マリッジブルーで婚約破棄!慰謝料はどうなる?原因と乗り越え方を解説
結婚は人生の一大イベントです。苗字や住所が変わるだけでなく、仕事や人間関係まで変わることがあります。
結婚直後や結婚を控えた人は幸せいっぱいだと思われがちですが、マリッジブルーに陥り婚約破棄まで考える人もいます。
この記事では、マリッジブルーの原因や乗り越え方について詳しく解説します。
- 目次
マリッジブルーとは
マリッジブルーは結婚前後の男女に現れる症状の一つです。
結婚はおめでたいことではありますが、環境や生活が大きく変わることに対して不安や後悔などの感情も生まれやすくなるのです。
マリッジブルーといえば女性特有の症状と思われがちですが、男性にも現れます。一般的に女性のほうが結婚による変化が大きいため、女性に多い傾向があります。
マリッジブルーの症状
マリッジブルーの症状は精神的なものだけでなく、身体的なものもあります。
- 精神的な症状
- 相手のことを本当に好きかどうかわからなくなる
- このまま結婚して良いのかわからなくなる
- 早まったと感じる
- 独身の友だちとの関係が壊れるのではないかと思う
- 他人との生活が不安になる
- 新しい土地で生活するのが不安になる など
- 身体的な症状
- 食欲不振
- 不眠
- 頭痛
- 倦怠感
- 過食 など
マリッジブルーの実態
結婚情報サイト「ゼクシィ」によると、新婦の約4割がマリッジブルーを経験したと答えています。
参考:ゼクシィ「先輩花嫁の経験談! マリッジブルー、どう解決した?(https://zexy.net/s/contents/lovenews/article.php?d=20190618)」 ※1
一方、ゼクシィが既婚男性を対象として調査した結果、約4割の男性がマリッジブルーになっていたと回答しています。
このように、結婚前後は女性だけでなく、男性もマリッジブルーに陥りやすくなることがわかります。
参考:ゼクシィ「彼女に言えない男のマリッジブルー。4つの原因とアドバイス(https://zexy.net/article/app000000775/)」 ※2
マリッジブルーの原因
結婚前後の男女はなぜマリッジブルーに陥りやすくなるのでしょうか。以下で詳しく見ていきます。
生活が変化することに対する不安
多かれ少なかれ、結婚すると環境や生活が変わります。実家暮らしの場合、家族以外の人と生活するのが初めてということもあるでしょう。
また、一人暮らしが長い場合、自分の生活に他人が入ってくることということに抵抗を感じることもあるでしょう。
環境や生活の変化を受け入れられず、結婚生活に対して不安を感じてしまうのです。
実家を出ることへの不安
住み慣れた家を出て、知らない人ばかりの環境で生活するのは不安になるでしょう。
これまでは自分の家族に囲まれて生活していたけれど、今度は義両親や相手方の親族と付き合っていく機会が増えてきます。
自分の家族との関係が良好であればあるほど、「家族と離れたくない」「寂しい」と思うようです。
結婚相手はこの人で良いのかという不安
「この人で良かったのか」「もっと良い人がいたのではないか」 これらはマリッジブルーの典型的な悩みです。
誰が結婚相手にふさわしいかということに対する答えはありません。延々と悩み続け、ネガティブ思考のループにはまってしまうのです。
結婚式の準備による疲れや結婚式への気持ちのすれ違い
結婚式の準備は、式場とのやり取りや招待状の発送などやらなければならないことがたくさんあります。
結婚式の準備で疲れ果て、体調を崩す人もめずらしくありません。また、同居を始めた時期と結婚式が近い場合、引っ越し準備も重なるため疲労が溜まってしまいます。
疲労が溜まると人はネガティブ思考になる傾向あるため、「結婚なんてしたくない」と思うことがあるようです。
一方、結婚式に対する気持ちのすれ違いもマリッジブルーの原因の一つです。
一般的に、結婚式は女性の思い入れのほうが強いもの。結婚式を盛り上げて行きたいと考える女性に対して、男性は面倒くさそうな態度で接することもあります。
どんどん準備を進めていきたい彼女と積極的になれない彼。すれ違いを感じてしまうのも無理はありません。
結婚で損をすると感じること
結婚は、状況によって退職を余儀なくされたり、働き方を変えなければならないケースもあります。
このとき、せっかく築き上げたキャリアを失うことで「損をした」と感じることがあります。
これは、キャリアウーマンなど、仕事が好きでやりがいを感じている女性に多いようです。
結婚してもしなくても人生に与えられた時間は同じです。結婚すれば彼と過ごす時間が増えるわけですから、何らかの時間を減らす必要があるわけです。
仮に結婚後も仕事を続けていたとしても独身のときとまったく同じ働き方ができるとは限りません。
ネガティブに考えるのではなく、これを機会に彼との生活を有意義にすることを考えましょう。
また、仕事を辞めたからといって、それまで築いたキャリアがすべて無駄になるわけではありません。前向きに考えましょう。
マリッジブルーになりやすい人の特徴
マリッジブルーになりやすい人の特徴として「心配性」があります。一方、楽天的で「なんとかなるさ」と考えられる方はマリッジブルーにはなりにくいでしょう。
また、心配性であるにもかかわらず、「結婚は楽しいに違いない」「結婚すれば幸せになれるはず」など結婚への期待が大きすぎるのも良くありません。
こういった思考の方が結婚生活で壁にぶつかると、「こんなはずじゃなかった」「やっぱり結婚すべきじゃなかった」と落ち込み、離婚に発展することがあるからです。
マリッジブルーで婚約破棄したほうが良いケースとは
マリッジブルーで婚約破棄をしたほうが良いケースというのもあります。以下で詳しく見ていきます。
マリッジブルーを理由に浮気をした場合
マリッジブルーのときは「本当に彼(彼女)で良いのか」と考え、ほかの異性に気持ちが動くこともあります。
また、「結婚相手がマリッジブルーで機嫌が悪いから」という理由でほかの異性に気持ちが傾くこともあります。
理由が何であれ、婚約者がありながらほかの異性と肉体関係を持つような人は、結婚しても何かにつけて浮気を繰り返す可能性が高いです。
結婚前の浮気であっても、法的に婚約していることが認められれば慰謝料請求ができます。
マリッジブルーで暴力や暴言が出た場合
マリッジブルーが原因で暴力をふるったり、暴言を吐くような場合も婚約破棄を検討すべきでしょう。
結婚すればいろいろなことがあります。マリッジブルーで暴力をふるったり暴言を吐くような人は、結婚後にエスカレートする可能性があります。
「結婚前に相手の素性を知れてよかった」と考え、婚約を破棄することをおすすめします。
協力して乗り越えようという気持ちが見えない場合
結婚すれば楽しいことばかりではありません。辛いことや悲しいことなど、いろいろなことを二人で力を合わせて乗り越えていかなければなりません。
マリッジブルーに陥ったときに寄り添う姿勢を見せず、こちらの話に耳を傾けることもない場合、結婚後のトラブルも乗り越えていくことができません。
マリッジブルーの乗り越え方
マリッジブルーは時間が解決してくれることがほとんどです。それでも、何とかして乗り越えたいと思うのも自然なことです。
ここからはマリッジブルーの乗り越え方について紹介します。
二人でじっくり話し合う
マリッジブルーを乗り越えるには、まず二人でじっくり話し合うことが基本です。
「話し合っても何も解決しない」と思うかもしれません。
しかし、相手に話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になりますし、相手と気持ちを共有できれば信頼関係も深まるはずです。
気分転換をする
結婚式や引越し準備で追われているわけでなければ、気分転換に好きなことをするもの良いでしょう。
友達と飲みに行く、一人旅をするなど、どんなことでもかまいません。一人で悶々とするのは避けましょう。
結婚によって得られるメリットを考える
結婚を決めたということは結婚することにメリットがあると考えたからではないでしょうか。
「大好きな彼(彼女)と一緒にいる時間が増える」「一緒に暮らすことで経済的な負担が軽減する」など、結婚によって得られるメリットを考えてみるのも大切です。
病院を受診したりカウンセリングを受ける
マリッジブルーとはいえ、不眠などの症状が続いたり、悪化するような場合は精神科や心療内科など病院を受診することをおすすめします。
病院以外にもカウンセリングを受けるほうが効果的な場合もあります。
婚約破棄が決定した場合にやるべき事
婚約そのものは法的な手続きではありませんが、契約書を交わしていたり、誰かに伝えていたりする場合は婚約破棄に伴って手続きが必要なケースがあります。
婚約破棄が決まったらやるべきことを見ていきます。
両親や関係者に報告する
両親や会社の上司、結婚式の招待客、仲人などに婚約が破断になったことを伝えましょう。
なかには婚約破棄にいたった理由を説明しないと納得しない人もいます。
婚約が破断になって傷ついているうえに、その理由を他人に話すというのは辛いと思いますが、一時的なことだと考えて乗り越えましょう。
結婚式場や新婚旅行をキャンセルする
結婚式場の予約をしている場合はキャンセルしましょう。また、新婚旅行の準備をしていた場合もすみやかにキャンセルしましょう。
いずれの場合もキャンセルポリシーに則り、キャンセル料が発生する可能性があります。
キャンセル料は有責な当事者が負担するというのが基本です。しかし、どちらが有責とは言えない場合や、相談で合意できた場合は折半となるケースもあります。
引越し
婚約中に同棲していた場合は同棲を解消する必要があります。今住んでいる家から一方が出て行くのか、両方とも出ていくのかしっかり話し合いましょう。
ほとんどの場合、賃貸住宅には解約(退去)予告期間が設けられています。
一般的に、借主側からの解約予告は1~3ヶ月前というケースが多いです。解約予告期間に則り、貸主または管理会社に退去を申告しましょう。
解約予告期間はご自身の契約書に記載されていますので必ず確認しましょう。
解約予告の時期によっては申出から1~2ヶ月分の家賃が発生する場合もありますが、契約期間内の賃貸住宅の解約において違約金が発生するケースはほとんどありません。
ただし、物件によっては、解約予告期間内に退去を申告しない場合に違約金が発生する可能性があります。
賃貸住宅のなかでも定期借家契約の場合、中途解約ができないというのが原則です。
なお、賃貸借契約書に中途解約に関する特約が記載されており、残存期間の家賃の支払いなどが定められている場合はその内容に従うことになります。
婚約が破断になりそうだと思ったら、今住んでいる家の契約内容を確認しておきましょう。
マリッジブルーで婚約破棄したときの慰謝料
マリッジブルーだというだけでは婚約破棄の正当な理由がないとされてしまう可能性があります。
正当な理由がないのに婚約破棄された場合は相手方に対して慰謝料を請求できます。
慰謝料相場は100万円程度になりますが、以下のような事情によって数十万~300万円になる可能性もあります。
- 結婚準備を進めていたか
- 退職の有無
- 交際期間の長さ
- 妊娠中
- すでに子供が生まれている
- 中絶させられた
- 相手方に不貞行為や暴力・暴言などがあったかどうか
- 婚約破棄される側に非があるかどうか など
なお、婚約破棄による慰謝料を請求するには、婚約していたことを法的に立証できる証拠が必要になります。
まとめ
マリッジブルーは一時的なものがほとんどです。
結婚は人生の一大イベントですので不安になることもあると思いますが、結婚によって得られるメリットもあるはずです。
ネガティブな面ばかりに目を向けず、ポジティブに捉えることも重要です。
もちろん、マリッジブルーによって相手方に問題行動が現れた場合は婚約破棄を検討したほうが良いこともあります。
婚約破棄で慰謝料請求を考えたら弁護士に相談することをおすすめします。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚や男女問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
※1 ゼクシィ「先輩花嫁の経験談! マリッジブルー、どう解決した?」
※2 参考:ゼクシィ「彼女に言えない男のマリッジブルー。4つの原因とアドバイス」
関連記事≫≫
新婚なのに離婚したい!離婚を考える原因と回避する方法
婚約とは|法的な意味や婚約破棄で慰謝料請求する際の証拠について解説!
離婚に強い弁護士の選び方って?弁護士選びで失敗しないポイント。
婚約破棄による慰謝料はいくら請求できるの!?徹底解説!
慰謝料請求は弁護士に!慰謝料の解決実績・解決事例が豊富な弁護士とは
都道府県から弁護士を検索する
離婚コラム検索
離婚の慰謝料のよく読まれているコラム
-
1位慰謝料弁護士監修2021.06.15貞操権とは|貞操権侵害で慰謝料請求できるケースと慰謝料相場真剣に付き合っていたのに、彼氏が既婚者だった…このような場合、交際...
-
2位慰謝料弁護士監修2020.10.01浮気相手の名前しかわからない|不倫の慰謝料請求に必要な情報を得る方法夫や妻が浮気をしている事実を知るのは辛く、傷つきます。精神的に負った傷は、慰謝料...
-
3位慰謝料弁護士監修2020.01.07マリッジブルーで婚約破棄!慰謝料はどうなる?原因と乗り越え方を解説結婚は人生の一大イベントです。苗字や住所が変わるだけでなく、仕事や人間関係まで変...
-
4位慰謝料2021.09.17不倫慰謝料は減額・拒否できる?減額されやすいケースと減額手順不倫をしてしまい、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されてしまった…...
-
5位慰謝料弁護士監修2021.08.10一度きりの不貞行為で慰謝料請求できる?不倫回数と慰謝料相場の関係配偶者の不倫が判明したものの、「一度きりの不倫だった」と弁明されるケースもありま...
新着離婚コラム
-
裁判・調停2024.10.28家事手続案内とは?家庭裁判所で相談できること、できない時の相談先家庭裁判所は家事事件と少年事件を扱う裁判所です。家事事件について悩みがあるものの...
-
財産分与2024.10.18株式の財産分与|評価方法や基準時、注意点を解説離婚の際、婚姻中に夫婦が築き上げた財産を公平にわけることになります。これを財産分...
-
その他離婚理由弁護士監修2024.09.27障害児の子育てを理由に離婚できる?離婚する前に考えるべきこと一般家庭と比べて障害児のいる家庭の離婚率は高いと言われています。これについて正確...
-
親権・養育費2024.09.25養育費に連帯保証人をつけることはできる?注意点と未払いを防ぐ方法近年、養育費の未払いが社会問題化しています。政府統計ポータルサイトe-Statの...
-
基礎知識弁護士監修2024.08.23祖父母は面会交流できる?孫との関係を守るポイントと改正民法を解説離婚によって子供と離れて暮らす側の親には子供と面会する権利があります。面会交流は...
離婚問題で悩んでいる方は、まず弁護士に相談!
離婚問題の慰謝料は弁護士に相談して適正な金額で解決!
離婚の慰謝料の話し合いには、様々な準備や証拠の収集が必要です。1人で悩まず、弁護士に相談して適正な慰謝料で解決しましょう。
離婚問題に関する悩み・疑問を弁護士が無料で回答!
離婚問題を抱えているが「弁護士に相談するべきかわからない」「弁護士に相談する前に確認したいことがある」そんな方へ、悩みは1人で溜め込まず気軽に専門家に質問してみましょう。