産後クライシス|離婚を回避して夫婦仲を改善する方法とは

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産後クライシス|離婚を回避して夫婦仲を改善する方法とは

出産後、夫婦仲が急に悪化する「産後クライシス」。ここ数年で使われるようになったこの言葉、テレビなどで耳にしたことのある方もいらっしゃるでしょう。

待ちに待った子供が生まれて幸せいっぱいのはずの夫婦に、なぜ愛情の危機が訪れるのでしょうか。このコラムでは、産後クライシスとはどんなものか、その影響、対処法や予防法などについて説明していきます。

目次
  1. 産後クライシスとは
    1. 産後クライシスの特徴
    2. 産後クライシスと産後うつの違いとは
  2. 産後クライシスの原因
    1. 出産に伴うホルモンバランスの崩れ
    2. 子供が最優先の生活リズム
    3. 子育てへの不安
    4. 子育てに対する夫への不満
    5. 夫婦のコミュニケーションの減少
  3. 産後クライシスへの対処の仕方でその後の夫婦関係が変わる
  4. 産後クライシスを乗り越えるには<妻編>
    1. 困っていることや辛いこと、育児、家事の内容を書き出す
    2. 夫への要望や悩みは言葉で伝える
    3. 夫を頼り、一緒に解決法や分担を考える
    4. 家事代行などを利用して負担を減らす
    5. 第三者に相談する
    6. 夫に最初から求めすぎない・ほかの人と比べない
    7. ホルモンバランスのせいと気持ちを切り替える
  5. 産後クライシスを乗り越えるには<夫編>
    1. 産後クライシスであることを受け止める
    2. できるだけ家にいるようにする
    3. 何かできることない?」と聞いてみる
  6. 産後クライシスで離婚を考えるべきケースとは
    1. DVやモラハラがある
    2. 夫の不倫
    3. 親になる自覚が夫にない
  7. 産後クライシス予防のために出産前からできる対策
    1. 夫婦で産後クライシスの知識をつけておく
    2. 産後の役割分担を決めておく
    3. 父親になる自覚を育てる
    4. 育児用品を一緒に買う
  8. まとめ

産後クライシスとは

出産後、夫婦仲が急に悪化する愛情の危機(クライシス)的現象を「産後クライシス」といい、2012年、NHKの番組「あさイチ」によって名付けられました。この危機をどう乗り越えるかは、その後の夫婦関係に影響を及ぼします。

産後クライシスの特徴

産後クライシスというくらいですから産後に起こるものです。夫婦二人の愛の結晶である子供が生まれた直後から、夫婦仲に亀裂が入ります。妻は子供が最優先になり、夫に愛情を注ぐ余裕がなくなり、夫が育児・家事に非協力的な場合、不満を募らせていきます。

夫は「お母さん」になった妻に構ってもらえず、育児、家事を妻に任せて、イライラする妻からも逃げてフラリーマンに。出産前、赤ちゃんを心待ちにしていた仲むつまじい夫婦だったのに、たった数ヶ月間でジェットコースターのように愛情が低下、ついには「離婚」のピンチが訪れるのです。

産後クライシスと産後うつの違いとは

産後のイライラといえば産後うつを思い浮かべる方もいるでしょう。では、産後うつと産後クライシスはどう違うのでしょうか。

産後うつ
産後1ヶ月ほどを中心に起こるとされる、うつ病です。育児へのストレスや不安によって引き起こされ、不眠、イライラ、不安感、罪悪感、疲労感などの症状が出る病気であり、医師の診察などを必要とします。
産後クライシス
産後に起こる夫婦の愛情の危機(クライシス)です。心や身体の変化、育児による疲れなどによって夫婦関係が悪化した状態を言い、病気ではありません。

産後クライシスの原因

なぜ産後クライシスが起こるのか。その原因はひとつではなく複合的で、妻だけ、夫だけのせいでもありません。以下に5つを挙げ、説明していきます。

出産に伴うホルモンバランスの崩れ

母親には、妊娠中に増えたホルモンが産後になって急に減るなど、ホルモンバランスの変化が起こります。これにより、精神的に不安定になる、不眠や疲れが出るなどの影響が現れることがあるといいます。

子供が最優先の生活リズム

妻の生活リズム

産後は赤ちゃん最優先の生活に突入します。授乳におむつ替え、寝かしつけ、沐浴等々、育児は24時間待ったなしです。もちろん家事もあり、里帰り出産をしても、自宅へ戻った後は自分でしなければなりません。自分の睡眠も食事もままならない状態です。

夫の生活リズム

大半の夫は子供が生まれる前と変わらず会社に行き、日中の生活はあまり変わりません。育休を取る夫はごく少数であり、残業や休日出勤を減らすなど産後の家庭の父親に配慮する企業もまだ少ないのが現状です。

早く帰宅して子供の世話をするイクメンがいる一方、夜は会社の同僚と飲みに行き、休日は友人と会ったり、趣味をしたりと、子供が生まれる前と生活を変えようとしない夫もいます。

子育てへの不安

育児には不安のタネが山ほどあります。授乳、睡眠、発達、予防接種、親の時代との育児方法の違いから生まれる実母・義母との軋轢など、妻の悩みは尽きません。

赤ちゃんの意思表示は泣くことだけなので、体調が悪いときは親が察しなければなりません。その上、夜中・早朝でも対処法を調べて病院へ連れて行くなど対応を迫られるため、日々緊張状態で精神的にも疲れます。

子育てに対する夫への不満

夫が「子育ては妻の仕事」だと思っており、父親の自覚や2人で一緒に育てる意識が薄い場合、出産前と同じように自分の世話を妻にさせる、妻に言われないと自分から動かないなどの態度に現れます。

夫が育児・家事に参加したり、妻の話を聞いたりしなければ、妻は孤独感を深めていきます。

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夫婦のコミュニケーションの減少

妻は、昼間は言葉の通じない赤ちゃんとマンツーマンです。夜になってやっと帰ってきた夫が話を聞かないと、妻は気持ちのやり場をなくします。夫がイライラ妻をおっくうに感じて避けたら、ますます夫婦のコミュニケーションは減っていきます。

また、妻は睡眠不足、疲労困憊でセックスをする気力がなかなかわかない上、夫がイライラの対象になると愛情は失われます。夫もそんな妻を疎んじたり、母になった妻を女性として見なくなったりすれば、セックスレスに陥ってしまいます。

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産後クライシスへの対処の仕方でその後の夫婦関係が変わる

ここまで産後クライシスの原因について説明してきました。ホルモンバランスは本人がどうにもできないことですが、その他の項目については、夫婦の対処の仕方次第で関係悪化を防げる可能性があります。

以下で、妻と夫に分けて対処法を説明していきます。

産後クライシスを乗り越えるには<妻編>

産後クライシスを乗り越えるには<妻編>

困っていることや辛いこと、育児、家事の内容を書き出す

  • 困っていること、辛いこと
  • 育児、家事のタスク

問題点とタスク、気持ちも洗いざらい出してみます。「書いているヒマなんかない!」と思われるかもしれませんが、問題点を明らかにして解決法を考えるためです。

ふせんに1つずつ書き出すのがおすすめです。後述しますが、整理しやすく、解決法を考えるときに便利です。書くことで現状を客観視し、冷静になるメリットもあります。

夫への要望や悩みは言葉で伝える

男性は、言われなければ気付かないことが多々あり、妻が我慢してため込んで大爆発しても、そもそも我慢に気付いていない可能性すらあります。ましてや育児は慣れていなければ、察して動くなんて難しいもの。「こんなことまで?」と思うようなシンプルな要望や悩みでも、言葉にして伝えましょう。

話すと感情的になりそうなときは、先に書き出したふせんを活用するのもよいでしょう。

夫を頼り、一緒に解決法や分担を考える

育児も家事もできて当たり前と完璧主義に陥り、がんばりすぎていませんか?育児を知らない夫に相談しても無駄と抱え込まず、頼ってみてはどうでしょうか。すぐに解決できなくても、気持ちを共有して夫婦一緒に乗り越える経験の積み重ねが、2人の関係を良好にします。

先述した、困っていることや辛いこと、育児、家事のタスクを書き出したふせんを使って、夫婦で話し合いながら育児、家事の分担など現状を把握し、問題点を整理して解決法を一緒に考えましょう。

家事代行などを利用して負担を減らす

家事を外注したり時短家電を使ったりするのも負担を減らす方法です。赤ちゃんを育てるのにはお金がかかります。

それでも、夫婦関係が壊れ、離婚→シングルマザー→貧困に悩むよりは良いはずと割り切り、今この大変な時期を乗り切るための投資と考えてみてはいかがでしょうか。時短家電は後で仕事を始めたときにも役に立ちます。

  • 食洗機、自動掃除機、乾燥機付き洗濯機を買う
  • 自治体が行っている、家事代行を低価格で頼める産後ヘルパー制度を利用する
  • 食事そのものや簡単調理の材料の宅配、自宅に来て調理をしてくれるヘルパーを頼む

第三者に相談する

子育てで悩んだら、経験者の母親や姉妹、先輩ママ、ママ友に話を聞いてもらう方が多いと思いますが、自治体が設けている子育て支援センターで、客観的な第三者である専門家に相談するのも一つの方法です。

身内や友人には電話しにくい、夜中にどうしてもつらいとき、子供が寝ている間に相談したいときなど、自治体によっては24時間365日対応している電話相談窓口があります。

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夫に最初から求めすぎない・ほかの人と比べない

夫も育児をして、できて当たり前と思う人もいるでしょう。でも、夫が期待したほどでなくイライラするくらいなら、夫ができることから、とハードルを下げてみませんか。少しずつでも続けていけば、自信がついて上手になり、やる気も出るかもしれません。

最初からあれもこれもと求めすぎないようにすると、お互いストレスが少ないのではないでしょうか。また、夫を友達の夫や自分の父親と比べてしまいがちですが、メリットはありません。

自分も友人の妻や義母と比べられて、あの人は何人育てた、働きながら育てている、シングルマザーでがんばっている、なのになぜあなたはできないの?と夫に口にされたら、嫌な気持ちになるでしょう。

ホルモンバランスのせいと気持ちを切り替える

イライラしたら「これはホルモンバランスの乱れのせい」と自分に言い聞かせて受け入れ、気持ちを切り替える方法もあります。夫には「ホルモンバランスの乱れがいら立ちの原因のひとつで、一時的なものでずっと続くわけではない」と説明し、理解してもらうことも必要です。

もちろん、ホルモンのせいとはいえ、もし夫にものを強く言い過ぎてしまったら謝りましょう。

産後クライシスを乗り越えるには<夫編>

産後クライシスを乗り越えるには<夫編>

産後クライシスであることを受け止める

産後クライシスという現象があり、自分たち夫婦はその渦の中にいると自覚することが第一です。妻がいら立ちをぶつけてきたら、「これか!」「ホルモン?」と気付いて、ある程度のキツいものの言い方は受け流すくらいの余裕をもつ方が良いかもしれません。

一方で、言い方はともかく、妻のいらだちの中身や悩みにきちんと向き合って一緒に考えることが、離婚の危機を迎えないために大切です。

できるだけ家にいるようにする

夫は妻にとって、子育てにおけるある種の「戦友」とも呼べるパートナーです。夫ができるだけ家にいて、子育ての大変さを分かち合い、子供の日々の成長をともに喜びながら一緒に嵐のような乳児期を乗り越えれば、夫婦の絆が深まるでしょう。

できるだけ家にいるようにした方が良い理由はもう一つあります。妻に、1人の自由な時間を作るためです。マッサージ、美容院、友人とご飯……妻はリフレッシュしたら、またがんばる気力もわいてきます。

そのとき夫が赤ちゃんの世話を一通りできるようにするためにも、家にいて育児を経験しておきましょう。

何かできることない?」と聞いてみる

妻が授乳など育児をしている間は家事ができないので、夫が家事を担当すれば妻は助かります。ただ、妻には、普段している優先順位や時間、段取りがあるでしょうから、夫に「何かできることない?」と聞いてもらえると頼みやすいところです。

ここで、くれぐれも「手伝おうか?」は禁句です。この子は夫婦2人の子。妻を補助的に「手伝う」という当事者意識の薄さに、かえって妻の怒りを買うかもしれません。

産後クライシスで離婚を考えるべきケースとは

DVやモラハラがある

DVやモラハラ、育児放棄の恐れがある場合や、被害に遭った場合、専門機関に相談し、将来を考えて離婚して、子供と自分の身を守ることも考えましょう。

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夫の不倫

産後の妻とのコミュニケーション不足、関係悪化、愛情の低下、セックスレスなどから、不倫してしまう夫もいます。

不倫はいつだってしていいものではありませんが、妻にしてみれば「今この大変なときにする?」と深く傷つき、一生許さず引きずることにもなりかねません。夫婦の不仲による子供への悪影響も考えると、離婚を選ぶ方が良い場合もあるでしょう。

親になる自覚が夫にない

育児に対する無関心は、家庭に対する無関心でもあります。産後からすでに家庭を顧みず、妻と一緒に子供を育てる気持ちが夫にないようなら、ここから先、急にイクメンに変わる可能性は低いでしょう。子供の将来を考えても、無理に夫婦でいる意味はないかもしれません。

また、親になっても自覚やモラルが低いままの夫も、子供に正しいことを教え育てる上では困る存在です。親を見て子供は育ちますし、いずれしつけや教育方針、親同士の人間関係などさまざまな場面でトラブルを起こすかもしれません。

産後クライシス予防のために出産前からできる対策

夫婦で産後クライシスの知識をつけておく

出産前に産後クライシスの存在を知っていたら、もう少しうまく対処できたかもしれない。そんな言葉も聞かれます。

ホルモンの変化や妻の産後の状況、気持ち、困りごと、夫の育児・家事への参加について産前からできるだけ知識をもっておくと、対応して危機を防ぐ、また、危機があっても乗り越えられる可能性が高まるのです。

産後の役割分担を決めておく

先に、育児・家事のタスクを書き出して整理し、分担をすることをおすすめしました。夫は、妻の妊娠中からでもできる家事はもちろん始めておきましょう。

たとえば、ポストをチェックして郵便物やチラシの要・不要の判断、対応するか捨てるか処理まで行うのは、赤ちゃんと荷物たくさんで外出する妻より、毎日仕事帰りの夫がする方が効率的、などいわゆる「名もなき家事」を見える化することも重要です。

父親になる自覚を育てる

父親の自覚を育てる行動
自治体の父親教室に行く、沐浴などの練習をする、赤ちゃんのいる身内や友人の家に行き、抱っこさせてもらう、赤ちゃんに危なくないよう自宅の模様がえをする。
妻への気遣い
妻が友人に会う機会を多く作る、美味しいものをゆっくり食べるなど、産後できなくなることを産前にできるだけしてもらう、妻の前で酒を飲むときは聞いてから、など気遣いをする。
妊娠中から積極的に関わると、産後、父親としての生活にスムーズに入っていけて、妻と一緒に乳児期を乗り越えていけるのではないでしょうか。

育児用品を一緒に買う

妊娠中に、夫婦一緒に育児用品を買う経験をしておくと、産後に妻が頼んで夫が買うことがスムーズになります。おむつをネットでまとめ買いするなら、一緒にネットショップを調べて買ってみる。

夫は、急に頼まれて仕事帰りに買いに寄るときに備えて、ベビー用品を売る店がどこにあって何時まで開いているか知っておく。前もって育児をできる態勢を作りましょう。

まとめ

産後クライシスは珍しくなく、どの夫婦にも起こるかもしれないものです。それでも、どういう影響があるのか、対処法や予防法を妊娠中から知り、予防法を実践することで、危機にならず、なっても乗り越えられる可能性が高まります。

産後クライシスが原因で離婚を考えている方は、弁護士への相談をおすすめします。子供が小さくて外出が難しい方には、電話相談を実施している弁護士もいます。当サイトでは離婚に強い弁護士を紹介していますので、弁護士探しの参考にしてみてはいかがでしょうか。

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