男性が離婚を有利に進める方法|必要な準備と注意点
自分が離婚したいと思っている、または妻から離婚を迫られている男性の皆さん、離婚をできるだけ有利に進めるにはどうしたら良いか知りたいと思いませんか?
この記事では、男性側が有利に離婚を進める方法や離婚を実行に移す前にしておきたい準備、注意点について説明します。
- 目次
男性が離婚を有利に進める方法
男性側が離婚を有利に進める方法について、以下のように順を追って説明します。
- 妻ときちんと話し合う
- 同意している場合は離婚成立が優先
- 調停や裁判は夫側から申し立てる
- 不倫やDVのある場合は証拠を集める
- 弁護士に相談・依頼する
妻ときちんと話し合う
離婚したいと思ったらまずは妻と話し合います。
協議離婚はどんな理由であっても夫婦が合意すれば離婚が成立します。つまり、協議離婚であれば、例え夫側に非があったとしても妻が同意すれば成立するということです。
協議離婚が不成立の場合、調停や裁判に進む方法がありますが、調停や裁判は平日行われるので仕事を休むなどの負担が発生します。
また、離婚問題が長期化すると別居中に妻へ渡す婚姻費用(生活費)もかさんでいきます。できれば協議離婚の成立を目指すのが男性にとって有利と言えるでしょう。
一方、妻から離婚を切り出された場合、本当に離婚したいのか、離婚したくないけれど結婚生活がこのままではつらいというSOSなのか、夫の反応を探っているだけなのか、妻の気持ちを理解するためにもよく話し合うことが大切です。
同意している場合は離婚成立が優先
妻が離婚に同意しているが、財産分与などの各種条件の合意に時間がかかりそうであれば離婚の成立を優先的に進めていくほうが夫に有利です。
離婚成立と条件を同時に決められれば早く済みますが、別居していて各種条件の話し合いが長引いていると、それだけ妻への婚姻費用がかさんでいきます。
例えば、離婚の際、子供の親権は父母どちらが持つか決めなければなりませんが、財産分与については離婚後でも話し合いができます。
調停や裁判は夫側から申し立てる
離婚協議がなかなか成立しない場合、次のステップである調停や裁判を夫側から申し立てると良いでしょう。そうすることで、別居中の妻への婚姻費用がかさむことを防ぎやすくなります。
不倫やDVのある場合は証拠を集める
夫婦関係を破綻させる原因(不倫やDV、モラハラなど)を作ったのが妻である場合、妻が夫に婚姻費用を請求しても認められなかった、もしくは減額された例があると言われます。
例えば、妻が不倫をして家を飛び出した場合、夫に婚姻費用を請求しても認められない、または減額されるケースがあるということです。
妻に不倫の疑いやDV、モラハラがあった場合などは、その事実を客観的に立証できる証拠を集めておきましょう。
弁護士に相談・依頼する
調停や裁判はもちろんのこと、協議の段階でも、当事者同士で話し合いが難しそうな場合は弁護士への相談・ 依頼がおすすめです。
当事者同士だと感情的になりがちですが、弁護士は依頼者の代理人として法律に基づいて冷静に判断しながら進めるため、よりスムーズに事が運びやすくなります。
男性が離婚を決意する瞬間
夫婦ゲンカをして「もうやってられない!」と離婚の二文字が頭をよぎる、飲み会で妻に対するグチが思わず出る。
男性なら誰にでもありそうなことですが、それでは、男性が離婚を決意するほどの理由には、いったいどんなものがあるのでしょうか。
夫の給料を浪費している
妻は専業主婦で家事や育児をし、夫は外で働き、夫の給料で家族が暮らす。そのようななか、専業主婦も気晴らしをすることはあるでしょう。
しかし、バッグや服、宝石などの高価な装飾品を次々買い上げ、高級エステやレストランに足しげく通い、通販サイトであれもこれも購入、ホストに貢ぐ……。
もはや浪費の域に達し、家計を圧迫、夫が注意してもやめなければ、夫婦生活は成り立ちません。夫は何のために働いているのかわからなくなってしまいます。
相手が浮気をしていた
妻の浮気が発覚した際、「許してやり直す?とんでもない!」と離婚を決意する男性も多いでしょう。
夫に対し、妻の不貞行為が客観的な証拠によって認められれば法定離婚事由になりますし、離婚時に慰謝料を請求できる可能性があります。
証拠集めは相手に気付かれると難しくなるため、浮気の兆候が見えたら離婚を切り出す前に行いましょう。
一つ屋根の下であれこれ探るのは難しいことから、弁護士など専門家へ相談するのもおすすめです。
結婚後の生活や態度が悪い
婚姻中、夫婦にはお互いに協力して助け合う義務があります。例えば専業主婦の妻が家事や育児を放棄して全くせず、その負担が全て夫にのしかかれば、「こんなはずじゃなかった」と離婚を考えるかもしれません。
結婚前は優しかったのに結婚後に相手が豹変した場合は、DV、モラハラの可能性もあります。
人格を否定する言葉を投げつける、自分で作ったルールを強制する、束縛するなど、言葉や態度によるものも含めて、暴力があった場合は男性でも被害者になりえます。
証拠を集めて示せれば、離婚が認められ、慰謝料請求ができる可能性が生まれます。
夫婦のセックスレス問題
セックスレスの原因は必ずしも夫婦どちらか一方だけとは限りません。激太り、だらしないなど見た目を構わなくなると、性的魅力を感じられなくなってしまうことも……。
しかし深刻なのは、妻がすっかりセックスをする気を失ってしまった場合です。
妻が出産後触られると嫌がるようになった。夫がお願いしないとしてくれない。しかし不倫はもちろん風俗通いも禁じられている。
このまま一生セックスすることがないのか、この性欲をどうしたら良いのか日々悶々とし、いっそ離婚してしまおうか……そう思う男性もいるでしょう。
離婚を行動に移す前に必要な準備
「離婚後でも財産分与などの話し合いはできるので、まずは離婚成立を優先」と説明しました。
とはいえ、離婚後に財産分与や慰謝料の話し合いが長く続くのは、仕事を抱えた男性にとって時間的も精神的にも負担が大きいものです。
できれば、やはり離婚の成立と同時に財産分与などの条件面でも合意し、スッキリして新しい生活へ向かうほうが良いでしょう。
男性が有利に離婚を進めるためには、離婚を考え始めた段階で、相手へ切り出す前に離婚で生じるお金や親権などの問題について知識を付け、準備することが必要です。
慰謝料や養育費について
慰謝料や養育費は夫が妻に払うものとは限らず、男性からも相手へ請求できるケースがあります。
慰謝料
慰謝料は、相手の不法行為により与えられた精神的苦痛に対しての損害賠償です。離婚の場合、その行為によって離婚に至った原因を作った側の配偶者(=有責配偶者)に請求できるものとされます。
男性が妻に慰謝料を請求できるケースには、
- 不貞行為(浮気)
- DV、モラハラ
- 悪意の遺棄(夫婦は同居し、互いに協力して助け合うという義務に反する行動。正当な理由がないまま、一方的に別居するなど)
といった例が挙げられます。ただし、裁判などで慰謝料請求が認められるためには法的に有効な証拠が必要になります。離婚を切り出す前に証拠集めをしておきましょう。
養育費
子供がいる場合、未成年の間は親に子供を扶養する義務があります。夫婦が離婚し、子供と別れて暮らすことになったとしても親子であることに違いないので義務はなくなりません。
基本的に子供が成人する月まで、子供を養育監護(世話や教育)しない側の親に養育費を請求できます。
養育費に関しては、妻が親権を持ち子供を引き取って育てることが多いことから、男性側が女性側に払うものと思われがちですが、男性側が女性側に請求できるケースもあります。
男性が親権を持って子供の養育監護をすることになれば、女性側へ養育費を請求することが可能です。
財産分与について
夫婦が結婚生活の間(婚姻中に別居した場合は別居開始まで)に共同で築いた財産を夫婦共有財産、それを貢献度に応じ夫婦で分けて清算することを財産分与と言います。
対象となる財産には貯めた預貯金、購入した不動産、住宅ローン、株などの有価証券、車、家財道具などがあり、その名義は夫婦どちらかを問いません。
財産分与の割合は、一般的に夫婦2分の1ずつとされますが、協議で夫婦が合意すれば自由に決められます。男性が少しでも有利に財産分与を行うには、次のような方法が考えられます。
- 特有財産(独身時代の預貯金や遺産)と共有財産を把握する
- 妻の不貞行為などが原因で慰謝料を請求する場合に夫の財産分与で相殺する
子供の親権について
日本では、幼い子供には母親の存在が不可欠という考え方が根強くあります。
父親が外でフルタイムの勤務をしていると、育児の時間を確保するのが難しく、また、子供自身も父より母を選ぶ可能性が高いことからも、父親が親権を得るのは難しいとされています。
調停や裁判で親権を争った場合、父親が親権を得るには下記のような条件やケースが考えられます。
- 養育実績を作る
- 母親にまかせっきりにせず自ら子育てに関わってきた実績や、母親が子供を置いて家出し、長期にわたり父親が養育した実績などがあれば調停や裁判でアピールします。
- 養育環境を整える
- わが子と過ごす時間を長く取れるように、勤務時間や残業などを調整できるようにします。子供の祖父母である父親の両親など、自分以外に子供の世話をする人の協力が得られる体制を作っておきます。
- 離婚理由に母親の育児放棄や虐待がある
- 育児放棄や虐待の証拠を集め、調停や裁判で証明します。
- 母親が病気や精神疾患にかかっている
- 子供を育てるのに難しい状態であれば、父親に親権が渡る可能性もあります。
離婚協議書の作成について
協議(話し合い)で離婚を成立させる場合、離婚と親権、養育費、財産分与、慰謝料など、夫婦で取り決めた合意内容は口約束にせず、必ず離婚協議書にまとめましょう。
また、離婚協議書については、公証人に依頼して公正証書を作成することをおすすめします。
公正証書は公文書となり、原本は公証役場で保管されます。紛失や、相手から偽造だと主張されるなどの後々のトラブル防止に役立ちます。
そのほか、自分たちで離婚協議書を作った場合、慰謝料や養育費の不払いに対して裁判が必要になると、判決までは早くても数か月はかかってしまいます。
公正証書にした場合、強制執行認諾文言を付けておくことで、裁判を起こさずに強制執行することができます。
男性の不妊が理由で離婚する場合の慰謝料
不妊自体は法定離婚事由に当てはまりませんが、不妊を原因として夫婦関係が破綻してしまった場合、離婚に至るケースもあります。
それでは、男性側の不妊が原因で離婚する場合、妻から慰謝料の請求をされることはあるのでしょうか。
離婚で慰謝料が発生するのは不法行為があるときとされるので、不妊自体が原因で離婚に至っても慰謝料は通常発生しません。
ただし、不妊をきっかけに不貞行為や暴力行為などの違法行為を行った場合は、そのことについて慰謝料を請求される可能性があります。
また、不妊がわかってからセックスレスに至った場合などは男性側から妻に慰謝料を請求できる可能性があります。
なお、セックスレスなども含め非常に難しい問題で、ケースバイケースなので慰謝料請求に関しては弁護士など専門家に相談すると良いでしょう。
男性が離婚する際の注意点
ある日突然夫から離婚を切り出されたとしたら、妻はどう思うでしょうか。もし夫婦仲に問題がなかった場合、まず浮気を疑うでしょう。
浮気が本気になり、その相手と結婚するために自分と離婚するつもりなのかと疑心暗鬼になるかもしれません。浮気調査に乗り出し、証拠を押さえて高額な慰謝料請求を起こすことも考えられます。
浮気の証拠になりそうな、もしくは浮気していなくても疑われるようなメール・SNSのやり取りの記録、写真などがあれば消しておきましょう。
まとめ
財産分与や慰謝料、親権など、離婚したくても男性にはいろいろと不利なことが多そうだ、と思われているかもしれません。
しかし、離婚を切り出す前に準備をしたり、相手より先に手を打ったりすることで、少しでも有利に進められる可能性があります。
一人で悩まず、男性側の立場から考えてくれる弁護士など専門家へ相談してみましょう。当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
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