コロナ離婚|感染拡大をきっかけに離婚を考える理由と離婚できるのかを解説
- 目次
☝この記事の内容を動画でも解説しています
新型コロナウイルスの感染拡大で離婚を考える人が増えている
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、コロナがきっかけで離婚を考える人が増えています。実際、SNS上でもコロナ離婚に関するつぶやきが多く見られます。
本気でコロナ離婚しそう。
— サルタン@転勤族の妻 (@simplebabaa) March 29, 2020
旦那は全然危機感がなく、手洗いや消毒を言わないとしない。
手洗いも石鹸塗って流してるだけ。
帰ってすぐに子供達に触れようとしたり。
まだ生後1ヶ月の赤子がいるという自覚がない。
正直出て行きたいけど、2歳と0歳の子を連れて避難できる場所がない。
コロナ離婚する人の気持ちわかる。仲良くてもずっと同じ狭い空間に閉じ込められるのはかなりストレス。
— ゆり子 (@material_lily) April 3, 2020
コロナをきっかけとした離婚が増える理由①-神経質の加速
コロナをきっかけとした離婚が増える理由の1つに「神経質の加速」があります。
今回の新型コロナウイルス禍に限らず、東日本大震災などのような緊急時は、人間の性格の良い面だけでなく悪い面も強く表れる傾向があります。
平常時は「ちょっと神経質な人だな」という程度で特に気にならなかったとしても、緊急時には顕著に表れることがあるのです。
新型コロナウイルスはワクチンや治療薬がないため、感染を予防するしか方法がありません。
そのため、手洗いやうがい、アルコールによる殺菌や除菌などをパートナーに要求しすぎることで夫婦間のトラブルに発展することがあるのです。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、テレワークや在宅勤務を導入する企業も増えています。夫婦で顔を合わせる時間が長くなると、どうしても相手の嫌なところが目につくようになります。
また、仕事から疲れて帰ってきたときに、まるで汚いものを扱うかのように除菌だの、殺菌だのと言われてしまうと「何のために働いてきたのだろう」と思ったり、人生を否定されたように感じることもあります。
以前から夫婦関係にストレスを抱えていた人が新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけで離婚を決意したというケースもあります。
コロナをきっかけとした離婚が増える理由②-常に一緒にいることがストレス-
人間関係には適切な距離感というものがあります。それは夫婦や家族であっても同じです。
「亭主元気で留守が良い」などと言うように、夫婦関係を良好に保つには適度に距離が離れているほうが良いケースもあるのです。
テレワークや在宅勤務の導入により夫婦で顔を合わせる時間が長くなると、適切な距離が保てなくなります。適切な距離が保てなくなると、不快に感じてイライラすることも増えます。
配偶者が家でウェブ会議をしたり、仕事に集中している場合、家族は音を立てないように気を遣うため、居心地が悪くなります。
また、いつも優しい夫(妻)が仕事でイライラしているのを見ると嫌悪感を抱くこともあるでしょう。
コロナをきっかけとした離婚が増える理由③-危機意識の違い-
3つ目の理由はコロナに対する危機意識の違いです。新型コロナウイルスは日々感染者数が増加しており、予断を許さない状況です。
こういった緊急時はデマや誤情報も増えるため、冷静に判断し、報道に踊らされず、「正しく怖がること」が重要になります。
危機意識が低い人のなかには、新型コロナウイルス禍において「避けたほうが良い」と言われる大規模イベントやライブなどに平気で出かける人もいます。
しかし、パートナーがこのような行動をとると、危機意識が高い人は嫌な気持ちになることは容易に想像できるでしょう。
コロナウイルスの感染確率の高い場所から帰宅したパートナーを汚いものを見るような目で見てしまうこともあるかもしれません。
一方、危機意識が低い側は、「そんなに汚いものを見るような目で見なくても良いじゃないか」「自分のことが嫌いなのではないか」などと考え、価値観の違いが顕著に表れます。
また、プライベートならともかく、仕事で仕方なく満員電車に乗らなければならなかったり、人混みに出なければならないこともあります。
このような場合であっても否定的な言葉をかけられたり、汚いものを見るような目で見られてしまうと、「家族のために働いているのになぜこんな扱いを受けるのか」と考えることもあるでしょう。
コロナをきっかけとした離婚が増える理由④-育児のストレス増加-
新型コロナウイルスの影響で一斉休校の措置がとられました。在宅勤務によって夫婦で過ごす時間が増えるのと同様に、一斉休校により子供と過ごす時間も増えることになります。
幼い子供が家にいると「今日の昼食はどうしよう…」「子供1人で留守番をさせられない…」など、さまざまなことを考えなければならず、妻のストレスは増大します。
育児ストレスが増えたからといって直ちに離婚原因につながるとは限りませんが、夫婦間のストレスに育児のストレスが加わることで離婚原因に発展するリスクが高くなるのです。
コロナをきっかけとした理由で離婚ができるのか
ここまで、新型コロナウイルスをきっかけに離婚が増える理由を説明しました。では、これらの理由で離婚することはできるのでしょうか。
夫婦の話し合いで合意できれば離婚できる
基本的に、夫婦間の話し合いで合意できればどのような理由であっても離婚できます。話し合いで離婚が成立しない場合は離婚調停、離婚裁判(訴訟)へと進みます。
調停は調停委員を介して夫婦間で合意を図る方法ですが、裁判は裁判官に離婚の判断を委ねることになります。
裁判で離婚が認められるには民法上の5つの離婚理由が必要
裁判へ進んだ場合、民法で定める5つの離婚理由がなければ離婚が認められません。なお、民法で定める5つの離婚理由は以下となります。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 強度の精神病
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
関連記事≫≫
法律的に離婚が認められる要因は?|離婚の進め方と決めておきたいこと
「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまるかどうか
前述の5つの離婚理由のうち、コロナ離婚は「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかが重要になります。
「その他婚姻を継続し難い重大な事由」で離婚が認められるためには、不貞行為や悪意の遺棄といったほかの4つと同程度に重要とみなされなければ裁判で離婚は認められません。
コロナに対する価値観の違いだけでは離婚は認められにくい
ここまで説明したとおり、コロナ離婚の背景には夫婦の価値観の違いがあります。この価値観の違いが「夫婦関係が修復困難である」と証明できなければ、離婚は認められにくくなります。
一方、外出自粛によってDVやモラハラなどの被害が増えていると言われています。
DVやモラハラの頻度や程度によっては離婚が認められるケースもあります。詳しくは弁護士にお問合せください。
関連記事≫≫
性格の不一致で離婚したい!離婚するための注意点や方法を徹底解説。
明確な離婚理由がない場合の離婚の解決実績・解決事例が豊富な弁護士とは
夫(妻)の暴力から逃れたい! DVの証拠集めとうまく逃げる方法とは。
これってモラハラ?モラハラ相手と離婚するためには!
DV・モラハラは弁護士に!DV・モラハラの解決実績・解決事例が豊富な弁護士とは
まとめ
コロナ離婚について解説しました。
コロナウイルス禍のような緊急時は人間の内面や価値観が大きく表れます。しかし、価値観の違いだけで離婚を認めてもらうのは難しいと言わざるを得ません。
一方、コロナはあくまできっかけにすぎず、離婚にいたる理由はもっと別のところにあるケースもあります。
「自分の場合は離婚が成立するのか」など、詳しいことは離婚に強い弁護士にご相談ください。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を多数掲載しています。ぜひお役立てください。
都道府県から弁護士を検索する
離婚コラム検索
離婚のその他離婚理由のよく読まれているコラム
-
1位その他離婚理由弁護士監修2019.07.25姑が嫌いすぎて我慢できない!嫁姑問題を理由に離婚できるのか夫はうまくやっているけれど、姑との折り合いが悪い… 嫁姑問題は昔も...
-
2位その他離婚理由弁護士監修2020.09.11マタニティーブルーとは|妊娠中に離婚を考えてしまう理由と克服方法「マタニティーブルー」という言葉をご存じでしょうか。妊娠中や出産直後は子供が生ま...
-
3位その他離婚理由弁護士監修2021.05.27立会い出産は離婚率が高い?メリット・デメリットと離婚を回避するコツ立会い出産は、子供が生まれる感動や苦労を夫婦で共有することができます。しかし、立...
-
4位その他離婚理由弁護士監修2020.12.25帰宅恐怖症(帰宅拒否症)とは|改善法と離婚したいと言われたときの対処法「夫がまっすぐ家に帰ってこない」とお悩みの方もいるでしょう。特別仕事が忙しいわけ...
-
5位その他離婚理由弁護士監修2021.08.16旦那が逮捕されたので離婚したい|離婚手順と解決に向けてすべきこと何らかの理由で旦那が逮捕されたら、どうしたら良いのかわからず、パニックになってし...
新着離婚コラム
-
裁判・調停2024.10.28家事手続案内とは?家庭裁判所で相談できること、できない時の相談先家庭裁判所は家事事件と少年事件を扱う裁判所です。家事事件について悩みがあるものの...
-
財産分与2024.10.18株式の財産分与|評価方法や基準時、注意点を解説離婚の際、婚姻中に夫婦が築き上げた財産を公平にわけることになります。これを財産分...
-
その他離婚理由弁護士監修2024.09.27障害児の子育てを理由に離婚できる?離婚する前に考えるべきこと一般家庭と比べて障害児のいる家庭の離婚率は高いと言われています。これについて正確...
-
親権・養育費2024.09.25養育費に連帯保証人をつけることはできる?注意点と未払いを防ぐ方法近年、養育費の未払いが社会問題化しています。政府統計ポータルサイトe-Statの...
-
基礎知識弁護士監修2024.08.23祖父母は面会交流できる?孫との関係を守るポイントと改正民法を解説離婚によって子供と離れて暮らす側の親には子供と面会する権利があります。面会交流は...
離婚問題で悩んでいる方は、まず弁護士に相談!
離婚問題の慰謝料は弁護士に相談して適正な金額で解決!
離婚の慰謝料の話し合いには、様々な準備や証拠の収集が必要です。1人で悩まず、弁護士に相談して適正な慰謝料で解決しましょう。
離婚問題に関する悩み・疑問を弁護士が無料で回答!
離婚問題を抱えているが「弁護士に相談するべきかわからない」「弁護士に相談する前に確認したいことがある」そんな方へ、悩みは1人で溜め込まず気軽に専門家に質問してみましょう。