別居中の親子交流(面会交流)|拒否された際の対処法・手続きを解説

親権・養育費
別居中の親子交流(面会交流)|拒否された際の対処法・手続きを解説

別居中でも、子供と離れて暮らす親には親子交流(面会交流)を求める権利があります。

しかし、相手方に子供との面会を求めたとしても拒否されているケースが少なくありません。

このまま、二度と子供に会えなくなるのでは、と心配な方もいるでしょう。

この記事では、別居中の親子交流が認められにくいケースや拒否されたときの対処法、やってはいけないことをわかりやすく解説します。

なお、2026年の民法改正により「面会交流」の名称は「親子交流」に変更されました。 以下、本記事では「親子交流(面会交流)」と表記します。

目次
  1. 親子交流(面会交流)は親子が離れて暮らしていれば認められる
  2. 親子交流(面会交流)の頻度・内容の一般的な取り決め方
  3. 正当な理由なく親子交流(面会交流)を拒否してはいけない
  4. 別居中の親子交流(面会交流)が認められにくいケース
    1. DVや虐待があった
    2. 子供が拒否している
    3. 親子交流が監護親に与える影響が大きい
  5. 別居中の親子交流を拒まれたときの対処法
    1. 別居中の父母による協議
    2. 親子交流調停の申立て
    3. 審判
  6. 取り決めた内容が守られないときの対処法
    1. 履行勧告
    2. 間接強制
  7. 別居中の親子交流(面会交流)でやってはいけないこと
    1. 無断で子供に会いに行く・連れ去る
    2. SNS・ネット上に書き込む
    3. 子供に監護親のネガティブな情報を押し付ける
  8. 別居中の親子交流を拒まれたら弁護士に相談
  9. まとめ

親子交流(面会交流)は親子が離れて暮らしていれば認められる

親子交流(面会交流)とは、別居中の親が子供と会ったり連絡を取ったりすることをいいます。

親子交流は離れて暮らす親の権利だけでなく、子供が両親と関わり続けるための権利であり、離れて暮らす親との交流は離婚前であっても必要です。

そのため、離婚後だけでなく離婚前であっても、この原則は適用されます。

従来は離婚後の面会交流に課する規定(民法第766条)しかなく、離婚前の別居時の交流については規定がありませんでした。

2026年に施行された改正民法により、離婚しているかどうかに関わらず、別居中の親子交流に関する規定が明文化された形です。

なお、今回の改正では、「面会」という文言が削除され、単に「交流」と規定されるようになりました。

これに伴い、従来の「面会交流」は「親子交流」に名称が変更されるようになりました。

民法第八百十七条の十三(親子の交流等)
第七百六十六条(第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の場合のほか、子と別居する父又は母その他の親族と当該子との交流について必要な事項は、父母の協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、父又は母の請求により、同項の事項を定める。
3 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、父又は母の請求により、前二項の規定による定めを変更することができる。
4 前二項の請求を受けた家庭裁判所は、子の利益のため特に必要があると認めるときに限り、父母以外の親族と子との交流を実施する旨を定めることができる。
5 前項の定めについての第二項又は第三項の規定による審判の請求は、父母以外の子の親族(子の直系尊属及び兄弟姉妹以外の者にあっては、過去に当該子を監護していた者に限る。)もすることができる。ただし、当該親族と子との交流についての定めをするため他に適当な方法があるときは、この限りでない。
引用:e-Gov法令検索

 

親子交流(面会交流)の頻度・内容の一般的な取り決め方

親子交流の具体的な内容は、父母の協議によって自由に決めることができます。一般的な取り決め内容は以下のとおりです。

  • 頻度・日程
  • 時間
  • 受け渡し場所・方法
  • 連絡方法
  • 費用負担
  • 学校行事への参加可否 など

取り決めは子の利益を最優先に考え、できる限り具体的に行うことが重要です。

特に宿泊の可否については子供の年齢や状況を鑑み、慎重に判断しましょう。

ケース別の取り決めの例については以下の記事を参考にしてください。

参考≫≫
離婚後の面会交流ルールのすべて|ケース別の具体例と法的ポイント

正当な理由なく親子交流(面会交流)を拒否してはいけない

正当な理由なく親子交流(面会交流)を拒否してはいけない

親子交流(面会交流)は子供の福祉のために認められた、子供のための権利です。

「会わせたくない」
「離婚協議で揉めている」
「生活費を払ってくれなかった」

これは夫婦間の問題であり、親子交流拒否の正当な理由にはなりません。

正当な理由なく親子交流を拒否し続けると、以下のような不利益を受ける可能性があります。

  • 親子交流調停・審判の申立てをされる恐れがある
  • 離婚訴訟において不利になる可能性がある
  • 不法行為に該当するとして慰謝料を請求される恐れがある

別居中の親子交流(面会交流)が認められにくいケース

前述のとおり、正当な理由なく親子交流を拒むことは不法行為に該当する可能性があります。

一方、以下のように親子交流を実施することが子の利益に反する場合、親子交流が認められない可能性があります。

DVや虐待があった

非監護親から子供や監護親へのDV・虐待が認められる場合、子の安全を守るため親子交流が制限される可能性が高いです。

仮に面会が認められたとしても以下のように内容や頻度が制限させる可能性があります。

  • 家庭裁判所指定の第三者機関立会いのもとで実施する試行的面会交流
  • 面会交流支援機関を活用した直接交流
  • 間接交流(手紙・写真送付など)

ただし、DVや虐待が深刻で、子供や監護親に危害が及ぶ恐れや精神的な負担が大きいと判断された場合は親子交流が認められません。

なお、「DVや虐待があった」と主張するには、警察への被害届や医療機関の診断書、画像、音声などの証拠が必要です。

DVや虐待を立証できる証拠がない場合は裁判で認められない可能性があります。

子供が拒否している

親子交流(面会交流)の目的は子供の福祉を守るためです。そのため、子供自身が親子交流を強く拒否している場合、子供の意思が尊重されます。

特に子供の年齢が10歳以上で、明確に意志表示ができる場合は子供の意思が重視される傾向があります。

一方、監護親が意図的に子供に別居親の悪口を引き込み、拒否感情を植え付けているケースもあります。

このような場合、「子供が拒否しているから」という理由で直ちに親子交流が禁止されるとは限りません。

親子交流が監護親に与える影響が大きい

監護親は別居中に子供と暮らしています。

非監護親から監護親に対してDVがある、父母の関係性が著しく悪化しているという場合、親子交流の実施が監護親に極度の精神的苦痛を与える可能性があります。

監護親への精神的な苦痛が大きい親子交流は、結果的に子供の健全な育成を妨げると考えられるため、制限されることがあります。

別居中の親子交流を拒まれたときの対処法

別居中の親子交流を拒まれたときの対処法

監護親が親子交流を拒否している場合、以下のステップで対応することが一般的です。

別居中の父母による協議

まずは別居中の父母間での協議を試みます。

このとき、口頭だけでなく、内容証明やメール、LINEなど記録が残る形で協議を提案しましょう。

相手を非難するような言葉は避け、子供の利益を最優先に考えていることを伝え、提案することが大切です。

協議の際は以下の点を押さえておくと良いでしょう。

  • 拒否の理由を具体的に確認する
  • 感情的にならず、冷静に話す
  • 折衷案(場所・時間・条件の変更)を提案する

親子交流調停の申立て

協議が整わない場合は、家庭裁判所に親子交流調停を申し立てます。

調停は調停委員を介して話し合う裁判所の手続きです。直接顔を合わせて話し合うわけではないため、冷静な話し合いが進めやすくなります。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

参考≫≫
面会交流調停の流れ|離婚後に子供と離れて暮らす親が知るべきこと

下記の裁判所のウェブサイトもご確認ください。

参考≫≫
裁判所「親子交流調停 (https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_08/index.html)」※1

審判

調停は裁判所を利用しますが、あくまで当事者の合意による手続きです。

そのため、調停で合意に至らなかった場合は審判に移行し、裁判所が職権で親子交流の可否や実施する際の条件を決定します。

取り決めた内容が守られないときの対処法

取り決めた親子交流が守られないときは以下の手続きをとることになります。

履行勧告

履行勧告とは、家庭裁判所が取り決めた内容を守るよう相手方に勧告する制度です。

履行勧告に強制力はありません。しかし、裁判所から連絡が来ることで相手方にプレッシャーを与え、履行を促す効果が期待できます。

費用は無料ですので、まずは試してみましょう。

間接強制

履行勧告に応じない場合、間接強制を申し立てることができます。

間接強制とは、親子交流を拒否するたびに一定額の金銭を支払わせる制度です。子供を強制的に引き渡させる直接強制は原則として認められていません。

なお、接強制を行うためには取り決めの際に具体的な記載をしていることが必要です。

別居中の親子交流(面会交流)でやってはいけないこと

別居中の親子交流(面会交流)でやってはいけないこと

別居中に親子交流を求める側・拒む側、双方が絶対にやってはいけないことがあります。

無断で子供に会いに行く・連れ去る

「会わせてもらえないから」という理由で、相手方の同意なく、無断で子供に会いに行ったり、子供を連れ去ったりすることは絶対にやめてください。

状況によっては、子供に精神的なダメージを与えたり、未成年者略取罪(刑法第224条)や住居侵入罪に問われたりする可能性もあります。

また、離婚手続きに進んだ際に「感情をコントロールできない人物」と判断され、不利になる可能性もあります

SNS・ネット上に書き込む

相手方を誹謗中傷する内容をSNSに投稿するなどの行為は、名誉毀損やプライバシー侵害などの法的リスクを招く恐れがあります。

また、書き込んだ内容を子供が目にすることで、精神的な負担を負わせてしまう恐れがあります。

子供に監護親のネガティブな情報を押し付ける

「お父さん(お母さん)は悪い人だ」「会うと危ない」など、監護親の悪口を子供に吹き込む行為は、子供の精神状態に悪影響を与える恐れがあります。

離婚に至った際も、裁判でも「親権者として不適格である」と判断される恐れがあります。

別居中の親子交流を拒まれたら弁護士に相談

「話し合いをしたいが、どう進めればよいかわからない」
「調停を申し立てたいが手続きがわからない」
「調停や審判で不利にならないか心配」

こうした不安をお持ちの方は、早めに弁護士にご相談ください。弁護士に依頼することで、以下のようなサポートを受けることができます。

  • 相手方との交渉の窓口になってもらえる
  • 法的根拠に基づいた主張をしてもらえる
  • 調停や審判、慰謝料請求にも対応してもらえる
  • 離婚の際に不利にならないよう長期的な視点で解決策を示してもらえる

面会交流を拒否する相手との交渉は精神的な負担が大きいものです。弁護士に依頼すれば、相手方との交渉を全て任せることができます。

また、調停や審判に進んだ場合、慰謝料請求に至った場合の対応もすべて任せることができるため、安心です。

別居のすえに離婚するとなれば、養育費や財産分与など様々なことを取り決める必要があります。

弁護士なら将来的に離婚することも踏まえ、不利益を被らないよう対応してもらえます。

まとめ

本記事のポイントは以下のとおりです。

  • 別居中でも親子交流(面会交流)は認められる
  • 正当な理由なく親子交流(面会交流)を拒否するのは違法
  • DVや虐待、子供の強い拒否などがある場合は制限・禁止されることもある
  • 子供に無断で会う、悪口を吹き込む、ネットやSNSへの書き込みなどはNG
  • 親子交流を拒否されたら話し合い・調停・審判
  • 取り決めを守ってもらえない場合は履行勧告・間接強制

親子交流の問題は、お子様の将来にも深く関わる重要な問題です。

感情的になりやすい局面ではありますが、弁護士に依頼することで、お子様にとって最善の環境を実現しやすくなります。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」では、親子交流・離婚問題を得意とする弁護士を多数掲載しています。まずはお気軽にご相談ください。

※1 裁判所「親子交流調停

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