信頼できる弁護士の選び方|依頼目的別の役割と費用を解説

基礎知識
弁護士監修

田中 今日太

記事監修

田中 今日太弁護士弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ 難波オフィス

信頼できる弁護士の選び方|依頼目的別の役割と費用を解説

自分ひとりでは解決できない問題が生じたときには、誰かに相談して解決の糸口を見つけ出さなくてはなりません。このようなときに頼りになるのが弁護士の存在です。

しかし、弁護士とはいえ、得意分野は人それぞれ異なるため、お悩みの分野を得意とする弁護士を探して依頼するのは、とても難しいです。本記事では、自分に合う良い弁護士の見分け方や失敗しにくい弁護士選びの方法について紹介していきます。

目次
  1. 信頼できる弁護士の選び方
    1. 信頼できる弁護士とは
    2. 良い弁護士の見分け方
    3. 弁護士選びに失敗したと思ったら
  2. 目的別に見る弁護士の役割と費用の相場
    1. 離婚問題
    2. 任意整理
    3. 遺産相続問題
    4. 自己破産
    5. 過払い金請求
  3. まとめ

信頼できる弁護士の選び方

助けを求めるために弁護士に悩みを相談することを決めたら、できる限り信頼できる弁護士を探し、最良の結果を得たいと思うはずです。そのためには、その弁護士が本当に信頼できる人物なのか見極めなくてはなりません。まずは、弁護士の探し方や選び方からご紹介しましょう。

弁護士会・地方自治体に問い合わせる
地方自治体には地域ごとに弁護士会が存在しており、簡単な法律相談ができます。
法律相談の料金については、各弁護士会によって無料・有料なと異なりますので、直接問い合わせてみましょう。
法テラスに問い合わせる
収入の少ない方を対象とした支援センターで、弁護士の紹介を受けることができます。また、必要に応じて弁護士費用の立て替えもおこない、支払い方法は分割にも対応しています。弁護士に相談したいが、今すぐに費用の用意ができないという方は、法テラスに相談することをおすすめします。支援の対象については収入など一定の条件があるので、事前に確認する必要があります。
インターネットで検索する
最もお手軽な方法として挙げられるのは、インターネットでの法律事務所や弁護士検索です。インターネット検索は、近くの法律事務所や弁護士を見つけやすいというメリットがあります。しかし、インターネットの情報だけでは、弁護士の人柄までは分かりません。気になる法律事務所や弁護士を見つけたら、まずは電話ないしはメールで問い合わせてみて、実際に相談するかどうか慎重に検討してみましょう。
ポータルサイトで探す
インターネット上には、弁護士検索のポータルサイトがあり、地域別や相談ジャンル別で検索ができるほか、各弁護士の口コミも確認できます。
特に口コミがあるポータルサイトでは辛口な口コミも見つかることがありますので、弁護士選びの参考になるでしょう。
知人に紹介してもらう
知人が弁護士だった場合には、気軽に相談してみるというのもひとつの方法です。近しい存在であると、より親身で嘘のない回答が得られるかもしれません。また、知り合いから弁護士を紹介してもらうという方法もあります。繋がりのある人に相談できるので、安心感が大きいです。しかし、いずれの場合でも、弁護士との相性が良くないと感じた場合でも断りにくいというデメリットがあります。

信頼できる弁護士とは

信頼できる弁護士とは

弁護士の探し方がわかったところで、次に気になるのが信頼できる弁護士の見分け方です。では、どのようなところを見れば、信頼できる弁護士かどうかの判断がつくのでしょうか。

対応が早い

弁護士によっては何案件も同時に抱えていることがあり、相談の回答に時間がかかることがあります。つまり、人気の弁護士ほど対応が遅れる可能性が高いということになります。そのような中でも、できる限り迅速に対応してくれる弁護士は信頼できると考えることができます。

依頼したい分野の実績がある

相談したいジャンルは、離婚問題をはじめとする人間関係の問題や、任意整理や債務整理、過払い金請求といったお金の問題、不動産の相続など実にさまざまです。

そして、ここで大事なのは、相談したい内容の分野に詳しい弁護士であるのか、その分野の実績がある弁護士かどうか、ということです。上記でも少し触れていますが、弁護士と名が付いていても、それぞれに得意な分野があれば、苦手な分野もあります。

相談したい分野が苦手な弁護士に依頼してしまうと、納得できる結果を得られなくなる可能性が高くなります。弁護士を選ぶ際には、この点についても十分に注意しましょう。

自分との相性が良く感じる

相談者が人間なら弁護士も人間です。人間である以上、お互いに相性の良し悪しという問題はどうしても生じます。そして、相性があまり良くないと感じた場合では意思の疎通がうまくいかず、「信頼できない」と感じてしまうことがあるかもしれません。

弁護士選びの際には、相性はどうか?話を進めやすいか?という点についてもよく確認し、できる限り相性が良いと感じる弁護士を選ぶことが大切です。

依頼者のメンタルを考慮できる

法的な相談をしなければならないときには、多かれ少なかれストレスを抱えています。そのためメンタルのバランスを崩しやすく、その影響で体調不良を起こすケースは少なくありません。そのようなとき、相談内容以外のメンタル面にも気を配れる弁護士であれば、信頼が置けると判断することができるでしょう。

良い弁護士の見分け方

良い弁護士とはどのような弁護士を指すのでしょうか。たとえば、離婚問題について相談すると仮定しましょう。このケースを相談者の立場から考えてみると、相談者としてはなるべく自分にとって不都合な部分を隠し、なおかつ自分が有利な立場でことを収束させたいと考えることが多いです。

しかし、ここで相談者の思いだけを優先して客観性や正確性に欠いた判断をするような弁護士は良い弁護士とはいえません。相談者にとっては少々耳が痛いことや不利になりそうなことであっても、客観的かつ正確に解説してくれる弁護士は良い弁護士だと判断できるでしょう。

そして、弁護士に法律相談する際に最も心配なのが費用の問題です。弁護士の費用は弁護士事務所の規定や弁護士本人の基準で定められていますが、報酬や条件に関して明確な説明をしてくれる弁護士であれば、良い弁護士だといえるでしょう。

相談者の悩みを解決するために親身になって二人三脚で進んでくれる弁護士を探すことが重要です。学歴やキャリア、肩書きだけにこだわりすぎると、良い弁護士に出会えなくなる可能性があります。

そうならないためには、上記でご紹介した事柄に加え、実際に対面で相談した際に自身がどのような印象を受けたのか、という部分をも大切にして慎重に検討しましょう。

弁護士選びに失敗したと思ったら

初めは「印象が良い」「相性が良い」と感じた弁護士であっても、途中から「合わない」「失敗した」と感じるのはよくあることです。既に依頼をした弁護士でも、話を進めていく中で合わないと感じたら、途中段階でも変更できます。

そのようなときには無理に我慢する必要はなく、別の弁護士に変更するという選択肢もあることを知っておきましょう。

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目的別に見る弁護士の役割と費用の相場

目的別に見る弁護士の役割と費用の相場

ひと口に弁護士と言っても、案件によって役割は異なります。当然、どのように関わるかによっても、費用は変わってきます。ここでは弁護士の役割や、かかる費用の相場について、お悩みの問題別に紹介していきます。

離婚問題

離婚問題では、「離婚という結論に対して夫婦が同意見かどうか」という部分が最初の争点になります。一方のみが離婚したいと考えている場合は、調停や裁判まで進んで長期化するので、期間が伸びるほど金額も多くかかります。

続いて「財産分与」や「子供の親権や面会権」、離婚に至った原因や経緯が相手の不貞やモラハラ、DVだった場合の「慰謝料問題」などについての話し合いがおこなわれます。弁護士は、相手側との交渉や、裁判で用いる書類を作成します。

なお、相手に離婚の原因があった場合に必要な弁護士費用は、協議離婚ではおよそ30万円調停では40~70万円、裁判となった場合では70~110万円前後が相場となっています。

任意整理

多重債務で困ったときに、おこなう必要性が出てくるのが任意整理です。この場合、相談者と金融業者の間に弁護士が入り、債務額の減額についての話し合いがおこなわれます。

任意整理をすることで、周囲に秘密にしやすいという利点がありますが、どのような人でも減額されるわけではなく、3~5年以内に返済できるということ、法律の規定よりも高い利率の借金というのが条件になります。ただし、こちらの費用は、着手金が1債権者につき3万円前後、その他減額報酬10%前後が相場となっています。

遺産相続問題

遺産相続問題

実家の不動産を誰のものにするか、この点で争うことは良くあります。他にも、現金や預金、有価証券、遺留品の分配などで相続争いが起こることは珍しくありませんが、これらを解決するベストな方法を話し合いによって決定、解決に導きます。

例えば、「遺産を身内の誰か1人にほぼ全て相続させる」といった旨の遺言書が出てきたとき、他の相続者が最低限の取り分を確保する「遺留分減殺請求」というものがあります。この請求手続きも弁護士が代行します。

遺産相続の場合では、相談内容によって弁護士費用が大きく変わってきますので、一概にどれくらいの相場かということについてはお伝えすることができません。例を挙げるなら、訴訟事件となった場合では、事件の経済的な利益が300万円以下ではその8%前後が着手金として必要になり、報酬金はその16%が目安になります。

自己破産

多額の借金の返済が不可能な際には、自己破産という方法で収束することができます。自己破産をすることで財産の清算をすることになり、これによって借金返済は免除されます。しかし、支払いや完済が不可能だと裁判所が認めた場合に限ります。

また、その後には官報などにブラックリストとして掲載されますので、自己破産を希望する場合には、本当に今自己破産すべきかどうかについて、弁護士にしっかりと相談する必要があるでしょう。

自己破産は、破産手続きと免責手続きの2つのステップを踏みます。破産手続きは、いま保有している財産を処分して債権者に返済する手続きを指し、免責手続きは債務を免除してもらう手続きを指します。いずれの手続きも裁判所でおこなわれますが、必要な書類の用意や裁判所との話し合いは弁護士が担当します。自己破産の場合、着手金と報酬金はどちらも30万円前後が相場となっています。

過払い金請求

過払い金請求とは、借金の利息を必要以上に支払っていた場合、弁護士を通じて金融機関と話し合い、法定金利を超えた分を支払っていた場合にお金を取り戻す手続きを言います。

過払い金請求には時効があり、クレジットカード会社や消費者金融との最終取引日から10年が経過すると請求することができなくなります。そうなってしまう前に弁護士に相談することで、裁判所を通すことなく過払い金請求をおこなうことができます。過払い金請求の相場は成功報酬型となってることが多く、費用の相場は着手金が1~2万円程度、報酬金は和解成功で20%、裁判になった場合は25%です。

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まとめ

弁護士の選び方から費用相場まで、弁護士選びに役立つさまざまな情報を紹介してきました。通常、弁護士に頻繁に相談・依頼する機会は少ないので、何を基準に選ぶべきか悩むことは多いと思います。だからこそ、今回の情報を参考にして、自分にとってベストな弁護士を選びましょう。

記事監修の弁護士

田中 今日太

田中 今日太弁護士

弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ 難波オフィス

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