夫(妻)の不倫で離婚|離婚で後悔しないために不倫された人が知るべきこと
今も昔も不倫は離婚原因として挙がるものの一つです。不倫といえば、男性がするものというイメージがありますが、最近は女性の不倫も珍しいものではなくなりました。
この記事では、夫や妻に不倫され、離婚を考えたときにどう対処すれば良いのかについて解説します。
- 目次
不倫が原因で離婚する夫婦はどのくらい?
不倫が原因で離婚する夫婦はどのくらいいるのでしょうか。
参考:裁判所「19 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所」
平成29年の司法統計によると離婚原因で最も多いものは男女とも「性格の不一致」でした。ほかの離婚理由と比べて、「性格の不一致」を理由に離婚する夫婦が圧倒的に多いことがわかります。
一方、男性の約14%、女性の約17%が配偶者の異性関係を理由に離婚していることもわかります。
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不倫がバレるきっかけで多いものとは
いくら隠しているつもりでも、案外不倫はバレるものです。不倫がバレるきっかけとしては以下のようなものがあります。
- スマホを気にするようになった
- 外出が増えた
- お洒落に気を遣うようになった
- お金の使い方が変わった
- 態度や振る舞いが変わった
- 不倫現場を目撃された など
不倫されたと気付いたときに取るべき対応
不倫されていることに気づいたらショックですよね。しかし、まずは落ち着きましょう。怒りに任せて行動するとこちら側が不利になることがあります。では、どうすれば良いのでしょうか。
不倫の証拠を集める
大前提として、あなたの配偶者は本当に不倫をしているのでしょうか。「態度が変わった」「外出が増えた」といっても、不倫しているという確証はないですよね。
本当は不倫をしていないのに「不倫してるでしょ!」と問い詰められたら、「信用されていない」「そんな男(女)だと思われていたのか」と悲しくなってしまいますよね。
このようなことが続くと、夫婦の信頼関係も揺らいでしまいます。
また、実際に不倫をしていたとしても、確固たる証拠がなければ相手は白を切ることができます。さらに、「勘づかれた」と思って、不倫の痕跡を隠したり、処分することもあります。
いずれにせよ、不倫されたと思ったら、不倫を示す証拠をできるだけ多く集めることが大切です。
なお、一般的には不倫という言葉が用いられますが、離婚理由としては不貞行為という法律用語を用います。不倫を立証するためには、不貞行為(配偶者以外の異性と性的関係を持つこと)があったという証拠が必要になります。
不倫と同様に用いられる言葉に「浮気」があります。明確な定義があるわけではありませんが、浮気と不倫は以下のように使い分けされることが多いです。
- 浮気:既婚かどうかに限らず、パートナー以外の異性と親密な関係になること
- 不倫:既婚者が配偶者以外の異性と親密な関係になること
場合によって、浮気と不倫を同義とあつかうこともあります。また、既婚者以外の異性と肉体関係を持つことを不倫と呼び、不貞行為と同じ意味であつかうこともあります。
この記事では不倫と不貞行為を同義として用いています。
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今後の夫婦関係をどうするか考える
証拠を集め、配偶者が不倫をしていることが明らかとなったら、今後、夫婦関係をどうしていくかを考えます。具体的には下記のどちらを選択するかを決めることになります。
- 不倫を解消してもらい、夫婦関係を修復する
- 離婚する
どちらを選択すべきかは、子供の有無や経済状況、不倫の程度などによって異なります。行動を起こす前に慎重に考えましょう。
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離婚すると後悔するケースもある
不倫されたら「すぐ離婚したい!」と思うかもしれません。しかし、不倫されたからといってすぐに離婚すると後悔するケースもあります。
- 離婚後、復縁したくなった
- 子育てしながら働き続けて身体を壊した
- 離婚して経済的に困窮した
- 離婚によって子供の精神面に影響があった(性格が暗くなったなど)
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不倫を理由に離婚する場合
不倫のすえ、離婚を選択すると決めたら、事前に考えておくことや決めるべきことがあります。具体的には以下のようなものがあります。
- (子供がいる場合)親権者
- (子供がいる場合)養育費
- 財産分与
- 慰謝料 など
未成年の子供を持つ夫婦が離婚する際、親権者を決めなければ離婚することができません。そのため、離婚前に親権者を決めておく必要があります。
親権者以外の項目は離婚後に決めることもできます。しかし、離婚して配偶者と離れて暮らすようになると、話し合いの場を持ちにくく、思うように話し合いが進まないこともあります。
また、①財産分与は離婚から2年、②慰謝料請求は離婚時から3年で時効により請求できなくなるため、注意が必要です。また、③年金分割請求についても、離婚から2年以内に手続きをする必要がございますので、ご注意下さい。
離婚後の生活を考慮して、離婚前にしっかりと話し合いましょう。
なお、離婚前に決めておいたほうが良いことは家庭ごとに異なります。例えば、婚姻中に収入の多い側が厚生年金に加入していれば年金分割ができます。離婚前に別居する場合は婚姻費用を請求できます。
どのようなことを決めておくべきかは弁護士に相談すると良いでしょう。
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子供がいる場合は親権者を決める
前述のとおり、未成年の子供がいる場合は、離婚前に親権者を決めなければなりません。
どちらが親権を持つかは話し合いで決めることになりますが、話し合いで決まらない場合は離婚調停に進みます。
離婚調停は、調停委員や裁判官を介して夫婦で話し合い、解決を図る方法です。離婚調停で親権者が決まらない場合は離婚裁判を行い、裁判所に親権者を決めてもらいます。
なお、裁判で親権者を決める際は以下のような内容を総合的に鑑みて判断します。
- 監護の継続性
- 監護能力
- 監護実績
- 居住環境
- 監護補助者の有無
- 子供の意思
- 兄弟不分離の原則
- 親権者が肉体的・精神的に健康であるかどうか など
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不倫したかどうかは親権者指定にほとんど影響しない
親権者を決める際、離婚原因はほとんど考慮されません。離婚はあくまで夫婦の問題です。子供の福祉と両親の離婚の問題は区別して考えられます。
一般的には親権獲得は母親が有利と言われます。母親の不倫が原因で離婚するケースであっても、母親のほうが監護能力や監護実績が多いと母親のほうが親権獲得で有利となるのです。
ただし、離婚原因が暴力である場合は例外です。子供の前で親が暴力を振るうことは面前DVに当たり、子の福祉に反します。そのため、暴力を振るう親は親権者としてふさわしくないと判断されます。
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養育費の支払いについても離婚時に決めておく
親権を獲得できず、子供と離れて暮らすようになったとしても、親子であることに変わりはありません。そのため、離婚後、親権を持たない親は親権者に養育費を支払う義務があります。
前述のとおり、親権は母親が獲得するケースが多いです。一方、母子家庭への養育費の支払いは2割程度と言われており、養育費の不払いが社会問題となっています。
離婚後の養育費の不払いを防ぐには離婚前に養育費についてしっかりと話し合い、取り決めた内容を公正証書として残しておくことが大切です。公正証書については後述します。
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離婚理由に関わらず財産分与を行う
離婚時は婚姻中の共有財産を夫婦で公平に分けることになります。これを財産分与と言います。財産分与は離婚理由に関わらず行われます。
財産分与の対象となるもの
財産分与は、現金や預貯金だけでなく、家財道具や不動産なども対象となります。
一方、財産分与の対象となるのはプラスの財産だけではありません。借金や住宅ローンなどマイナスの財産も夫婦で公平に分けることになります。
財産分与の対象とならないもの
以下のようなものは財産分与の対象となりません。
- 結婚前の預貯金
- 親族からの相続財産 など
上記のように、財産分与の対象とならない財産は特有財産と呼ばれます。
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不倫が理由で離婚する場合は慰謝料請求できる
不倫など、夫婦のどちらかに離婚原因がある場合、離婚原因を作った側に対して慰謝料請求ができます。不倫の慰謝料金額は夫婦で合意できればいくらでも請求できますが、一般的には以下の内容を考慮して決まります。
- 不倫の期間の長さ
- 不倫の頻度
- 不倫前の夫婦関係
- 婚姻期間の長さ
- 収入や資産
- 未成年の子供の有無や人数
- 離婚するかどうか など
不倫の慰謝料相場
不倫の慰謝料相場は100~300万円と言われていますが、状況によって500万円程度の金額になることもあります。どのくらいの金額を請求できるのかは弁護士に相談することをおすすめします。
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不倫相手にも慰謝料を請求できる
不倫の場合は不倫をした配偶者だけでなく、不倫相手にも慰謝料請求ができます。不倫の慰謝料は必ず二人に請求しなければならないわけではありません。どちらか一人にだけ請求することもできます。
ただし、慰謝料は不法行為に対して発生するものなので、二人に請求した場合も一人に請求した場合も受け取る金額は変わりません。
離婚の話し合いで決めたことは離婚協議書として残す
離婚について話し合ったら離婚協議書を作成して取り決めた内容を残しておきましょう。
離婚は口約束だけでもできますが、離婚後、「そんなことは言っていない」などと揉めないように取り決めたことを書面で残しておくことが重要です。
離婚協議書は公正証書にしておく
離婚協議書は取り決めたことの証拠にはなりますが、離婚後に約束事が履行されない場合に相手方の銀行口座などを差し押さえ(強制執行)することはできません。
そこで、離婚協議書を作成したら公正証書にしておくことをおすすめします。公正証書とは公証人が作成する公文書のことです。
離婚協議書を公正証書にする場合は、公証役場に出向く必要があります。公証役場は平日の日中しか開いていないため、仕事をしている人は仕事の都合をつけて出向く必要があります。
不倫されたと気づいたときにやってはいけない行動
配偶者に不倫され、離婚すると決めたらすべきことがたくさんあります。しかし、対応を間違えるともらえるものがもらえなくなったり、話し合いが進まなくなることもあります。
不倫されたと気づいたときにやってはいけない行動について以下で詳しく説明します。
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いきなり問い詰めてはいけない
冒頭で説明したとおり、証拠もないのにいきなり問い詰めてはいけません。本当に不倫していたとしても、証拠がなければ白を切られてしまうこともあります。また、不倫の証拠を処分されることもあります。
不倫を理由に離婚を考えるなら証拠が非常に重要になります。まずは不倫を立証できる証拠を集め、今後どうしていきたいのか考えましょう。
見て見ぬふりをしてはいけない
不倫されたことに気づいているのに、見て見ぬふりをするのもいけません。配偶者の不倫を放置した結果、不倫相手が本気になって略奪されたり、不倫相手との間に子供ができる可能性もあります。
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子供を置いて家を出て行ってはいけない
不倫されれば、相手の顔なんて見たくないという気持ちにもなるでしょう。
しかし、子供の親権を獲得したいと考えるのなら、子供を置いて家を出てはいけません。前述のように親権は子供の監護実績が考慮されます。別居を検討する場合は子供を連れていくことが重要です。
仕返しは絶対にNG!
「向こうが不倫しているんだから、こっちだって不倫してやる!」 不倫され、怒りに任せて仕返しをしたい気持ちはわかります。しかし、不倫は違法行為です。法律に則り、正しく対処する必要があります。
不倫を理由に離婚を考えたら弁護士に相談
配偶者の不倫を理由に離婚を考えたら弁護士に相談することをおすすめします。
不倫を理由に離婚するなら証拠集めが重要です。しかし、どのような証拠を集めれば良いか判断に迷うこともあるでしょう。
さらに、慰謝料を請求する場合はどのくらい請求できるのか、どのように配偶者と交渉すれば良いのかわからないこともあるでしょう。
また、当事者同士で離婚の話し合いを行うと、感情的になってしまい、話し合いがスムーズに進まないこともあります。
このようなとき、弁護士に相談すればどう対処すれば良いのかアドバイスしてもらえます。
不倫した相手との交渉はストレスそのもの。弁護士に交渉を依頼すればストレスを軽減することにつながります。また、弁護士は法的な知識が豊富ですので、話し合いもスムーズに進みやすくなります。
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当サイト掲載弁護士に相談して離婚問題が解決した方の解決事例は以下です。
当サイト掲載弁護士に相談して解決した方の口コミは下記です。
まとめ
不倫されたときの対処法について解説しました。不倫されたことに気づいたら、まずは落ち着きましょう。そして、不倫の証拠を集めることが大切です。
どのような証拠を集めれば良いか、どう対応すれば良いか悩んだら離婚問題に強い弁護士に相談することが重要です。
当サイト「離婚弁護士相談リンク」は離婚問題に強い弁護士を厳選して掲載しています。ぜひお役立てください。
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