賢い離婚の仕方|円満に離婚するために知っておくべきこと

基礎知識
弁護士監修
賢い離婚の仕方|円満に離婚するために知っておくべきこと

「離婚を考えているけど、できるだけ円満かつ簡潔に進めたい」と考える人は多いです。

離婚には揉めやすい印象がありますが、協議離婚であれば円満かつ簡潔に進められる可能性があります。ただし、協議離婚であっても事前準備や決めておくべきことは多くあります。

今回は円満かつ簡潔に進む離婚の仕方について詳しく説明していきます。

目次
  1. 離婚前に理解しておきたい離婚の種類
    1. 協議離婚
    2. 調停離婚
    3. 審判離婚
    4. 裁判離婚
  2. 離婚に向けてしておきたい準備
    1. 離婚後の生活の目途を立てておく
    2. 離婚後にもらえる可能性があるお金を調べる
    3. 離婚後の住居の準備
    4. 離婚後の仕事の準備
    5. 相手へ慰謝料や財産分与を請求するための準備
  3. 離婚前に決めておくべきこと
    1. 慰謝料
    2. 財産分与
    3. 年金分割
    4. 未成年の子供の親権
    5. 養育費の支払い
    6. 子供の面会交流
    7. 婚姻費用の請求(別居していた場合)
  4. 協議離婚での解決がおすすめ
    1. 離婚条件の協議がまとまったら離婚協議書を作成
    2. 離婚協議書を公正証書にするメリット
  5. 離婚届の作成・提出の流れ
    1. 離婚届を役所で入手する
    2. 記入欄を埋める
    3. 戸籍謄本を準備する(本籍地以外で離婚届を提出する場合)
    4. 証人となる人の署名・押印をもらう
    5. 離婚届を役所へ提出する
  6. 離婚協議で悩んだら専門家への相談も
  7. まとめ

離婚前に理解しておきたい離婚の種類

離婚自体は離婚届を出せば成立しますが、そこにいたるまでに、さまざまな手順を踏んでいく必要があります。以下で4つの離婚方法を紹介します。

協議離婚

4つの離婚方法のうち、最も簡単な方法が協議離婚になります。協議離婚は、自分たちで話し合いを行い、双方が同意することで成立する離婚方法です。

双方が納得したうえで離婚届に判を押して提出するだけで離婚が成立するため、時間や費用を掛けずスピーディーに進めることができます

協議離婚は単純かつ円満に離婚ができる方法ともいえます。以降で残り3つの離婚の仕方を説明しますが、いずれもまずは協議離婚からが始めることになります。

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調停離婚

調停離婚とは協議離婚でこじれてしまったときに、話し合いの場所を家庭裁判所に移し、第三者を交えて話し合いを進める方法です

具体的には調停委員と呼ばれる人が間に入って意見の調整を行います。離婚調停では夫婦が1人ずつ交代で意見を述べ、公平に話が進められるようになっています。

調停委員には弁護士や司法書士、民生委員など社会的に豊富な経験を持っている人が任命されます。

審判離婚

調停離婚でも話がまとまらず、家庭裁判所が「総合的に鑑みても離婚することが妥当である」と判断した際、裁判所の職権で離婚の判決をくだすことがあります。これを審判離婚といいます。

審判がくだされたのち、2週間以内に双方のどちらからも異議申し立てがなかった場合は離婚成立となります。

反対に、審判がくだされてから2週間以内に異議申し立てを行えば、くだされた審判は無効となります。そのため、審判は利用されることがほとんどありません。

裁判離婚

協議でも調停でも離婚が成立しない場合は、裁判を起こし、裁判所に離婚の可否を判断してもらいます。これを裁判離婚といいます。

協議離婚、調停離婚は、基本的に夫婦の話し合いで進みますが、裁判離婚はあくまでも法的な離婚原因を元に裁判所が判断するものです

法的な離婚原因として代表的なものに不貞行為(不倫)がありますが、ほかにも長期間の別居など、夫婦関係が破綻していると判断されたときも離婚原因として認められます。

ただし、離婚原因を作った側からの離婚請求は原則として認められません。裁判官が判決をくだしてから2週間以内に控訴されなければ、判決が確定して離婚成立となります。

離婚に向けてしておきたい準備

円満に離婚の話を進めるにあたり、事前に準備をしておきたいことがあります。

あらかじめ準備をしておくことで、離婚の交渉を有利に進められたり、離婚後の生活をスムーズに始めやすくなります。

では、具体的にどのような準備をしておけば良いのでしょうか。

離婚後の生活の目途を立てておく

まず、離婚後にどのように生活をしていくのか、どのようにしたら生活ができるのか目途を立てておかなければなりません。

特に子供がいる場合、親権は夫ではなく妻になることが多いです。しかし、妻の生活の見通しが立っていないと、夫に親権が渡ってしまうこともあります

生活費を稼ぐために仕事を探したり、子育てや住居の問題をクリアするために親と同居をするなどの対策を取ることが大切です。

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離婚後にもらえる可能性があるお金を調べる

生活をしていくうえで、お金は絶対に必要なものです。離婚後の状況によっては国や自治体からさまざまな補助を受けられる可能性があります。

以下に、離婚後受け取ることができる可能性がある手当や制度をピックアップします。

  • 生活保護
  • 児童手当
  • 児童育成手当
  • 児童扶養手当
  • 母子家庭等の住宅手当
  • ひとり親家族等医療費助成制度 など

離婚後にどのようなお金をもらえる可能性があるのか知っておけば、離婚後の生活に対する不安も軽減するでしょう。

ただし、これらの手当てや助成を受けるには条件があります。事前に必ず確認しておきましょう。

離婚後の住居の準備

離婚する際は、住居を確保してから、または確保できる目途を立ててから準備をする必要があります

子供がいる場合、住居などの養育環境が確保できているかどうかも親権者の判断材料となることがあります。

どちらの親と一緒に暮らすと子供がより安全に生活ができるかを判断するためです。

住居を確保する方法としては賃貸アパートを借りたり、実家に帰るなどの方法が挙げられます。

離婚後の仕事の準備

離婚後に安定したお金を得るためには、やはり仕事に就かなければなりません。

助成金がもらえるといっても、それだけでは生活が苦しいため、収入の目途を立てておく必要があります。

特に専業主婦(主夫)の場合は必ず仕事が得られるように準備をしておくようにしましょう

仕事の目途が立たず、経済的に不安定な状態で離婚の話し合いをすれば、親権が相手側に渡ってしまう可能性があります。

絶対に親権を渡したくないなら、必ず就職準備をしておきましょう。

相手へ慰謝料や財産分与を請求するための準備

離婚を有利に進めるにはさまざまな場面で証拠が重要になってきます。不貞行為やDVなど離婚原因が相手方にある場合は、慰謝料請求できる可能性があります

ただし、そのためには「相手方が離婚原因を作った」ことを証明する証拠が必要です。

離婚原因の証拠としては、不貞行為の場合はラブホテルに出入りする写真や領収書などの不貞行為を確定づけるもの、DVなどでは、いつ何をされたかのメモや音声、ケガの写真や診断書などがあります。

また、離婚の際は夫婦の共有財産を公平に分けることになります。これを財産分与といいます。

このとき、相手方の収入を正確に把握していなければ適正に財産分与を行うことができません。

そのため、離婚前に給与明細や通帳などで相手の収入や財産を把握しておくことも大切です。

離婚前に決めておくべきこと

離婚前に決めておくべきこと

どれだけ円満に離婚をしようと思っても離婚には決めなければならないことがたくさんあります。

このとき、離婚前に何を決めておくべきか知っておけば交渉がスムーズに進みやすくなります。

慰謝料

相手方に離婚原因があり、それによってあなたが精神的な苦痛を受けたという場合、相手方に慰謝料請求ができます。

ただし、慰謝料請求するためにはその事実を証明する証拠が必要になります。どのような証拠を集めるべきかは弁護士などの専門家に相談しましょう。

財産分与

財産分与とは婚姻中に夫婦で築き上げた財産を夫婦で公平に分けることをいいます。財産分与の対象には以下のようなものがあります。

  • 現金
  • 不動産
  • 家具、家電
  • 退職金
  • 有価証券 など

財産分与は基本的に2分の1ずつ分与することになりますが、協議離婚をする場合、この割合を自由に設定することができます。

どの財産をどう分けるかを事前に決めておくと話がスムーズに進んでいきます

年金分割

年金分割は離婚後に夫の年金の一部を分割してもらうことができる制度です。この制度は平成16年度に年金制度が改正された際に導入されたものになります。

ただし、年金分割を行うことができるのは、婚姻中の配偶者の厚生年金加入記録のみです。配偶者の年金すべてを分割できるわけではありません。

また、配偶者が自営業者などで厚生年金に加入していない場合は年金分割をすることができません。

未成年の子供の親権

未成年の子供を持つ夫婦が離婚する場合、夫婦のどちらか一方を親権者に指定しなければ離婚することができません

子供がいる夫婦の場合、双方が親権を譲らず平行線になることが非常に多いです。

しかし、離婚するには親権者指定が必須のため、どのようにして相手方を説得するかを考えておきましょう。

養育費の支払い

親権者を決めたら養育費について決めていきます。

残念ながら、離婚時に養育費のことをまったく決めずに成立をさせてしまう人も多く、養育費の支払いがなかったり、滞ってしまうケースが非常に多いです。

離婚後、滞りなく養育費を受け取るためには金額や支払い方法を決めておくだけでなく、公正証書を作成しておくと良いでしょう

できるだけ多く養育費を受け取りたいのはわかりますが、一般的に、養育費の金額は相手方と自分の収入などで決まることが多いです。

養育費は子供が不自由なく生活できるように決めるようにしましょう。

子供の面会交流

親権を得られなかった側には、定期的に子供と面会をする権利があります。これを面会交流権といいます。

離婚の際にはこの面会交流の方法についてもしっかりと決めておく必要があります。面会頻度や面会場所など具体的に細かく決めておきましょう。

例えば面会頻度なら1か月に1回なのか1年に1回なのか、面会時間なら何時から何時までなのかなど具体的に決めましょう。

ほかにも、以下のような非常に細かい部分まで決めていく必要があります。

  • どこで面会するのか
  • 面会時は立会人が必要なのか
  • 外泊はして良いのか
  • 電話やSNS、メールはしても良いのか など

これが曖昧になってしまうと新たなトラブルに発展するケースが多いため、しっかりと決めておくことが大切です。

婚姻費用の請求(別居していた場合)

離婚を考えている人のなかには別居中だという方もいるでしょう。この場合、相手側に別居中の生活費(婚姻費用)を請求することができます

離婚を切り出したからといって、すぐに離婚が成立するとは限りません。こうなると別居期間が長くなり、生活が困窮することになりかねません。

そもそも夫婦には婚姻費用分担義務があります。これは別居中であっても変わりません。したがって、別居中であっても離婚するまでの間の婚姻費用を請求できるのです。

話し合いで金額が決まる場合は婚姻費用の金額はいくらでもかまいません。

ただし、話し合いがまとまらず、調停や審判に進んだ場合は「養育費・婚姻費用算定表」に従い、夫婦の事情を加味したうえで決まることが多いです。

ただし、配偶者に別居中の婚姻費用を請求する際には揉めることも多いです。このような場合は弁護士に間に入ってもらうと良いでしょう。

協議離婚での解決がおすすめ

協議離婚での解決がおすすめ

ここまで離婚の仕方や決めておくことなどについて話をしていきました。やはり「離婚は面倒」というイメージが強いかもしれません。

当然、調停や裁判に進むことになれば、裁判所に出向いたり書類を準備する手間が生じます。

できるだけ手間を省き、スムーズに話を勧めるためにも協議離婚での解決がおすすめです

協議離婚が成立したら、離婚後に揉めないように取り決めた内容を離婚協議書に残しておきましょう。

離婚条件の協議がまとまったら離婚協議書を作成

夫婦で協議し、具体的な離婚条件などが決まったら、決まった内容を文書にしていきます。これが離婚協議書です。

離婚は口約束でも可能ではあります。しかし、口約束だけで離婚してしまうと、離婚後に「そんなことは言っていない」などの論争になることもあります

このようなことを防ぐために、約束したことを契約書の形で残しておくのです。離婚協議書を作成する際は、必ず双方の署名と捺印、作成した年月日を入れます。

また、別途費用が掛かりますが、離婚協議書を公正証書にしておくのも良いでしょう。これについては次で説明します。

離婚協議書を公正証書にするメリット

離婚協議書を公正証書にするとどのようなメリットがあるのでしょうか。公正証書にする最大のメリットは裁判所がくだす判決と同等の法的な効力を持つことです。

つまり、公正証書に記載した約束を履行してもらえない場合、強制執行(差し押さえ)を行うことができるのです

離婚届の作成・提出の流れ

離婚の準備ができたら、いよいよ実際に離婚の手続きに入っていきます。離婚届を役所に提出してから正式離婚ができるまでの流れを以下で簡単に説明していきます。

離婚届を役所で入手する

離婚届は市区町村役場・役所に行けば無料で手に入れることができます。また自治体によってはウェブサイトからダウンロードして入手することもできます

記入欄を埋める

離婚届を入手したら実際に記入していきます。主に夫婦の住所・氏名など、夫婦の情報を記入していくことになります。

ただし、未成年の子供を持つ夫婦が離婚する場合は親権者を決めた後に子供の氏名を記入するようにしましょう。

また、別居中の場合は、同居していた期間を記載する必要があり、加えて別居先の住所も明記しないといけません

戸籍謄本を準備する(本籍地以外で離婚届を提出する場合)

もし離婚届を本籍地以外で記入し提出する場合は、別途、戸籍謄本が必要になってきます。戸籍謄本は役所で手に入れることができます。

証人となる人の署名・押印をもらう

離婚届には2人の証人の署名と押印が必要になります。基本的に20歳以上であれば誰が証人になってもかまいません。

証人となってくれる人が見つからない場合は証人代行サービスを利用するのも1つの方法です

離婚届を役所へ提出する

離婚届の記載が完了したら、離婚届を役所に提出し受理してもらうだけになります。

提出するときは、夫婦のどちらかの身元が確認できる免許証やパスポートなどが必要になります

離婚届は代理人や郵送で提出することもできます。

ただし、離婚届に書き間違いがある場合、受理されず返却されてしまいます。そのため、できるだけ夫婦のいずれかが提出するほうが良いでしょう。

離婚協議で悩んだら専門家への相談も

ここまで離婚の準備や離婚協議の仕方を説明してきました。しかし、実際にはスムーズに進まないことが多いです

さらに、離婚は法的な知識が必要な部分も多いため、自分だけで対応すると負担が大きくなります。また、離婚を考えているくらいですから、配偶者との交渉はストレスになります。

このような場合、弁護士など専門家に相談することをおすすめします。特に弁護士であれば法的な知識も豊富ですから、あなたに合ったアドバイスをしてくれます。

また、離婚協議の段階で弁護士に依頼すれば、夫婦の間に入って交渉をしてくれますので精神的な負担を軽減することができます。

最近では無料で相談に乗ってくれる法律事務所もあるため積極的に利用をしてみましょう。

まとめ

離婚について事前準備から実際の手続きの仕方を流れに沿って説明しました。スピーディーかつ少ない負担で離婚ができる方法が協議離婚です。

協議離婚が成立したら、弁護士などの専門家も交え離婚協議書を作成し、公正証書にしておくと良いでしょう。

すぐにでも離婚したいと思う気持ちはわかりますが、十分に準備をしてから離婚に踏み切ることが大切です。

協議離婚をスムーズに成立させるなら離婚問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」からの電話相談は無料となっています。ぜひお問い合わせください。

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