不倫の制裁|浮気をしている2人に社会的・合法的に制裁を与えるには
夫もしくは妻に不倫をされたと知れば、「裏切られた」という失望や怒りなどさまざまな感情が湧き上がってくるでしょう。
「浮気した2人に社会的制裁を与えなければ気が済まない」と策を練り、実行に移す方もいます。
しかし、これは一歩間違えれば違法行為になる可能性があります。
ここでは、合法的に浮気した2人へ社会的制裁を与える方法について解説します。
- 目次
社会的制裁を与えたいと思ったときに知っておくべきこと
社会的制裁とは、相手の社会的な立場や信用が失われるように仕向けたり、刑事罰が与えられるように制裁したりすることを指します。
映画やドラマなどでも不倫したことで、職場に不倫を暴露した内容の投書やメールが送られたり、近所に不倫の写真がばらまかれたりするシーンを見たことがあると思います。
こういった行為によって相手の社会的な信用が失われるように仕向けることが一般的な不倫の社会的制裁だと考える方もいるかもしれません。
しかし、こうした映画やドラマのような制裁は、名誉棄損やプライバシー侵害などの罪に問われてしまう可能性があります。
不倫に対する刑事罰は日本にはありません。そのため、何とかして社会的制裁を与えたいと考える気持ちはわかります。
しかし、前述の行動を取ることで、自分も罪に問われてしまえば制裁する意味がありません。
社会的制裁を与えたいのであれば、合法的に行う必要があるのです。
不倫・浮気の制裁方法
不倫や浮気への社会的制裁は合法的に行わなければ違法行為になる恐れがあります。
ここでは、合法的な不倫や浮気の制裁方法を紹介します。
不倫関係を絶たせる
制裁の1つに「不倫関係を絶たせる」というのがあります。
夫(妻)と離婚したくない場合であれば不倫関係をきっぱりと絶たせましょう。
不倫の証拠を活用しながら別れたくない旨を伝え、相手も離婚したくないという気持ちがあるのであれば不倫や浮気を繰り返さないための策を練ってください。
一方、話し合いでは不倫をやめてくれない場合、不倫の証拠を添え、夫(妻)のスマホなどから浮気相手に「連絡しないで欲しい」という警告を送る方法もあります。
そうすることで、浮気相手は不倫がバレたことへ恐怖や焦りを抱き、関係を解消する可能性が見込めます。
ただし、浮気相手に直接連絡をする際は、言動によって脅迫罪などに問われる恐れがあります。
そのため、弁護士に相談しながら慎重に行う必要があります。
離婚する
浮気をした夫(妻)が「離婚したくない」と言って泣きついてきている状態であれば、それを振り切り、離婚することも制裁になります。
「家族を裏切る夫(妻)は必要ない」と相手を突き放すことが、相手にとって大きなダメージとなるパターンもあるのです。
もちろん自分自身がどうしたいのかという気持ちも大切ですが、「浮気するような相手とは一緒にいれない」と考えるのであれば離婚することも検討してみてください。
慰謝料を請求する
合法的で自分にもメリットのある制裁方法といえば、やはり慰謝料請求です。
不倫の慰謝料は不倫されたことで受けた精神的な苦痛に対する損害賠償です。
不倫の慰謝料は夫(妻)だけではなく浮気相手にも請求することができ、配偶者と浮気相手が連帯して責任を負うことになります。
なお、不倫の慰謝料は婚姻関係にある場合だけではなく、婚約状態や内縁関係の場合も請求できます。
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不倫の慰謝料請求をしたい!夫(妻)や不倫相手に増額請求する方法。
浮気・不倫相手だけに慰謝料請求する方法と知っておくべき注意点
合法的に不倫の制裁を与えるならできるだけ高額な慰謝料を請求する
リスクを抑え、合法的に不倫の制裁を与えるのであれば、慰謝料請求を行いましょう。
とことん不倫の制裁を与えたいのであれば、できるだけ高額な慰謝料を請求すると良いでしょう。
高額な慰謝料を請求するためのポイントは以下のとおりです。
不倫・浮気の証拠を集める
慰謝料を請求するには夫(妻)と浮気相手の間に不貞行為があったという証拠が必要になります。
不貞行為とは、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことを指します。
ただデートをしていたというだけでは不貞行為とは認められず、肉体関係があることを立証できる証拠が必要です。
例えば、不倫関係の2人がラブホテルに出入りしている写真や動画、不貞行為を示すようなメールの文面、2人で宿泊したことを示すレシートや写真などが挙げられます。
こうした証拠がなければ慰謝料請求しても裁判では認められません。
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弁護士に依頼する
高額な慰謝料を請求するのであれば弁護士に依頼しましょう。
弁護士に依頼すれば、証拠の有効性の判断や適切な慰謝料の計算、相手方との交渉、裁判など慰謝料請求に関するすべての手続きを任せることができます。
慰謝料請求は自分だけですることも可能ですが、手続きが複雑なため、対応を間違えば慰謝料金額が少なくなってしまう可能性もあります。
少しでも高額な慰謝料を請求できるように、弁護士に依頼して適切な対応をとることが重要です。
不倫の制裁をする際の注意点
冒頭で述べたとおり、ドラマや映画などで描写される不倫の制裁は、実際に行えば違法行為になる可能性もあります。
不倫した2人を罰したいだけなのに、自分が罪に問われることのないよう次のことに注意しましょう。
SNSやネットで拡散してはいけない
SNSの普及によって個人情報が拡散されることもあります。
しかし、不倫の事実をSNSで拡散することは名誉棄損になる可能性があります。
名誉棄損とは、不特定もしくは多数の人に内容の真意と関係なく事実を示すことで一定の人の社会的評価を下げる行為を指します。
また、社会的な信用を失わせたとして侮辱罪に問われる可能性もあります。
近所や職場に言いふらしてはいけない
不倫相手の近所や職場に言いふらすなどのように、第三者に広く知らせる行為は名誉棄損や侮辱罪にあたる可能性があります。
また、職場にしつこく電話や訪問などを繰りかえせば、勤務先から業務妨害として訴えられる可能性もあります。
不倫・浮気の仕返しは絶対ダメ
夫(妻)に不倫されたからといって、自分も浮気を仕返すことで相手に気持ちを味わわせようと考える方もいるでしょう。
しかし、不倫や浮気の仕返しすることは、浮気した相手と同じ立場になります。
そのため、慰謝料請求や離婚などで裁判となった場合に有利な条件で進めることが難しくなってしまいます。
また、再構築を考えている場合、夫(妻)の気持ちが離れてしまう可能性もあるため、浮気の仕返しは絶対にやめましょう。
暴言・暴力・脅迫はNG
不倫された怒りで夫(妻)に暴力をふるってしまったり、暴言を吐いてしまったりすることもあるでしょう。
しかし、暴力は暴行罪に問われる可能性がありますし、暴言は侮辱罪や名誉棄損に問われる可能性があります。
また、浮気相手や配偶者を脅迫して浮気の代償や口止め料などの金銭を請求することも恐喝罪に問われるリスクがあります。
金銭を請求するのであれば、慰謝料を請求し、合法的に制裁を行いましょう。
不倫・浮気の制裁を考えたら専門家に相談
不倫や浮気をされれば腹が立つことは当然ですし、制裁を与えたいという気持ちも理解できます。
しかし、感情的に行動へ移すのではなく、まずは専門家に相談することが大切です。
離婚カウンセラー
不倫や浮気で頭の整理がつかない場合や、日々の生活が辛いと感じるようであれば、精神的に限界が来ているサインかもしれません。
このような場合、離婚カウンセラーに辛い気持ちを聞いてもらうことで、精神的なサポートを行ってもらえます。
なお、離婚カウンセラーは離婚に向けたサポートだけではなく、夫婦関係を再構築する目的でも利用することができます。
探偵
慰謝料請求や離婚のために、自分で不貞行為の証拠を集めることは困難です。
この場合、探偵に浮気調査を依頼すれば有効な証拠を集めることができます。
探偵に依頼する前に弁護士に相談すると提携する探偵や興信所を紹介してもらえるケースもあるため、弁護士に相談しながら決めるのも良いでしょう。
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弁護士
どのようにすれば合法的に制裁を加えられるのか知りたい場合や、慰謝料請求や離婚を有利に進めたい場合は弁護士に相談しましょう。
弁護士は法律の専門家ですので、離婚や慰謝料請求の手続きだけではなく、相手方との交渉や法的なアドバイスまで幅広くサポートしてもらうことができます。
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まとめ
夫(妻)が不倫に浮気をされ、「制裁を加えたい」と思う気持ちはわかります。しかし、不倫の制裁にはリスクもあります。
夫(妻)や浮気相手に制裁を加えたいと思うのであれば慰謝料請求など合法的な制裁を選ぶことが大切です。
慰謝料請求や離婚手続きは弁護士に相談しながら進めることが重要です。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚や慰謝料請求に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
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