離婚の浮気調査で探偵を利用すべき?しないほうがいい?

不貞行為
弁護士監修
離婚の浮気調査で探偵を利用すべき?しないほうがいい?

「夫(妻)の行動が怪しい」「浮気をしているかもしれない」など、パートナーの浮気を疑っても、自分だけで証拠を押さえるのは困難でしょう。

このような場合、探偵に浮気調査を依頼することを検討する方もいるかもしれません。金銭的な問題もありますので、できることなら適切なタイミングで依頼したいものです。

また、依頼するとしても、どうやって探偵を探せば良いのかわからないこともあるでしょう。

この記事では、離婚の浮気調査で探偵を利用するとメリットが大きいケースや探偵業者の選び方、費用を抑える方法について解説します。

目次
  1. 探偵に浮気調査を依頼するとメリットが大きいケース
    1. 離婚される理由が分からない
    2. 慰謝料を多くとりたい
    3. 浮気の証拠が集まらない
  2. 探偵に浮気調査を依頼するデメリット
    1. 証拠を押さえるための費用が掛かる
    2. 探偵が悪徳業者でまともな報告がない・水増し請求されることがある
    3. 探偵経験が浅くて対象者にバレる・証拠が出ないケースがある
  3. 探偵業者の選び方
    1. 広告やキャッチコピーが真実であるか?
    2. 探偵事務所の所在地
    3. 探偵業届出証明書の有無
    4. 行政処分の有無
  4. 探偵業者の料金相場
    1. 料金体系
    2. 浮気調査の費用相場
  5. まとめ

探偵に浮気調査を依頼するとメリットが大きいケース

探偵に浮気調査を依頼するとメリットが大きいケースには以下のようなものがあります。

離婚される理由が分からない

離婚を切り出されたものの、思い当たる理由がわからないという場合、相手方が浮気をしている可能性があります。

浮気をしている側からの離婚請求は認められないというのが原則です。そのため、浮気をしているのが事実であれば、離婚請求を拒否することができます。

納得できないまま、離婚を受け入れてしまえば後悔する恐れがあります。思い当たる理由がない場合は探偵に依頼し、しっかりと調査をしましょう。

仮に浮気をしていなかったとしても、どのような理由があって離婚を切り出したのか考えるきっかけになるため、対処をしやすくなります。

慰謝料を多くとりたい

配偶者が浮気をしていて、配偶者や浮気相手から慰謝料をしっかり受け取りたいなら不貞行為があったことを立証する必要があります。不貞行為があったことを立証する証拠として、以下のようなものがあります。

  • 配偶者と浮気相手が2人でホテルに出入りしている写真や動画
  • 配偶者と浮気相手の性行為中の写真や動画

これらの証拠を集めるためには、尾行したり、相手の家をつきとめたりする必要があります。しかし、そのような時間はなかなか取れないですし、顔が知られているため、尾行しているのがバレたり、不審者扱いされる恐れもあります。

探偵なら相手方に顔を知られていないため、尾行などを行っても気づかれにくく、効果的な証拠収集ができます。

浮気の証拠が集まらない

浮気をしていることは確実なのに証拠が集まらない・・・ このような場合、相手方が浮気を認めなければ、泣き寝入りせざるを得ない可能性があります。

前述のとおり、法的に浮気が認められるためには不貞行為があったことを立証する必要があります。

探偵ならどのような証拠を集めれば法的に有効かを熟知しているため、浮気があったことを立証できる証拠を入手しやすく、自分で証拠収集するより浮気の証拠を集めやすいと言えます。

探偵に浮気調査を依頼するデメリット

探偵に浮気調査を依頼するデメリット

探偵に浮気調査を依頼すると以下のようなデメリットがあります。

証拠を押さえるための費用が掛かる

探偵に浮気調査を依頼すると費用がかかります。特に、配偶者と浮気相手がいつ・どこで会うのかわからない場合、浮気調査が長期におよぶ可能性があります。

また、浮気調査の期間中に動きがない場合、費用倒れになるリスクもあります。

探偵が悪徳業者でまともな報告がない・水増し請求されることがある

探偵事務所のなかには悪徳な業者も存在します。

前述のとおり、浮気調査の期間中に動きがなければ結果が得られず費用だけがかかってしまいます。なかには、浮気調査を実施していないにも関わらず、調査を行ったことにして、費用だけを搾取する業者も存在します。

また、調査員の数を水増し請求したり、画像が不鮮明で証拠として使えない報告書を提出したりするケースもあるようです。

探偵経験が浅くて対象者にバレる・証拠が出ないケースがある

探偵業者のなかには、経験が浅いため、調査中に対象者に感づかれ、警戒されて証拠を獲得できないこともあります。

浮気調査を依頼する人のなかには、離婚や慰謝料請求だけでなく、再構築や復縁の材料として依頼することもあります。

浮気調査をしていることが相手方にバレれば、再構築や復縁どころか、溝が深まるだけです。

探偵業者の選び方

探偵業者の選び方

探偵業者のデメリットでも説明しましたが、探偵業者によっては悪徳な業者や経験が浅いといったケースがあります。

ほとんどの探偵業者では事前に無料相談を行っており、見積りをもらってから浮気調査を依頼するかどうかを決める流れとなります。事前相談に行く前に以下のポイントを確認しておきましょう。

探偵業者のチェックリスト
広告やキャッチコピーが真実であるか
探偵事務所の所在地
探偵業届出証明書は貼ってあるか
行政処分を受けていないか

広告やキャッチコピーが真実であるか?

探偵業者を選ぶ際、広告やチラシを見て選ぶこともあるでしょう。このとき、誇大広告の業者には注意しましょう。具体的には「調査成功率100%」「絶対に成功させます」など「絶対」「100%」などの表記です。

前述のとおり、浮気調査に絶対はありません。それは経験豊富な探偵であっても同じです。

どうしても気になる場合は「なぜ100%と言えるのか」という理由や根拠を調べたり、相談時に尋ねたりするようにしましょう。

探偵事務所の所在地

探偵事務所の所在地も重要です。探偵に浮気調査を依頼する場合、交通費や宿泊費などの費用が調査費用に加算されることがあります。

遠方の事務所でも相談を受け付けてくれることがほとんどですが、実際に依頼したあとのことを考え、自宅から近いところや通勤途中などにアクセスしやすいところを選ぶことが大切です。

探偵業届出証明書の有無

探偵事務所に相談する際は「探偵業届出証明書」は交付されているかもチェックしましょう。

探偵業を営む場合、営業開始日の前日までに営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に営業の届出をする必要があります。届出を行うと探偵業届出証明書が交付されます。

探偵業を営む際は必ず営業所の見やすい場所に提示しなければなりません。探偵業届出証明書の提示がない場合、無許可営業の業者ということになります。

また、ホームぺージがあれば探偵業届出証明書番号が公開されています。事務所に掲示されている番号とホームぺージに記載されている番号が一致するか確認しましょう。

行政処分の有無

探偵業者が探偵業法に違反していた場合、公安委員会から営業停止命令や営業廃止命令といった行政処分を受けることがあります。

行政処分を受けているかどうかについては、各都道府県警察または各都道府県公安委員会のホームぺージで調べることができます。

例えば、神奈川県では下記のように公表されています。

参考:神奈川県警察「探偵業の業務の適正化に関する法律に基づく行政処分の公表について(https://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesd0093.htm)」※1

探偵業者の料金相場

探偵業者の料金相場

探偵業者の料金相場どうなっているのでしょうか。

料金体系

探偵業者の料金体系は大きく分けて以下の3つとなります。

  • 時間料金型
  • パック料金型
  • 成功報酬型

それぞれの料金体系を比較すると下記のとおりになります。

  メリット デメリット
時間料金型 費用が明瞭である 調査が長引くと高額になる
パック料金型 費用を安く抑えられる場合がある すぐに調査が終わる場合は
割高になる
成功報酬型 成果に応じて料金を支払える 何を「成功」とするかで
トラブルに発展することもある

時間料金型

3つの料金体系のなかで最も明瞭であるのが時間料金型です。 時間料金型の費用の内訳は以下のとおりです。

  • 基本料金
  • 調査料金
  • 諸費用
  • 手数料

探偵の稼働時間が長ければ調査料金が嵩みますし、車両で移動した場合も諸費用などが嵩みます。一方、浮気現場の場所や時間が特定できているなどの理由で調査期間が短くなれば費用を抑えることにもつながります。

パック料金型

パック料金型とはその名の通り、すべての費用がセットになり、一律料金となっている料金体系です。

基本的には前述の時間料金型より割安になっていることが多く、特に調査期間が長くなると費用を抑えられる可能性があります。

成功報酬型

成功報酬型とは、依頼時に着手金を払ったあとは、成果があった場合にのみ報酬金を支払う料金体系です。成果が得られなければ報酬金の支払いはないため、合理的な料金体系とも言えます。

ただし、成功報酬型は3つの料金体系のなかでトラブルが起きやすいとも言われています。例えば、浮気相手に慰謝料請求するのであれば、以下の情報が必要になります。

  • 不貞行為があったこと
  • 浮気相手の氏名や住所

この場合、不貞行為があったことに加え、浮気相手の氏名や住所まで把握することを成功と考えるのが自然ですが、探偵によっては「不貞行為があったこと」を押さえられれば成功だと認識しているケースもあります。

「何を成功とするか」が依頼者と探偵とで異なる場合、納得のいかない結果が得られてしまいます。成功報酬型と利用する場合は、「何を成功とするか」をしっかりとすり合わせておきましょう。

浮気調査の費用相場

浮気調査の費用相場は10~100万円です。

前述のとおり、浮気調査の費用は探偵の稼働時間や諸経費によって大きく変わります。

浮気調査の費用を抑えるためには、相手方が浮気をするときの行動パターンや場所、曜日などを把握し、探偵の稼働時間を減らすことが重要です。

浮気調査を探偵に依頼する際は、相手方の行動パターンを記録しておく、レシートや領収書で浮気の場所や日時を特定しておき、狙いをつけておくと良いでしょう。

また、相手方の行動パターンの記録やレシート、領収書で浮気の証拠を集めることは、探偵への依頼時だけでなく、実際の不貞行為の証拠の1つとして有効となる場合があります。

まとめ

浮気調査を探偵に依頼する際は、ここで紹介したポイントを参考にしながら、複数の探偵事務所に相談してみると良いでしょう。

また、探偵に浮気調査を依頼する前に相手方の行動パターンなどを記録しておくと費用を抑えやすくなります。離婚問題に注力している弁護士なら、弁護士から探偵を紹介してもらえることもあります。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚や慰謝料請求に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。

※1 神奈川県警察「探偵業の業務の適正化に関する法律に基づく行政処分の公表について

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