モラハラ妻の特徴と原因 対処法と妻からのモラハラを理由に離婚する方法

DV・モラハラ
弁護士監修
モラハラ妻の特徴と原因 対処法と妻からのモラハラを理由に離婚する方法

モラハラといえば、夫から妻へ行われるものと思われがちですが、妻から夫へのモラハラも少なくありません。

そもそもモラハラはDVと違って被害が見えにくいため、周りから気付かれにくく、被害者でさえモラハラを受けていることに気付かないこともあります。

また、モラハラを受け続けると疲弊してしまい、精神を病んでしまう可能性もあります。

この記事ではモラハラ妻の特徴や言動、モラハラ妻への対処法について解説します。モラハラ妻との関係を改善したい、モラハラ妻と離婚したいとお考えの方は最後までお読みください。

目次
  1. モラハラ妻の特徴と言動
  2. モラハラ妻となってしまう原因
    1. 元々人をランク付けして判断する性格
    2. 自己肯定感が低い
    3. 不満が溜まっている
    4. 子供の頃にモラハラ行為を受けていた
    5. 産後鬱の可能性も
  3. モラハラ被害に遭いやすい夫の特徴
  4. 妻のモラハラが家庭に及ぼす影響
    1. モラハラ被害によって心身を病んでしまう恐れがある
    2. 子供に精神的負担を与える
    3. 子供が将来モラハラの加害者または被害者となる恐れがある
  5. モラハラ妻への7つの対処法
    1. 「それ、モラハラだよ」と伝える
    2. あえて妻の言う通りにしない
    3. 「他人の話」としてモラハラの話をして気付かせる
    4. 妻のストレスを解消させる
    5. 妻自身に決断させる
    6. ストレスを解消しながらやり過ごす
    7. 専門家に相談する
    8. 別居して距離をとる
  6. モラハラ妻と離婚する方法
    1. モラハラの証拠を集める
    2. 別居する
    3. 慰謝料を請求する
    4. 離婚調停
    5. 離婚裁判
  7. モラハラ妻と離婚する際の注意点
    1. モラハラを理由にした離婚は認められにくい
    2. 婚姻費用を請求される可能性がある
    3. 子供を置いて別居すると親権獲得の際に不利になる可能性がある
    4. モラハラ妻から離婚を切り出された場合
  8. まとめ

モラハラ妻の特徴と言動

モラハラ妻の特徴と言動には以下のようなものがあります。

  • 理由もないのに睨みつける
  • 話しかけても無視をする
  • 何を言っても否定する
  • 反論すると「言い訳」「口答え」と言う 「男のくせに」と侮辱する
  • 夫の小遣いを極端に制限する
  • 自分の非を認めない
  • 自分が有利になるように周りに嘘をつく
  • 家事や育児がろくにできないと非難する
  • 「これくらい常識」と常識を盾に攻撃してくる
  • あなたの悪口を子供に吹き込む
  • あなたの目の前であなたの友達や親族の悪口を言う

モラハラ妻となってしまう原因

モラハラ妻となってしまう原因

モラハラ妻になる原因として以下のようなものがあります。

元々人をランク付けして判断する性格

モラハラ妻になる原因の1つに、妻が「元々人をランク付けして判断する性格である」ということがあります。

職業や収入、性格など、さまざまな要素で人をランク付けし、自分よりランクが下だと思う人に対して支配しようとする性格であることがあります。

自己肯定感が低い

意外なようですが、自己肯定感が低い人もモラハラ妻になる可能性があります。

自己肯定感が低いため、他人を見下したり、けなしたりすることで相対的に自分の立場を高め、精神的な安定を図ろうとするのです。

不満が溜まっている

不満が溜まっているというのもモラハラの原因です。

家事や育児や仕事上のストレス、親戚付き合いなどでストレスが溜まり、夫に八つ当たりしてしまうことがあるようです。

子供の頃にモラハラ行為を受けていた

過去にモラハラ行為を受けていた人がモラハラ加害者になるケースもあります。

幼少期に親から暴言を吐かれたり、モラハラ行為を受けていたことで自己肯定感が低くなったり、自分が親からされていたように相手を支配しようとしてしまうことがあるようです。

産後鬱の可能性も

ホルモンバランスの乱れや育児疲れ、睡眠不足によるストレスがモラハラ行為の原因になることがあります。

特に、出産直後はホルモンバランスが乱れやすく、育児への不安やストレスなどで精神的に不安定になりやすくなります。

今までは普通だったのに、出産してからモラハラ行為が始まったという場合は一過性のものと捉え、気持ちに余裕を持つことも大切です。

モラハラ被害に遭いやすい夫の特徴

モラハラ妻のモラハラ行為は夫婦間で起きるものです。あなたがモラハラ被害に遭いやすい特徴を持っていると、モラハラ被害に遭うリスクが高くなります。

  • まじめで気が優しい
  • 妻の期待に応えようと努力する
  • 争いを好まないため、嫌なことがあっても我慢する
  • 自己評価が低く、夫婦関係がうまくいかないのは自分のせいだと思っている など

妻のモラハラが家庭に及ぼす影響

妻のモラハラ行為を放置すると、家族に悪影響を及ぼす恐れがあります。

モラハラ被害によって心身を病んでしまう恐れがある

前述のとおり、モラハラ被害に遭いやすい夫は「自分さえ我慢すればいい」「うまくいかないのは自分のせい」と考える傾向があります。

しかし、我慢を続けるとストレスが溜まり、食欲不振や不眠、精神病など心身を病んでしまう恐れがあります。

モラハラは被害者が我慢すれば収まるものではありません。理不尽な対応には適正に対処する必要があるのです。

子供に精神的負担を与える

両親のDVやモラハラを見ることは子供にとって精神的負担になります。

理不尽な理由で人格否定や罵倒される姿を見ることで「何をやっても怒られる」「お母さんを怒らせるとまたお父さんが怒られる」と考え、自分の本心を言わないようになったり、母親の機嫌を損なわないように怯えながら生活したりするようになります。

その結果、自己肯定感が低くなるなど、子供の人格形成における不安材料になります。

一方、母親から父親の悪口を吹き込まれることで、「お父さんはダメな人」と認識し、父親を馬鹿にしたり、見下したりするようになることもあります。その結果、親子関係に歪が生じることもあります。

子供が将来モラハラの加害者または被害者となる恐れがある

子供は親の背中を見て育ちます。両親のモラハラを見て育つと、「夫婦はどちらか一方が支配するもの」「相手を罵倒するのは普通」という価値観を持つ恐れがあります。

その結果、将来子供が結婚したときに、配偶者にモラハラをする恐れがあります。

また、男の子の場合、母親の言いなりになる父親の姿を見て育つことで、「妻には逆らってはいけない」「罵倒されるのは当然」と考えるようになり、自分がモラハラ行為を受けても拒否したりせず我慢を続けてしまい、心身を病んでしまう恐れがあります。

モラハラ妻への7つの対処法

モラハラ妻への7つの対処法

モラハラ妻に対する対処法を7つご紹介します。

「それ、モラハラだよ」と伝える

自分がモラハラをしていることに妻が気付いていない可能性もあります。まずははっきりと「それ、モラハラだよ」と指摘しましょう。

それでも「これがモラハラというなら間違いを指摘できない」「間違っていることを間違っていると言って何が悪い」などと言ってくるかもしれません。

また、「ハラスメントだなんて大袈裟」と一蹴するかもしれません。

このような場合は、モラハラで離婚や慰謝料が認められた事例を引き合いに出し、「君がやっていることはこれと同じだよ」と伝えてみましょう。

モラハラ妻は正義感が強すぎるあまりにモラハラ行為をしてしまうこともあります。

自分がモラハラ妻であることを知れば、「恥ずかしいことをしてしまった」と反省することもあります。

また、モラハラ妻は外面が良いため、自分が常識から外れることを恐れています。

「自分がモラハラをしているかもしれない」と気付けば「改善しよう」と考える可能性もあるでしょう。

あえて妻の言う通りにしない

モラハラ行為の目的は相手を精神的に支配することです。モラハラに従い続ければ、「この人にはこう言えばコントロールできる」と思うだけです。

そのため、あえて妻の言う通りにせず、要求されても言うことを聞かないなど、「支配できない」と思わせることが大切です。

「言われるうちが花」などと言いますが、逆手に取れば「聞く耳を持たなければ相手も諦めて何も言わなくなる」ということです。

最初は衝突するかもしれませんが、「この人には何を言っても響かない」とモラハラ妻に思わせることができれば、モラハラ行為は自然となくなっていくでしょう。

「他人の話」としてモラハラの話をして気付かせる

他人の話としてモラハラ行為を伝えることも有効です。「友達の話だけど…」と友達夫婦がモラハラを理由に離婚したという話をするのです。

前述のとおり、モラハラ妻は正義感が強く、外面が良いため、自分がモラハラ妻かもしれないと気付けばモラハラ行為をやめてくれるかもしれません。

妻のストレスを解消させる

モラハラ行為の原因として、妻が日常生活にストレスを抱えていたり、不満が溜まっていたりするケースがあります。

この場合、家事や育児を分担する、愚痴を聞く、二人でどこかに出かけるなど、適度にガス抜きをすることで解消される可能性があります。

妻自身に決断させる

モラハラ妻が自分を正当化して夫に責任転嫁するのは「責任を負いたくないから」という理由があります。

妻から何かを相談されたら「自分で決めたら?」と言ってみましょう。

もし、こちらに決めさせようとしてきたら「俺が決めても良いけど、あとで文句言わないでね」と釘を刺しておくことも大切です。

こうしておくと、ある程度はモラハラ行為の抑止力となるでしょう。

ストレスを解消しながらやり過ごす

妻がモラハラを自覚せず、状況を改善する気がないようであれば、あなたもモラハラ妻の相手をする必要はありません。妻の言動を気にするのはやめ、受け流すようにするのも一つの手段です。

しかし、我慢を続けると精神を病んでしまう恐れがあります。また、妻と過ごす時間が多ければ多いほど受け流すのにも限界があります。

以下のように適度に妻と距離を取り、ストレスを発散しながらやり過ごすことが重要です。

  • 定期的に友達と食事に行く
  • ジムや外で身体を動かす
  • 妻とは別の趣味を楽しむ など

専門家に相談する

身体的な暴力と違い、モラハラは外から見えません。また、周りに相談しても「そのくらい大したことはない」「女なんてそういうものだ」などと言われることもあります。

このような場合は、弁護士や配偶者暴力相談支援センターなどに相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

また、妻のモラハラ行為で洗脳され、うつ病や精神疾患になるケースもあります。

「眠れない」「気持ちがすぐれない」「何もやる気がしない」など異変を感じたら精神科や心療内科などを受診してみることをおすすめします。

参考:男女共同参画局「配偶者暴力相談支援センター(https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html)」※1

別居して距離をとる

前述のとおり、モラハラ行為を受け続けると洗脳されたり、精神的に疲弊したりすることがあります。

何をやってもモラハラ行為が解消されない場合は自分を守るために別居することも視野に入れると良いでしょう。

モラハラ妻と離れ、1人の時間が確保されればストレスが軽減されますし、今後どうしていきたいのか冷静に考えることができます。

モラハラ妻と離婚する方法

モラハラ妻と離婚する方法

さまざまな策を講じたものの妻がモラハラ行為をやめず、結婚生活を続けられないと思ったら離婚に向けて動くことになります。

モラハラ妻と離婚する方法について解説します。

モラハラの証拠を集める

モラハラは身体への暴力と違い、被害を立証するのが難しい傾向があります。そのため、いかに法的に有効な証拠を集めるかが重要になります。

モラハラ行為があったことを立証する証拠としては以下のようなものがあります。

  • 暴言を吐いているときの音声や動画
  • メールやLINEでのやりとり
  • モラハラで精神疾患になった場合は医師の診断書
  • モラハラがあったことについて詳細に記録した日記やメモ など

なお、証拠を集める際、モラハラ妻に気付かれてしまうと逆上する可能性もあります。証拠収集の際は十分に注意しましょう。

別居する

モラハラ妻への対処法として別居して距離を取ることを説明しました。

一方、別居することは裁判に進んだ際の離婚理由になり得ます。

離婚裁判では民法で定める法定離婚事由がなければ離婚が認められません。別居期間が長くなると法定離婚事由の「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が認められる可能性があります。

別居すると婚姻費用の支払いや生活費が嵩む恐れがありますが、それがクリアできる場合は別居も選択肢の一つと言えます。

なお、どのくらい別居すれば離婚が認められるかについては、個々の状況によって異なります。詳しくは弁護士にご相談ください。

慰謝料を請求する

慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償金です。医師の診断書など、モラハラを受けて被った精神的苦痛を立証できるものを揃え、モラハラの慰謝料を請求しましょう。

なお、モラハラの慰謝料相場は数十万円〜300万円程度です。慰謝料は離婚と併せて調停で請求することになります。

調停の流れについては次項で解説します。

離婚調停

一般的に、離婚は夫婦の話し合いから始め、協議離婚の成立を図ります。

しかし、モラハラ加害者は自分がモラハラをしているという自覚がなく、協議離婚が困難なケースがほとんどです。

そのため、モラハラを理由に離婚する場合は調停から始めるほうが無難と言えます。

なお、離婚調停は調停委員を介して話し合いを行う離婚の手続きです。

離婚調停では夫婦が直接顔を合わせることはありませんが、あくまで話し合いにより合意を図る手続きですので、モラハラが理由の場合、調停であっても離婚が成立しない可能性もあります。

離婚裁判

調停で離婚が成立しない場合は裁判へと進みます。裁判で離婚を認めてもらうためには、民法で定める以下の離婚事由が必要です。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上生死不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

モラハラで離婚を認めてもらうためには、妻のモラハラ行為によって夫婦関係が破綻していることを立証する必要があります。

なお、離婚裁判の裁判期日は月に一回程度です。そのため、離婚裁判に進むと長期化する傾向があります。

また、裁判が進んでいくと、裁判所から和解勧告がなされることがあります。

和解を受け入れるかどうかについては弁護士に相談して決めることをおすすめします。

モラハラ妻と離婚する際の注意点

モラハラ妻と離婚する際は以下の点に注意しましょう。

モラハラを理由にした離婚は認められにくい

身体的な暴力と違ってモラハラは被害が見えにくく、ただの夫婦喧嘩と受け取られる可能性があります。そのため、モラハラを理由とした離婚は認められにくい傾向があります。

モラハラを理由に離婚する際はモラハラ行為を立証できる証拠を集めることが非常に重要になります。

婚姻費用を請求される可能性がある

婚姻中、夫婦は生活費(婚姻費用)を分担しなければなりません。婚姻費用は別居中であっても支払わなければなりません。

離婚前に別居する際、妻の収入が夫より低ければ妻から婚姻費用を請求される可能性があります。

子供を置いて別居すると親権獲得の際に不利になる可能性がある

子供がいる夫婦が離婚する場合、夫婦のどちらか一方を親権者として指定しなければなりません。

親権者は監護の継続性など、さまざまな要素で判断されます。別居前の監護状況にもよりますが、子供を置いて別居すると親権獲得において不利になる可能性があります。

また、子供をモラハラ妻の元に置いて出て行くことで「パパはひどい人なのよ」「私たちを捨てたのよ」などと言い、子供を洗脳する恐れもあります。

親権を獲得したいと考えている場合は早い段階で弁護士に相談し、アドバイスを受けながら行動することが大切です。

モラハラ妻から離婚を切り出された場合

あなたがモラハラに苦しんでいるのと同様、モラハラ行為を止められない自分や夫婦関係にモラハラ妻が悩んでいるケースもあります。

状況によって、モラハラ妻のほうから離婚を切り出される可能性もあります。

あなたが離婚したいと思っていたのであれば飛びつきたくなるかもしれません。しかし、切り出された話に飛びつく前にまず一呼吸して落ち着きましょう。

前述のとおり、婚姻中はどちらか一方が婚姻費用を払い続けなければなりません。そのため、あなたの収入のほうが多い場合は離婚に応じる選択肢も一つです。

しかし、モラハラ妻は自分が有利になるようにあなたを言いくるめようとする可能性もあります。そのため、あなたにとって不利な条件を提示してくる恐れがあります。

たとえば、以下のようなケースがあります。

  • 謂れもない理由で慰謝料を請求してくる
  • 相場より高額な養育費や財産分与を請求してくる

不利な条件で離婚してしまう前に、まずは弁護士にご相談ください。

まとめ

モラハラ妻の特徴や対処法について解説しました。

モラハラは周りに相談してもなかなか理解してもらえず、気付かないうちに精神を蝕まれる可能性があります。

モラハラ妻と離婚する際は早い段階で弁護士に相談することが重要です。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」はモラハラなどさまざまな離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。

※1 参考:男女共同参画局「配偶者暴力相談支援センター

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