離婚したいと思ったら。後悔しないために知っておくべき8つのこと。

人生において結婚は一大イベントです。しかし、他人が生活をともにする結婚は順風満帆にいかないこともあります。そんなとき「離婚して再出発をしよう」と思うこともあるでしょう。
では、実際に離婚に踏み切るためにはどのような準備をして何を決めればいいのでしょうか。ここでは、後悔しないために知っておきたい離婚の方法や準備、離婚でもめたときの対処法について解説します。
- 目次
夫婦が合意すれば離婚できる
離婚したいと思ったら知っておくべき1つめのことは、夫婦が合意さえすれば離婚はできるということです。
基本的に、夫婦が話し合い離婚内容に合意すれば離婚はできます。これを協議離婚といいます。したがって、夫婦の合意さえあればどんな理由であっても離婚は可能ということです。
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夫婦のみで離婚に関する話し合いを行って離婚の条件を決め、離婚届を役所に提出してする離婚を協議離婚と…
離婚理由で多いものとは
離婚したいと思ったら知っておくべき2つめのことは、一般的にどのような理由で離婚することが多いかということです。 夫婦が合意すれば基本的に離婚はできます。
しかし、配偶者がなかなか離婚に応じてくれないこともあります。こうなってしまうと長期化する場合もあります。
そこで、どのような理由で離婚することが多いのかを知っておくことも大切になります。離婚理由の多いものとして下記があります。
参考:リクルートパートナー「離婚に関する調査2016」
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統計局が2016年に行った調査によると、日本人の離婚率は2002年に2.30%というピークをむかえ、徐々に減少傾向に…
離婚でトラブルになりやすいこととは
離婚したいと思ったら知っておくべき3つめのことは、離婚でトラブルになりやすいのは何かです。いざ離婚に踏み切っても、離婚条件などでもめることがあります
なかでも、下記の項目はトラブルになりやすい傾向があります。
財産分与
婚姻中に夫婦で築いた財産を夫婦でわけるのが財産分与です。財産分与の対象となるのは婚姻中に築いた財産になります。
財産分与は基本的に2分の1になります。一方が専業主婦などの家事従事者であっても同様です。
財産分与の対象は現金や預貯金だけではありません。不動産などの現金以外のものやローンなどのマイナス財産も対象となります。
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夫婦が離婚する場合、離婚すること自体のほかにさまざまな取り決めをしなければなりません。女性の場合は…
慰謝料
慰謝料とは精神的な苦痛に対して支払われる損害賠償金です。 離婚では、夫婦の一方が離婚にいたる原因を作った場合、慰謝料請求できる場合があります。
慰謝料請求が認められる離婚原因は限定的ですが、主に以下の理由で離婚する場合は慰謝料請求が認められる傾向があります。
離婚で請求できる慰謝料には明確な算出法や計算式があるわけではありません。したがって、夫婦が合意すればいくらでもいいということになります。
一般的には下記の金額が相場となっています。
不貞行為とひとくちに言っても、不貞行為の期間や有責性によって慰謝料金額が大きく変わることもあります。
また、これらの原因で離婚を認めてもらうためには証拠集めが非常に重要になります。
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「離婚するなら慰謝料って絶対もらえるの?」「どうやったらもらえるの?」「どれぐらいもらえるの?」…
不貞行為
不貞行為とは配偶者以外の異性と性的な関係を持つことをいいます。「浮気」「不倫」という言葉がよく使われますが、法律では不貞行為という言葉が使われます。
夫婦には貞操義務があり、不貞行為は貞操義務違反となります。不貞行為は民法上の不法行為であり離婚事由に該当します。
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芸能人や政治家などの有名人の不倫のニュースが尽きることなく流れていますが、そもそも、どのようなことを…
DV
DVはドメスティック バイオレンスの略で家庭内暴力を指します。DVによる慰謝料の金額は下記の要素で変わることがあります。
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DV(ドメスティック バイオレンスの略)が社会問題となり、DV防止法(配偶者暴力防止法)などの法整備が進んで…
モラハラ
モラハラはモラルハラスメントの略で、言葉や束縛など精神的な暴力を指します。モラハラはDVのひとつとされることもあります。
モラハラによる慰謝料の金額は以下の要素で変わる可能性があります。
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近年、モラハラという言葉が広く知られるようになりました。それに伴い、これまで自分が受けてきたこともモラハラでは…
親権
子どもを持つ夫婦が離婚する場合、必ず親権者を決める必要があります。 親権を決めるポイントとしては下記があります。
親権者は「子どもにとってどちらの親と一緒になるのがいいのか」という点を考慮して決めます。親である夫婦の離婚理由は関係しません。
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近年、少子化の進行が問題になっています。そのため、離婚の際、父親と母親のどちらが子供の親権者になるかについて…
養育費
養育費とは、未成年の子どもを養育監護するための費用です。親子は法律上の扶養義務があります。
親が離婚しても親子関係は変わりません。したがって、未成年の子どもがいる場合、親権を持たない親は親権を持つ親と養育費を分担しなければならないのです。
一方で、親権を持たない親が養育費を払わない養育費の未払いも問題になっています。
相手が養育費の請求に応じない場合は、強制執行(差し押さえ)などの手段も考える必要があります。このような場合は弁護士に相談するといいでしょう。
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未成年の子どもがいる夫婦が離婚する際に大きな問題となるのが、どちらが親権者になるのか、親権を持たない方が…
意外と知らない離婚でもらえるお金
離婚したいと思ったら知っておくべき4つめのことは、意外と知られていないが離婚でもらえるお金があることです。
「離婚する前に別居したいけどお金がない」と別居に踏み切れない方もいると思います。実は、離婚では慰謝料以外にも請求すればもらえるお金があるのです。
婚姻費用
夫婦は別居中であっても互いに扶養する義務があります。したがって、離婚前に別居する場合であっても、別居中の生活費を婚姻費用として請求できます。
婚姻費用は、収入の少ない配偶者が収入の多い配偶者に請求できます。
年金分割
婚姻中に夫婦それぞれが支払った年金を分割することを年金分割といいます。
分割対象となるのは、厚生年金や共済年金部分のみです。配偶者が給与所得者などの厚生年金加入者で、自分より収入が多い場合は年金分割によって年金が増えることになります。
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離婚するときには、慰謝料、養育費、財産分与などのお金の問題について夫婦で話し合わなければなりません。収入が少ない側は…
離婚協議書の作成方法
離婚したいと思ったら知っておくべき5つめのことは、離婚協議書の作成方法です。離婚の話し合いが成立したら、離婚協議書を作成します。
離婚協議書には話し合いで決めた離婚条件などを記入します。離婚協議書は自分たちで作ることができますが、公正証書にしておくことをおすすめします。
特に強制執行認諾文言を付けた公正証書を作成しておくと、金銭の支払いが滞った際に裁判を起こさず差し押さえが可能になります。
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離婚には、協議離婚、調停離婚、裁判離婚といった種類がありますが、そのなかでも協議離婚が全体のおよそ9割を占めて…
話し合いで離婚が成立しない場合は
離婚したいと思ったら知っておくべき6つめのことは、離婚が話し合いで成立しない場合の対処法です。
夫婦が話し合っても離婚が成立しない場合、あるいは事情によって話し合いができない場合はどうすればいいのでしょうか。
離婚調停
協議離婚で離婚が成立しなかった場合、離婚調停を申し立てることになります。
離婚のように家庭内での争い(家事事件)に対しては、いきなり離婚裁判(訴訟)を起こすことができません。これを調停全前置主義といいます。
調停前置主義とは、裁判(訴訟)を起こす前に原則として調停をおこなわなければならないという制度です。 離婚調停は家庭裁判所でおこないます。
しかし、調停はあくまで当事者(この場合夫婦)での話し合いで離婚を決めるものです。夫婦の間には調停委員が入りますが、離婚するかどうかを決めるのはあくまで当事者です。
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協議離婚を目指して話し合いをした結果、お互いの合意に達しなかった場合には、家庭裁判所で離婚調停手続を行う…
審判離婚
離婚調停でも離婚が成立しなかった場合であって、家庭裁判所の職権で「離婚に相当する」と判断した場合は、審判離婚をおこなうことがあります。
審判離婚は「夫婦双方が離婚に合意しているが、わずかな条件の違いで合意できていない」などの限定的な場合におこなわれます。そのため、審判離婚が利用されることはほとんどありません。
裁判離婚(離婚訴訟)
離婚調停をおこなっても離婚が成立しない場合、裁判離婚(離婚訴訟)をおこないます。離婚調停も裁判離婚も家庭裁判所でおこないます。
ただし、離婚調停は夫婦での話し合いで離婚を決めるのに対し、裁判離婚は裁判所が離婚の判断をくだします。
協議離婚や離婚調停では夫婦が合意すれば離婚できますが、裁判離婚の場合は民法で定める5つの法定離婚事由が必要になります。
また、裁判離婚は専門知識が必要なことが多くあります。裁判離婚に持ち込む場合は弁護士に依頼するほうがいいでしょう。
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「離婚」といっても、当事者同士での話し合いによるもの、裁判所が関与するものなどいろいろあります。では、どのような流れで…
離婚後の生活で困らないためには
離婚したいと思ったら知っておくべき7つめのことは離婚後どうやって生活を維持していくのかということです。
離婚したいと考えたら、離婚後に安定した生活が送れるのか、離婚後にどのような支援を受けられるのかを事前に知っておくことも大切です。
厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」では、母子世帯の約2割しか養育費を受給していないと報告されています。
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離婚後のひとり親家庭にとって、子どもの生活費ともいうべき「養育費」は欠かせません。離婚後、元配偶者が養育費を…
母子家庭向けの制度や手当を利用する
子どもを持つ夫婦が離婚した場合、生活に必要なお金をどのように確保するのかが問題になります。
子どもの年齢や要件によっては児童扶養手当やひとり親家庭医療費助成制度などの支援を受けることができます。これらの手当てを受給するためには、自治体で手続きをとる必要があります。
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離婚してシングルマザーになった場合、必要なお金をどう確保するかは大きな問題です。まずは安定した収入が得られる…
面会交流(面接交渉)の手続き
未成年の子どもを持つ夫婦が離婚した場合、夫婦のいずれかが親権者になる必要があります。では、親権を持たない親は離婚後、子どもと会うことはできないのでしょうか。
民法では、親権を持たない親は面会交流(面接交渉ともいう)の権利があるとされています。
ただし、面会交流の基準は子どもの福祉です。面会交流によって子どもの育成に悪影響があると判断される場合は面会交流が制限されることがあります。
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未成年の子どもを持つ夫婦が離婚する場合、夫婦のどちらかが親権者になります。このとき、離婚によって子どもと…
弁護士に相談したほうがいい場合とは
離婚したいと思ったら知っておくべき8つめのことはどのような場合に弁護士に相談すべきかということです。協議離婚や離婚調停では、基本的に夫婦が合意すれば離婚できます。
しかし、DVなどが原因で配偶者と話したくない場合は、代理人として配偶者と話し合いをしてもらうほうがいいでしょう。さらに裁判に持ち込む場合などは、自分ひとりで対応することは難しくなります。
このような場合は弁護士に相談するほうがいいでしょう。弁護士に相談する際は、離婚問題に強い弁護士を選ぶことが大切です。
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離婚を弁護士に依頼するとなると、費用もかかります。そのため躊躇される方も多いと思います。弁護士に頼んでも…
まとめ
離婚は子どもや離婚後の生活などさまざまな要素を総合的に見て判断する必要があります。
また、配偶者と話し合いたくなかったり裁判に持ち込む場合などは、自分ひとりで対応することは難しくなります。 離婚は慎重に考え、困ったときは離婚に強い弁護士に相談しましょう。
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