エネ夫の特徴と対策|妻を追い詰める正体と法的解決へのステップ

DV・モラハラ
エネ夫の特徴と対策|妻を追い詰める正体と法的解決へのステップ

エネ夫(エネミー夫)という言葉を聞いたことはありますか?

「味方であるはずの夫が、なぜか敵(Enemy)のように自分を攻撃してくる」
「夫が義実家の言いなりになって自分を守ってくれない」

このような夫と共に生活を送り続ければ精神的に限界を感じることがあるでしょう。

この記事では、エネ夫の実態から、法的観点を含めた具体的な対処法までをわかりやすく解説します。

目次
  1. エネ夫とは
  2. エネ夫の特徴
  3. エネ夫と婚姻生活を続けるとどうなるのか
    1. 精神を病んでしまう恐れがある
    2. 義実家からの干渉が激化する可能性がある
    3. 子供に悪影響を及ぼす恐れがある
  4. エネ夫の対処法
    1. 話し合う
    2. 専門家に相談する
    3. 別居する
    4. 離婚する
  5. エネ夫に慰謝料請求できるのか
  6. エネ夫との別居や離婚時の注意点
    1. 仕返しをしてはいけない
    2. 財産を使い込まれたら財産分与で考慮する
    3. 親権や養育費が有利になるわけではない
  7. まとめ

エネ夫とは

エネ夫(えねお)とは、妻の味方をせず、エネミー(Enemy=敵)となって妻を苦しめる夫のことを指すネットスラングです。

夫婦になると相互扶助の義務を負います。そのため、本来であれば、夫婦は互いに協力し、助け合って生活すべきものです。

しかし、結婚生活における一番の味方であるべき夫が、様々な場面で妻の立場を守るどころか、エネミー(敵)となって妻を苦しめることがあります。

「エネ夫」は、このような夫をインターネット上で批判するために生み出された言葉とされています。

エネ夫の特徴

エネ夫には、共通して以下のような特徴が見られます。

  • 友人や親族の前で妻の誹謗中傷をする
  • 妻の両親や友人のことを馬鹿にする
  • 妻の意見を聞こうとしない
  • 夫の両親が突然自宅を訪れたり、それを注意してほしいとお願いをしたりしても、何も対応しない
  • 他人から妻が非難されていても助けようとしない
  • 子供のいる前でも妻を責めるような言動をしたり、妻の悪口を言ったりする
  • 妻の人格や言動を頭ごなしに否定する
  • 夫に言動を注意すると逆切れする
  • 夫の両親が妻を家政婦や奴隷のように扱っても夫は見て見ぬふりをする
  • マザコンである
  • 義両親の言いなりになっており、妻より義両親を大事にする
  • 生活費を十分に渡さない など

上記はエネ夫の言動の一例です。

以上の言動からわかるように、エネ夫の言動はモラハラの類といえます。エネ夫だからといって特別な言動があるわけではありません。

エネ夫と婚姻生活を続けるとどうなるのか

エネ夫との生活を無理に続けると、以下のような影響が出始めます。

  • 精神を病んでしまう恐れがある
  • 義実家からの干渉が激化する可能性がある
  • 子供に悪影響を及ぼす恐れがある

それぞれについて下記で解説します。

精神を病んでしまう恐れがある

一番身近なはずのパートナーに否定されたり、周りと一緒になって攻撃されたりし続けると自己肯定感が低下します。

「自分さえ我慢すれば良い」と我慢を強いられ続ければ、精神的に疲弊し、鬱病などの精神疾患に罹患するリスクがあります。

義実家からの干渉が激化する可能性がある

夫が防波堤の役目を果たさないため、義実家の干渉や言動がエスカレートする恐れがあります。

その結果、育児や家事の負担が増えたり、帰省を強要されたりして精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。

子供に悪影響を及ぼす恐れがある

父親が母親を軽視する状況や、母親が精神を病む姿を見て育つことで、子供の人格形成やメンタル面に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、十分な生活費を受け取っていない場合、子供の養育や教育環境にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

やむを得ず金融機関や親戚などから借金をする人もいますが、最悪の場合、多額の借金と疲労、子供への悪影響だけが残ってしまう恐れがあります。

精神を病んだり、困窮したりする前に次項でご紹介する方法で適切に対処しましょう。

エネ夫の対処法

エネ夫の対処法

現状を改善し、自分や家庭を守るためのステップは以下の通りです。

  • 話し合う
  • 専門家に相談する
  • 別居する
  • 離婚する

それぞれについて下記で解説します。

話し合う

エネ夫の言動が軽微であり、改善の余地がありそうだと思ったら、離婚や別居に踏み切る前に当事者同士で話し合いましょう。

もしかすると、夫は自分の言動が妻を傷つけていることに気づいていないだけかもしれません。

まずはあなた自身が夫の言動にどれだけ傷つき、苦しんでいるのかを伝えましょう。

このとき、夫の言動について具体的かつ客観的な事実を添えて伝えるとことが重要です。

このようなときに備え、日常的に夫の言動について日記に残したり、録音をしたりしておくとベターです。

また、感情的になって伝えると「ヒステリーを起こした」として片付けられてしまう可能性があります。

淡々と冷静に伝え、「不眠が続いている」「改善されない場合は別居も考えている」など、深刻に悩んでいることまで伝えましょう。

専門家に相談する

エネ夫と2人だけで話し合うのは難しいケースがほとんどです。

このような場合、夫婦カウンセラーや公的機関の相談窓口、弁護士などの専門家に相談しましょう。

夫婦の間に第三者が介入することで夫も話を受け入れやすくなることが期待できます。また、夫も事の重大さに気づきやすくなるでしょう。

このとき、夫婦関係修復ならカウンセラー、離婚や別居などを考えているなら弁護士を選びましょう。

また、DV・モラハラ被害を受けている場合は公的機関の相談窓口や警察署に相談し、身の安全を確保することを考えましょう。

公的な相談窓口としては具体的には以下のようなものがあります。

  • DV相談ナビ
  • 自治体の設置する女性センター
  • 配偶者暴力相談支援センター
  • 警察署

なお、カウンセラーは夫婦関係修復のアドバイスはできますが、法的なアドバイスはできません。

離婚や別居、財産のことなど、法的なアドバイスを求めるなら弁護士を選びましょう。

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DV(家庭内暴力)に警察は介入する?相談の流れと注意点

別居する

話し合いが平行線なら別居をして物理的に距離を置くのも選択肢のひとつです。

別居することで「妻がいなくなる」という現実を夫突きつけ、反省を促すことも期待できます。

また、あなたにとっても、「今後自分がどうしていきたいのか」をじっくり考えることができます。

夫の収入のほうが多ければ、別居中の生活費についても夫に請求できます。

また、離婚を見据えている場合、別居期間が長くなることで婚姻関係の破綻を示しやすくなります。

一方、関係修復を望んでいる場合は別居期間に注意が必要です。

いずれの場合も別居の仕方によってはあなた側が不利になることもあります。別居を考えたら弁護士にご相談のうえ、行動しましょう。

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同意のない別居は同居義務違反?該当するケースと注意点・対処法
婚姻費用とは?相場と支払い期間について

離婚する

離婚する

状況改善の見込みがなく、心身ともに限界であれば、離婚も選択肢のひとつです。

ただし、安易に離婚を決断すると、離婚後に困窮する恐れもあります。離婚を考えたら以下のことを踏まえて慎重に判断しましょう。

  • 自分の稼ぎだけで生活していけるのか
  • 公的支援や援助は受けられるのか
  • 財産分与や慰謝料はどうなるのか
  • 子供がいる場合は親権を獲得できるのか
  • 親権者となる場合は子供も含めて生活できるのか など

エネ夫と離婚できるのか

エネ夫離婚が成立するかどうかは手続きや離婚理由によって変わります。一般的に離婚の手続きは以下の流れで進みます。

  1. 話し合い
  2. 離婚調停
  3. 離婚訴訟(裁判)

離婚を考えたら、夫婦で話し合い、合意すれば離婚が成立します。これを協議離婚といいます。

協議離婚であればどのような理由であっても離婚は成立します。

しかし、話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に離婚調停を申立てます。

離婚調停は調停委員を介し、話し合いにより合意を図る手続きです。

当事者同士の話し合いと比べて冷静な話し合いができる可能性が高まります。

調停は裁判所の手続きですが、あくまで話し合いによって合意を図る手続きです。

そのため、相手方が離婚に合意すれば離婚調停が成立しますが、合意しなければ調停不成立となります。

調停不成立の場合、訴訟を提起し、裁判所に離婚の可否を判断してもらうことになります。

離婚訴訟では、以下の法定離婚事由が必要です。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 配偶者の生死が3年以上不明
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

上記のとおり、「エネ夫(自分の味方をしてくれない)」という理由は法定離婚事由にありません。

そのため、エネ夫という理由だけでは裁判では離婚が認められません。

この場合、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」または「悪意の遺棄」に該当するかどうかが問題となります。

生活費を渡してもらえない場合は悪意の遺棄、DVやモラハラ被害を受けている場合は「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると判断される可能性があります。

なお、「婚姻を継続し難い重大な事由」は、別居が長期間に及ぶ場合は認められやすくなる傾向があります。

そのため、エネ夫との離婚を考えている場合は別居も効果的な対策といえます。

ただし、長期間別居していれば必ず離婚が認められるというものではなく、個別の状況を鑑みて、総合的に判断されることになります。

エネ夫に慰謝料請求できるのか

エネ夫に慰謝料請求できるのか

エネ夫に対して慰謝料を請求したいと考える人もいるかもしれません。

慰謝料請求が認められるためには不貞行為やDV、モラハラといった、不法行為があったことを立証する必要があります。

そのため、「エネ夫であること(味方をしてくれない)」という理由だけでは慰謝料請求が認められにくいのが現実です。

ただし、エネ夫のモラハラ行為によって精神疾患を患った場合などは慰謝料請求が認められる可能性があります。

どのような場合に慰謝料請求が認められるかについては弁護士にご相談ください。

エネ夫との別居や離婚時の注意点

エネ夫と別居や離婚を考えた際は以下の点に注意しましょう。

  • 仕返しをしてはいけない
  • 財産を使い込まれたら財産分与で考慮する
  • 親権や養育費が有利になるわけではない

それぞれについて下記で解説します。

仕返しをしてはいけない

夫から嫌がらせをされたからといって、仕返しをしてはいけません。

仕返しをすれば、相手方が感情的になり、改善しないどころか、問題が深刻化する可能があります。

また、離婚する際にあなた側が有責配偶者(離婚の原因を作った側)とみなされるなど、不利益を被るも恐れもあります。

先のことを見据え、冷静かつ淡々と対応することが大切です。

財産を使い込まれたら財産分与で考慮する

離婚する際、財産分与を行い、婚姻中に築いた共有財産を夫婦で公平にわけることになります。

一方、夫が勝手に共有財産を使い込むケースもあります。

このとき、夫が別居中に共有財産を使い込んだのであれば、財産分与で考慮しましょう。

財産分与の対象となるのは、別居時の共有財産になります。

そのため、別居中に夫が使い込んだ場合、使い込んだ分だけ財産分与で考慮することで、適切に財産分与を受けることができます。

なお、適切に財産分与を行うためには、相手方の財産を適切に把握し、証拠を入手する必要があります。

別居や離婚を切り出す前に通帳をコピーするなど、早めに確保しておきましょう。どのような証拠を集めれば良いかについては弁護士にご相談ください。

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離婚時の相手の財産の調査方法|よくある財産隠しの手口と対処法

親権や養育費が有利になるわけではない

2024年5月の改正民法により、2026年(令和8年)4月1日から離婚後の共同親権が導入されます。

この改正では、離婚時に単独親権か共同親権かを選択でき、父母間の協議で定まらない場合は裁判所が判断することになります。

親権者指定ではあくまで子供の利益を最優先して決定します。

「夫がエネ夫だから」といって親権を獲得できるとは限りません。また、養育費は子供の年齢や人数、父母の収入に基づいて決まります。

そのため、親権や養育費は離婚理由と切り離して考える必要があります。

まとめ

エネ夫との生活を続けると疲弊してしまい、精神的に病んでしまったり、子供に悪影響を及ぼしたりする恐れがあります。

「私が我慢すればいい」などと自分を追い込まず、ここでご紹介した内容を参考に対処していきましょう。

「夫の言動に限界を感じている」「話し合いが難しい」「離婚を考えている」という場合は弁護士にご相談されることをおすすめします。

弁護士なら離婚成立の見通しや離婚する場合の法的なアドバイスを受けることができます。

また、弁護士に離婚を依頼すれば、弁護士が代理人として夫と交渉をするため、負担を軽減できますし、スムーズに話し合いが進む可能性が高いです。

当サイト「離婚弁護士相談リンク」には離婚問題に強い弁護士を多数掲載しています。ぜひお問い合わせください。

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