明してきました。ここからは男性にも女性にも共通して当てはまる行動をみていきます。

離婚調停で配偶者への暴言を吐く

夫婦の間で離婚への合意がとれなかった場合、家庭裁判所に対して離婚調停を申し立てることになります。離婚調停では調停委員が夫婦双方の言い分を聞いて調査や話し合いを促します。

この調停の場で離婚を申し立てる側が感情的になってしまい、これまで溜まっていた配偶者への悪口や誹謗中傷の限りを尽くし、かえって自分に不利になることがあるのです

調停委員もひとりの人間です。一方的にどちらかの配偶者をなじっていれば心証を悪くするでしょう。 調停では、自分の意見を主張できる時間には限りがあります。

それにも関わらず相手をなじることで終始すれば、感情的になった方に不利な離婚になることは目に見えています。

モラハラ的言動

配偶者に対して「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」「死ね」「イヤなら離婚してやるよ」などの発言は、モラルハラスメント(以下、モラハラ)に該当します。

また、配偶者の外出を禁じたり、どんなに努力しても暮らせないほどの生活費しか渡さないといった行動もモラハラに該当します。

このようなモラハラ的な言動を記録されている場合、加害者が夫でも妻でも、被害者側から精神的苦痛を伴ったことに対する慰謝料を請求され、離婚時には不利になることは確実です。

慰謝料の問題以外でも、離婚調停ではかなり不利になるだけではなく、配偶者として、人としてやってはいけないことだといえます。

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親権を獲得したい場合に不利になる行動

親権を獲得したい場合に不利になる行動

子どもを持つ夫婦が離婚する際は、夫婦のいずれかが親権を持つことになります。ここからは親権を決める際に、不利になる行動をみていきます。

子どもを置いて家を出てしまう

親権には大きく分けて身上監護権財産管理権があります。前者は「子どもを育て、教育し、しつける権利」を指し、後者は「子どもの財産を法に則って管理するなどの権利」を指します。

特に前者の「身上監護権」の判定基準となるのが、「子どもに対して愛情があるか」そして「監護する意志があるか」どうかです。

夫婦喧嘩で我慢できずに子どもを家に置いて自分だけ実家に帰ってしまうと、「監護する意志」がないと判断され、親権獲得に不利になることがあります

いくら喧嘩でカッとなっても、身上監護権のことを思い出し、子どもを連れて一時的に家を出るか、あるいはグッと堪えて家を出るという行動を制すことが大切です。

子どもの面倒を日ごろから見ていない

上記と同じく子どもを監護する意志や能力があるか、さらに子どもへの愛情があるかどうかも親権を決める際に重要になります。

その判断材料として、日ごろ子どもの身の回りの世話をしているのが夫婦のどちらがメインかということも考慮されます。

例えば、子どもの保育園の送迎、授業参観など学校行事への参加、食事・入浴の準備などが含まれます。

一般的にこれらは母親の方が多く担当している家庭が多いものですが、すべてを妻に任せている場合は夫がかなり不利になります。

日ごろから子どもとの関わりがないという自覚のある人ほど、時間を見つけて育児に参加しておくことをおすすめします

ギャンブルなどで浪費する

趣味としてパチンコや競馬などのギャンブルを楽しんでいる人も多くいます。

しかし、離婚間際でもギャンブルを継続し、小遣いの範囲にとどまらない金額を使っている場合、「浪費癖がある=子どもの監護能力に欠ける」と判断され、親権が獲得できない可能性があります

配偶者側が近所に住む人に、「土日はたいていパチンコ屋にいる」などの陳述書を記載するよう依頼していた場合は、さらに不利になります。

ギャンブルを趣味にしている場合は、頻度と使用する金額に注意しましょう。

どんな場合でも基本的にやってはいけない行動

ここまで離婚で不利になる行動について説明していきました。ここからは、離婚に不利なことはもちろん、どのような場合であってもやってはいけない行動についてみていきます。

DV

配偶者への身体的暴力は、配偶者が医療機関などで診断書を求めれば容易に証明されるものですので、離婚時にも多額の慰謝料を請求されてしまいます。

また、DVは民法770条の離婚事由にも該当するため、あなたがどんなに離婚したくなくとも、法によって離婚が成立する確率が極めて高いです

それ以前に、人を人とも思わないような暴力行為は、離婚に関わらずやってはいけない行動です。DVは本人の意志で止められるものではありません。

暴力を止めたいという気持ちがある場合は、DV治療の専門医院にかかるなどして、積極的な対策を始めましょう。

子どもの福祉にならないこと

親権がほしい気持ちが先走り、「本当に自分と暮らすことが子どもにとって幸せ(福祉)なのか」について深く考えずに離婚調停や離婚裁判にいたる人もいます。

しかし、離婚によって傷つくのは夫婦だけではありません。子どももまた離婚によって重大な精神的ダメージを受けます。

少しでも可愛いわが子の福祉になることを考え、自分の気持ちを抑え、面会交流で子どもの成長を見守るということも頭の隅に入れておきましょう

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まとめ

売り言葉に買い言葉で、「離婚してやる!」と毒づいたり、感情のままに子どもを置いて家を出たり…

自分のその場の感情で動くことが、自分にとって不利な離婚になる可能性は十分にあります。

離婚に不利になる言動を知らないままでいると、慰謝料が高額になったり、子どもの親権を獲得できなかったりなど、いい結果を招きません。

離婚が頭をよぎったときから、紹介した内容を参考に、自分と子どもに不利にならないよう立ち居ふるまうことをおすすめします。

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