離婚裁判(訴訟)の流れ|期間を短くして有利に進める方法

裁判・調停
弁護士監修
離婚裁判(訴訟)の流れ|期間を短くして有利に進める方法

離婚手続きは離婚届を出すだけですが、なかなか離婚条件に合意ができず、泥沼化するケースも少なくありません。

離婚の話し合いが成立しない場合、最終的には離婚裁判に進みます。この記事では離婚裁判とはどういうものかを解説します。

目次
  1. 離婚裁判とは
    1. 離婚裁判は事前に離婚調停を行う必要がある
    2. 裁判で離婚が認められるには法定離婚事由が必要
  2. 離婚裁判に必要な書類
  3. 離婚裁判に必要な費用
  4. 離婚裁判の流れ
    1. 家庭裁判所に訴えを提起
    2. 第1回口頭弁論期日の指定
    3. 第1回口頭弁論
    4. 第2回以降の口頭弁論
    5. 離婚裁判の終了
    6. 離婚届を提出する
  5. 離婚裁判での結果に納得いかないときは控訴を行う
  6. 離婚裁判の期間
  7. 離婚裁判を早期に終わらせるには
    1. 事前準備を入念に行う
    2. 和解の申し入れも検討する
  8. 離婚裁判を有利に進めるための7つのポイント
    1. 離婚裁判で認められる証拠を集める
    2. 親権を獲得したいなら親権者としての適正があることを主張する
    3. 離婚裁判が長期化しそうな場合は婚姻費用分担請求を行う
    4. 相手方が離婚裁判を欠席した場合
    5. 相手方が行方不明の場合は公示送達制度を利用する
    6. 離婚問題に強い弁護士に依頼する
    7. 弁護士費用の支払いが心配なら法テラスを利用する
  9. 離婚裁判を弁護士に依頼するメリット・デメリット
    1. 離婚裁判を弁護士に依頼するメリット
    2. 離婚裁判を弁護士に依頼するデメリット
  10. まとめ

離婚裁判とは

離婚はまず夫婦の話し合いから始めますが、話し合いで離婚が成立しない場合は調停、裁判へと進みます。離婚裁判は訴訟を提起し、裁判所が判決をくだします。

離婚裁判は事前に離婚調停を行う必要がある

離婚裁判を起こす際は、事前に離婚調停を申立てる必要があります。これを調停前置主義と言います(家事事件手続法第257条)

夫婦や家族といった人間関係は、離婚後も子供などを介して続くことになります。

そのため、離婚などの家庭内トラブルは、いきなり裁判で対立構造に持ち込むのではなく、互いに納得ができる形で解決を図ることが望ましいとするのが調停前置主義の背景にあります。

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裁判で離婚が認められるには法定離婚事由が必要

裁判で離婚が認められるには民法に定める5つの法定離婚事由が必要です。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

裁判に進みそうだと感じたら、上記の法定離婚事由のどれに該当するのか考えておきましょう

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相手が拒んでも離婚できる?裁判離婚に必要な5つの法定離婚事由とは。

離婚裁判に必要な書類

離婚裁判を行うには以下の書類が必要です。

  • 離婚裁判の訴状
  • 離婚調停不成立調書
  • 夫婦の戸籍謄本とそのコピー

そのほか裁判で争う内容によっては以下の書類が必要な場合もあります。

  • 年金分割のための情報通知書とそのコピー ※年金分割について争う場合
  • 源泉徴収票・預金通帳など財産を示すもの

離婚裁判に必要な費用

離婚裁判で必要な費用は下記となります。

  • 収入印紙代:離婚のみ13,000円、離婚以外に争う項目があれば項目ごとに1,200円がかかります。
  • 郵便切手代:当事者が被告と原告各1名の場合、約6,000円 ※東京家庭裁判所の場合:500円×8枚、100円×10枚、84円×5枚、50円×4枚、20円×10枚、10円×10枚、5円×10枚、2円×10枚、1円×10枚

なお、郵便切手代は訴訟を行う裁判所によって異なります。また、金額は頻繁に変更されるため、事前に確認しておきましょう。

このほか、弁護士に離婚裁判を依頼する場合は別途弁護士費用も必要です

離婚裁判に必要な弁護士費用については後述の「離婚裁判を弁護士に依頼するメリット・デメリット」で解説します

離婚裁判の流れ

離婚裁判は以下の流れで行われます。

家庭裁判所に訴えを提起

夫婦のどちらか一方の住所地を管轄する家庭裁判所に訴状を提出し、訴えを提起します。

第1回口頭弁論期日の指定

訴状審査が終わると、裁判所は原告と日程調整を行い、原告が出廷可能な日時を第1回口頭弁論期日として指定します。

この指定によって、第1回口頭弁論期日が決まるとともに、被告である相手方にも口頭弁論期日呼出状と訴状の写しが送付されます

被告は原告(訴訟を提起した側)が作成した訴状を読み、答弁書(反論する書類)を作成します。

第1回口頭弁論

提出された書類を裁判所が確認し、原告が訴状を陳述したあと被告が答弁書を陳述します。

問題点に対して原告は事実を立証する証拠を提出し、被告は原告の主張を否定する証拠を提出します。これが何度か繰り返されます

最後に原告の主張が事実かどうかを裁判官が判断します。

第2回以降の口頭弁論

ほとんどの場合、口頭弁論が1回で終了することはありません。

2回目以降は「弁論準備手続」が行われるのが一般的ですが、口頭弁論が続くこともあります。

口頭弁論は月に1回のペースで行われるため、第1回口頭弁論から約1か月後に第2回口頭弁論が行われます

それでもまとまらない場合は第3回、第4回…と口頭弁論が繰り返されることになります。

離婚裁判の終了

口頭弁論を重ねた結果、判決をくだすのに十分な証拠が揃ったと裁判官が判断すると、離婚請求を認めるか棄却するかの判決をくだします

また、場合によっては和解が提示されることもあります。

和解

原告と被告が判決を経ることなく、話し合いで解決することにした場合、または裁判官が間に入って落としどころが見つかった際に和解が成立します。

判決

判決とは、原告の離婚請求を認めるまたは棄却を裁判所が決めることです。

取り下げ

原告が訴えを取り下げた際も裁判が終了します。ただし、一定期間がすぎた場合は被告側の同意が必要になります。

離婚届を提出する

和解した場合、裁判所が和解調書を作成します。和解成立後10日以内に離婚届と和解調書謄本を役所の戸籍課へ提出すれば離婚が成立します。

一方、判決離婚の場合は、判決確定後10日以内に離婚届と判決書謄本、確定証明書を役所へ提出すれば離婚が成立します。

離婚裁判での結果に納得いかないときは控訴を行う

判決に納得できない場合や離婚が不成立となった場合は、判決書の送達を受けた日から2週間以内に控訴を行います。

離婚裁判の期間

離婚裁判の期間

離婚裁判は1年以上かかると見ておきましょう

第1回目の口頭弁論は訴状を提出してから約1か月~1か月半後に行われます。2回目以降の口頭弁論については月1回のペースで行われます。

一回の口頭弁論で判決が出ることはほとんどありません。1年以上はかかると考えておきましょう。

離婚裁判を早期に終わらせるには

前述のとおり、離婚裁判は長期戦になります。裁判を行うこと自体ストレスですが、それが長く続くとストレスが増し、負担が大きくなります。

できるだけ早期に離婚裁判を終わらせるにはいくつかポイントがあります。

事前準備を入念に行う

日本の裁判は三審制を採っており、第一審の判決に不服があれば控訴、上告と2段階の上訴を認めています。

離婚理由や主張を立証する証拠が不十分な場合、状況によって第一審で敗訴する可能性もあります。

判決に不服がある場合、高等裁判所に控訴をすることになりますが、こうなるとさらなる長期化は避けられません。

離婚理由や財産、親権など争点となる問題を立証する証拠を集め、裁判が有利かつスムーズに終わるよう準備することが重要です

和解の申し入れも検討する

離婚裁判では判決だけでなく、裁判官から和解を提案されることもあります。

提案された内容に納得ができるのであれば、和解提案を受け入れるというのも良いでしょう

離婚裁判を有利に進めるための7つのポイント

離婚裁判を有利に進めるにはいくつかポイントがあります。以下で詳しく見ていきます。

離婚裁判で認められる証拠を集める

前述のとおり、離婚裁判では離婚理由や主張を立証する有効な証拠を提出できるかが重要です

例えば、配偶者の不倫を理由に離婚を認めてもらう場合は不貞行為があったことを立証できる証拠が必要になります。

どのような証拠をどう集めれば良いかについては弁護士にご相談ください。

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親権を獲得したいなら親権者としての適正があることを主張する

親権も離婚で揉めやすい問題です。

親権者指定の際、裁判所は「夫婦のどちらが親権者として適切か」という点を重視します。

このとき、婚姻中の養育実績や離婚後の養育環境など、「自分は養育者として適切だ」と判断される証拠を提示することが重要です

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離婚裁判が長期化しそうな場合は婚姻費用分担請求を行う

離婚裁判は同居中に行うこともできますが、別居中に訴えを起こすケースも少なくありません。

しかし、別居中に訴訟を起こした場合、離婚裁判が長引くと経済的に苦しくなる可能性もあります。

夫婦には婚姻費用分担義務があるため、別居中も収入の多い側が収入の少ない側に婚姻費用を支払う必要があります。

別居中も婚姻費用を支払ってくれる場合は良いですが、支払いがない場合は婚姻費用分担請求を行いましょう

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相手方が離婚裁判を欠席した場合

裁判所に訴状を提出したにも関わらず、相手方が答弁書を提出せず、欠席するケースもあります。

このような場合は「原告の主張を認めた」と判断され、争うことなく離婚が成立します

相手方が行方不明の場合は公示送達制度を利用する

離婚したいけど、相手方が行方不明というケースもあるでしょう。ここで言う「行方不明」は、家を出たというだけでなく連絡も取れないというケースです。

相手方が行方不明の場合は「公示送達」という制度を利用できます

公示送達とは、自分の意思を相手方に送達したいが相手の居場所がわからない、または相手が誰かわからないといった場合に、所定の手続きを行うことで「意思表示を送達した」とみなす制度です。

公示送達の手続きを行うと、「送達すべき書類をいつでも交付する」旨が裁判所の掲示場に掲示されます。

相手方が行方不明の場合、裁判所の公示を見る可能性は限りなく低いため、掲示から2週間経過すれば送達の効力が生じ、裁判を行うことができるようになります。

その後、相手方からの反論がないものとみなされ、欠席裁判となり、勝訴する流れとなります。

離婚問題に強い弁護士に依頼する

離婚裁判は自分一人で行うこともできますが、離婚裁判を有利に進めるなら弁護士に依頼することをおすすめします。

裁判は法的な手続きが多く、素人にとって負担が大きいものです。弁護士に依頼することで、相手方や裁判所との手続きを代行してくれるため、手間や負担を軽減できます

また、弁護士なら必要な証拠や書類の準備などを取りこぼしなく行ってくれるため、裁判を有利に進めることができます。

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弁護士費用の支払いが心配なら法テラスを利用する

弁護士に依頼すると有利に離婚裁判を進めることができます。ただし、弁護士に依頼すると弁護士費用が発生します。

弁護士費用の支払いが心配な場合は法テラスの立て替え制度の利用を検討すると良いでしょう。

法テラスでは、弁護士による法律相談だけでなく、条件を満たせば弁護士費用を立て替えてもらうことができます

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離婚裁判を弁護士に依頼するメリット・デメリット

離婚裁判を弁護士に依頼するメリット・デメリット

離婚裁判を弁護士に依頼すると以下のメリット・デメリットがあります。

離婚裁判を弁護士に依頼するメリット

離婚裁判を弁護士に依頼すると、必要書類や資料の準備を行ってくれますので負担やストレスを軽減できます。

また、弁護士は法的な知識が豊富で、交渉力も長けています。そのため、裁判で説得力のある主張ができ、有利に裁判を進めることができます

さらに、弁護士はポイントを押さえた主張ができますので裁判を短期間で終わらせることにつながります。

ただし、双方に弁護士がついた場合は長期化するケースも多いため、注意が必要です。

離婚裁判を弁護士に依頼するデメリット

離婚裁判を弁護士に依頼するデメリットと言えば、弁護士費用がかかることでしょう。弁護士に離婚裁判を依頼したときの弁護士費用は以下が相場となります。

  • 着手金:20~40万円程度
  • 成功報酬:20~40万円+α

成功報酬は20~40万円にくわえ、慰謝料や養育費など獲得した(または減額できた)金額の10~20%が上乗せされることが多いです。

おおむね、着手金と成功報酬で60~90万円というケースが多いです。

このほか、弁護士に依頼すると相談料や実費などの費用も発生します。相談料は30分5,000円前後が相場ですが、最近は相談料無料の法律事務所も増えています。

実費は交通費や収入印紙代など弁護士が離婚裁判を行う際に発生する費用のことです。状況によって日当が発生することもあります。

なお、収入印紙や切手代は自分で裁判を行う際も発生します。また、ここで紹介した金額はあくまで相場です。実際の費用は弁護士によって異なります。

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まとめ

離婚裁判について解説しました。 離婚裁判は自分で行うこともできますが、有利に解決を望むのであれば弁護士に依頼することをおすすめします。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚や裁判に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。

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