不倫慰謝料は減額・拒否できる?減額されやすいケースと減額手順

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不倫慰謝料は減額・拒否できる?減額されやすいケースと減額手順

不倫をしてしまい、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されてしまった…

不倫をしたのが事実であれば慰謝料請求に応じる必要がありますが、なかには妥当とは言えない金額の慰謝料を請求されるケースもあります。

この記事では、請求された不倫の慰謝料を減額できるのか、減額されやすいケースにはどのようなものがあるのかについて解説します。

目次
  1. 不倫慰謝料の減額が見込めるケース
    1. 請求された慰謝料が相場より高額すぎる
    2. 不倫への積極性が低い
    3. 不倫期間が短い・不貞行為が少ない
    4. 収入や資産が少ない
    5. 反省・謝罪
    6. 求償権を放棄する
    7. 社会的制裁を受けている
    8. W不倫の場合
  2. 不倫慰謝料の支払い自体を拒否できるケース
    1. 不貞行為が存在しない・証明できない
    2. 不貞行為の事実を知られてから3年以上経過している
    3. すでに婚姻関係が破綻していた
    4. 相手が既婚者であると知らずに交際していた
  3. 不倫慰謝料を減額・拒否するときの手順
    1. 本当に慰謝料を支払わないといけない状況か確認する
    2. 請求書の内容や根拠を確認する
    3. 不倫慰謝料の減額・拒否の交渉
    4. 交渉がまとまらない場合は裁判へ
  4. 不倫慰謝料を減額交渉するときの注意点
    1. 感情的になってはいけない
    2. 分割払いを提案してみる
  5. 不倫の慰謝料減額・拒否したい場合は弁護士へ
  6. すでに不倫慰謝料の支払いの合意が成立している場合
  7. まとめ

不倫慰謝料の減額が見込めるケース

不倫を理由に慰謝料請求された人のなかには、相手から請求された額をそのまま支払おうと考えている人もいるかもしれません。

実務上、不倫慰謝料の金額はさまざまな要素によって決まります。そのため、場合によっては、相手の請求額を減額できる可能性もあります

不倫慰謝料の減額が見込めるケースとしては以下のような事情があります。

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請求された慰謝料が相場より高額すぎる

不倫の慰謝料を請求する際、すべての人が慰謝料相場を調べて請求しているわけではありません。

そのため、不倫慰謝料の相場を大きく超える金額を請求されることがあります。

不倫相手の配偶者から請求される不倫慰謝料の相場は個別具体的な事情によって異なります。

一般的には、不倫によって夫婦が離婚をする場合は100万円~300万円程度、夫婦が離婚しない場合は50万円~100万円程度と言われています。

相場を大きく超える高額な慰謝料を請求された場合、相手との交渉によって不倫慰謝料を減額できる可能性があります

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不倫への積極性が低い

不倫慰謝料の金額を決める際は、「どちらが不倫に関して主導的な立場にあったか」ということも考慮されます。

不倫相手から「夫婦関係がうまくいっていない」「離婚するから一緒になろう」などと言われて、関係を迫られたなどの事情がある場合、不倫慰謝料を減額する要素になります

ただし、「どちらが不倫に関して主導的であったか」については、言った・言わないの水掛け論になることもあるため、メールやLINEなどの客観的な証拠が必要になります。

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不倫期間が短い・不貞行為が少ない

不倫の慰謝料は不倫による精神的苦痛に対する賠償金です。

不倫による精神的苦痛は不倫期間や不貞行為の回数によって左右されます。

そのため、不倫期間が短い、不貞行為の回数が少ないというケースでは不倫慰謝料の減額が可能になる場合があります

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収入や資産が少ない

収入や資産が少なく、請求された慰謝料額を支払うことができないという事情については、裁判では基本的に考慮されることはありません

しかし、裁判外の交渉であれば、収入や資産が少ないという事情も不倫慰謝料の減額の考慮要素となることがあります。

本当に収入や資産がない場合、慰謝料の請求者としては「慰謝料を請求する意味がない」と考える可能性もありますし、「請求した額を長期間分割払いで支払ってもらうより、多少減額しても一括で支払ってもらったほうが自分にとってメリットだ」と考える可能性もあります。

そのため、相手方と交渉する際は、「請求された慰謝料を一括で支払う収入も資産もない」ということを客観的な根拠に基づいて説明することが重要になります。

反省・謝罪

不倫をしたことを深く反省し、相手に対して真摯に謝罪をすることで、相手の「許せない」という気持ちが和らぎ、不倫慰謝料の減額に応じてくれる場合があります

不倫は法的にも道義的にも許される行為ではありません。慰謝料請求を受けたときには誠意をもって真摯に対応することが大切です。

求償権を放棄する

不貞行為をした場合、自分と不倫相手の2人で不倫相手の配偶者の権利を侵害したことになります。これを「不真正連帯債務」と言い、2人が共同で慰謝料の支払い義務を負うことになります。

このとき、不倫慰謝料の支払い義務を負う者のどちらか一方が慰謝料全額を支払った場合、他方に対して、他方が負担すべき金額を請求することができます。これを「求償権」と言います。

不倫相手の夫婦が離婚しない場合、夫婦の財布は一緒と考えられます。

つまり、慰謝料を請求した側としては、不倫相手から100万円の慰謝料の支払いを受けたとしても、50万円の求償をされてしまうと結局は50万円しかプラスになりません。

そのため、不倫相手の夫婦が離婚しない場合、求償権を放棄することを交渉材料とすることで不倫慰謝料の減額を図ることが可能になります。

社会的制裁を受けている

不倫をしたことが職場にバレてしまい、退職せざるを得なくなったという方もいるかもしれません。

また、「不倫をしたことが家族にバレてしまった」「離婚することになった」という方もいるでしょう。

不倫慰謝料は支払う側にとって「制裁」という一面もあります。

そのため、不倫によってすでに社会的制裁を受けたという事情がある場合、不倫慰謝料の減額要素として考慮されることがあります

W不倫の場合

既婚者同士で不倫をした場合、不倫相手の配偶者から慰謝料請求をされるだけでなく、自分の配偶者も不倫相手に対して慰謝料請求をすることができます。

離婚しなければ夫婦の財布は一緒です。どちらの夫婦も離婚しない場合、慰謝料を請求しても不倫相手の配偶者から同額を請求されてしまえば、まったくプラスにならないという事態も起きます。

これでは、慰謝料請求の労力だけかかってまったく利益がありません。

そのため、W不倫の場合には、お互いに慰謝料を支払わないということや大幅な減額をするといった内容で解決することもあります

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不倫慰謝料の支払い自体を拒否できるケース

不倫慰謝料の支払い自体を拒否できるケース

不倫慰謝料を請求されたとしても、状況によって不倫慰謝料を支払わなくても良いケースがあります。

以下、不倫慰謝料の支払いを拒否することができるケースについて紹介します。

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不貞行為が存在しない・証明できない

不倫慰謝料請求は、あくまでも不貞行為の存在を前提としています。

そのため、不貞行為自体が存在しない、または不貞行為の存在を証明することができない場合、不倫慰謝料の支払いを拒否することができます

なお、不貞行為とは、配偶者以外の人と肉体関係を持つことを言います。そのため、一緒に食事をしたり手をつないだりしただけでは不倫慰謝料の請求は認められません。

不貞行為の事実を知られてから3年以上経過している

不倫慰謝料の請求は不法行為に基づく損害賠償として請求されます(民法709条)。

不倫慰謝料の請求には消滅時効があります。

不倫相手の配偶者が不倫の事実を知ったときから3年を経過している場合、不倫慰謝料の請求権は時効によって消滅してしまいます。

そのため、不倫慰謝料の請求を受けたとしても、時効の援用(時効の利益を受けることを相手に主張する)をすることで不倫慰謝料の支払いを拒否することができます

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すでに婚姻関係が破綻していた

不倫の慰謝料は、不倫によって不倫相手の夫婦の婚姻関係を破綻させたことを理由として認められるものです。

そのため、不倫をした時点ですでに不倫相手の夫婦の婚姻関係が破綻していた場合、不倫によって侵害すべき権利または利益が存在しないため不倫慰謝料の支払いを拒否することができます

相手が既婚者であると知らずに交際していた

不法行為に基づく慰謝料の支払い義務を負うためには、支払い義務者に故意または過失があったことが必要になります。

不倫慰謝料における故意とは「既婚者であることを知っていたこと」を言い、過失とは「必要な注意を払えば既婚者であると気付くことができたこと」を言います。

たとえば、まったく面識のない男女が婚活アプリなどで出会い、不倫相手が自身を独身であると偽っていた場合、既婚者であると気付くことは困難と言えるため、慰謝料の支払いを拒否することができます

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不倫慰謝料を減額・拒否するときの手順

不倫慰謝料を減額または拒否しようとする場合、以下のような流れで進めていきます。

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本当に慰謝料を支払わないといけない状況か確認する

不倫の慰謝料を請求されたら、相手からの慰謝料請求に対して減額または拒否のどちらの方針を取るのか決める必要があります。

そのため、まずは、本当に慰謝料を支払わなければならない状況なのかを確認しましょう。

上記のとおり、慰謝料の請求を受けたとしても、状況によっては慰謝料の支払いを拒否することができる場合があります。

そのため、自分の場合は慰謝料の支払いを拒否することができるケースにあたるかどうかを確認することが重要です

請求書の内容や根拠を確認する

慰謝料の支払いを拒否することができるケースに該当しない場合、減額交渉ができるかどうかを考える必要があります。

そのため、相手からの請求書の内容や慰謝料請求の根拠を確認し、減額交渉するための交渉材料を探しましょう

なお、請求書を確認する際は、相手が現在どのような状況なのか(離婚の有無や別居の有無)、どのような証拠に基づいて請求しているのか、不倫の慰謝料としていくらを請求しているのかなどを確認すると良いでしょう。

不倫慰謝料の減額・拒否の交渉

不倫慰謝料の支払いを拒否できるケースであったとしても、相手の請求を無視してはいけません。

相手の請求を無視していると、感情的になった相手が自宅や職場に押し掛けてくることもありますし、裁判を起こされるリスクもあります。

このような場合には、不倫慰謝料の支払いを拒否できるケースであることを客観的な証拠を示しながら相手方に説明する必要があります

たとえば、既婚者であると知らなかったという場合、婚活アプリのプロフィールやメッセージなどを証拠として示すと良いでしょう。

また、不倫慰謝料の減額交渉をする場合にも減額要素に該当するということを客観的な証拠(メール、LINEなど)を示しながら説明し、説得する必要があります。

なお、不倫慰謝料を分割ではなく、一括で支払うということを交渉材料とすることで減額に応じてもらえることもあります。

相手の出方を見ながら交渉を進めていくことが重要です。

交渉がまとまったら示談書を作成する

相手との交渉がまとまったら、口頭での合意で終わらせるのではなく必ず示談書を作成するようにしましょう。

なお、示談書を作成する際は、清算条項(お互いにこれ以上金銭の請求をしないという条件)を付しておくことが重要です。

清算条項を付しておくことで、慰謝料の支払いをしたあとで、後日「あのときの支払いだけでは足りない」などと言って、追加の慰謝料を請求されることを防ぐことができます

交渉がまとまらない場合は裁判へ

不倫慰謝料の支払いを拒否した場合または不倫慰謝料の減額交渉がまとまらなかった場合、不倫慰謝料を請求する側から裁判を起こされる可能性があります。

裁判になった場合には、不倫慰謝料を請求する側(原告)が不貞行為があったということを証拠に基づいて主張立証していかなければなりません

不倫慰謝料の請求を受けた側(被告)は、原告の主張に反論しつつ、慰謝料の支払いを拒否することができる事情や減額要素を主張立証していくことになります。

お互いの主張立証がある程度出揃った段階で裁判官から和解が打診されることもあり、原告と被告の双方が和解を受け入れればその時点で訴訟が終了となります。

和解が成立しない場合には、その後も審理が進められ、最終的には裁判官が判決を言い渡すことになります。

不倫慰謝料を減額交渉するときの注意点

不倫慰謝料を減額交渉するときの注意点

不倫慰謝料の減額交渉をする際は以下の点に注意が必要です。

感情的になってはいけない

不倫慰謝料の減額交渉をする場合、不貞行為があったことを認めていることが前提となります。

減額交渉をしたとしても相手がそれに応じてくれなければ不倫慰謝料を減額することはできません。

いかなる事情があったとしても、不貞行為は法的にも道義的にも許されない行為であり、不倫相手の配偶者に対して多大な苦痛を与えたことには変わりはありません

このことを十分に理解したうえで交渉を行うことが重要です。

減額交渉を行う際は感情的にならないようにして、相手の心情に十分配慮した言葉遣いや態度を取るように心がけましょう。

分割払いを提案してみる

請求された不倫慰謝料を一括で支払うことができないという場合は、分割払いを提案してみるのも1つの方法です

一括払いができないからといって大幅な減額に固執していると、交渉が長期化するだけでなく相手に対しても良い印象を与えません。

そのため、ある程度納得できる金額であれば、分割払いを提案することで早期解決を図ることができる場合もあります。

ただし、分割払いは相手方にとってリスクがある支払い方法です。分割払いを提案したからといって必ず受け入れてくれるというわけではないため注意しましょう。

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不倫の慰謝料減額・拒否したい場合は弁護士へ

不倫慰謝料の支払いを拒否、または減額できるケースにあたるかどうかについては法律の知識や経験がなければ正確に判断することができません

また、不倫慰謝料を支払うとしても、不倫慰謝料の相場がわからなければ適切な金額より高額な慰謝料を負担してしまう可能性もあります。

不倫慰謝料の支払いを拒否または減額したいという場合、まずは弁護士に相談をすることをおすすめします。

弁護士であれば、相手から請求されている不倫慰謝料の金額が妥当な金額であるかを判断することができます。

また、当事者同士が交渉をするとどうしても感情的になってしまい、話し合いが円滑に進まないということがあります。

しかし、弁護士は交渉の専門家ですので、感情論ではなく法的観点から適切に交渉を進めることができ、早期解決が期待できると言えます。

不倫相手の配偶者との交渉は精神的ストレスが伴うものです。交渉を有利に進めるためにも精神的負担を軽減するためにも弁護士に任せてしまうほうが安心です。

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すでに不倫慰謝料の支払いの合意が成立している場合

当事者同士で話し合いを行い、すでに慰謝料の支払いについて合意が成立している場合、当該合意内容には法的拘束力が生じます。

そのため、相手が任意で合意内容の変更に応じてくれない限り、基本的には合意内容を変更することはできません。

しかし、「不倫慰謝料として1,000万円を支払う」など、あまりにも法外な内容の合意であった場合や騙されて合意した、脅されて合意させられたという場合には、例外的に合意を取り消すことができる可能性があります

すでに相手と合意をして合意書にサインをしてしまったとしてもその内容や経緯に納得できないことがある場合は、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

不倫慰謝料の請求を受けたとしても、状況によって慰謝料の支払いを拒否したり、減額できたりする可能性があります。

しかし、不倫慰謝料を請求されると動揺してしまい、適切な対応を取ることが難しくなります。

このようなとき、弁護士に相談することで最適な解決方法を提案してくれます。

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