離婚問題で弁護士に聞くこととは?有意義な相談にするための心構え!

基礎知識
弁護士監修
離婚問題で弁護士に聞くこととは?有意義な相談にするための心構え!
夫婦だけの話し合いで離婚が成立しないとき、調停や裁判に持ち込む必要があります。
そうなったとき、二人三脚で解決を目指してくれるのが弁護士です。

個人が弁護士に相談するのは人生でそうあることではないため、何を聞くべきか何を準備すべきか分からないことが多いと思います。

「離婚問題に悩んでいるけど、弁護士が必要か分からない」
「弁護士に相談したいけど、聞くことがまとまらない」

そんな方は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
目次
  1. 離婚問題に弁護士が必要な理由
    1. 法律の知識・経験がある
    2. 離婚に有利になる助言をしてくれる
    3. 交渉や手続きを任せられる
    4. 離婚の意思を相手に示せる
  2. こんなときは弁護士の出番です!
    1. 冷静な話し合いができない
    2. 配偶者と顔を合わせて話したくない
    3. 配偶者が弁護士を立ててきた
    4. 離婚条件に不安がある
    5. 同意なく子供が連れ去られた
    6. 離婚調停が決裂した
    7. 婚姻費用や養育費が支払われない
  3. 離婚問題を弁護士に聞くこと・準備しておくこと
    1. <こんな理由で離婚できる?>離婚原因を明確にしておく
    2. <私が親権を取れる?>親権の主張を明確にしておく
    3. <財産分与や養育費はいくら?>夫婦の財産状況を把握しておく
    4. <慰謝料は取れる?>相手が有責の場合、その事実や証拠を掴んでおく
    5. <離婚を拒否できる?>自身に法定離婚事由がないことを明確にしておく
  4. 弁護士への離婚相談を有意義にするためには
    1. 感情論ではなく、事実を伝える
    2. 有責の証拠は伝聞ではなく、記録で示す
    3. 自分にとって不利な情報も伝える
    4. 気持ちの整理をし、意思を固めておく
    5. 本人が相談に出向く
  5. 離婚問題を弁護士に聞くときの流れ
  6. まとめ

離婚問題に弁護士が必要な理由

離婚は夫婦の問題ですが、意見の食い違いや条件が折り合わないなど、こう着状態が続くこともあります。
そんなとき、多くの人が弁護士を必要とし、早期解決を図っています。
なぜ、離婚問題に弁護士は欠かせないのでしょうか?

法律の知識・経験がある

話し合いで解決できない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることができます。

調停では中立な立場である調停委員や裁判官を介して、離婚の話し合いが行われます。
お互いが納得できるよう進めていくのが基本ですが、どうしても譲れない、受け入れられない点がある場合は、離婚裁判に進んでしまいます。

双方の主張、事実を証明する記録をもとに法律的観点から裁判官が判断を下す流れになります。

弁護士をつけずに裁判をすることは可能ですが、法律の知識がないまま法廷に立つと、得られるはずの利益が得られない可能性があります。

弁護士の最大の強みは、法律の知識と過去の経験です。
依頼者の利益を最大限に守ることを優先に、代弁者となって戦ってくれる強い味方なのです。

離婚に有利になる助言をしてくれる

「高額な慰謝料を請求された」「養育費はこれだけしか払えないと言われた」など、離婚の条件に納得できず、不安に駆られることはよくあります。

お金や子供のことは、今後の暮らしにも重要なこと。
よく考えずに条件を飲んでしまうと、のちのち後悔する可能性が大いにあります。

弁護士は条件の妥当性を判断し、状況や証拠から依頼者が有利になるよう助言します。
裁判で相手側が不当な条件を主張したとしても、徹底的に抗戦し、依頼者の利益を守るよう努めます。

交渉や手続きを任せられる

弁護士に依頼する大きなメリットの一つに、面倒な交渉や手続きを一任できるということがあります。
離婚する人たちにも毎日の暮らしがあり、そればかりに掛かってはいられません。

弁護士は相手側との交渉、調停の申立書の作成、裁判所とのやり取り、期日の調整などを代わりに行ってくれます。
本人が出頭する機会もほとんどなくなるので、生活への支障が軽減されます。

離婚の意思を相手に示せる

離婚の意思を相手に伝えても、曖昧な態度で逃げたり、真剣に向き合ってくれないこともあります。
離婚したい人にとって、平行線をたどる状況は辛く苦しいものです。

確固たる意思を見せるためには、弁護士をつけるのも一つの手です。
弁護士から通知することで、離婚の意思が固いことを相手に知らしめることができます。

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相手に弁護士を立てられた!離婚で弁護士に相談すべき理由とは

こんなときは弁護士の出番です!

こんなときは弁護士の出番です!

自分で何とかしたいと思っても、弁護士に頼るべき状況があります。
以下の状況の場合、早めに弁護士に相談するようにしましょう。

冷静な話し合いができない

離婚問題には、感情のもつれが往々にしてあります。
愛し合ったはずの夫婦が、離婚に発展するには蓄積した事情があるからです。

感情的になって怒鳴ってしまったり、暴言を吐いてしまったり、無茶な条件をつきつけたり、双方にとって有益な話し合いができないのです。

そんな状況ではお互い傷つき、疲弊するだけなので、弁護士に相談してみましょう。
弁護士が入ることで、冷静な話し合いが望めます。

配偶者と顔を合わせて話したくない

夫婦関係がひどく悪化していたり、モラハラやDVを受けている場合は、相手の顔を見ることさえ苦痛に感じることもあります。
弁護士は依頼者に代わって交渉し、条件面も含め、スムーズに離婚が成立するようサポートしてくれます。

配偶者が弁護士を立ててきた

配偶者が弁護士を立ててきた場合、弁護士は配偶者の利益を守るための働きかけをしてきます。

簡単に言うと、配偶者は強力な武器を持ち、自分は丸腰の状態です。
それでは戦うことが難しいので、こちら側も弁護士を立てることが大切です。
一方的な要求に応じることなく、弁護士から適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

離婚条件に不安がある

協議離婚は、お互いが納得できれば離婚が成立します。
そのため、離婚の条件も夫婦によってさまざまです。

例えば、不倫の慰謝料に1,000万の支払いを要求されても、支払う側が納得できれば良いのです。

しかし、不倫の慰謝料の相場は高くとも100万~500万前後と言われています。
1,000万はどう考えても法外であり、納得できず支払いに不安を覚える人もいるはずです。

不安に感じたまま離婚を成立させるより、弁護士に相談して適正な条件で交渉してもらいましょう。

同意なく子供が連れ去られた

いくら自分の子供であっても、勝手に連れ去って引き渡しに応じないのは認められません。
早急に弁護士に相談し、適切な対応をしましょう。

連れ去られた子供を取り戻すには「子の引き渡し審判」の手続きが必要です。
子の引き渡し審判を行うには、家庭裁判所に「監護者指定・子の引渡し審判申立書」を提出します。

また、連れ去られたままの状態を放置すると子供の身に危険がおよぶなどのケースでは、審判の前に保全処分(仮の引き渡し)を申し立てることがあります。

弁護士でなくとも申し立てはできますが、保全処分などの手続きは書類作成を含め、非常に複雑で難解です。

ほとんどの人が初めての経験で知識もなく、さらに急を要す事案です。
知識と経験が豊富な弁護士に依頼することで、スピーディーでスムーズな対応が可能です。

離婚調停が決裂した

離婚調停で自分の主張が認められず、悔しい思いをした人は多くいます。
伝え方に不足があったのか、調停委員との相性の問題だったのか、原因が分からないままでは前向きにはなれません。

ところが、同じ主張でも弁護士をつけた途端に状況が一変することもあります。
弁護士は依頼者の要望をくみ取り、法律による根拠を交えながら主張が通るようサポートしてくれます。

婚姻費用や養育費が支払われない

約束したはずの婚姻費用や養育費が支払われないというケースもよくあります。
執行力のある債務名義が作成されていれば、強制執行という手段を取ることができます。
債務名義とは、強制執行が可能になる請求権の存在・範囲を証明する書面のことを言います。

自分で手続きをすることも可能ですが、1枚紙を書けば良いという単純なものではありません。
時間も労力もかかるため、弁護士に任せることをおすすめします。

離婚問題を弁護士に聞くこと・準備しておくこと

初めて弁護士に相談する際は、聞くことを明確にしておきましょう。
弁護士も相談者の助けになろうとしているので、お互いにとって有意義な時間になるよう準備することが大切です。

<こんな理由で離婚できる?>離婚原因を明確にしておく

なぜ自分が離婚したいと思ったのか。
この点は必ず明確にしておかなければなりません。

配偶者が離婚に応じない場合は、特に離婚を望んだ経緯や背景が重要になります。
法律上離婚が認められる点があるかどうかを弁護士は探っていくからです。

さらに、離婚原因から慰謝料請求ができるという判断になることもあるので、事前の整理はしっかりと行ってください。

<私が親権を取れる?>親権の主張を明確にしておく

未成年の子供がいる場合、父・母のどちらかが親権を持つことになります。
もし、子供の親権を持ちたいのであればその意思も伝えてください。

一般的に母親が親権を取りやすいと言われていますが、100%取れるとは言い切れません。
離婚後の養育環境、収入、相手方の環境を含め、明確にしておきましょう。
また、離婚後の面会交流をどうするのかなども考えておく必要があります。

<財産分与や養育費はいくら?>夫婦の財産状況を把握しておく

離婚後の生活に不安を持たないためにも、財産分与や養育費の取り決めは大切です。

結婚してから築いた資産、財産分与によって預貯金は夫婦で分け合うのが基本です。
また、養育費の相場は夫婦それぞれの年収や子供の人数・年齢などから算定されます。

そのため、結婚してから築いた財産、配偶者の年収などは必ず把握してください。

<慰謝料は取れる?>相手が有責の場合、その事実や証拠を掴んでおく

配偶者が不倫をしているなど、有責の場合は慰謝料を取れる可能性が高くなります。
その場合、具体的な状況や証拠を弁護士に提示できるようにしましょう。
それらの事実からどれくらいの慰謝料請求が可能か算出します。

<離婚を拒否できる?>自身に法定離婚事由がないことを明確にしておく

配偶者に離婚を求められ、拒否したい場合はどうすればいいのでしょうか。
裁判となった場合、自身に法定離婚事由がないことを証明しなければなりません。

法定離婚事由とは、民法第770条1項に定められた裁判で離婚が認められる5つの離婚事由です。

不貞行為
悪意の遺棄
三年間の生死不明
強度の精神病で回復の見込みがない
その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

不倫、DV、失踪、長期間の別居など、自身が法定離婚事由に当たることをしていなければ、離婚を避けられる可能性はあります。

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配偶者から切り出された離婚を拒否したい!離婚したくない場合の対処法は?

弁護士への離婚相談を有意義にするためには

弁護士への離婚相談を有意義にするためには

「何をどうすれば良いか分からないから、とりあえず法律事務所に行ってから考えよう」という気持ちで弁護士に相談するのはオススメできません。
弁護士への相談は無料もあれば有料もあり、さらに時間も無限ではありません。

時間を無駄にせず、自分が求める回答を得るためにも以下の心構えと準備をしてください。

感情論ではなく、事実を伝える

離婚問題を抱える人は、どうしようもない怒りや悲しみの体験をされている方が多くいらっしゃいます。
だからこそ、他人に話す際は感情的になりがちです。

しかし、裁判となれば「感情」ではなく「事実」で判断されます。
有利な結果にするためにも、できるだけ具体的な事実を集め、弁護士に話せるようにしましょう。

有責の証拠は伝聞ではなく、記録で示す

配偶者が有責の場合、裁判では証拠がカギになります。
人づてに聞いた話などは証拠として弱いので、できる限り記録で示すようにしましょう。

配偶者が不倫していた場合
写真、メール、音声、肉体関係があったと推測できる領収書や通話記録など
配偶者がDVやモラハラをしていた場合
音声、日付・場所・理由・方法・発言が書かれたメモ、診断書、写真など

どのようなものを集めれば良いか分からない場合は、弁護士に相談し指示に従ってください。

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自分にとって不利な情報も伝える

調停や裁判となれば、どうしても相手の落ち度を伝えることに注力しがちです。
しかし、夫婦の落ち度は100:0というのは滅多にありません。
少なからず、自分にも反省すべき点はあったはずです。

弁護士に相談する際は、自分にとって不利になりそうなことも話してください。
自分が「不利だ」と思い込んでいるだけで、弁護士の視点からは「有利だ」と判断できることもあるのです。

弁護士自身も全容を把握しておくことで、依頼者を守ることができます。

気持ちの整理をし、意思を固めておく

弁護士への相談と、友人への相談は別物です。
離婚するかどうか迷っている時点では、残念ながら弁護士は対応できません。

「離婚したい」「離婚したくない」は、必ずはっきりさせてください。
弁護士は依頼者が決めたスタート地点からより良いゴールに向かうお手伝いをするだけです。

しっかりと気持ちを整理し、意志を固めてから相談に出向きましょう。

本人が相談に出向く

離婚問題は、夫婦だけでなく家族も巻き込んでしまいます。
娘や息子の心配をされたご両親が弁護士に相談したいと申し出るケースもありますが、離婚をするのは本人です。

依頼者にとって有利に進めるためにも、必ず本人が相談してください。
不安な場合は、ご家族と一緒に出向くのも良いでしょう。

離婚問題を弁護士に聞くときの流れ

予約から依頼までの基本的な流れを確認しましょう。

  1. 予約をする
    まずは相談したい弁護士を探し、電話で予約します。
    弁護士によって、初回相談無料・有料など、料金設定もさまざまですので、確認してください。
  2. 相談票を書く
    法律相談では相談前に、名前や住所、相談内容を相談票に書きます。
    相談票に書かれた内容をもとに、弁護士が相談者の状況や要望を把握します。
  3. 相談内容を話す
    相談票をもとに、弁護士がお話を聞きます。
    離婚の意思・原因、財産分与、慰謝料、親権、養育費のことなど、要望を伝えましょう
  4. 弁護士からの見解や助言を聞く
    相談者の要望が現実的か、どういう手続きを踏まなければならないか、現状での最善策を弁護士が助言します。
    同じ相談内容でも、弁護士によって見解や助言が異なることもあります。
    多角的な策を得たいのであれば、いくつかの弁護士に相談することも可能です。
  5. 依頼する場合は連絡をする
    弁護士から見解や助言を聞き、信頼できそうであれば正式に依頼の連絡を入れてください。
    これからさまざまなことを話し、共に問題解決をするパートナーになります。
    不安や話しづらさを感じたら、無理に依頼しないことも大切です。

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まとめ

弁護士は相談者が望む利益を最大限に優先します。
お互い限られた時間のなかで打ち合わせを行うため、相談者する際は何をどうしたいかをハッキリさせておくことでスムーズに進みます。
離婚は精神的に辛いものですが、笑顔でリスタートするためにも弁護士の力を最大限に活用してください。

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