モラハラと夫婦喧嘩の違いとは?見分ける4つの基準と抜け出す方法
最近はモラハラという言葉も浸透してきました。一方、「これはモラハラなのか、夫婦喧嘩なのかわからない」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
どれだけ夫婦関係が円満あっても、喧嘩することはあります。
しかし、なかには、モラハラ被害に遭っている自覚がなく、「ただの夫婦喧嘩」だと思い込んでいるケースも少なくありません。
この記事では、モラハラと夫婦喧嘩は何が違うのか、モラルハラスメントを疑ったときの対処法について解説します。
- 目次
モラハラとは
モラルハラスメント(モラハラ)とは、言葉や態度、身振りなどによって、相手の人格や尊厳を傷つけ、相手を思い通りに支配しようとする精神的な暴力を指します。
殴る・蹴るといった身体的暴力(DV)とは異なり、モラハラには外傷がないため、周囲に気づかれにくいという特徴があります。
また、被害者自身も「自分が至らないせいだ」「自分が悪い」と思い込まされ、我慢をしてしまう傾向があります。
モラハラと夫婦喧嘩の違い
夫婦喧嘩とモラハラの決定的な違いは、「2人の間に健全なコミュニケーションと修復の意思があるか」にあります。具体的に見るポイントは次の4つです。
- 夫婦関係が対等であるかどうか
- 怒り・嫌がらせの度合いが過大でないか
- トラブルの原因が事実に基づくものかどうか
- 相手に対して恐怖心を抱いているかどうか
それぞれについて下記で解説します。
夫婦関係が対等であるかどうか
夫婦喧嘩は、対等な立場での意見のぶつかり合いです。
夫婦喧嘩をしている最中はいずれも「自分の主張が正しい」と思っていることでしょう。
しかし、時間が経てば、「自分にも落ち度があった」「ムキになってしまった」などと反省することもあるでしょう。
夫婦喧嘩は立場が対等なため、たとえ一方が言い過ぎたとしても、「言い過ぎたかも」「自分にも非があった」と思い直したり、後で謝罪や譲歩したりすることが可能なものです。
夫婦喧嘩は、「主張をぶつけ合うことで意見のすり合わせしている」ともいえるでしょう。
一方でモラハラは、加害者が被害者を支配しようとするものです。
モラハラ加害者が常に正義であり、被害者は常に悪であるという、絶対的な上下関係が夫婦の間で続いています。
対等な関係で相手を理解しようとするのではなく、上下関係が存在する場合はモラハラの可能性が極めて高いといえます。
怒り・嫌がらせの度合いが過大でないか

夫婦喧嘩は、喧嘩のきっかけや原因の重大さと怒りの大きさが比例する傾向があります。
事の重大さに応じて感情が大きくなるというのは自然なことでしょう。
例えば、一方が限られた生活費のなかでやりくりしているとき、他方が無駄遣いをすれば、「なぜそのようなものに使ったのか」と怒りが込み上げてくるでしょう。
しかし、他方が無駄遣いしたと思っていなければ、言い返すことになるでしょう。これは、いわば価値観のすり合わせともいえます。
しかし、モラハラの場合は、問題の大きさは関係がありません。
「食器の置き方が違う」「返信が数分遅れた」などの些細なミスであっても、自分の価値観に合わなければ怒りが爆発します。
なかには、数時間の説教や数日間の無視、罵倒、人格を否定するなど、明らかに問題の大きさと釣り合っていない攻撃が行われることも少なくありません。
トラブルの原因が事実に基づくものかどうか
夫婦喧嘩には「ゴミ出しを忘れた」「無駄遣いをした」といった具体的な事実や原因があります。
一方、モラハラの場合、原因は加害者の気分や価値観によるものがほとんどです。
昨日まで許されていたことが今日は怒りの対象になるなど、一方の理不尽なルールを押し付けられることがあります。
モラハラ加害者にとって、自分の考えや価値観が正義です。それに従わない人は間違っていると考える傾向があります。
つまり、「何をしたか」より、加害者が「どう感じたか」という感想や価値観によって感情が揺れ動き、怒りが大きくなります。
また、モラハラ加害者は自分の価値観に合わないことを許せず、感情を抑えることが困難な傾向があります。
そのため、相手が自分の思い通りにしないと耐えられず、感情を爆発させてしまいます。
なかには事実を曲解したり、無関係な過去の話を引っ張り出したりして「お前はいつもこうだ」と論理をすり替えたりするケースもあります。
何がきっかけで怒りが勃発するかわからないため、他方は振り回されてしまい、疲弊してしまいます。
相手に対して恐怖心を抱いているかどうか
相手に対して恐怖心を抱いていたり、体調を崩していたりすることもモラハラの特徴です。
夫婦喧嘩であれば、「腹が立つ」「悲しい」といった感情が支配的になります。
しかし、モラハラの場合は「いつ怒り出すかわからず、びくびくしている」「いつも顔色を伺っている」「動悸がする」といった恐怖心が勝ります。
終始恐怖心を抱いていると、精神的に疲弊してしまい、体調を崩すこともあります。例えば、以下のようなケースがあります。
- 配偶者からの電話や帰宅する音にビクッとする
- 配偶者からの連絡が来ると全身の血の気が引き、身体が冷える
- 「どうせ怒られるから」といって発言や行動を諦めてしまう
- 配偶者からのLINEや着信を見ただけで何もする気が起きなくなる など
このような状態は健全とはいえません。
モラルハラスメントを疑った場合の対処法

モラハラを疑ったら以下の手順で自分を守るための行動を始めましょう。
- モラハラ行為に反応しない
- モラハラの証拠を集める
- 別居する
- 離婚する
それぞれについて下記で解説します。
モラハラ行為に反応しない
モラハラ加害者は、相手が困惑したり、泣いて謝ったりする反応を見て「支配できた」という優越感を抱きます。
モラハラは相手の感情の問題です。 自分に非がないのに謝罪したり、必死に反論したりするのではなく、冷静に受け流すことが大切です。
このとき、何も返さないでいると「無視するのか」と相手が逆上することがあります。
大事なのは無視ではなく、「話は受け取ったけど、受け流す」ことです。
例えば、何か言われたら「ありがとう。参考にするわ」などと返すに留めると良いでしょう。
それでも相手が変わらないようであれば、並行して以下の準備を進めてください。
モラハラの証拠を集める
相手が変わらないようであれば、今後に備え、モラハラの証拠を集めます。具体的には以下のような証拠を集めます。
- モラハラ行為を録音した音声や録画
- モラハラ被害を記録したメモや日記
- 精神科や心療内科への通院履歴や診断書
- モラハラを示す内容のメールやSNS
- 親族や友人など第三者の証言
- 警察や公的機関でのモラハラに関する相談履歴 など
別居する
モラハラ被害を受け続けていると冷静な判断力が奪われてしまいます。このような場合、別居して加害者と物理的に距離を置くことも有効です。
ただし、別居はお金や住居、子供のことなど、心配なこともあるでしょう。
また、別居の仕方によっては、離婚に至った際に「離婚原因を作った」とみなされ、不利になるケースもあります。
別居を考えたら、不利益を回避しながら別居する方法や別居中の生活費(婚姻費用)、子供のことなどを弁護士に相談のうえ、行動しましょう。
離婚する
モラハラ加害者が自身の非を認め、言動を改善することは期待できないケースがほとんどです。
結婚生活を続けるのが困難だと思ったら、離婚も選択肢のひとつです。
しかし、いざ離婚となると、モラハラ加害者は逆上して固執したり、無理やり追い出そうとしたりすることもあります。
モラハラ加害者とは直接交渉するのではなく、弁護士に依頼し、代理人として交渉してもらうことをおすすめします。
こうすることで、相手と直接顔を合わせず、不利益を回避しながら離婚手続きを進めやすくなります。
まとめ
モラハラと夫婦喧嘩の違いについて解説しました。
相手に対して恐怖を感じ、対等な立場で話し合いができないのであれば、それは立派なモラハラです。
「ただの夫婦喧嘩だ」と自分に言い聞かせ、ひとりで抱え込み、我慢を続けることは健全な状態とはいえません。
このままの状態を続ければ、心身を傷つけ、疲弊してしまう恐れがあります。
まずは専門家に相談し、自分らしい生活を取り戻す一歩を踏み出しましょう。
モラハラ加害者との別居や離婚を考えたら、ひとりで対応しようとせず、弁護士にご相談ください。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」はモラハラや離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役に立てください。
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