離婚調停を申立てたいけど相手の住所がわからないときの対処法

裁判・調停
弁護士監修
離婚調停を申立てたいけど相手の住所がわからないときの対処法

離婚するには、まず夫婦で話し合いを行うことから始めます。

話し合いで離婚がまとまれば良いですが、まとまらない場合は家庭裁判所に離婚調停を申立てることになります。

しかし、別居しているケースなど、状況によって相手方の住所がわからない場合もあります。

この記事では、離婚調停を申立てる際に相手方の住所がわからない場合の対処法について解説します。

目次
  1. 調停や裁判を行うには相手方の住所が必要
  2. 住民票の除票や戸籍の附票を調べる
  3. 閲覧交付制限がされている場合
  4. 相手方が転出届を出していない場合
    1. 相手方の住所がわからない場合は公示送達で訴訟を提起する
  5. 相手方の住所を調べるのが難しい場合は弁護士へ
  6. まとめ

調停や裁判を行うには相手方の住所が必要

調停や裁判などの裁判所の手続きを利用する場合、原則として相手方の住所がわかっていなければ利用することができません。

その理由の一つに裁判所の管轄の問題があります。離婚調停の申立先は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所とされています。

そのため、相手方の住所がわからなければどこの裁判所に調停を申し立てて良いかわからず、調停を申し立てることができません

もう一つの理由は、裁判所の手続きを利用するには、相手方が期日に出頭する必要があることです。

裁判手続きでは、当事者の権利保障の観点から、裁判所に出頭し自己の主張を述べる機会が保障されています。

調停を申し立てた場合、相手方に対して調停の申立書と調停期日の呼出状が送付されます。

相手方の住所がわからない場合、裁判所からの書類が送付できず、相手方が裁判所に出頭できません。

このような状態で裁判手続きを進めると相手方の権利を奪うことになってしまいます。

以上の理由から、調停や裁判を行うためには相手方の住所が必要とされています。

住民票の除票や戸籍の附票を調べる

住民票の除票や戸籍の附票を調べる

離婚調停を申し立てようとする夫婦は、すでに別居し、別々に生活をしていることが多いです。

婚姻関係が破綻している夫婦の場合、相手に転居先を知らせることなく別居していることも珍しくありません。

この場合、調停や裁判を行うためにはまず相手方の住所を調査しなければなりません。

相手方の住所を調査する方法としては、住民票の除票や戸籍の附票を調べる方法が一般的です

「住民票の除票」とは、転居などで別の市区町村に異動になった場合に、転居前の市区町村から発行される住民票の一種で、転居前の住所と転居先の住所が記載されたものです。

別居時に相手方が住民票を異動している場合、同居時の市区町村役場で住民票の除票を取得することで転居先の住所を知ることができます。

一方、「戸籍の附票」とは、本籍の市区町村において戸籍の原本と一緒に保管をしている書類で、その戸籍が編製されてから現在までの住所が記録されています。

何度も転居を繰り返している方の場合、住民票の除票を取得する方法では、複数の市区町村役場に申請をしなければならず非常に手間がかかります。

戸籍の附票であれば、すべての住所変更の記録が一度に取得できるメリットがあります。

閲覧交付制限がされている場合

「離婚調停や裁判で利用する」という正当な目的があれば、別居中の配偶者であっても住民票の除票や戸籍の附票を取得することができます。

しかし、住民票の写しなどの閲覧交付制限がされている場合、これらを取得することができません。

閲覧交付制限とは、被害者保護の目的から、配偶者からの暴力(DV)などの被害者の申し出により、DVなどの加害者から住民票の写しや戸籍の附票の交付申請があったとしてもそれらの閲覧や交付を制限する措置のことをいいます。

閲覧交付制限がかかっているかどうかは、実際に市区町村役場に住民票などの交付申請をしてみないとわからないため、まずは住民票などの請求をしてみると良いでしょう

相手方が転出届を出していない場合

相手方が転出届を出していない場合

閲覧交付制限がかけられていない限り、相手方が転出届を出していれば上記の方法によって相手方の住所を知ることができます。

しかし、転出届を出していない場合、配偶者が相手方の住所を調べることは困難です。

本来、居住地が変わった場合は転出届を提出する必要がありますが、一時的に別居するケースでは住民票を異動させていないことも少なくありません。

前述のとおり、原則として相手方の住所がわからなければ離婚調停を申し立てることはできません。

また、離婚などの家事事件では調停前置主義が採用されているため、原則として家庭裁判所の調停手続きを経なければ離婚裁判を起こすこともできません。

一方、家事事件手続法257条2項では、「裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りではない」として、調停前置主義にも例外があることを認めています

「裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるとき」とは、さまざま事情がありますが、「相手方の住所がわからず調停で解決する見込みがないとき」というのもこの事情に該当します。

そのため、住民票や戸籍の附票の取得など必要な調査を尽くしたうえで、それでもなお相手方の住所がわからないというときは、離婚調停の申立をすることなく、いきなり離婚訴訟を提起することも可能です

相手方の住所がわからない場合は公示送達で訴訟を提起する

通常、離婚訴訟を提起すると相手方の住所に訴状が送達されます。これは、訴えられた被告に対し、訴訟に参加して反論する機会を保障するためです。

したがって、相手方の住所がわからないなどの理由で被告に対して訴状を送達できない場合、原則として訴訟を提起することができません。

しかし、これでは、逆に訴えを提起して権利を実現しようとする原告の権利を奪うことにもなります。

そこで、通常の方法で送達ができない場合、例外的に「公示送達」という方法で送達することが認められています

公示送達とは、裁判所の書記官が送達すべき書類を保管して、「いつでも送達を受けるべき者に交付する旨」を裁判所の掲示場などに掲示する手続きです(民事訴訟法111条)。

公示送達は、掲示を始めた日から2週間が経過することで送達の効力が生じます。

そのため、被告が訴状などを受け取っていない場合であっても裁判手続きを進めることができます。

ただし、公示送達を行うには原告側が被告の住所がわからないことを証明する必要があります。

具体的には、被告の住民票上の最後の住所地や勤務先などの現地調査を行い、被告が調査場所に居住または勤務していないことを調査報告書にまとめて裁判所に提出しなければなりません。

公示送達は被告に反論の機会を与えることなく裁判を進める手続きですので、裁判所は容易に公示送達を認めてはくれません。

公示送達を認めてもらうために必要十分な調査を素人が行うことは難しいため、公示送達を利用する場合は弁護士に依頼して行うようにしましょう。

相手方の住所を調べるのが難しい場合は弁護士へ

自分で相手方の住所を調べるのが難しいときは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士であれば、電話番号などがわかっている場合、弁護士会照会により、携帯電話会社から登録先の住所について回答をもらうこともできます。

このように、自分では住所を調べることが難しい場合でも弁護士であればさまざまな手段を駆使して調査を行うことが可能です。

それでも住所がわからないというときには、最終的に公示送達の方法によって離婚訴訟を提起することになります。

弁護士に依頼をすれば、公示送達のための現地調査や調査報告書の作成といった手続きから裁判手続きまですべて一任することができます。

離婚訴訟を行うとなると不安になりますが、弁護士に依頼すれば複雑な手続きはすべて任せることができるため、安心です。

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まとめ

離婚調停や離婚裁判を行うには相手方の住所が必要になります。

相手方の住所を調べる方法としてはさまざまな方法がありますが、素人が調べるのは困難な場合もあります。

また、調べたからといって必ずしも相手方の住所が判明するとは限りません。

相手方の住所がわからない場合、弁護士に依頼することで、素人では調べられない情報を調べることができます。

また、弁護士に依頼すれば公示送達や裁判の手続きも任せることができます。

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