離活とは|離婚したいと思ったらすぐにやるべき下準備と知っておきたいこと
就活にはじまり、婚活、妊活、就活と「〇活」という言葉が増えています。「〇活」のなかには、2021年にドラマ「リコカツ」で話題になった、離活という言葉もあります。
この記事では離活とはどのようなものか、離活を始める前に考えることなどについて解説します。
離婚をお考えの方、離婚のために何から準備をすればいいかわからないという方は最後までお読みください。
- 目次
離活とは
離活とは「離婚活動」の略で、離婚に向けた準備や活動のことを言います。
具体的には、離婚したいと考えている人が離婚の基礎知識を学んだり、離婚後の生活に向けて仕事を探したり、住居を探したりすることを指します。
離婚は新しい人生の再スタート
離婚というとネガティブな印象を抱きがちですが、あくまで人生を再スタートさせるためのきっかけにすぎません。本当に重要なのは離婚後に自分らしく、生き生きと生活できるかどうかです。
自分らしさを取り戻し、新しい人生を再スタートさせるためにも、これまでのことをすべて離婚の段階で決着できるようにしっかりと準備を行いましょう。
信頼できる相談相手を確保しよう
離婚を切り出すわけですから、どうしてもマイナスな内容を話し合うことになります。
離婚の話し合いを続けるうちにネガティブな感情に陥ることもありますが、「自分らしい人生を再スタートさせるため」と言い聞かせ、前向きに捉えることが大切です。
もちろん、話し合いが長引いたり、問題が大きくなったりすれば目標を見失い、心が折れることもあるでしょう。
そのようなときは、親や友人など信頼できる人に相談したり、頼ったりすることも重要です。
周りに相談できる人がいないという場合は離婚カウンセラーや弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。
離婚を切り出す前にすべきこと
離活をせず、いきなり離婚を切り出すのは大変危険です。以下、離婚を切り出す前にすべきことについて解説します。
共有財産を把握する
離婚する際、婚姻中の夫婦の共有財産を公平にわけることになります。これを財産分与と言います。
財産分与を正しく行うためには夫婦の共有財産を正確に把握しておく必要があります。
相手方名義の財産であっても財産分与の対象となる可能性があるため、相手方名義の財産もすべて把握しておきましょう。
いざ離婚を切り出してしまうと、相手方が財産を隠してしまう恐れがあります。離婚を切り出す前に早い段階で調べておき、証拠となるもの(通帳や給与明細書のコピーなど)を取っておきましょう。
なお、財産分与は現金や預貯金だけでなく、有価証券や車、不動産なども対象となります。
離婚原因がある場合は証拠を集める
離婚の原因が不貞やDV・モラハラなどの場合、離婚原因を作った側に対して慰謝料を請求できます。慰謝料を請求するためには離婚原因があったことを立証できる証拠が必要です。
- 不貞の場合
- ラブホテルに二人で出入りする写真や動画
- ラブホテルの領収書
- 肉体関係があったことを自白する音声や手紙 など
- DVの場合
- DVによるケガの写真や動画
- DVによるケガの診断書
- 警察や配偶者暴力支援センターなどへの相談記録 など
- モラハラの場合
- モラハラ行為の音声や動画
- 精神科などの医師の診断書
- 相手方から送られてきたメールやメッセージ など
上記のほかにも証拠として有効な場合があります。
また、直接的な証拠でなくても複数組み合わせることで離婚原因を立証できることがあります。詳しくは弁護士にご相談ください。
離婚後の生活拠点や住居の確保
離婚後に住む場所を確保しておきましょう。離婚後の就業先や家賃、子供を連れて離婚するのであれば保育園や学校など総合的に考えて決めるようにしましょう。
離婚後の生活設計を立てる
離婚後の生活にいくらかかるのかを計算し、十分な収入が得られる仕事に就いておきましょう。小さな子供がいる場合は子育てと両立しやすい仕事を選ぶことも大切です。
離婚後の状況によっては公的支援を利用できるケースもあります。どのような支援を受けられるのかリストアップしておきましょう。
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父子家庭が利用できる手当|内容や金額を把握して支援を受けるコツ
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離婚手続きに必要な書類を把握しておく
離婚して苗字や住所が変更になると住民票や健康保険、年金などの変更手続きが発生します。また、免許証や金融機関、クレジットカード、携帯電話などの名義変更も必要です。
子供がいる場合は子供の戸籍や学資保険などの手続きも必要です。離婚の際にどのような手続き・書類が必要か把握しておきましょう。
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離婚手続きの手順4ステップ|協議離婚の流れと離婚の進め方
弁護士に相談する
離婚を切り出す前に弁護士に相談しておくことも重要です。
「離婚前に弁護士に相談するのは早すぎではないか」と思われるかもしれません。しかし、仲が良かったときはスムーズに話し合いができた夫婦であっても、離婚となるとそう簡単には行きません。
こちら側は「揉めるような内容はない」と思っていても相手方はそう思っていない可能性があります。
「離婚が成立しそうか」「慰謝料は取れそうか」「養育費の不払いを防ぎたい」など、離婚を切り出したあとの見通しや切り出し方など、弁護士に相談してアドバイスを受けておくと良いでしょう。
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離婚問題で弁護士に聞くこととは?有意義な相談にするための心構え!
離活を始める前に考えること
離活を始める前にぜひ考えるべきことがあります。
問題解決のために夫婦で十分に話し合ったか
離婚する夫婦のほとんどが性格の不一致を理由に離婚しています。DVやモラハラ、不貞などが理由の場合は別ですが、離活を始める前に十分に夫婦で話し合いを行ったのか今一度考えましょう。
離婚する夫婦の共通点としてコミュニケーション不足があります。相手に対して不満に思っていることや直してほしいところをきちんと伝え、冷静に話し合いを行いましょう。
夫婦の話し合いが難しい場合は、夫婦カウンセラーや円満調停などを行うことも検討すると良いでしょう。
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離婚の危機を乗り越えて夫婦関係を修復する方法とやってはいけないNG行動
夫婦円満調停とは|調停の流れや手続き方法、離婚調停との違いを解説
離婚して幸せになれるのか
離婚すれば必ず幸せになれるとは限りません。離婚後の生活を想像し、離婚して幸せになれるのかを考えましょう。
当然、離婚にはメリットもデメリットもありますが、一番大切なのは「離婚して幸せになれるのか」ということです。
「離婚して幸せになれるのか」を考える際は、以下のように精神的な側面と物理的な側面の両方で考えることが大切です。
- 離婚したことを後悔することはないか
- 子供は両親の離婚に納得しているか
- 離婚後に困窮することはないか
- 離婚後に頼れる人がいるか
- 両親や兄弟は離婚について理解があるか など
長期的な視点で考えているか
離婚後、しばらくの間は解放感で満たされるかもしれません。しかし、今は人生100年時代です。離婚して数十年経ったときにどうなっているかまで考えなければなりません。
離婚直後は何とかなったけど、10年後には困窮してしまうケースもあります。離婚する際は10年、20年と長期的な視点で考えて計画を立てましょう。
離婚の進め方
離活を行ったら、以下の手順で離婚の手続きを進めていきます。
話し合い
まず夫婦で離婚の話し合いを行います。 離婚や離婚条件について双方合意ができれば離婚が成立します。これを協議離婚と言います。
離婚調停
離婚の話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。 離婚調停とは調停委員を介して話し合いを行う離婚の手続きです。 離婚調停は裁判所を利用しますが、あくまで話し合いで合意を図る方法です。そのため、合意できなければ調停は成立しません。
離婚裁判
離婚調停でも離婚が成立しない場合は離婚裁判へと進みます。ただし、裁判で離婚を認めてもらうためには、民法で定める以下の離婚事由が必要です。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上生死不明
- 回復の見込みがない強度の精神病
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
不倫は不貞行為、生活費を入れないなどは「悪意の遺棄」、DVやモラハラなどが原因の場合は「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかが問われることになります。
いずれも離婚原因を立証できる証拠を集め、裁判所に離婚を認めてもらう必要があります。詳しくは弁護士にご相談ください。
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悪意の遺棄とは|夫(妻)に離婚や慰謝料を請求する方法
夫婦(婚姻)関係の破綻とは|法的な定義と離婚を成立させるポイント
まとめ
離婚すると決めたら、相手方に切り出す前にしっかりと離活を行いましょう。
離活において、自分一人で財産を正確に把握したり、法的に有効な証拠を確保したりすることが難しいケースもあります。また、どのような証拠を集めれば良いかなどがわからないこともあります。
このような場合は早い段階で弁護士に相談し、アドバイスを受けながら離活を進めることが重要です。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚や男女問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。離活を行う際はぜひお役立てください。
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