婚約とは|法的な意味や婚約破棄で慰謝料請求する際の証拠について解説!
「結婚しよう」
交際が進みプロポーズされたものの、何らかの理由で婚約を破棄されるケースも少なくありません。
この記事では、婚約とはどのようなもので、婚約破棄の慰謝料請求ができるのはどのようなケースかについて説明します。
- 目次
☝この記事の内容を動画でも解説しています
婚約とは
婚約とは「男女が将来結婚することを約束すること」を言います。婚約は結婚と違い、法的な届出や儀式があるわけではありません。
法的に婚約したと認められれば婚約破棄による慰謝料請求が可能
正当な理由もないのに婚約を破棄された場合、債務不履行による慰謝料や損害賠償を請求できます。
ただし、婚約破棄による慰謝料を請求するには、裁判所が認める「法的な意味での婚約が成立している」ということが必要です。
「結婚しよう」という軽い口約束だけでは法的な意味での婚約とはみなされません。
法的な意味での婚約とは
裁判所が認める「法的な意味での婚約」には、「これをしていれば婚約が認められる」という明確な基準がありません。
そのため、男女の間に起こったさまざまな行為や事実を総合的に評価し、決めることになります。
プロポーズの有無だけでは法的な婚約と認められない可能性がある
裁判所が「法的な意味での婚約」を判断する際には以下のような事情を考慮します。
- プロポーズ
- 婚約指輪を渡す
- 結納の儀
- 結納金の授受
- 結婚を前提とした互いの両親へのあいさつ
- 書面による本人同士の合意
- 結婚後の住居購入や貯金 など
一般的には「プロポーズ=婚約」と考える人が多いでしょう。しかし、プロポーズをしたかどうかだけで裁判所が「婚約した」と判断するわけではありません。
明確なプロポーズがなかった場合であっても、結婚に向けた話し合いが進んでいるケースなどは「婚約している」と認められることがあります。
一方、プロポーズがあった場合でも、結婚に向けた準備がまったく進んでおらず、結婚までの道のりが遠いケースでは「婚約していない」と判断されることもあります。
婚約破棄で慰謝料請求するには婚約を証明できる証拠が必要
婚約と認められる事情があったとしても、当事者しかその事情を知らない場合は「婚約していること」を客観的に証明できません。
婚約破棄による慰謝料を裁判で請求するためには「婚約状態であったことを客観的に証明できる証拠」が必要になります。
婚約状態であったことを客観的に証明できるものとしては以下のようなものがあります。
- 婚約指輪
- プロポーズの手紙や動画
- 両親や知人の証言
- 結婚式場の予約履歴
- 結納の儀式の受書
- 仲人の証言
- ハネムーンのチケット
- 結婚準備に関するメール など
上記で挙げたもの以外でも、「結婚の約束」と言えるものであれば有効とみなされる可能性があります。どのような証拠が慰謝料請求に有効かは弁護士にお問い合わせください。
婚約破棄されたときの慰謝料相場
婚約破棄に対する慰謝料相場は100万円程度ですが、状況によって数十万~300万円となることもあり、金額に幅があります。
交際期間が長い場合や結婚準備が進んでいたケース、妊娠・出産、婚約破棄により中絶を余儀なくされたケースなどは慰謝料が高額になる傾向があります。
一方、婚約破棄された側に非がある場合や交際期間や婚約期間が短いケースでは慰謝料が減額されることがあります。
まとめ
法的な意味での婚約について解説しました。「法的な意味で婚約している」と判断されるためには、「婚約状態にあったことを客観的に証明できる証拠」が必要です。
離婚問題に強い弁護士なら、依頼者の状況を考慮してどのような証拠を集めれば良いかアドバイスしてくれます。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載していますので、ぜひお役立てください。
都道府県から弁護士を検索する
離婚コラム検索
離婚の慰謝料のよく読まれているコラム
-
1位慰謝料弁護士監修2021.06.15貞操権とは|貞操権侵害で慰謝料請求できるケースと慰謝料相場真剣に付き合っていたのに、彼氏が既婚者だった…このような場合、交際...
-
2位慰謝料弁護士監修2020.10.01浮気相手の名前しかわからない|不倫の慰謝料請求に必要な情報を得る方法夫や妻が浮気をしている事実を知るのは辛く、傷つきます。精神的に負った傷は、慰謝料...
-
3位慰謝料弁護士監修2020.01.07マリッジブルーで婚約破棄!慰謝料はどうなる?原因と乗り越え方を解説結婚は人生の一大イベントです。苗字や住所が変わるだけでなく、仕事や人間関係まで変...
-
4位慰謝料2021.09.17不倫慰謝料は減額・拒否できる?減額されやすいケースと減額手順不倫をしてしまい、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されてしまった…...
-
5位慰謝料弁護士監修2021.08.10一度きりの不貞行為で慰謝料請求できる?不倫回数と慰謝料相場の関係配偶者の不倫が判明したものの、「一度きりの不倫だった」と弁明されるケースもありま...
新着離婚コラム
-
裁判・調停2024.10.28家事手続案内とは?家庭裁判所で相談できること、できない時の相談先家庭裁判所は家事事件と少年事件を扱う裁判所です。家事事件について悩みがあるものの...
-
財産分与2024.10.18株式の財産分与|評価方法や基準時、注意点を解説離婚の際、婚姻中に夫婦が築き上げた財産を公平にわけることになります。これを財産分...
-
その他離婚理由弁護士監修2024.09.27障害児の子育てを理由に離婚できる?離婚する前に考えるべきこと一般家庭と比べて障害児のいる家庭の離婚率は高いと言われています。これについて正確...
-
親権・養育費2024.09.25養育費に連帯保証人をつけることはできる?注意点と未払いを防ぐ方法近年、養育費の未払いが社会問題化しています。政府統計ポータルサイトe-Statの...
-
基礎知識弁護士監修2024.08.23祖父母は面会交流できる?孫との関係を守るポイントと改正民法を解説離婚によって子供と離れて暮らす側の親には子供と面会する権利があります。面会交流は...
離婚問題で悩んでいる方は、まず弁護士に相談!
離婚問題の慰謝料は弁護士に相談して適正な金額で解決!
離婚の慰謝料の話し合いには、様々な準備や証拠の収集が必要です。1人で悩まず、弁護士に相談して適正な慰謝料で解決しましょう。
離婚問題に関する悩み・疑問を弁護士が無料で回答!
離婚問題を抱えているが「弁護士に相談するべきかわからない」「弁護士に相談する前に確認したいことがある」そんな方へ、悩みは1人で溜め込まず気軽に専門家に質問してみましょう。