父子家庭が利用できる手当|内容や金額を把握して支援を受けるコツ
離婚率が高まる現在、男性側が親権を持つことも多くなっています。
父子家庭は母子家庭より収入面で安定しているように思われがちですが、父子家庭ならではの悩みもあります。
この記事では、父子家庭が利用できる手当や支援を紹介します。
シングルファザーとして子供を育てるにあたり、不安や疑問があるという方はぜひ参考にしてください。
- 目次
父子家庭が抱える悩みとは
男手一つで子供育てをしながら、家事や仕事も行うことは簡単ではありません。
子供の成長を間近で見守ることができますが、苦労や悩みも多いものです。父子家庭が抱える悩みとはどんなものがあるのでしょうか。
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以前のように存分に仕事をすることができない
結婚しているときは子育てや家事を妻に任せたり、共働きであれば分担したりすることで仕事に打ち込むことができました。
しかし、離婚すれば家事も子育ても1人で行わなければなりません。
そのため、結婚していた頃のように仕事だけに集中することは難しくなるでしょう。
子育てを優先することで収入が減る・出世しにくくなる
子供が小さいほど突然の熱などで急に仕事を休んだり早退したりしなければならない場面も多くなります。
親として子供を優先することは当然ですが、そうすれば仕事においては成績や評価も下がってしまう可能性があります。
収入や出世を手放したくないものの、子育てもしたいというジレンマに悩んでしまうシングルファザーも多いものです。
問題を1人で抱え込み、疲れてしまう
これまでは妻と相談していた子育ての問題も、離婚後は1人で考えなければなりません。
子育てだけではなく慣れない家事と仕事との両立など離婚後の悩みは増えていきます。
しかし、相談できる相手がいないため、1人で全てを抱え込んで疲れてしまうシングルファザーも少なくありません。
父子家庭が受けられる手当や支援
母子家庭だけではなく、父子家庭でも受けられる手当や支援はたくさんあります。
それぞれどのような条件を満たす必要があるのかを確認し、利用できる手当や支援は積極的に利用しましょう。
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児童扶養手当
児童扶養手当は母子家庭のみが対象でしたが、2010年8月より父子家庭も利用できるようになりました。
18歳未満の子供を持つひとり親家庭であれば、自治体より手当を受給できます。
ただし、一定水準以下の所得である必要があり、所得によって受給できる金額は異なります。
申請は各自治体で行われており、必要書類は各自治体のHPで確認できます。
なお、児童扶養手当や特別児童扶養手当といった手当は平成29年4月より物価スライド制を導入しています。
そのため、児童扶養手当の金額は全国消費者物価指数に合わせて改定されます。
2021年4月現在、全部支給のケースで、子供が1人の場合で43,160円、2人の場合53,350円、3人の場合で59,460円、4人目以降1人につき6,110円ずつ加算されます。
ひとり親家庭等医療費助成制度
ひとり親家庭等医療費助成制度とは、ひとり親家庭の親や子供が病院で治療を受けた場合に自治体が医療費の自己負担分を支払ってくれる制度です。
医療費助成制度は、基本的に無料で医療を受けられるようになる制度ですが、自治体によっては少額の自己負担が必要な場合もあります。
申請は各自治体の保険年金課などで受け付けており、「医療証」が発行されます。
医療証と保険証を病院窓口で提出することで支援が受けられます。
住宅手当
ひとり親家庭の場合、自治体によっては、家賃の補助が受けられる場合があります。
補助金額は所得や自治体によって異なり、自治体によってはこの制度が行われていない場合もあります。
まずは自治体に住宅手当制度があるか確認しましょう。なお、申請は居住地を管轄する自治体の役所で行っています。
自立支援訓練給付金
何かスキルを取得して、収入や地位を上げたいという親のための給付金制度です。
TOEICやWEBクリエイター試験といった厚生労働省が定めている対象の教育訓練講座を修了すれば、かかった費用の60%(上限は修学年数×20万円、最大80万円。)が給付されます。
児童扶養手当を受給しているかまたは同等の所得水準であることが給付の条件です。
自治体の子育て支援課などで申請することができます。
高等職業訓練促進給付金
看護師や介護福祉士といった資格を取得したいという場合に利用できる給付金です。
職業訓練中の期間は月額7~10万円給付金を受け取ることができ、訓練が修了すれば2万5千~5万円の給付金が支給されます。
こちらも児童扶養手当を受給しているかまたは同等の所得水準であることが給付条件となり、自治体の子育て支援課などで申請することができます。
保育料負担軽減制度
ひとり親家庭の保育料が軽減されるという制度です。保育料が第1子は半額、第2子以降は無料になります。
年収が約360万円以下のひとり親家庭であれば利用することができ、自治体で申込ができます。
交通費の割引制度
児童扶養手当を受給していることで、JRの通勤定期乗車券を3割引で購入できる制度があります。
JRだけではなく市営バスや私鉄でも割引制度を導入している場合があるので、利用する交通機関に問い合わせてみましょう。
上下水道の減免制度
自治体によって、児童扶養手当を受給している世帯の水道基本料金が免除もしくは減免される制度があります。
ただし、自治体によっては制度を設けていない場合もあるので、自治体や自治体の上下水道問合せ窓口にて確認してみましょう。
所得税・住民税の免除・減免制度
ひとり親家庭の場合、所得税や住民税が減免になる制度もあります。
令和2年現在、合計所得金額が500万円以下のひとり親世帯の場合、所得控除を受けることができます。
所得控除を受けることで住民税や所得税を軽減することができます。
また、前年中の所得が135万円以下のひとり親家庭の場合は住民税が非課税になります。
自治体や税務署、もしくは会社の給与担当者に問い合わせてみてください。
父子家庭だけでなく収入が減った場合に受けられる手当や支援
父子家庭だけではなく、収入が減ってしまった場合に受けられる手当や支援もあります。
国民年金の免除・減免
国民年金は収入に関係なく毎月16,610円(令和3年度)の支払い義務がありますが、免除や減免制度があります。
父子家庭や離婚で収入が減ってしまったという場合、申請することで一定期間国民年金が免除もしくは減免されます。
必要な手続きをせず、年金保険料を滞納すれば将来年金を受け取れなくなります。
そのため、保険料を支払えず滞納しそうな状態であれば検討してみると良いでしょう。
ただし、国民年金保険料納付が免除されると将来受け取れる年金額も減ってしまうため、よく考えてから利用する必要があります。
まずは、年金事務所にて相談してみましょう。
国民健康保険の免除・減免
国民健康保険料の納付にも免除・減免される制度があります。
国民健康保険料の免除や減免は前年の所得によって決められますが、利用するには自治体の国民健康保険課にて申請が必要です。
国民年金のように将来的な減額などのデメリットはありません。
就学援助
就学援助は小中学校に就学する子供がいる家庭を対象とした支援制度で、学校生活に必要となる学用品や給食などの費用を自治体が援助するというものです。
利用するには世帯人数や年齢に応じて所得制限があり、基本的には経済的に困窮している場合が対象となります。
自治体で申請する場合もありますが、学校や教育委員会に申請する場合もあるため、事前に問い合わせが必要です。
なお、援助の認定基準については各自治体によって異なります。
父子家庭向けの手当だけでは生活が回らないときの対処法
父子家庭が利用できる手当や支援にはいろいろなものがあります。
ただし、こういった支援などを利用しても離婚後の生活は大変なことが多いです。
金銭面だけではなく、家事や育児、仕事など悩みは尽きずに生活が回らなくなってきてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。
再婚する
子育てや家事が大変だという場合、再婚を視野に入れてみても良いかもしれません。
再婚することで子育てや家事を新しいパートナーに助けてもらうことができれば、心の負担も軽くなるでしょう。
親に相談する
一番の理解者であり味方になってもらえる自身の両親に相談してみるのも良いでしょう。
両親から見れば孫と会える時間も増えるので喜んで子育てのサポートをしてもらえるはずです。
また、家事を手伝ってもらえれば仕事にも打ち込みやすくなるでしょう。
「1人でやり遂げなければいけない」という考えは捨てて、周りの人に甘えてみることも大切です。
まとめ
父子家庭は大変なことも多く、体力面でも精神面でも辛いことがあると思います。
また、これまでのように仕事もできなくなるので金銭面でも苦しくなるかもしれません。
自治体ごとに、ひとり親家庭の負担を軽減できる制度や支援が設けられていますので、ぜひ活用してみましょう。
また、離婚を考えているという場合も、離婚後にどのような支援を受けられるか調べておくと安心です。
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