国際離婚は弁護士へ!国際結婚した人が離婚する際の注意点と対処法。

その他離婚理由
国際離婚は弁護士へ!国際結婚した人が離婚する際の注意点と対処法。
国籍の異なる者の婚姻(国際結婚)は、文化の違いなど、さまざまな理由により、同じ国籍同士の婚姻と比べて離婚率が高いと言われています。
日本でも、夫婦のどちらか一方が外国人である離婚が毎年1万件以上あり、離婚には至っていないものの離婚したいとお悩みの方はさらに多いことでしょう。
そこで今回は、国際結婚をした方が離婚する代表的な理由や離婚する場合の注意点、対処法などを解説します。
目次
  1. 国際離婚とは
  2. 日本における国際離婚の推移
  3. 国際離婚のよくある原因
    1. 国際離婚に特有の原因
    2. 共通の離婚原因
  4. 国際離婚の慰謝料相場
    1. 日本法が適用される場合
    2. 日本法が適用されない場合
  5. 国際離婚の注意点
    1. どの国の法律が適用されるか
    2. どの国の裁判手続を利用できるか
    3. 在留資格はどうなるか
    4. 子の奪取
  6. 国際離婚を考えるなら弁護士に
  7. まとめ

国際離婚とは

国際離婚とは、国籍の異なる夫婦が離婚することをいいます。国際離婚の場合、

  • どの国の法律が適用されるか(準拠法)の問題
  • どの国の裁判所の手続を利用することができるか(裁判所の管轄)の問題
  • 離婚後の在留資格の問題

など、同じ国籍の夫婦が離婚する場合には発生しない、さまざまな問題について考える必要があります。

日本における国際離婚の推移

厚生労働省のまとめた人口動態統計によれば、2001年以降の離婚件数の推移は次のとおりです。

2001年以降の離婚件数の推移
  離婚総数 離婚総数のうち 一方が外国人の離婚のうち
日本人同士の場合 一方が外国人の場合 夫が日本人の場合 妻が日本人の場合
2001年 285,911 272,244 13,667 10,676 2,991
2002年 289,836 274,584 15,252 12,087 3,165
2003年 283,854 268,598 15.256 12,103 3,153
2004年 270,804 255,505 15,299 12,103 3,228
2005年 261,917 246,228 15,689 12,430 3,259
2006年 257,475 240,373 17,102 13,713 3,389
2007年 25,4832 236,612 18,220 14,784 3,436
2008年 251,136 232,362 18,774 15,135 3,639
2009年 253,353 233,949 19,404 15,570 3,834
2010年 251,378 232,410 18,968 15,258 3,710
2011年 235,719 217,887 17,832 14,224 3,608
2012年 235,406 219,118 16,288 12,892 3,396
2013年 231,383 216,187 15,196 11,887 3,309
2014年 222,107 207,972 14,135 10,930 3,205
2015年 226,215 212,540 13,675 10,440 3,235
2016年 216,798 203,853 12,945 9,782 3,163

2016年を例にとれば、離婚総数216,798件のうち、12,945件がいわゆる国際離婚になります。そのなかで、夫が日本人で妻が外国人の場合が9,782件、夫が外国人で妻が日本人の場合が3,163件となっています。

参考:政府統計の総合窓口「人口動態調査 人口動態統計 確定数 離婚 」

国際離婚のよくある原因

国際離婚に特有の原因

国際離婚に特有のよくある原因として、次のようなものがあります。

価値観が違う

国によって文化や価値観が違いますが、配偶者の価値観が理解できず、離婚に至ることがあります。

子どもの教育についての意見が合わない

国によって教育のシステム、カリキュラムが違いますので、子どもにどこでどのような教育を受けさせるかについて夫婦間で意見が合わず、離婚の原因になることがあります。

金銭感覚が合わない

国によってお金に対する価値観、金銭感覚が違います。

多くの日本人は、将来のために貯金しようとか、家族のためにつらくても仕事を続けようと思うでしょう。

しかし、国によっては金銭感覚が楽観的で、稼いだだけ遣ってしまったり、すぐに仕事をやめてしまったりすることもあるようです。

配偶者の母国が合わない

結婚して配偶者の母国で生活する場合、その国の食事、文化、気候、人間関係などが合わず、離婚原因になることがあります。

意思疎通が難しい

簡単な日常会話であれば問題なくても、夫婦の間に何か問題が生じたときなど、真剣に話し合わなければならない場面になるほど、言葉の壁による意思疎通の難しさが大きな障害になります。

日本人同士であればよく話し合って解決できたことでも、意思疎通の難しさが原因で互いに不信感を抱き、離婚に至ってしまう場合もあるでしょう。

配偶者の親族との関係

配偶者の親族との間では、さらに価値観の違いや意思疎通の難しさという問題が大きくなります。

また、国によっては親族を養うのが当然と考える人もおり、母国に多額の送金をするなど金銭的なトラブルが発生するおそれもあります。

性生活の不一致

一般に日本人の夫婦は諸外国と比べると性行為の回数が少なく、セックスレスの夫婦も少なくありません。

外国人の場合、性行為やハグ、キスなどのスキンシップを愛情表現として重視することも多いので、性生活の不一致が離婚の原因となるおそれがあります。

共通の離婚原因

国際離婚に特有の原因以外にも、不貞行為や暴力といった、国際離婚に限定されない理由によって離婚に至ることも珍しくありません。

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国際離婚の慰謝料相場

国際離婚の慰謝料相場

慰謝料の相場を考える前提として、国際離婚に日本の法律が適用されるかされないかを分ける必要があります。

日本法が適用される場合

日本法が適用される場合、国際離婚の慰謝料の相場は、日本人同士の離婚の慰謝料の相場と基本的に変わりません

いいかえれば、国際離婚であることを理由にすぐに慰謝料が増額あるいは減額されるというようなことはなく、個別の事情を考慮して慰謝料が決められるということです。

たとえば、不貞による離婚の場合、裁判では100~300万円程度が認められることが多く、高くても500万円程度の範囲におさまることがほとんどです。このことは、国際離婚でも同様です。

日本法が適用されない場合

これに対して、日本の法律が適用されない場合、相場以前にそもそも慰謝料が請求できるかが問題となります

たとえば、不倫に対する慰謝料請求は認めず、財産分与や離婚補償手当などの名目で金銭が支払われるだけという国もあります。

国際離婚の注意点

どの国の法律が適用されるか

「国際離婚の慰謝料相場」でも触れましたが、国際離婚の場合、まずどの国の法律が適用されるのかを考えなければなりません

この問題については、法の適用に関する通則法という法律が定めています。

離婚の効力については、

  • 夫婦の本国法が同一であるときはその法
  • 同一本国法がない場合は、夫婦の常居住地法が同一であるときはその法
  • いずれもない場合は、夫婦に最も密接な関係がある地の法

によるとされていますが、法の適用に関する通則法27条・25条では、

夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、日本法による

とされています。

したがって、日本人同士の夫婦の場合、本国法が同一ですから海外で生活していたとしても日本法が適用されます。

国際離婚の場合、同一の本国法がないので、夫婦ともに日本に居住している場合は日本法が適用されます。

ただし、夫婦の一方が日本人で日本に居住している場合は、配偶者が海外に居住していたとしても日本法が適用されます。

これに対して、夫婦が日本以外の同じ国に居住している場合(日本人とアメリカ人の夫婦がアメリカに居住している場合など)、その国の法が適用されることになります。

どの国の裁判手続を利用できるか

たとえば、「日本人と外国人が結婚して日本で生活していたが、夫婦仲が悪くなり、配偶者は本国に帰ってしまい、音信不通」という事例を想定してください。

「どの国の法律が適用されるか」で解説したとおり、日本法が適用されることになりますが、配偶者が音信不通では協議のしようがありません。

日本人同士の夫婦であれば裁判で離婚を請求することができますが、国際離婚の場合も日本の裁判所が裁判をすることができるか、それとも配偶者の本国で裁判をしなければならない(国際裁判管轄)のかが問題になります。

この点については、明文の規定はありません。

最高裁は、原則として被告(離婚事件の場合は配偶者)の住所が日本にある場合には日本に国際裁判管轄があり、配偶者に遺棄された場合や配偶者が行方不明である場合その他これに準ずる場合には、配偶者の住所が日本になくても日本に国際裁判管轄があるとしています(最高裁昭和39年3月25日大法廷判決)。

上記の事例では配偶者が行方不明(音信不通)ですので、この最高裁判例に従うと日本の裁判で離婚を請求することができるでしょう。

在留資格はどうなるか

日本人と結婚した外国人は、「日本人の配偶者等」という在留資格を取得することができます。

この資格に基づいて日本に居住していた外国人が日本人と離婚した場合、その資格を失うことになります。

したがって、離婚後も日本に居住することを希望している場合には、「永住者」や「定住者」など、別の在留資格への変更を申請し、法務大臣の許可を得なければなりません

子の奪取

外国人と結婚して配偶者の母国で生活していた日本人が、正式な離婚をする前に配偶者に無断で日本に子を連れ帰るケースがあります。

このような国際的な子の連れ去りをめぐる紛争を解決するため、「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約ハーグ条約)」が締結されました。

日本もハーグ条約に批准し、国内法(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(=ハーグ条約実施法)を整備しました。

その結果、日本人である配偶者に子を日本に連れ去られた者は、子を常居所地に返還するよう命じることを求める子の返還申立事件を、日本の家庭裁判所に申し立てることができることになりました。

これは、ハーグ条約では、子の親権や監護権は、常居所地の法令に基づいて決められるのが基本的に子の利益に合致すると考えられているためです。

国際離婚を考えるなら弁護士に

これらの注意点をクリアして離婚が成立したとしても安心はできません。たとえば、元夫・元妻が本国に帰ってしまい、約束した慰謝料や養育費が支払われないおそれがあります。

元夫・元妻の本国における財産に強制執行をするのは現実にはかなり難しいと言わざるを得ません。

このように、国際離婚をめぐっては複雑な問題が多数存在するため、国際離婚を適切に進めるには高度の専門的知識が不可欠といえます。

ですから、国際離婚を考えている方は、早めに国際離婚に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

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まとめ

ここまで国際離婚について解説しました。国際離婚の問題でお悩みの方は参考にしてください。

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